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主任挨拶

社会学と聞いてあなたは何を思い浮かべるでしょうか。「社会学は何をする学問かよく分からない」とよく聞きます。確かに、経済学や政治学は何となくイメージできますが、社会学の場合、皆さんが中学・高校で習った社会科と結びつけると少し分かりにくいかもしれません。「社会を学問する」とはどういうことでしょうか。

まず社会とは何でしょう。辞書では、社会は「家族や帰属する組織・団体などを単位として生活を営む人々の集団」(『新明解国語辞典』)と定義づけられています。つまり、私たち個人が集まって形成されているのが社会であり、その社会の仕組み、構造、共有されている意識を分析するのが社会学です。社会学は、個人と個人の相互作用に焦点をあてるミクロな分野から、家族や地域、国家など、より大きなマクロな集団までを研究対象としています。私たちは社会のなかで生きています。他者や集団との関わりのなかで存在しているのであり、社会学では人間と社会との関係性に焦点をあてて、社会事象を解明し社会の成り立ちについて理解します。

社会学が扱う題材は私たちの身の回りにあります。例えば、グローバル化による社会の流動化・分断、変容する家族の姿やLGBTに対する意識、労働力の減少と働く意識の変化、子どもの貧困、階層の固定化、人口減少社会、若者の社会参加、SNSによる若者のコミュニケーションの変容…こうした国内外の諸問題が研究対象となりますし、マンガやアニメといったサブカルチャーやスポーツも社会学は扱います。いわば、あらゆるものが社会学のテーマとなるのです。

以上のような幅広い領域を扱うにあたり、本専攻では基礎から応用までの体系的なカリキュラムが組まれています。学生は、個人の行為や集団、社会を複眼的、多面的に理解するための「社会学的なものの見方や考え方」、「分析的、論理的思考」を身につけたうえで、より専門性の高い個々の分野を学び社会学の理解をさらに進めます。このなかで、本専攻では学生自身が主体的、積極的に学び考える姿勢を大事にしていて、少人数教育とフィールドワークを重視しています。1年次から少人数の演習形式の授業を取り入れ、2年後期からは専任教員ごとのゼミが始まります。ゼミ活動は大学生活の醍醐味であり、丁寧な指導のもとで調査研究やフィールドワークを展開します。

フィールドワークを行うためには調査の技法習得が必須です。本専攻では社会調査の基礎知識を理解した後に、量的・質的調査の技法を学び、ゼミや卒業論文において実践します。このカリキュラムは、社会調査協会から社会調査士の資格認定を受けていて、無理なく社会調査士が取得できます。また、ゼミでの共同研究や実際に現場に出てのフィールドワークは社会を多面的に理解することを可能にし、「問題解決能力」や「情報発信力」を高めてくれることでしょう。そして、最終的な目標が学生生活の集大成となる卒業論文の執筆です。みなさんは、これまでに学んだ社会学的なものの見方や方法を駆使して、「あなたならでは」の研究テーマを追求していくことになります。

大学における学びと高校での学びの違いは、答えがない問いを突き付けられることです。高校までは、問題に対して的確にアウトプットすることが求められました。しかし、大学では「問い」を見つけるのも自分自身です。模範解答はありません。自分自身の身の回りの出来事を題材に、何が問題かを考え、調査し、分析し、答えを導く。この営みは簡単ではありませんが「ワクワクする知の経験」でもあります。

社会学を学ぶことは、常識や当たり前を疑って新たな気付きを与え、さらには、社会で生きてゆく力を獲得するものでもあります。本専攻で培う自ら考えて解決の方策を導く力は大きな武器となり、先行き不透明な社会で生き抜く羅針盤となるはずです。

さあ、みなさん、社会学がいざなう「スリリングな知の旅」への一歩を踏み出しましょう。


駒澤大学社会学科社会学専攻主任 深澤弘樹

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