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主任挨拶

「勉強」という二文字は、中国語では「無理やり」という意味になります。誰かの指示に従って、やり方を覚えて、「正しい」とされる答えを出すことが、一般的な「勉強」のスタイルなのかもしれません。しかし「学び」は違います。とりわけ社会学の学びは、「指示に従う能力」を身につけるよりも、「より望ましい状態とは何か」に対する感性を磨き、自分から問いを発する力、その問いを追求する力、そして説得力のある自分なりの答えを見出す力を身につける学問です。私たちが生きる社会は、「正しい答えがない」ことのほうがむしろほとんどなのです。「指示を正しくこなす」だけの存在は、部品のようにいつでも取り替え可能です。そんな世の中で「自分ならでは」の居場所とスタイルを獲得するためには、物事を捉える「あなたならでは」の視点と、その視点に基づいて物事を解釈する力、他の人が納得するように表現する力がなければなりません。「社会学」は、特定の職業に従事するための予備コースではありません。あなた自身が自らの生き方とスタイルを模索していける「芯」となる力を育む学問なのです。

だからと言って、社会学は決して抽象的なのではありません。例えば、学校でのいじめの問題、スクールカーストの問題、家庭での子育てや介護の問題、居住する地域のまちおこしの問題、プロスポーツの人気の変化、音楽やライブハウスの流行、旅とレジャーの傾向など、私たちの日常生活にある身近な問題が研究の対象になります。もちろんそれにとどまらず、グローバル化に伴う労働問題や国際紛争に関わる問題、マスメディアとソーシャルメディアの社会的影響、若者文化、社会的格差の問題、性的少数者やジェンダーに関わる問題、少子・高齢化の問題等々、日本社会全般および世界レベルの問題に至るまで、私たちの生活世界、社会に関わる事象や問題であれば、あらゆるものが社会学のテーマになり得ます。社会学は、社会現象の背後の「しくみ」を明らかにする過程を意味します。どんな「社会現象」に着目するかはあなた次第です。なぜその現象に注目するのか、その背後にどんな見えやすい関係性および見えにくい関係性が見出せるのか、緻密で説得力のある調査と解釈によって、あなたなりの答えを出すことが、あなたの「社会学」なのです。その過程は同時に、「自分ならではとは何だろう」を探求しつづけるプロセスでもあります。

本専攻では、多岐にわたる研究関心に対応できるスタッフがそろっており、学生の皆さんがそれぞれ「自分の問い」「自分の視点」を獲得し、社会学の調査と解釈の技法を身につけ、自分ならではの研究テーマを追求できるようにサポートしております。各人の研究テーマを追求していく基礎体力を培うために、まずは、個人の行為や集団、社会を複眼的、多面的に理解するための「社会学的なものの見方や考え方」、「分析的、論理的思考」を学びます。そして、社会の現実を知るための手法として「情報処理の技術」と「社会調査の方法」を習得します。さらに、情報を科学的に分析する「分析力」、その結果をまとめ、他者に発信するための「表現力」と「説得力(情報発信力)」を身につけます。こうして身につけた社会学的なものの見方や方法を駆使して、「あなたならでは」の研究テーマを追求していくことになります。 「会社員」になるための「勉強」ではなく、「あなた自身」になるための「学び」を、一緒にしていきましょう。


駒澤大学社会学科社会学専攻主任 李 妍焱

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