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世界史B
世界史はやや詳しい高校の世界史教科書の記述の範囲内で出題するよう努力しています。問題の形式は全学部統一日程入学試験では全問マークセンス方式で、一般入学試験T方式およびS方式ではマークセンス方式を主として、それに簡単な歴史的語句を記述する問題をあわせて出題しております。この形式はこれまで10年余にわたって行われてきましたが、今後も当分続くと思ってよいでしょう。
マークセンス方式の問題は、単に暗記力をためすのではなくて、むしろ教科書の章立てを越えた幅広い観点から問題文を作成し、総合的な理解力、思考力を見ることにつとめています。テーマは東洋・西洋の政治史・社会経済史・文化史・考古学などの各分野にわたり、これに東西交渉あるいは東洋と西洋の比較などの要素を加えています。また、各国史・地域史や二国間ないし多国間交渉史など、様々な視点からも出題しています。なお、マークセンス方式の問題としては、長文を読ませる形式のほか、事項・年代・地図・写真などの組み合わせもときどき試みています。
歴史的語句の記述については、漢字・カタカナを問わず、表記の正確さが何よりも要求されます。特に漢字の場合には、当用漢字の範囲を超えたものもあります。これらは歴史上の固有名詞であるがゆえに正確に記されることが求められます。なお記述・表記の様式について特別の注文(例えば、字数を指定するなど)をつけ、注意力をためす場合もあります。教科書の記述のなかでは、ゴシック体で書かれた語句などには特に留意する必要がありましょう。なお、記述式の問題を以前より重視し、配点の比重を高くし、全体の2割程度になっています。
最近数年間の出題傾向を見ますと、中国の政治・経済史やシルクロード関係の東西交渉史・仏教史などがやや目立ちます。また西洋史では社会経済史・キリスト教史・外交史が比較的多かったように思います。また東西の中間に位置する中央アジアや西アジア(オリエント・イスラム・アラブ)の世界は独立した文化圏として、また東西交流のうえできわめて重要な位置を占めています。この地域に関する出題は最近ふえてきましたが、今後さらに重視したいと思います。そのほか北方アジア・インド・東南アジア・東ヨーロッパ・中南米・アフリカなどについても、多少とも出題されてきました。また、考古学的な遺跡遺物、金属器の伝播、文字の種類と普及など、やや特殊なテーマも扱われました。史料や図表・写真なども出題されました。総じて出題の時代傾向としては、原始・古代より近現代まで、できるだけバランスをとるように配慮してきました。
以上の出題傾向から、本学では何か特別の分野を重視することはないと見ていただけると思います。したがって学習にあたっては、教科書を繰り返し熟読し、歴史的事項を縦横に駆使し、世界史を立体的に把握することができるように心がけることが大切です。いうまでもなく、政治制度・経済現象や宗教上の組織・教理などの用語は、その表現とともに意味内容を正確に理解する必要があります。ただしあまり細かい事項をやたらと暗記する必要はないでしょう。
出題者は、この入学試験が単なる選抜のために終わることなく、むしろこれを機に受験生が将来、国際的感覚を身につける契機となるよう希望します。すなわち、そのためには、それぞれの民族、国家は幾世代にもわたり、たどって今日にいたったのみならず、それら諸民族、諸国家はけっして単独にあったのではなく、互いに影響しあって現在にいたったのであるという人類悠久の世界の歴史を正しく認識することが必要不可欠であり、それを学ぶための貴重な機会であると考えるからです。
受験生の健闘を祈ります。
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