2000.09.16更新

形容する語〔形容詞・形容動詞〕の対応語にみる縁

萩原 義雄

  強調語

1、自然現象の対応語に見る強調

【暑】のシソーラス

【暑し・暖かし・暖まる・温まる・ぬるむ】

 暑い(アツイ)

あつき【暑】「暑き日を海に入れたり最上川」(あつきひをうみにいれたりもがみがは)《出典》奥の細道・酒田《作者》芭蕉(バショウ)《訳》暑い一日であったが、その暑さを滔々(トウトウ)と流れる最上川が海に流し入れてくれた。そのせいか、河口のあたりはようやく夕方の涼味が感じられることだ。《季語》 暑き日(夏)。《参考》初案は「涼しさや海に入れたる最上川」。改案では、「涼しさ」の語を用いずに、涼味を感じさせる句となるように努めている。〔名句辞典〕

あつき【熱】「身もあつき心地して」《源氏物語・夕顔》《訳》体も熱がある気持ちがして。

 

  暑苦しい・熱苦しい(アツクルシイ)

あつかはし【暑】「なほ、け近くてあつかはしや」《源氏物語・常夏》《訳》(灯籠(トウロウ)は)やはり近くて暑苦しいことよ。

あつかはし【暑】「いと、あまりにあつかはしき御もてなしなり」《源氏物語・蛍》《訳》まったく、あまりにわずらわしいほどのご対応です。

  暑さ(アツサ)

  熱れ(イキレ)

  茹だる(ウダル)

  炎暑(エンショ)

  炎天(エンテン)

  炎熱(エンネツ)

エンネツ【炎熱】後ニ扇キノ詩ヲ作タソ。常恐秋節ノ至テ、涼風(リヤウー)奪ンコトヲ炎熱(エンネツ)ヲ。《『蒙求抄』巻六「斑女辭輦」564D》

  苦熱(クネツ)

  激暑・劇暑(ゲキショ)

  厳暑(ゲンショ)

  酷暑(コクショ)

あつき【暑】既にその年もうち過ぎ、夏暮れゆけば、水無月も中の五日の暑き日に、田の草取りに出で給ふ。《舞の本『入鹿』》《訳》旧暦六月十五日、酷暑日に。

  極暑(ゴクショ)

  酷熱(コクネツ)

  極熱(ゴクネツ)

ゴクネツ【極熱】さればにや、かすがを春の日と書事は、夏の日は極熱(ごくねつ)す。秋の日は短く、冬の日は寒けし。《舞の本『大織冠』一五L》

  残暑(ザンショ)

  三伏(サンプク)

  灼熱(シャクネツ)

  暑(ショ)

  暑歳(ショサイ)

  消夏・銷夏(ショウカ)

  焦熱(ショウネツ)

  暑気(ショキ)

  暑気中り(ショキアタリ)

  暑中(ショチュウ)

  暑熱(ショネツ)

  大暑(タイショ)

  熱(ネツ)

  蒸し暑い(ムシアツイ)

  蒸し蒸し(ムシムシ)

  むんむん

  猛暑(モウショ)

  【暑伏】ショフク

  【炎暑】エンショ

 

【涼】のシソーラス【寒し・涼し・冷たし・冷ゆ】

  涼しい(スズシイ)

すずし【涼し】「朝露によごれてすずし瓜(ウリ)の泥(ドロ)―芭蕉」《笈日記・俳諧》《訳》夏の早朝、とったばかりでまだ泥のついたままの瓜の表面が朝露にぬれ、いかにも涼しげな風情である。

すずしき【涼しき】「秋の夜、月影すずしきほど」《源氏物語・常夏》《訳》秋の夜、月の光が清らかに澄んでいるころ。

すずしう【涼しう】「思ふことかつがつかなひぬる心地して、すずしう思ひゐたるに」《源氏物語・明石》《訳》願っていることがともかくかなえられた気持ちがして、すがすがしい気持ちでいると。

すずしさ【涼しさ】「涼しさやほの三日月の羽黒山」(すずしさやほのみかづきのはぐろさん)《出典》奥の細道・出羽三山《作者》芭蕉(バショウ)《訳》夕暮れのせまる羽黒山の上に、ほのかに三日月が浮かんでいるのが見える。まことに身も心も涼しくなるような気分だ。《季語》 涼し(夏)。《語句解説》ほの三日月=「ほの見ゆ」をかける。《参考》羽黒の別当代会覚阿闍梨(エカクアジャリ)に求められて詠んだ出羽三山(羽黒山・月山(ガツサン)・湯殿山(ユドノサン))の句の一つで、あいさつの意がある。初案は上五が「涼風や」。「山」は「やま」とも。〔名句辞典〕

すずしさ【涼しさ】「涼しさを我が宿にしてねまるなり」(すずしさをわがやどにしてねまるなり)《出典》奥の細道・尾花沢《作者》芭蕉(バショウ)《訳》この宿の涼味をわがものとして、わが家のようにくつろいでいることだ。《季語》 涼し(夏)。《語句解説》ねまる=くつろいで座る意の方言。《参考》尾花沢(オバナザワ)の俳人清風宅での、もてなしてくれた主人に対するあいさつの句。「涼しさ」には、清風の人柄をほめる意味もこめられている。「ねまる」という土地の方言を用いたところに、芭蕉の心遣いが感じられる。〔名句辞典〕 

  涼む(スズム)

  清涼(セイリョウ)

すずしいきよい【涼清】一枕ノ枕一ツ高々ドシテ凉イ風ニアタツタソノ凉イ清イ風ノ重宝サハ万錢ノアタイニモネガアタラウソ。《『玉塵抄』巻37一七八J》

  爽涼(ソウリョウ)

  冷たい(ツメタイ)

  納涼(ノウリョウ)

  夕涼み(ユウスズミ)

  涼(リョウ)

  【涼意】リョウイ

  【涼陰】リョウイン

  【涼風】リョウフウ

すずかぜ【涼風】「涼風の曲がりくねって来たりけり」(すずかぜのまがりくねってきたりけり)《出典》七番日記(シチバンニッキ)《作者》一茶(イッサ) 《訳》自分の住む裏長屋は家並みの不ぞろいな路地の奥にあるので、涼風も曲がりくねってやっとのことで吹いて来たことだ。《季語》 涼風(夏)。《参考》「裏店(ウラダナ)に住居して」と前書がある。江戸在住時代の回想の句だろう。「曲がりくねって」という言い回しにおかしみが感じられるが、自嘲(ジチョウ)の気持ちも働いている。〔名句辞典〕

すずかぜ【涼風】「涼風や青田の上の雲の影」(すずかぜやあをたのうへのくものかげ)《出典》韻塞(インフタギ)《作者》許六(キョリク)《訳》青々とした田の上に雲が影を落とし、緑の濃淡を作っている。そこに一陣の涼風が吹き渡り、上空の雲の動きにつれて、その影が速く動いて行く。《季語》 涼風・青田(夏)。《参考》平明だが、清新な印象を与える叙景句。〔名句辞典〕

リャウフウ【凉風】後ニ扇キノ詩ヲ作タソ。常恐秋節ノ至テ、涼風(リヤウー)奪ンコトヲ炎熱(エンネツ)ヲ。《『蒙求抄』巻六「斑女辭輦」564C》

  【涼涼】リョウリョウ

 

【寒】のシソーラス【寒い・涼しい・冷たい・冷える】寒い

  薄寒い(ウスザムイ)

  薄ら寒い(ウスラサムイ)

  うそ寒い(ウソサムイ)

  かじかむ

  悴ける(カジケル)

  寒(カン)

  寒気(カンキ)

  寒天(カンテン)

  寒の戻り(カンノモドリ)

  寒冷(カンレイ)

  厳寒(ゲンカン)

  沍寒(ゴカン)

  酷寒(コッカン)

  極寒(ゴッカン)

つをうさむい【強寒】夢ニイリエイタレハ、女人ノ紙ヲサツケテ、此紙ニワツラワシイ无心ノマウシコトナレトモ宮中暁カタ、ナニトモ、ツヲウサムイソ。宮中暁寒ノ賦ヲカイタマワレトコウタソ。面白コトノ賦ヲコウタソ。《『玉塵抄』巻36十七033K》

  寒い(サムイ)

さぶい【寒】損泣―アノ母ノアラバ、私シバカリ。サムカラウズ。イナセタラバ。三人ナガラ。寒(サフイ)メニ。アワウト云フタソ。《『蒙求抄』巻七「閔損衣單」662C》

さむし【寒】「酒は飲みたし、身はさむし」《世間胸算用・浮世・西鶴》《訳》酒は飲みたいが、我が身は貧しい

さむけし【寒】「すさまじきものにして見る人もなき月の、さむけく澄める二十日あまりの空こそ」《徒然草・一九》《訳》殺風景なものとして見る人もない月が、寒そうに澄んでいる(陰暦十二月の)二十日すぎの空は。

さむみ【寒】「夜をさむみ衣(コロモ)かりがねなくなべに萩(ハギ)の下葉もうつろひにけり」《古今和歌集・秋上》《訳》夜が寒いので、衣を借りたいのだが借りられずにいる。雁(カリ)が鳴きわたるとともに萩の下葉も紅葉(モミジ)になりはじめたことよ。◆派生語。《成り立ち》形容詞「寒し」の語幹+接尾語「み」

さむから【寒】損泣―アノ母ノアラバ、私シバカリ。サムカラウズ。イナセタラバ。三人ナガラ。寒(サフイ)メニ。アワウト云フタソ。《『蒙求抄』巻七「閔損衣單」662B》

  寒さ(サムサ)

さむき【寒】豆粥はあづき粥でそ、あるらう。又豆メの入たかそ。粥で寒キこともどけたそ。《『蒙求抄』巻七「憑異大樹」709E》

  寒寒(サムザム)

  寒空(サムゾラ)

  残寒(ザンカン)

  春寒(シュンカン)

  梅雨冷え(ツユビエ)

  凍寒(トウカン)

  肌寒い・膚寒い(ハダサムイ)

はださむき【肌寒】「燈(ともしび)にうち對(むか)ひつゝ。十六夜(いざよひ)が醒(さむ)るを待(まつ)ほどに。夜(よ)はます/\深(ふけ)しかば。はじめ留(とゞめ)たる弱竹(わかたけ)も。堪(たへ)ずやありけん臥房(ふしど)に入(い)りつ。秋の夜半(よなか)の肌寒(はださむ)き。《滝沢馬琴『青砥藤綱摸稜案』巻一32E》

  余寒(ヨカン)

ヨカン【余寒】然ニ二月中旬ノ比、余寒未残テ、籬ノ山ノ花時ヲ過ス間、数ナラヌ命モ花ヲ待バ惜哉ト、上ノ空ニ成色ヲ、妻女是ヲ怪、如何ナル誰ニ心ヲ移シテ、花ナキ陰ニ吟、心ヲ悩覧ト、妬ミ梟バ、其時俊恵法師ハ是非ノ返事ニ不及、一首詠ジケリ。《『塵荊鈔』巻十一下378F》

  夜寒(ヨサム)

  稜稜(リョウリョウ)

  凛凛(リンリン)

  凛冽(リンレツ)

  冷寒(レイカン)

さむし【寒】「物言へば唇さむし秋の風―芭蕉」《芭蕉庵小文庫・俳諧》《訳》物を言うために唇を開くと、秋風がその唇にしみて冷気を感ずる

  【寒威】カンイ

  【寒衣】カンイ

  【寒燠】カンイク

  【寒雨】カンウ

  【寒雲】カンウン

  【寒煙】カンエン

  【寒菊】カンギク

カンギク【寒菊】「寒菊や粉糠のかかる臼の端」(かんぎくやこぬかのかかるうすのはた)《出典》炭俵(スミダワラ)《作者》芭蕉(バショウ)《訳》庭に臼を出して米つきをしている。その臼のかたわらに小さな寒菊の花が咲き、こぼれた粉糠が花や葉にうっすらとかかっている。《季語》 寒菊(冬)。《参考》米つきという日常卑近な素材と小ぶりな寒菊を取り合わせた「軽み」の句である。〔名句辞典〕

  【寒暄】カンケン

  【寒灰】カンカイ

  【寒玉】カンギョク

  【寒苦】カンク

  【寒渓】カンケイ

  【寒月】カンゲツ

カンゲツ【寒月】「寒月や我ひとり行く橋の音」(かんげつやわれひとりゆくはしのおと)《出典》太祇句選(タイギクセン)《作者》太祇(タイギ)《訳》冬の月が冴(サ)えわたっている。その光に照らされて霜の置いた橋の上を一人行く。下駄(ゲタ)の音もまた冴えて耳に響いてくる。《季語》 寒月(冬)。《参考》橋は長い板橋、履物は恐らく下駄であろう。視覚と聴覚で、寒々として静まり返った冬夜の雰囲気をよく詠みとっている。〔名句辞典〕

  【寒光】カンコウ

  【寒江】カンコウ

  「寒暑」

カンシヨ【寒暑】然に此恩を知人希(まれ)にして、却て寒暑(かんしよ)風雨(ふうう)に付(つき)、天氣を恨(うらむ)る者(もの)(のみ)也。如此にては、何(なん)ぞ天命に契(かなふ)事を得んや。《鈴木正三反故集』289B》

カンジヨ【寒暑】先(まづ)、寒暑(かんじよ)、痛痒(つうやう)、飢渇(きかつ)、困睡(こんすい)、澡浴(さうよく)、剪爪(せんさう)、坐臥(ざぐは)、起行(きぎやう)等、皆苦悩也。《鈴木正三反故集』298K》

【強弱】のシソーラス⇒強(ツヨイ)弱(ヨワイ)

こわい【強】対象語疾風―疾風(シツ−)は、秋冬のこわい風そ。よわい草は、秋冬の疾風に逢ふて、やがて凋む也。勁草(ケイ−)ト云は、つよい草そ。秋風にも枯れぬそ。《出典》『蒙求抄』巻十「王覇氷合」925L

こわい【強】対象語口言老子ノコトヲ談スルニコワイ口言便コトハ深ウシテヲクフカウトヲイ浅近(シ−)ニナイソ。《『玉塵抄』巻37二一四H》

つよい【強】よわい【弱】対象語疾風―疾風(シツ−)は、秋冬のこわい風そ。よわい草は、秋冬の疾風に逢ふて、やがて凋む也。勁草(ケイ−)ト云は、つよい草そ。秋風にも枯れぬそ。《出典》『蒙求抄』巻十「王覇氷合」925L

つよい【強】よわい【弱】対象語疾たとへば、丹を煉る時、金銀を鼎(かなへ)へ入て、煉に火をつよくしてねるそ。火がよわければ、一にならぬそ。《出典》『蒙求抄』巻九「淮南食時」847D

【強壮】キョウソウ「態藝」【強弱】のシソーラスへ。

【明暗】のシソーラス⇒明(アカルイ)暗(クライ)

くらい【暗】対象語》時分。虞渕ニセマルソノ時分ヲ黄昏ト云ソ。日ノ入夕時分ハ世界カ、ウス黄(ギ)ニクライソコヽラニ云タソカレ時ソ。タシカニ人ノカヲカミエヌホトニタソカレチヤカト云心ソ。《『玉塵抄』巻37一八七@》

こぐらい【小暗】幽(ユウ)−コグライ處ニ居テモ。我身ヲトヽヘテ。ハツタトシテ居ルソ。《『蒙求抄』巻五「張湛白馬」464G》

【遠近】のシソーラス

とをい【遠】辺ト云ハ、塞外トヲイエビスナドノイル国ハ辺土ナリ。本ノ天下テハナイソ。カタワキセドヒト云ヤウナ心ソ。《『玉塵抄』巻37二〇一J》

とをい【遠】老子ノコトヲ談スルニコワイ口言便コトハ深ウシテヲクフカウトヲイ浅近(シ−)ニナイソ。《『玉塵抄』巻37二一四H》

とをいちかい【遠近】日辺不聞人自――來也。洋近ニ。日辺ノ遠イ近イヲ論シタレハ小童カ云ハ、日ハソ。目ヲアクレハ見、長安ハミエヌソ。ソ。又云ハ長安ハソ。人カクル日ハソ。日ノ辺カラ人ノキタト云コトキカヌト云タソ。《『玉塵抄』巻37二〇一A》

 

2、態藝の対応語に見る強調

「五可」ト云ハ。ト。多子ト。ト。ト。トヲ云フ歟。「五不可」ト云フハ。妬(ト)少子ソ。《出典》『蒙求抄』巻八「南風擲孕」793E

【美】のシソーラス

【美し】美しい・美の形容

  佳麗(カレイ)

  玉顔(ギョクガン)

  絢爛(ケンラン)

  涼しい(スズシイ)

  すっぱり

  善美(ゼンビ)

  玉・珠・球(タマ)

  端整(タンセイ)

  美(ビ)

うつくし【美し】「父母を見れば尊し妻子(メコ)見ればめぐしうつくし」《万葉集・八〇〇》《訳》父母を見ると尊い。妻子を見るとかわいくいとしい

うつくしき【美しき】うつくしきもの。瓜(ウリ)にかきたるちごの顔」《枕草子・うつくしきもの》《訳》かわいいもの。瓜に描いたこどもの顔。

うるはし【美はし】「大和は国のまほろばたたなづく青垣山隠(ヤマゴモ)れる大和しうるはし」《古事記・景行》《訳》大和は国の中でいちばん優れた所だ。重なり合う緑の垣根のような山々に囲まれた大和の国は壮大で美しい

うるはしう【美はしう】「同じ小柴(コシバ)なれど、うるはしうしわたして」《源氏物語・若紫》《訳》他と同じ小柴(の垣根)だが、きちんと一面に作って。

くはし【美はし】「走り出(デ)のよろしき山の、出(イ)で立ちのくはしき山ぞ」《万葉集・三三三一》《訳》山並みの伸びる形がよい山で、そびえる形がうるわしい山よ。《参考》この語は上代語で、「かぐはし」「まぐはし」「くはし女(メ)」など複合語で用いられることが多い。

  美姿(ビシ)

よい【好】美姿(ヒシ)は、よい男で有て、色が白かつたそ。《『蒙求抄』巻六「平叔傳粉」571C》

  美的(ビテキ)

  美白(ビハク)

ビハクな【美白】。才地高華は、才がはなやかなそ。宰輔にもなりさうな、望ミか有そ。濯々(タク−)美白な者ノが、美な衣て、雪中を、とをるは、さながら仙人の如くなそ。《『蒙求抄』巻九「王恭鶴鼈」821I》

  豊艶(ホウエン)

  見映え・見栄え(ミバエ)

  明媚(メイビ)

  明眸(メイボウ)

  妖艶・妖婉(ヨウエン)

  洋洋(ヨウヨウ)

【いい・良い】良い程度

  可(カ)

  極(ゴク)

  最良(サイリョウ)

よい【良】俊茂(シユンモ)ト云フモ。人ニスグレテヨイ體ソ。《『蒙求抄』巻五「武子金埒」528H》

よい【良】要ハ腰ト云フ字ソ。關節ハ。内ノツギメ。節(フシ)アイソ。口チハ天關。足ハ地關(クワン)。手ハ人關ソ。三關ト云ソ。支體(シ-)ヲ引ヒイテ。骨ネ節(フシ)ヲ次第ニ動カスガヨイゾ。《『蒙求抄』巻六「華侘五禽」543C》

よい【良】一日−是レ等ガヤウニ。飛ヒハネアルキ。身ヲ輕(カロ)クモツガ。ヨイソ。《『蒙求抄』巻六「華侘五禽」543F》

  然る可く(シカルベク)

  次善(ジゼン)

  順当(ジュントウ)

  純良(ジュンリョウ)

  絶好(ゼッコウ)

  美(ビ)

うまし【美し】「やあうまい所で出会うたな」《国性爺合戦・浄瑠・近松》《訳》やあ都合のよい所で出会ったな。

うるはしく【美はしく】「この中納言参り給(タマ)へれば、うるはしくなりて、ゐなほりなどせられければ」《大鏡・道隆》《訳》この中納言が参上なさったので、皆が堅苦しくなって、いずまいを正したりなさったので。

うるはしき【美はしき】「昔、男、いとうるはしき友ありけり」《伊勢物語・四六》《訳》昔、男が、とても親密な友人をもっていた。

くはしく【美はし】くはしく、御ありさまも奏し侍(ハベ)らまほしきを」《源氏物語・桐壺》《訳》詳しく、ごようすも申し上げたく存じますが。

 

  程好い(ホドヨイ)

  良好(ヨイ)

よい【好】文君―よい男ぢやほとに、行たれとも、ひらうしたほとに、なにとやらう樂シまぬ體があるそ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」610E》

  能(ノウ)

よく【能】長安號曰谷−。谷ク永ハ。文章カキ也。楼君卿ハ。口デ物ヲ能ク云ソ。口チキヽソ。樓護字ハ君卿齊(セイ)人父世醫也云云。《『蒙求抄』巻四「谷永筆札」446K》

  良(リョウ)

 

「悪」のシソーラス

  惡(アシイ)

あしい【惡】一日、鯨波(ときのこへ)坐禪(ざぜん)の沙汰(さた)有ける因(ちなみ)に、或(ある)武遍(ぶへん)の士(さむらひ)云、「今(いま)(ぞんじ)候へば、大坂(ざか)の戦場(せんぢやう)に有りし時抔(など)が能(よき) 坐禪(ざぜん)にて候也」。師聞(きひて)曰、「何と貴方(きはう)は、其時の心を今(いま)に用(もちゆ)るや」。彼(かの)(さむらひ)、「今(いま)は存(ぞんじ)も不出」。師曰、「偖(さて)(あし)御侍(をさむらひ)(かな)。吾(われ)は其時の機を今に不(ヌカサ)用る」と也。《鈴木正三反故集』331A》

  惡(ワルイ)

わるい【惡】塞(ミチ)渕(フカシ)秉(トル)コト心ヲ――[詩]孟子ニモアリ。毛詩ノ語ナリ。人ハ心モチ軽薄ニナウ深シテ、アマネウコマカニナニヽモワタライデハソ。塞(ミツル)ト云ハアマネウヒロイコトソ。渕(フカシ)ハ物ノヲクソコヲキワメサクルコトソ。上(ウワカ)カワヲナテヽトヲルハワルイソ。斈問ノ方カ塞渕ウカウテハソ。《『玉塵抄』巻37一八九I》

わるい【惡】薫ト早カ力ヲ借、宦官ノワルイ者ヲ誅シタソ。《『玉塵抄』巻37二〇四H》

わるう【惡】李廣ハ將軍ノ位ソ。胡国ニ向テ軍ワルウテ、イケドリニナツテ胡国ニイテ羊ヲ牧シタソ。十九年イタソ。白髪シタソ。胡国テハテタソ。《『玉塵抄』巻37二一E》

わるく【悪】孫狼(ソンラウ)が云ふそ。あの人のわたる處を、わるくするなと也。《『蒙求抄』巻五「胡昭投簪」534I》

  気味惡(キミワルイ)

ものすごき【物凄】夜話(やわ)に云、「昔(むかし)、去者(さるもの)、胴骨(どうぼね)をためさんが爲(ため)に、(もの)すごき(ところ)の墓原(はかはら)へ行(ゆき)ければ、塚(つか)の中(なか)より手を出(いだ)して帯(をび)をむずと捕(とる)。此(この)(をのこ)、少(すこし)も不(ヲドロカ)。意趣を聞(きひ)て、幽霊(ゆうれい)の本望を達(たつ)せしと也。我(われ)(わか)き時(とき)、此(この)物語(ものがたり)を聞(きゝ)て、我も加様(かやう)の事に逢(あひ)たりとも、何とも有間敷(まじき)と思ける也。然(しかれ)ども實(じつ)に死する事は又難(かた)く思はれたり」と也。《鈴木正三反故集』331F》《語釈気味が悪いところ。

「善悪」のシソーラス

  善悪(ヨイワルイ)

よいわるい【善悪】湛(タン)曰−本傳ニハ湛聞テ而笑日ト有ソ。人ハ惡ヒ方ヘイツハリ候。我ハ善(−)ノ方ヘイツハルト云ソ。《『蒙求抄』巻五「張湛白馬」465C》

よいわるい【善悪】藏はよく過は、わるいそ。よい事して、官になつた者ノもことをして、官になつた者ノも、いやいや、こわ者ノぢやほどに、六ツ借ヒと云フて、皆印綬(インシユ)をといて去たそ。《『蒙求抄』巻六「賈j?帷」556L》

よいわるい【善悪】等君は、ヨイ臣ヲモ、ワルイ臣ヲモ、平等に禄(ロク)を與ユるを云そ。《『蒙求抄』巻六「伊尹負鼎」617I》

ゼンアク【善悪】(まなこ)に物を見、耳(みゝ)に聲を聞(きゝ)、鼻に香を嗅(かぎ)、舌に味(あぢはい)を知、身に手足の自由を作(なし)、心に善惡(ぜんあく)を分別す。《鈴木正三反故集』287D》

ゼンアク【善悪】「こゝもとでは、人が盗むゆへに、むかしより作られぬ」といへば、「おろかな事ぢや。よき馬一疋にても、大分の金をとる事ぢやに、いか程番をしても、くるしからぬ事ぢや。善悪、此春作らふ」とて、上々の山椒十石ほど買ひとり、山を掘らせ、ことごとく蒔ひて、四五日して、「やう/\生へ時分ぢやが、遅ひ」とて、、つれの人に問へば、「それはいつ比御まき候」「此四五日さきにまいたる」といへば、「生ゑぬが道理よ。天火、地火に物種をまいては、生へぬが不思議でもなひ」と云。《江戸笑話集『きのふはけふの物語』48H》

 

 

【見事・立派・すばらしい・すてき】見事・すばらしいの形容

  鮮やか(アザヤカ)

  天晴・遖(アッパレ)

  偉大(イダイ)

  得も言われぬ(エモイワレヌ)

うつくしい【美】皆蘊(ツツミ)−かけ袋ロのやうな物ノをかけ、羅穀(ラコク)のうす物ノなとのうつくしいをきたそ。とれなり共モと云そ。《『蒙求抄』巻六「緑珠墜樓」606L》

  輝かしい・耀かしい(カガヤカシイ)

  輝く・耀く(カガヤク)

  赫赫(カッカク)

  芳しい・馨しい・香しい(カンバシイ)

  甘味(カンミ)

  驚異的(キョウイテキ)

  際立つ(キワダツ)

  結晶(ケッショウ)

  潔白(ケッパク)

いさぎよい【潔】以白―玉ハ、代代子孫(-ソン)に、いさぎよい潔白(ケツハク)な人があらうそ。《『蒙求抄』巻六「楊寳黄雀」572L》

いさぎよい【潔】○〓〔益+蜀〕明也。潔也。除也。三ノヨミアリ。キレイニイサギヨイ心アリ。物ヲトツテノケテノゾク心アリ。{ア}アキラカナ心アルソ。〓〔益+蜀〕除トモシタソ。《『玉塵抄』巻37I》

いさぎよう【潔】水ノ鐘カ美人ノイサキヨウ明ナコビヲウツイタソ。《『玉塵抄』巻37二〇〇J》

いさぎよく【潔】紂悪逆ニシテ天下ノ政ヲハカリテ、イサキヨクシテヨイ方ニスヽマヌソ。ソレヲ天ガニクンデ此ノ滅亡ヲクダイテ、ホロホイタコトナリ。《『玉塵抄』巻37二〇〇A》

いさぎよき【潔】〓〔益+蜀〕潔ノキヨウ、イサギヨキコトヲノミクウ、食ニシタト云レタト云心ソ。《『玉塵抄』巻37二〇〇F》

  豪壮(ゴウソウ)

  素晴らしい(スバラシイ)

  すぱり

  ずばり

  正正堂堂(セイセイドウドウ)

  絶妙(ゼツミョウ)

ゼツメウ【絶妙】面テノ詞トハ絶妙(セツメフ)ノ詞ハヂヤト云フソ。《『蒙求抄』巻五「楊脩捷對」486H》

  善美(ゼンビ)

  妙(タエ)

  でかした

  出来す(デカス)

  錦(ニシキ)

  華華しい・花花しい(ハナバナシイ)

  美(ビ)

いしう【美しう】いしう申させ給(タマ)ふ田代殿かな」《平家物語・九・三草合戦》《訳》殊勝にも申された田代殿であるよ。

うつくしう【美しう】▽江戸時代、連用形を副詞的に用いて。「うつくしう出替はりまで使うて暇(イトマ)出さるるは」《西鶴織留・浮世・西鶴》《訳》手際よく円満に交代期まで使って暇を出されるのは。

うまし【美し】うまし国ぞあきづ島(=枕詞(マクラコトバ))大和の国は」《万葉集・二》《訳》すばらしい国だよ、大和の国は。《参考》中古以降ク活用が一般的になった。

 

  見事・美事(ミゴト)

うつくしう【美しう】「大学の君、その日の文うつくしう作り給(タマ)ひて」《源氏物語・少女》《訳》夕霧の君はその日の試験の詩文をたいそう見事にお作りになって。

みごと【見事】兩國驕主(キヨウー)と云フは、江都王非と、膠西王端との二人のことそ。此ノ二人のをごつた人の宰相(サイー)をして、見事トたゞいたそ。《『蒙求抄』巻六「薫生下帷」570C》

  目覚ましい(メザマシイ)

  理想的(リソウテキ)

  立派(リッパ)

やさしき【優しき】原の御台は御覧じて、「か程やさしき若君を、今迄見ぬこそもの憂けれ」とて抱き喜び給ひけれ。《古浄瑠璃説経集ほり江巻双紙二新大系127C》《訳》愛らしくりっぱな。

  【美悪】ビアク

  【美意】ビイ

  【美化】ビカ

  【美官】ビカン

  【美観】ビカン

  【美形】ビケイ

  【美言】ビゲン

  【美刺】ビシ

  【美辞】ビジ

  【美質】ビシツ

  【美酒】ビシュ

  【美醜】ビシュウ

  【美術】ビジュツ

  【美称】ビショウ

  【美人】ビジン

うつくしい【美】單于トエシントカ漢ヲ囲テ。七日不食デイタソ。處デエカキニ。ウツクシイ美人ヲ。ヱカヽセテ。夷ノ下タヅカサノ。エクレノト云フ者ノ處ヘ。ヤラレタソ。此ノ如クナ美人ヲ。ソナヘ。マイラセウカ。ウラヤマシイト云ソ。ヽコデ女ノ寵ガ。ヲトロヘウト思フテ。和睦(-ホク)サセテ。高祖ヲ落サウ用意ニ調法シテ。歸イタソ。《『蒙求抄』巻四「陳平多轍」386C》

やさしい【艶】艶は美人のことそ。やさしい共モよむ字そ。《『蒙求抄』巻六606F》

 

あてやか【貴やか】「あてなり」と「やむごとなし」「けたかし」

あてなる【貴なる】「世界の男、あてなるもいやしきも、いかでこのかぐや姫を、得てしがな、見てしがなと」《竹取物語・貴公子たちの求婚》《訳》世の中の男は、身分が高い者も低い者も、どうにかしてこのかぐや姫を、手に入れたい、結婚したいと。

あてに【貴に】「ただ文字一つに、あやしう、あてにもいやしうもなるは、いかなるにかあらむ」《枕草子・ふと心おとりとかするものは》《訳》ほんの言葉遣い一つで、不思議に、上品にも下品にもなるというのは、どういうことであろうか。《参考》「あてなり」と「やむごとなし」「けたかし」との違い 「あてなり」「けたかし」は「やむごとなし」ほどには最高の血筋や身分を表さず、皇子や権力者には用いない。「あてなり」が親しみやすい感じをもつのに対し、「けたかし」の方は、近寄りがたい感じをもつ。また、同系の語「あてはかなり」「あてやかなり」は人柄や容姿についての上品さをいうが、身分や家柄を表すことはない。

あてはかなる【貴はかなる】あてはかなることを好みて」《伊勢物語・一六》《訳》上品であることを好んで。◆「はか」は接尾語。

あてやかに【貴やかに】「心ばへなどあてやかにうつくしかりつる事を見ならひて」《竹取物語・かぐや姫の昇天》《訳》(かぐや姫の)性質などが優雅で愛らしかったことを(召使いたちは)見慣れていて。◆「やか」は接尾語。

あてびと【貴人】あてびとと見えたり」《源氏物語・帚木》《訳》高貴な人と見えた。

たふとし【貴し】「聞きしにも過ぎて、たふとくこそおはしけれ」《徒然草・五二》《訳》聞いていた以上に、けだかくいらっしゃいました。

たふとき【貴き】「極まりてたふときものは酒にしあるらし」《万葉集・三四二》《訳》最高に価値が高いものは酒であるらしい。

 【貴介】キカイ

 【貴冠履忘頭足】カンリヲタットビテトウソクヲワスル

 【貴官】キカン

 【貴翰】キカン

 【貴客】キカク

 【貴近】キキン

 【貴顕】キケン

 【貴公子】キコウシ

 【貴幸】キコウ

 【貴主】キシュ

 【貴賤】キセン

たつときいやしき【貴賎】萬人ノ悦コブホドニ。此ヲ以テ見レハ。貴キ賤シキニハ劣ル也。《『蒙求抄』巻八「子平畢娶」765A》

【賤しい】のシソーラス

いやしい【賤】省易は、かきやすいに、隷字を作りたすを徒隷は、人の中間小者(コーノ)などそ。しもべのことを、是になのしなかあるそ。其やうな、いやしい者ノまても見よい程トに、隷僕(ホク)まても見る書ぢや程トに、隷書ト云フて候。日本のかたかなの様な心そ。《『蒙求抄』巻六「程貌隷書」545G》

いやしい【賤】南方にいやしい者ノを云フぢやほどに、いやしいしもべと共にしたと云そ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」612A》

いやしい【賤】劉備のいやしい分ては、をかれいて、是非にまかり出ては、叶(カナフ)まいと、仰セられて、三度まて草廬へ御出あつた程トに、釋テヽ耒ヲ答三顧(コ)ニへて、まかり出たそ。《『蒙求抄』巻七「葛亮顧廬」649I》

いやしう【賤】魯褒カ時世ノ末ニナリテ人ノイヤシウムサブリキタナウナツタコトヲイタミカナシウテ、吾カ姓ヤ氏ヤ名ヲカクイテ、タレトモ主ナシニシテ銭神論ヲ作タソ。《『玉塵抄』巻三十八、十六257J》

いやしき【賤】又云、詐欺(サギ)−マツ始メハ無智(ムチ)ナレハ。無智デイルガ。字(−)ヲ作リタレハ。賤(イヤシキ)者ノノ子(コ)ナレトモ。字(-)ヲ學ナベハ上ヲ窺ハ。皆ナ詐(イツワリ)ニナルソ。《『蒙求抄』巻五「蒼頡制字」489F》

いやしき【賤】賤業は、つじうらは、いやしき業也。されども、衆人をめぐむ者ノちやそ。《『蒙求抄』巻八「君平賣卜」769A》

いやしい【賤】兄カ文草ワ、キ茅フキノイヤシイ家ノナワヲタレテ戸ニスル。ツレノ家ヲツクル番匠ノ手ナリ。ヘタト云心ソ。《『玉塵抄』巻36,17三一C》

いやしい【賤】小胥ハ小吏ナリ。吏ノイヤシイ者ヲ云タソ。《『玉塵抄』巻37二二四C》

つたなういやしい【拙卑】又一人ノ文ノタクミ妙ナト一人ノ文ノツタナウイヤシイトノカワリハ地ト天トノカワツタヤウナト云タコトソ。《『玉塵抄』巻37二二二L》

 

【醜い】のシソーラス【醜い・褪せる・染める】醜い

  南瓜(カボチャ)

  醜(シュウ)

  醜悪(シュウアク)

  美醜(ビシュウ)

みめよい【妍】○妍、五堅ノ切ケンナリ。妍ハカシコイ、ヤスシナトヽヨマセタソ。又ハウツクシウ、ミメヨイヲ云タソ。函谷関ヨリ西ノワルイ国郡ハ美ニシテ好(ヨク)ウ皆妍ト云ソ。争ウ妍ヲ−テ―ヲ而取ル憐ミヲ。ミメヨイヲ争テ、アノ人ヨリ吾ハマシタト云ソ。人ノイトウシガリヲモトメトツタソ。大ガイ女人ノ性ハカウアル者ナリ。《『玉塵抄』巻37十七167GH》

みめがわるから【見目悪】鴻(コウ)−ミメガワルカラウト、マヽヨト云フテ、嫁娶(カ−)ノ禮(レイ)ヲシタソ。《『蒙求抄』巻五「孟光荊釵」511F》

みにくい【醜】みめよい【見目良】賈大夫が、醜クい者ノぢやを、女がみめのよい者ノて、嫌(きらふ)て、三年不言−そ。《『蒙求抄』巻九「賈氏如皐」839A》

 

  まずい

  見苦しい(ミグルシイ)

みにく・く【見悪く・醜く】「わがかたちのみにくく浅ましき事を」徒然草・一三四》《訳》自分の容貌(ヨウボウ)が見苦しくてあきれるほどなのを。

みぐるしい【見苦】古をぬく事をはぢて、故障かつたそ。見苦ルしき衣裳を、人に見せふことは、口チ惜ヒと思ふたそ。《『蒙求抄』巻七「王敦傾室」674D》

  醜い(ミニクイ)

みにく・し【見悪し・醜し】「かぐや姫据ゑむには、例のやうにはみにくし」《竹取物語・竜の頸の玉》《訳》かぐや姫を(妻として)住まわせるには、これまでの状態ではみっともない

 

  老醜(ロウシュウ)

  【醜悪】シュウアク

  【醜夷】シュウイ

  【醜穢】シュウエ

シュウエ【醜穢】類聚の後集十六に、念比ロにあるそ。人中て、とつがうとしたそ。醜穢(―ヱ)をあらはにしてそ。くだんをだいて候よ。《『蒙求抄』巻七「紀瞻出妓」675H》

  【醜行】シュウコウ

  【醜女】シュウジョ・シコメ・ブオンナ

  【醜人】シュウジン

  【醜声】シュウセイ

  【醜男】シュウダン・シコオ・ブオトコ

  【醜美】シュウビ

  【醜婦】シュウフ

  【醜聞】シュウブン

  【醜名】シュウメイ・シコナ

  【醜虜】シュウリョ

  【醜類】シュウルイ

  【醜麗】シュウレイ

  【醜詆】シュウテイ

【慎む・恥・恥ずかしい・恥じる・へりくだる・罪・辱め・辱くする】恥・恥ずかしい・恥じる

  赤っ恥(アカッパジ)

  赤恥(アカハジ)

  生(き)恥(イキハジ)

  後ろ暗い(ウシログライ)

  汚辱(オジョク)

  面映ゆい(オモハユイ)

  顔負け(カオマケ)

  汗顔(カンガン)

  傷・疵(キズ)

  屈辱(クツジョク)

  国辱(コクジョク)

  国恥(コクチ)

  慙愧・慚愧(ザンキ)

  忸怩(ジクジ)

  死(に)恥(シニハジ)

  醜(シュウ)

  羞恥(シュウチ)

  赤面(セキメン)

  雪辱(セツジョク)

  恥辱(チジョク)

  鉄面皮(テツメンピ)

  名折れ(ナオレ)

  恥・辱(ハジ)

はぢがましい【恥】賢人は、恥(ハチ)かましいことをはせぬそ。死する事トは、何とも思はぬそ。《『蒙求抄』巻六「仲連蹈海」595H》

  恥じ入る(ハジイル)

  恥曝し(ハジサラシ)

  恥知らず(ハジシラズ)

  恥じらい(ハジライ)

  恥じらう(ハジラウ)

  恥じる・羞じる(ハジル)

  恥ずかしい(ハズカシイ)

はづかしい【恥】寔(シヨク)ハ大丘(タイキウ)ノ長ニナツタホトニ。長(−)ト云ソ。次第ニヲトツタホトニ。ハツカシイソ。《『蒙求抄』巻五「陳群蹙容」475D》

はづかしい【恥】世説―入祠ハ墓所(ハカーロ)ニ入ソ。食ヲ乞(コフ)テモ。ハヅカシイト。思フ事モ。ナカツタソ。大膽(タン)ナ者ノソ。《『蒙求抄』巻五「羅友黙記」487H》

はづかしい【恥】王敦は、さはなうて、ちつともはつかしいとも、思はぬそ。新衣を理運(リウン)にきるそ。《『蒙求抄』巻七「王敦傾室」674E》

はづかしい【恥】友(とも)たちともが碑(ヒ)の文をかいたそ。いかほども碑の文を書たか、先にかいたは徳にはぢたそ。徳もない者ノを徳が有と書たほどに、はづかしいと思ふか、林宗はあり事を書ほとに、はつかしい事がないそ。《『蒙求抄』巻七「林宗折巾」684@A》

はづかしい【恥】問答と云フは、周(-キ)かの衆中て、妾女を所望したことを云そ。さうして、ちともはづかしいとも。をもはぬそ。《『蒙求抄』巻七「紀瞻出妓」675G》

はづかしがつ【恥】問昨日今日マデ。フシギニ有タホドニ。ハヅカシガツテ。汗(アセ)ヲ流(ナカ)イタソ。是レガ光武ノ天子ニナラレヌ前ノ事ソ。《『蒙求抄』巻七「劉玄刮席」720F》

  辱め(ハズカシメ)

  辱める(ハズカシメル)

  はにかみ

  はにかむ

  破廉恥(ハレンチ)

  人見知り(ヒトミシリ)

  不面目(フメンボク)

  目映い・眩い(マバユイ)

  無残・無惨・無慚・無慙(ムザン)

  無恥(ムチ)

  面目無い(メンボクナイ)

  疚しい・疾しい(ヤマシイ)

難易】のシソーラス

  心得にくい

こころえにくい【心得難】{陳}ト云ハ、フルイ心ソ。三年ニナル者ヲ{陳}ト云。醫家ニハ云ソ。{陳−}ハフルイ昔ノ古書ノコトソ。フルイ上代ノ書ヲウカヽイミテ、ソノ詞ヤ心ヲヌスミ取テ文字ヲ述作スル心カ、心ヤ法ヲヌスミトル心カ。古書ヲウカヽウテ、盗ト云ワ心エニクイソ。ナニモ一句半言テハ心エラレヌ者ナリ。《『玉塵抄』巻37二〇九F》

  六借しい(ムツカシ)

むつかしい【六借】朝ハ毎日ノ出仕(シ)ニアワルヽヲ云フソ。今日ハ。ムツカシイト云テ。出ラレナンダガ。又ハ出ラレタレトモ。又ヌタニアツタカヲ諌(イサメ)タソ。《『蒙求抄』巻五「張湛白馬」465E》

むつかしい【六借】藏はよく過は、わるいそ。よい事して、官になつた者ノもことをして、官になつた者ノも、いやいや、こわ者ノぢやほどに、六ツ借ヒと云フて、皆印綬(インシユ)をといて去たそ。《『蒙求抄』巻六「賈j?帷」556L》

むつかしい【六借】時ト云フは、毛詩の時、毛鄭ノカハリガアツテ、ツント六ツ借イ事そ。六借ヒことぢやほとに、ヨメ入リの時が過たと、まつ心得て、をかせられい。毛詩の時スマウソ。《『蒙求抄』巻六「漆室憂葵」577I》

むつかしい【六借】素王 九主は、六ツかしいことそ。《『蒙求抄』巻六「伊尹負鼎」615H》

むつかしい【六借】三皇五帝の取やうか六ツ借イぞ。《『蒙求抄』巻六「伊尹負鼎」619C》

 

苦楽】のシソーラス

 苦(クルシイ)

くるしから【苦】「こゝもとでは、人が盗むゆへに、むかしより作られぬ」といへば、「おろかな事ぢや。よき馬一疋にても、大分の金をとる事ぢやに、いか程番をしても、くるしからぬ事ぢや。善悪、此春作らふ」とて、上々の山椒十石ほど買ひとり、山を掘らせ、ことごとく蒔ひて、四五日して、「やう/\生へ時分ぢやが、遅ひ」とて、、つれの人に問へば、「それはいつ比御まき候」「此四五日さきにまいたる」といへば、「生ゑぬが道理よ。天火、地火に物種をまいては、生へぬが不思議でもなひ」と云。《江戸笑話集『きのふはけふの物語』48H》《》かまわぬ。

 楽(タノシイ)

たのしい【楽】黷(ケカル)−ハ義カ多ソ。刺史トモガ多ク。貨ラヲ貪ツテ。黷ルヽソ。又ハタノシイ名(ナ)アルソ。是ニヨツテ。悪事ナンドシツケテヲイタホトニ。其ノ弊(ヘイ)ヲ改メント思フテ隠之ヲ。守護ニナサレタソ。《『蒙求抄』巻五「隠之感鄰」467L》

たのしい【楽】冨人(フー)は、たのしい者ノそ。卓王孫と云フ者ノか、むすめそ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」608@》

たのしい【楽】僮は奴で、めしつかう下モ部(ベ)が、八百人あつたそ。たのしいと、きこへたそ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」608B》

たのしい【楽】王孫がたのしい物ノちやか、面目失たと云て、所詮(シヨセン)出頭をやむるまでぢやと云て、出ぬそ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」612H》

  【歓楽】カンラク

クワンラク【歡樂】百人ばかり、客のあつた時に、相如を呼たれは、歡樂(クワンラク)ぢやと云て、いかなんたを、自身行ヒてようたそ。實(シツ)せらるゝ客人ぢやと云て、一座がゝたむいたそ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」608D》

 

【強弱】のシソーラス

  強い(ツヨイ)

つよかつ【強】後漢列傳七十三、イカニモミメガワルウテ、ヨコブトツテアルラウ。結句(ケツク)力ラガツヨカツタソ。是レヲ妻(メ)ニシテハ、サテヾアラウソ。《『蒙求抄』巻五「孟光荊釵」511@》

つよく【強】師示(しめして)、「能々(よくよく)思知(をもひしる)べし。元來(もとより)、女人は性暗(くら)きが故に、先づ瞋(いかり)(つよ)、貪(むさぼり)(ふか)く、愚癡(ぐち)(はなはだし)き也。《鈴木正三反故集』346A》《語釈》盛ん。

つよな、よはい【強弱】魏郡(キクン)ノ守護(-コ)ニナツテ。強(−)ハ。ウデツヨナ者ノヲハ。アマタヲヽサヘ。ヨハイ者ノヲハ引キ立ルヤウニシタソ。《『蒙求抄』巻五「王脩輟社」470AB》

  【強壮】キョウソウ

キヤウサウ【強壮】強壮は、まつさかりな男であつたそ。今もさう候よ。昨日今日まで、若イ人ぢやと思ふか、まつ白になり候そ。《『蒙求抄』巻六「蘇武持節」588E》

  【強凄】キョウソウ

すさまし【凄】寒−ハヒラウシタ體ソ。スサマシノ物ノチヤホトニソ。サウシテ學(カク)文ヲシタソ。《『蒙求抄』巻四「車胤聚螢」442K》

 

  1. 事物の対応語に見る強調

【堅い・固い・硬い】のシソーラス

【固い・固まる・強い】固い(材質)

石(イシ)

御強(オコワ)

堅い・固い・硬い(カタイ)

かたき【堅き】かたき巌(イハホ)も、沫雪(アハユキ)になし給(タマ)うつべき御気色(ケシキ)なれば」《源氏物語・行幸》《訳》かたい岩も、あわ雪のようにやわらかくしてしまいそうなごようすなので。

かたけれ【硬けれ】▽物が動かないようす。《落窪物語・一》 「中隔ての障子をあけ給(タマ)ふに、かたければ」《訳》中仕切りの障子をお開けになると、かたいので。

かたく【堅く】「城かたく築き込めて」《今昔物語集・一一・一一》《訳》城を堅固に築いて。

 

硬さ(カタサ)

堅(ケン)

堅固(ケンゴ)

堅牢(ケンロウ)

硬(コウ)

硬質(コウシツ)

鋼鉄(コウテツ)

硬軟(コウナン)

強い(コワイ)

こわい【強】狼戻(ラウカレイ)ハ。羊ヲヒケバ。ヒクホト。スヽマヌソ。情ノ。コワイ人ノ物ノヲ。クヽリツケタヤウナソ。《『蒙求抄』巻五「江泉四凶」472K》

強張る・硬張る(コワバル)

強飯(コワメシ)

赤飯(セキハン)

強い(ツヨイ)

つよい【強】又は、いかにもつよい弓を、大勢して引そ。八陣の圖(ツ)が六ツ借ヒ事を、集覽十五巻に、武公が八陣と云が、三あるそ。《『蒙求抄』巻七「葛亮顧廬」650K》

盤石・磐石(バンジャク)

引き攣る(ヒキツル)

木質(モクシツ)

牢固(ロウコ)

【固い・固まる・強い】固い(気性など)

堅い・固い・硬い(カタイ)

堅苦しい(カタクルシイ)

固(ま)り・塊(カタマリ)

がっしり

がっちり

雁字搦め(ガンジガラメ)

気骨(キコツ)

緊縮(キンシュク)

堅調(ケンチョウ)

しかつめらしい

志操(シソウ)

締まる(シマル)

生硬(セイコウ)

強い(ツヨイ)

手堅い(テガタイ)

鉄則(テッソク)

動脈硬化(ドウミャクコウカ)

【確か・確かめる・調べる・試みる・試す】確か・確かめる

跡付ける(アトヅケル)

言い切る(イイキル)

裏(ウラ)

裏付ける(ウラヅケル)

押(さ)え・抑え(オサエ)

押す(オス)

改札(カイサツ)

蓋然(ガイゼン)

確(カク)

確言(カクゲン)

確実(カクジツ)

画然・劃然(カクゼン)

確然(カクゼン)

確たる(カクタル)

堅い・固い・硬い(カタイ)

固め(カタメ)

可能性(カノウセイ)

聞き合わせる(キキアワセル)

聞き質す・聞き糾す(キキタダス)

首実検(クビジッケン)

うるはしき【美しき】「故左馬頭(サマノカミ)義朝(ヨシトモ)のうるはしきかうべとて」《平家物語・一二・紺掻之沙汰》《訳》亡き左馬頭義朝のまちがいない首だといって。

 

検案(ケンアン)

断〈わ〉る(コトワル)

確と・聢と(シカト)

試算(シサン)

確り・聢り(シッカリ)

心証(シンショウ)

正確(セイカク)

精確(セイカク)

精度(セイド)

截然(セツゼン)

確か(タシカ)

確かめる(タシカメル)

 

ちゃんと

追試(ツイシ)

的確(テキカク)

鉄火(テッカ)

的確(テッカク)

点呼(テンコ)

問(い)合(わ)せ(トイアワセ)

問い合わせる(トイアワセル)

念の為(ネンノタメ)

筈(ハズ)

ひょろひょろ

見定める(ミサダメル)

見届ける(ミトドケル)

見る(ミル)

【穏やか・素直・しとやか(貞淑)・優しい・順】(1〜4)の否定

堅い・固い・硬い(カタイ)

かたく【硬く】「后(キサキ)のかたく諫(イサ)め給(タマ)ふに」《源氏物語・明石》《訳》お后が厳しくお諫めになるが

きな臭い(キナクサイ)

険悪(ケンアク)

てんてこ舞(い)(テンテコマイ)

とげとげしい

捻くる(ヒネクル)

不穏(フオン)

不健全(フケンゼン)

不貞(フテイ)

やんちゃ

【つくす】落ち着く

安座・安坐(アンザ)

安心(アンシン)

一服(イップク)

堅い・固い・硬い(カタイ)

放心(ホウシン)

安んずる(ヤスンズル)

【まじめ・すなお・正直・実直】正直・まじめ

堅い・固い・硬い(カタイ)

かたう【堅う】「いとわりなうしじかみ、ゑり深う、強う、かたう書き給(タマ)へり」《源氏物語・行幸》《訳》とてもひどくちぢこまって、彫り込んだように深く強く、堅苦しくお書きになっている。

 

堅気(カタギ)

恪勤(カッキン)

生一本(キイッポン)

生真面目(キマジメ)

謹厳(キンゲン)

くすむ

愚直(グチョク)

堅実(ケンジツ)

克明(コクメイ)

四角四面(シカクシメン)

四角張る(シカクバル)

しかつめらしい

至誠(シセイ)

質実(シツジツ)

実直(ジッチョク)

直(ショウジキ)

真摯(シンシ)

紳士的(シンシテキ)

真率(シンソツ)

直ぐ(スグ)

誠実(セイジツ)

貞淑(テイシュク)

篤実(トクジツ)

篤厚(トッコウ)

馬鹿正直(バカショウジキ)

朴直・樸直(ボクチョク)

木訥・朴訥(ボクトツ)

真顔(マガオ)

真面目(マジメ)

真っ直(マッスグ)

真っ当(マットウ)

物堅い(モノガタイ)

律義・律儀(リチギ)

良心的(リョウシンテキ)

      「固」

【固窮】コキュウ

【固拒】コキョ

【固持】コジ

【固辞】コジ

【固執】コシツ・コシュウ

【固疾】コシツ

【固謝】コシャ

【固守】コシュ

【固請】コセイ

【固然】コゼン・モトヨリシカリ・マコトニシカリ

【固唾】カタズ

【固体】コタイ

【固着】コチャク

      「硬」

【硬化】コウカ

【硬{}骨】コウコツ

【硬渋】コウジュウ

【硬水】コウスイ

【硬直】コウチョク

【硬派】コウハ

【硬筆】コウヒツ

【硬論】コウロン

【軟・柔】のシソーラス

 「軟」

【軟化】ナンカ

【軟脚】ナンキャク

【軟禁】ナンキン

【軟語】ナンゴ

【軟紅】ナンコウ

【軟弱】ナンジャク

【軟熟】ナンジュク

【軟派】ナンパ

【軟美】ナンビ

【軟風】ナンプウ

【軟文学】ナンブンガク

【軟飽】ナンポウ

ぜじゃう【軟障】

なんか【軟貨】

なんきゅう【軟球】

      「柔」

【穏やか・素直・しとやか(貞淑)・優しい・順】(性格などが)穏やか

円満(エンマン)

穏やか(オダヤカ)

なごかり【和】「さばかりなごかりつる海とも見えずかし」《枕草子・日のいとうららかなるに》《訳》あれほど穏やかであった海とも見えない。

やはらび【和】「なつかしくやはらびたる形(カタ)などを静かに描(カ)きまぜて」《源氏物語・帚木》《訳》親しみがあって穏やかに見えている風景などを静かに描き入れて。

 

やはらかに【柔】「なべて心やはらかに、情けある故(ユÚ)に」《徒然草・一四一》《訳》だいたいにおいて、心が穏やかで、情け深いために。

 

温和しい(オトナシイ)

穏健(オンケン)

温厚(オンコウ)

温柔(オンジュウ)

温情(オンジョウ)

穏当(オントウ)

温良(オンリョウ)

温和・穏和(オンワ)

やはらぎ【和】「寺をも住持せらるるは、かくやはらぎたる所ありて」《徒然草・一四一》《訳》寺の住職もなさったのは、このような温和なところがあって。

 

しおらしい

静か(シズカ)

静静(シズシズ)

しっとり

しなやか

やわらかなる【柔】「御衣(オンゾ)のけはひやわらかなるしも、いとしるかりけり」《源氏物語・空蝉》《訳》お衣装のきぬずれの音は、(布地が)しなやかであるため、かえってたいそうはっきりきこえた。

淑やか(シトヤカ)

柔(ジュウ)

従容(ショウヨウ)

平ら(タイラ)

中庸(チュウヨウ)

中和(チュウワ)

蕩蕩(トウトウ)

和やか(ナゴヤカ)

やはらげ【和】「天地(アメツチ)を靡(ナビ)かし、鬼神(オニガミ)の心をやはらげ」《源氏物語・若菜下》《訳》天地を従わせ、鬼の心もなごやかにし

 

なだらか

軟化(ナンカ)

鳩派(ハトハ)

福福しい(フクブクシイ)

綻びる(ホコロビル)

円か(マドカ)

丸い(マルイ)

物静か(モノシズカ)

むつまじい

やはらげ【和】「男・女の仲をもやはらげ」《古今和歌集・仮名序》《訳》男女の仲もむつまじくさせ

優しい(ヤサシイ)

おにおにしく【鬼々】継母の鬼々しくて、七八年浅からず。母には実の女児あり。其を囮にして、老楽に、わが世経んとて逐電せし歟。《馬琴『青砥藤綱摸稜案』巻六22オD》《やさしい心に欠けた状態。

安い(ヤスイ)

安らぎ(ヤスラギ)

柔らか・軟らか(ヤワラカ)

なごう【和】「高麗(コマ)の紙の、はだ細かになごう懐かしきが」《源氏物語・梅枝》《訳》高麗の紙で、きめが細かく柔らかそうで親しみやすい感じなのを。

なよよかなる【柔】なよよかなる直衣(ナホシ)」《蜻蛉日記・下》《訳》(糊気(ノリケ)がとれた)柔らかな直衣。

 

和らげる(ヤワラゲル)

優優(ユウユウ)

悠悠(ユウユウ)

悠揚(ユウヨウ)

和気藹藹(ワキアイアイ)

やはらぎ【和】「兄(コノカミ)・弟(オトト)、よろこびやはらぎて」《日本書紀・顕宗即位前》《訳》兄と弟が、よろこび仲よくなって。

 

わかりやすい

やはらげ【和】「梨壺(ナシツボ)の五人に仰せて、『万葉集』をやはらげられしも」《十訓抄・七》《訳》梨壺の五人にお命じになって、『万葉集』をわかりやすくなさったのも。

 

【柔らかい】柔らかい(軟)

柔(ジュウ)

柔軟(ジュウナン)

鞣す(ナメス)

軟(ナン)

軟化(ナンカ)

軟式(ナンシキ)

軟質(ナンシツ)

軟性(ナンセイ)

練り(ネリ)

練る(ネル)

物柔らか(モノヤワラカ)

なよよか【柔】なよよかにをかしばめる事を」《源氏物語・夕霧》《訳》ものやわらかで風流じみていることを。

柔(ヤワ)

柔い(ヤワイ)

柔らか・軟らか(ヤワラカ)

やわらかな【柔】晋書十九簡任ハ。何ンノサウサモ。ナイソ。又云。ヲウヤウニ。ヤワラカナ者ノソ。歩行ハ。カチヨリユクコトソ。《『蒙求抄』巻四「阮宣杖頭」451F》

柔らかい・軟らかい(ヤワラカイ)

たをやか【嫋】「萩(ハギ)、いと色深う、枝たをやかに咲きたるが」《枕草子・草の花は》《訳》萩の花は、とても色が濃く、枝もしなやかに咲いているのが。

たをやかなら【嫋】「あなうたて、この人の、たをやかならましかばと見えたり」《源氏物語・帚木》《訳》ああいやだ、この人が物やわらかであったらよいのにと、感じている。◆「やか」は接尾語。

【柔翰】ジュウカン

【柔克】ジュウコク

【柔弱】ジュウジャク・ニュウジャク

【柔術】ジュウジュツ

【柔順】ジュウジュン

【柔条】ジュウジョウ

【柔脆】ジュウゼイ

【柔軟】ジュウナン

【柔日】ジュウジツ

【柔能制剛】ジュウヨクゴウヲセイス

【柔範】ジュウハン

【柔和】ニュウワ

ニュウワ【柔和】錢ノナリハ内ハヨホウニシテ外ハマルウテ内心ハカトヲタヲサスキツカトシテ、ソトハ人ニ打ヤウテソレ/\ニシタガウテマンマル柔和ニシテサカワイテトヲルソ。ツミカサヌナルコトハ山ヲカノ如ニシテナカレ行テ人ノ用ニ立コトハ川ヲ流レル仍テトヽマリツクルコトナイソ。《『玉塵抄』巻三十八、十六258@》

【柔媚】ジュウビ

【柔懦】ジュウダ

【軽重】のシソーラス

 「軽」 

かろく【軽】一日―是レ等がやうに、飛ヒはねあるき、身を輕(カロ)くもつがよいそ。《『蒙求抄』巻六「華侘五禽」543F》

かろい【軽】私シの眷属(ケンソク)どもを、海に浮ヘていんだそ。輕ロい珎寳(チンハウ)そ。《『蒙求抄』巻六「范蠡泛湖」599C》

かるがるしい【軽軽】覽-亭の長ぢやほとに、輕々しく行う事ではなけれども、行てよびたいて、三人酒を飲(ノン)で云フは、人倫(-リン)たる者ノは、孝行(カウカウ)なうてはと云そ。《『蒙求抄』巻七「仇覽棲鸞」645F》

かるうちいさう【軽小】漢ノ世ハジマツテハ、錢ノシテアツカイニクサニ小ニシテ一丈ヲワケテ百丈ホトニカルウチイサウシテイサセラレタソ。《『玉塵抄』巻三十八、十六255G》

 「重」

をもう【重】漢ノ世ハジマツテハ、錢ノシテアツカイニクサニ小ニシテ一丈ヲワケテ百丈ホトニカルウチイサウシテイサセラレタソ。《『玉塵抄』巻三十八、十六255G》

 「軽重」

キヤウヂウ【輕重】随分(ズイブン)武勇(ブユウ)を勵(はげま)し、一命(メイ)を捨(す)て、粉骨(ふんこつ)を盡し、名譽(メイヨ)を世(よ)に顯(あらは)す人の、恩賞(ヲンシヤウ)輕重(キヤウヂウ)、所領(シヨレウ)の大小を論ずる輩(ともがら)あり。〔鈴木正三反故集』仮名法語集・大系282O〕

 

【細太】のシソーラス

  「細」

うつくしほそい【美細】此鵞眼ヨリナヲ減シテウスウ小ナヲ紅環銭ト云ソ。ナワデハツナガイテウツクシホソイイトスヂテツナイタソ。水ニ入レトモシツマヌソ。市マチテカスエモセヌソ。《『玉塵抄』巻三十八、十六256F》

ほそい【細】去ルほどに、面白云てのいたそ。鳥リのやうに、口がほそかつたそ。《『蒙求抄』巻六「范蠡泛湖」599B》

くわしく【精細】−義論(ギー)ヲ。クワシクスルソ。《『蒙求抄』巻四「谷永筆札」448B》

サイサイ【細々】拝−拝シテ。ヒザマヅイテ。柏樹(ハクシユ)ノ木ニ。取(トリ)ツイタソ。細々(サイ/\)アタヽカナ。涙(ナンダ)カ。ツイタホドニ。枯(カレ)タソ。枯ルル程トナイタソ。《『蒙求抄』巻七「王哀柏惨」659I》

  「太」

 

【深浅】のシソーラス

  「深」

おくふかう【奥深】老子ノコトヲ談スルニコワイ口言便コトハ深ウシテヲクフカウトヲイ浅近(シ−)ニナイソ。《『玉塵抄』巻37二一四I》

ふかい【深】霊渕初一ヒ去此ノ――ヲ心也。舎ス彼ノ枯園ヲ[太玄]一初ツカタ霊―ヲ去タソ。霊―ハ心ナリ。心ノフカイヲ霊―ト云タソ。渕ハフカイ心ソ。人ノ心ハ霊ニシテフカイ心ヲ去ト云タハ人ハ心カナウテハナニコトモナラヌソ。去ト云ハフシンソ。《『玉塵抄』巻37一八七FG》

ふかい【深】此セウ爲ソ。孫ノカ下知シテ馬〓〔阜+責〕ト云一騎打ノフカイ谷ノ両方ノ高イミネニクキヤウノ射手弓万張フセテヲイタソ。《『玉塵抄』巻37一九七M》

ふかい【玄】○玄胡涓切ケンナリ。[老]玄之又−。フカイトヨムソ。フカウモナウ又フカイソ。天ノ道ヲイワレタソ。《『玉塵抄』巻37二一二B》

ふかう【深】塁(ミソ)トヨムソ。ホリヲフカウシ城ノ中軍勢ヲアツメカタウシテ秦カラクル軍勢ヲ待ウケテ一合戰セウトコイウケタソ。《『玉塵抄』巻37一八一K》

ふかう【深】塞(ミチ)渕(フカシ)秉(トル)コト心ヲ――[詩]孟子ニモアリ。毛詩ノ語ナリ。人ハ心モチ軽薄ニナウシテ、アマネウコマカニナニヽモワタライデハソ。塞(ミツル)ト云ハアマネウヒロイコトソ。渕(フカシ)ハ物ノヲクソコヲキワメサクルコトソ。上(ウワカ)カワヲナテヽトヲルハワルイソ。斈問ノ方カ塞渕ウカウテハソ。《『玉塵抄』巻37一八九G》

ふかく【深】師示(しめして)、「能々(よくよく)思知(をもひしる)べし。元來(もとより)、女人は性暗(くら)きが故に、先づ瞋(いかり)(つよ)く、貪(むさぼり)(ふか)、愚癡(ぐち)(はなはだし)き也。《鈴木正三反故集』346A》

ふかき【深】(うた)に、わだつ海(うみ)(ふか)に沈(しづ)むいさりせで 持(たも)つかひある法(のり)を求めよ《鈴木正三反故集』321@》》深い海にわざわざ入って魚や貝をとらないで、手に入れるほどのねうちある海草をとるがよい。殺生せずに、仏教の戒法をもとめよ。《典拠》『新古今和歌集』巻二10、釈教。

ふかけれ【深】又云欲(ヨク)ガ深カケレバ。樂ナルホドニ。千金ヲモ懐(イタ)キツベイソ。《『蒙求抄』巻五「隠之感鄰」468D》

  【渕々】エンエン

ふかい【深】渕々トシテ其レ渕ナリ。浩々トシテ其レ天ナリ。渕々ハ静ニシテフカイ心ソ。浩々ハ廣大ノ心ソ。天ノ道ヲ云タソ。《『玉塵抄』巻37一八九I》

  【深浅】シンセン

シンセン【深淺】慎(シン)子ハ。慎到所作也。毫末ノ百歩ノ外ニハ。見トモ。水底デハ。尺バカリノ。間テモ。其ノ深淺ヲハ。エミマイソ。其ノ勢ノ見カタイカラソ。《『蒙求抄』巻八「離婁明目」765G》

  「浅」

あさき【深】一日、語曰く、「謎の本に、成佛(じやうぶつ)とかけて、くさりと解(とき)、地獄(ぢごく)と掛(かけ)て、くまでと解(とく)と有(あり)。是(これ)(あさ)事也といへども、其の理(り)(あた)れり。今時の學者(がくしや)、成佛地獄(ぢごく)の理を是程(ほど)にも心得たる人希(まれ)なり」と也。《鈴木正三反故集』343G》

 【浅近】シンキン

シンキン【浅近】老子ノコトヲ談スルニコワイ口言便コトハ深ウシテヲクフカウトヲイ浅近(シ−)ニナイソ。《『玉塵抄』巻37二一四H》

【広狭】のシソーラス

 「広」ヒロイ

ひろう【廣】嘗ツテ起−家ヲタツル時。只今ニ我カシデウホトニ。其ノ時ニ大名達(タチ)ノワセウ時ニ。ハタナドヲ。サイテ。ワセウホトニト云テ。道ヲ廣(ヒラ)ウサセタソ。《『蒙求抄』巻五「王〓懸刀」475L》

 【広大】コウダイ

クワウダイ【廣大】渕々トシテ其レ渕ナリ。浩々トシテ其レ天ナリ。渕々ハ静ニシテフカイ心ソ。浩々ハ廣大ノ心ソ。天ノ道ヲ云タソ。《『玉塵抄』巻37一八九L》

 【紛綸】フンリン

ひろくひろき【紛綸】後漢書列傳七十三アリ。紛綸ハ。ヒロクヒロキ心ニ用ソ。物ノヲ取(トリ)ミダイタムキニ多ヲ云ソ。紛綸浩博也。《『蒙求抄』巻四「井春五經」444C》

 【遙】

はるかに【遙】天地懸隔ト信心銘テアリ。天ト地トハハルカニアワイヘダヽツタコトソ。物ノ大ニチガウタコトヲ天地ケンガクシタト云ソ。《『玉塵抄』巻37二二二E》

【長短】のシソーラス

  「長」

ながけれ【長】翡翠の髪ざしは、黒ふして長ければ、柳の糸を春風の梳る風情に異ならず。《舞の本『大織冠』一六I》

ながながしい【長々】上未―ベシテ。奇特(キトク)ナトモ。思ハレナンタソ。蕭何(シヨウガ)ガ奇特カツタソ。字カ入レタtレトモ。長々シイホドニ。ヲクソ。《『蒙求抄』巻七「韓信?壇」656F》

ながながと【長々】晋書ノ桓玄カ傳ハムホンヲクワタテタコトヲ長々トノセタソ。《『玉塵抄』巻37二二一D》

  「永・久」

ながく【永】師曰、「汝(なんじ)は過去(くはこ)惡人(あくにん)にて有し故(ゆへ)、頓(やが)て惡道(あくだう)に堕(だ)して、(ながく)大苦患(くげん)を可(ベキ)(ウク)(み)なれども、佛菩薩(ぶつぼさつ)の慈悲(じひ)に因(よつ)て、今生(こんじやう)にて其の惡(あく)を盡(つくし)て、來世(せ)、必成佛因縁(いんゑん)あり。《鈴木正三反故集』338@》

ひさしく【久敷】方も病者(びやうしや)なる間(あひだ)、藥(くすり)をも用(もち)ひ、能(よく)養生(やうじやう)を作(なし)て、久敷(ひさしく)(ベシ)(シユ)ス。長生(ながいき)せねばならぬぞ」と也。《鈴木正三反故集』336G》

    称賛語

 1、神仏を賛える

    神仏と邪鬼

    「美」「麗」

【麗しい】のシソーラス

【美しい・麗しい・うららか・輝かしい】麗しい

麗しい(ウルワシイ)

うるはしう【麗】後漢ノ時ノ者カ。章ハ楚ノ宮ナリ。ソノコトカ。詞ハナヤカニウルワシウシテ美ナソ。シカモ正イ心ヲ以テカキトメタソ。《『玉塵抄』巻37二〇四A》

奇麗・綺麗(キレイ)

精華(セイカ)

鮮麗(センレイ)

壮麗(ソウレイ)

流麗(リュウレイ)

【美しい・麗しい・うららか・輝かしい】美しい

鮮やか(アザヤカ)

うるはしき【麗】「くさぐさのうるはしき貝・石など多かり」《土佐日記・二・四》《訳》いろいろな色鮮やかな貝や石などがたくさんある。

 

文・彩・綾(アヤ)

美しい(ウツクシイ)

うるはし【麗】「大和は国のまほろばたたなづく青垣山隠(ヤマゴモ)れる大和しうるはし」《古事記・景行》《訳》大和は国の中でいちばん優れた所だ。重なり合う緑の垣根のような山々に囲まれた大和の国は壮大で美しい

うつくしう【美】「はじ・かへでの色うつくしうもみぢたるを植ゑさせて」《平家物語・六・紅葉》《訳》はじやかえでの葉が美しく紅葉したのを植えさせて。

 

麗しい(ウルワシイ)

婉然(エンゼン)

艶美(エンビ)

艶麗(エンレイ)

佳(カ)

華美(カビ)

綺羅(キラ)

器量好し(キリョウヨシ)

好色(コウショク)

山紫水明(サンシスイメイ)

珠玉(シュギョク)

精彩(セイサイ)

精美(セイビ)

絶佳(ゼッカ)

絶美(ゼツビ)

壮美(ソウビ)

楚楚(ソソ)

端整(タンセイ)

うるはしう【麗】「同じ小柴(コシバ)なれど、うるはしうしわたして」《源氏物語・若紫》《訳》他と同じ小柴(の垣根)だが、きちんと一面に作って。

 

端麗(タンレイ)

八面玲瓏(ハチメンレイロウ)

派手やか(ハデヤカ)

鼻筋(ハナスジ)

華やか・花やか(ハナヤカ)

ぴかぴか

みめいつくしく【見目美】竜宮の乙姫に、こひさい女と申て、並びなき美人たりしを、見目いつくしく飾り立て、空舟(うつほぶね)に作り籠め、波の上に押し上ぐる。《舞の本『大織冠』二六N》

翡翠(ヒスイ)

美男子(ビダンシ)

美麗(ビレイ)

豊麗(ホウレイ)

見目好い(ミメヨイ)

みめよい【見目好】姿は、みめよい方タそ。《『蒙求抄』巻五「太真玉臺」526L》

みめよい【見目好】「人をたばかる謀、親しくならでは叶はじ」と思し召されける間、見目よき女を尋、我が姫と号し、いつきかしづき給ひけり。美人は言はねど隠れなし。都の上下かつ知て、及ぶも及ばざりけるも、望をかけぬ人はなし。《舞の本『入鹿』六D》《》器量のよい女。

みめわるう【見目悪】對(タイ)ヲ−ハ、ミメワルウテ、人ギライヲシタホトニ、三十二ニナルマテ、夫トヲモタヌソ。賢人ノ徳ノアル、梁伯鸞(リヤウハクラン)ガヤウナ物ノデナウテハ、ヂヤト云ソ。《『蒙求抄』巻五「孟光荊釵」511A》

妙(ミョウ)

幽艶(ユウエン)

優美(ユウビ)

爛漫(ランマン)

玲瓏(レイロウ)

【安・危】のシソーラス

なりやすい【成易】周ノ幽王ノイタヅラニシテ小人佞人ヲナレチカツケテ、大酒ヲノウテ、ヤミドモナク、ホドハカリモナク、夜ルヒルノサカイモナク、ノマレタソ。ワルイコトヲハマネヲシ、ナリヤスイソ。一天下ノ王テセラルヽホトニ、天下コト/\クマネヲシテワルウナツタソ。《『玉塵抄』巻37二二七LM》

あぶない【危】朽索テ六疋ノ馬ヲクツワニシテシタカエタト云ヤウナコトソ。アフナイコトソ。仙術デシタコトソ。《『玉塵抄』巻37二二五H》

【喜ぶ・楽しい・快い・嬉しい・楽しむ】気楽・安らか・晴れやか・安心

【悦喜】エツキ

エツキ【悦喜】去程ニ。義(キ)カ色ニ。アラハレ。近カ比。ヨク申シタト云フテ。御悦喜(エツキ)有タソ。《『蒙求抄』巻五「華〓〔音+欠〕忤旨」474A》

秋晴れ(アキバレ)

安気(アンキ)

安心(アンシン)

麗しい(ウルワシイ)

気散じ(キサンジ)

気丈夫(キジョウブ)

休心・休神(キュウシン)

気楽(キラク)

寛ぐ(クツログ)

極楽蜻蛉(ゴクラクトンボ)

心丈夫(ココロジョウブ)

心安い(ココロヤスイ)

親密(シンミツ)

うるはしき【麗】「昔、男、いとうるはしき友ありけり」《伊勢物語・四六》《訳》昔、男が、とても親密な友人をもっていた。

清清(スガスガ)

救い(スクイ)

すっきり

青天白日(セイテンハクジツ)

千人力(センニンリキ)

助かる(タスカル)

鎮静(チンセイ)

呑気・暢気(ノンキ)

晴らす(ハラス)

晴れがましい(ハレガマシイ)

はれがましき【晴】盛座ハ。ヽレガマシキ座シキソ。謝安(シヤアン)ナドモムシロヲ開(ヒライ)テ待タトアルソ。《『蒙求抄』巻四「車胤聚螢」443B》

晴れて(ハレテ)

晴(れ)晴(れ)(ハレバレ)

晴れやか(ハレヤカ)

晴れる・霽れる(ハレル)

一安心(ヒトアンシン)

檜舞台(ヒノキブタイ)

吹っ切れる(フッキレル)

放念(ホウネン)

まちがいない

うるはしき【麗】「故左馬頭(サマノカミ)義朝(ヨシトモ)のうるはしきかうべとて」《平家物語・一二・紺掻之沙汰》《訳》亡き左馬頭義朝のまちがいない首だといって。

楽(ラク)

楽園(ラクエン)

楽に(ラクニ)

楽楽(ラクラク)

楽観(ラッカン)

楽観的(ラッカンテキ)

礼儀正しい

うるはしく【麗】「この中納言参り給(タマ)へれば、うるはしくなりて、ゐなほりなどせられければ」《大鏡・道隆》《訳》この中納言が参上なさったので、皆が堅苦しくなって、いずまいを正したりなさったので。

【麗逸】レイイツ

【麗億】レイオク

【麗佳】レイカ

【麗雅】レイガ

【麗観】レイカン

【麗閑】レイカン

【麗句】レイク

【麗姿】レイシ

【麗質】レイシツ

【麗春花】レイシュンカ

【麗女】レイジョ

【麗飾】レイショク

【麗色】レイショク

【麗人】レイジン

【麗藻】レイソウ

【汚穢】のシソーラス

きたない【汚】贓穢(-アイ)は、きたない寳ラそ。《『蒙求抄』巻九「鐘離委珠」815G》

きたなう【汚】魯褒カ時世ノ末ニナリテ人ノイヤシウムサブリキタナウナツタコトヲイタミカナシウテ、吾カ姓ヤ氏ヤ名ヲカクイテ、タレトモ主ナシニシテ銭神論ヲ作タソ。《『玉塵抄』巻三十八、十六257K》

けがらわしい【穢】穢惡は、けがらわしいきたない物ノと云心そ。悪る者ノ共そ。我カ威勢(イ−)を以て、あれを打殺セと下知をゑせぬほとに、生キていても曲クがないそ。國家難は、穢惡の者ノともそ。《『蒙求抄』巻七677B》

むさい【穢】一日、或(ある)(ところ)にて、僕(ぼく)、手水(てうず)を湛(たゝゆ)る次(つい)で、彼(かれ)に向(むかつ)て云、「汝等(なんぢら)も自然(しぜん)には(むさ)(たい)(かな)、いやな體(たい)(かな)と思ふ事も有(あり)や」と也。《鈴木正三反故集』344F》

     2、主君・父母を賛える 主君と家臣 父母と子女

       「慈」

【慈しみ・愛しみ】のシソーラス

【愛する・恋する・慈しむ・親しむ・好む・懇ろ・憧憬】愛する・可愛がる・大事にする・可愛いと思う

愛(アイ)

愛敬・愛嬌(アイキョウ)

愛くるしい(アイクルシイ)

愛す(アイス)

愛する(アイスル)

愛撫(アイブ)

愛慕(アイボ)

愛らしい(アイラシイ)

甘える(アマエル)

甘ったるい(アマッタルイ)

いじらしい

労り(イタワリ)

労る(イタワル)

慈しみ・愛しみ(イツクシミ)

慈しむ・愛しむ(イツクシム)

一視同仁(イッシドウジン)

厭う(イトウ)

いとおしい

いとおしむ

愛しい(イトシイ)

うつくし【美】「父母を見れば尊し妻子(メコ)見ればめぐしうつくし」《万葉集・八〇〇》《訳》父母を見ると尊い。妻子を見るとかわいくいとしい

 

麗しい(ウルワシイ)

親心(オヤゴコロ)

恩情(オンジョウ)

可憐(カレン)

可愛い(カワイイ)

うつくしき【美】うつくしきもの。瓜(ウリ)にかきたるちごの顔」《枕草子・うつくしきもの》《訳》かわいいもの。瓜に描いたこどもの顔。

かわい【可愛】女ハ奉公モセヌ、ヲカシイ女ソ。門ハ奉公ノ門ソ。ヲカシイ女ソ。寒(コヽ)ヘテ死候ト云ソ。アラカワイヤト云テ、ダイテネテ、アタヽメタソ。《『蒙求抄』巻五「顔叔秉燭」514B》

かわいい【可愛】使得相代トハ。始皇モサテハ沽テ。居タケルカワイヽト云テ。半分ツヽ立テカヘサスルソ。《『蒙求抄』巻八「優栴滑稽」758C》

かわいげに【可愛気】餘マリ陣立ガ。シケウテ辛労(シンラウ)スル程トニ。男子ヲ生テハカワイゲニ。辛勞サセウヨリト云テ。皆ステタソ。或義曰。陣立ニ無力(ブリヨク)シテ弃(ステ)タソ。《『蒙求抄』巻五「王〓懸刀」476F》

可愛がる(カワイガル)

うつくしみ【慈】「我が心をやりてささげうつくしみ給(タマ)ふも、ことわりにめでたし」《紫式部日記・寛弘五・一〇・一〇》《訳》自分の心を尽くしてこの上なくかわいがりなさるのも、もっともですばらしい。

 

可愛らしい(カワイラシイ)

最愛(サイアイ)

慈愛(ジアイ)

自愛(ジアイ)

潮・汐(シオ)

自重(ジチョウ)

賞する(ショウスル)

信愛(シンアイ)

親愛(シンアイ)

仁愛(ジンアイ)

仁慈(ジンジ)

切愛(セツアイ)

大切に(タイセツ)

いつくしみ【慈】「後には隔てなくいつくしみ」《二十四孝・御伽》《訳》後には分け隔てなく大切にし

 

寵愛(チョウアイ)

溺愛(デキアイ)

情け(ナサケ)

ジヒ【慈悲】「一切の有情(ウジヤウ)を見て、じひの心なからんは、人倫にあらず」《徒然草・一二八》《訳》すべての生き物を見て情けの心がわかないようなら、人間ではない。

 

猫可愛がり(ネコカワイガリ)

熱愛(ネツアイ)

博愛(ハクアイ)

腹心(フクシン)

愛でる(メデル)

盲愛(モウアイ)

【慈愛】ジアイ

【慈烏】ジウ

【慈雨】ジウ

【慈雲】ジウン

【慈恩】ジオン

【慈恩寺】ジオンジ

【慈眼】ジゲン

【慈訓】ジクン

【慈恵】ジケイ

【慈姑】ジコ

【慈孝】ジコウ

【慈親】ジシン

【慈石】ジシャク・ジセキ

【慈善】ジゼン

【慈孫】ジソン

【賢い】のシソーラス

【賢い・聡い・さかしい】賢い・聡い

英明(エイメイ)

エイブツ【英物】生レテ。ムカワリ月ニモナラヌニ。奇特(キトク)ナ處ガアル。ナカセヨ我キヽ知ラフスト。温?(ヲンキヤウ)ガ云ソ。聞(キヒ)テ真實(シンジツ)ノスグレ者ノヂヤヨト云ソ。覚範(カクバン)ヲ天下英(エイ)物ト云フタモ。コヽカラソ。《『蒙求抄』巻五「桓温奇骨481G》

お節介だ(オセッカイダ)

さかしらに【賢】さかしらに柳の眉(マユ)のひろごりて」《枕草子・三月ばかり》《訳》おせっかいに柳の葉が広がって。

 

恐ろしい(オソロシイ)

かしこし【賢】「大海の波はかしこし」《万葉集・一二三二》《訳》大海の波は恐ろしい

をそろしい【恐】我カ子デ問スコトヲ。知ルホトナ程トニト云テ。エズウ思ウタソ、アマリニ。ヲソロシイト云テ。イヤカルソ。《『蒙求抄』巻五「楊脩捷對」485K》

をそろしがり【恐】事―真實(シンシツ)ニ可殺事デハナイヲ。コトニヨソヘテ殺シタソ。利根(リコン)スギタ程トニ。ヲソロシガリテソ。《『蒙求抄』巻五「楊脩捷對」486@》

をそろしく【恐】去ば、(をそろ)しく見ゆるも五色、美(いつくし)く見ゆるも五色、貴(たつと)く見ゆるも五色、賤(いやし)く見ゆるも五色、如(ゴトク)(カク)ノ、萬般(ばんぱん)の境界(きやうがい)、皆(みな)是夢幻(むげん)空花(くうくは)也。《鈴木正三反故集』286K》

賢い(カシコイ)

かしこく【賢】「年ごろ訪れざりける女、心かしこくやあらざりけむ、はかなき人の言につきて」《伊勢物語・六二》《訳》(男が)長い間訪ねていかなかった女が、賢くなかったのだろうか、別のあてにならない男の言葉に乗せられて。

気が利く(キガキク)

さかしき【賢】「こと人々のもありけれど、さかしきもなかるべし」《土佐日記・一二・二六》《訳》ほかの人々の(和歌)もあったけれど、気が利いているものはないようである。

気丈(キジョウ)

さかしき【賢】「中に、心さかしき者、念じて射むとすれども、ほかざまへ行きければ」《竹取物語・かぐや姫の昇天》《訳》(兵の)中の気丈な者が、こらえて射ようとするが、(矢は)ほかの方へ飛んで行ったので。

 

慧眼(ケイガン)

炯眼・烱眼(ケイガン)

気高い(ケダカイ)

けだかい【気高】家ノワカイ少年一人アリ。ソレニトモニ老子経ノコトヲ語タソ。ソノ少年ナリ。カヽリ容儀美然トシテケタカイソ。《『玉塵抄』巻37二一四H》

賢(ケン)

賢明(ケンメイ)

さかしく【賢】「国の守(カミ)、眼さかしくして、この主(ヌシ)は不実の者、この男は正直の者と見ながら、なほ不審なりければ」《沙石集・九》《訳》国守はものの見方が賢明であって、この主人は不実の者、この男は正直者と判断したが、まだ不審なので。

ケンメイ【賢明】與大常ノ−韓(カン)−隣ソ。賢明婦人ト云フ者ノガ子(コ)ソ。殷浩(カウ)カ姉(アネ)ソ。一義ニ云賢明ハ名ニアラス。賢明アル婦人(フ−)ゾ。《『蒙求抄』巻五「隠之感鄰」466KL》

高貴な(コウキナ)

かしこき【賢】かしこき御身のほどと聞こゆる中にも」《源氏物語・薄雲》《訳》高貴なご身分と申し上げる中でも。

小賢しい(コザカシイ)

こざかしい【小賢】子何ノ、コザカシイ者ノテ云タソ。イキデ、アタヽムルヲ煦ト云。體デアタヽムルヲ、〓〔女+区〕(ク)ト云ソ。《『蒙求抄』巻五「顔叔秉燭」513K》

さかしらに【賢】「返りごとはさかしらにうちするものから」《枕草子・男こそ、なほいとありがたく》《訳》返事はこざかしく少しするものの。

 

賢しい(サカシイ)

差し出がましい(サシデガマシイ)

さかしら【賢】さかしらする親ありて」《伊勢物語・四〇》《訳》差し出がましいことをする親があって。

 

聡い・敏い(サトイ)

捌ける(サバケル)

上手だ(ジョウズ)

かしこう【賢】「とみの物縫ふに、かしこう縫ひつと思ふに」《枕草子・ねたきもの》《訳》急ぎの物を仕立てて、上手に縫ったと思ったのに。

 

優れた(スグレタ)

かしこき【賢】「北山になむ、なにがし寺といふ所にかしこき行ひ人侍(ハベ)る」《源氏物語・若紫》《訳》北山の、何とかという寺に、すぐれた行者がおります。

すぐれもの【優者】生レテ。ムカワリ月ニモナラヌニ。奇特(キトク)ナ處ガアル。ナカセヨ我キヽ知ラフスト。温?(ヲンキヤウ)ガ云ソ。聞(キヒ)テ真實(シンジツ)ノスグレ者ノヂヤヨト云ソ。覚範(カクバン)ヲ天下英(エイ)物ト云フタモ。コヽカラソ。《『蒙求抄』巻五「桓温奇骨481G》

 

盛大に(セイダイニ)

かしこく【賢】「男はうけきらはず呼び集(ツド)へて、いとかしこく遊ぶ」《竹取物語・かぐや姫の生ひ立ち》《訳》男はもれなく呼び集めて、たいそう盛大に管弦の遊びをする。

 

聡慧(ソウケイ)

聡悟(ソウゴ)

聡明(ソウメイ)

即妙(ソクミョウ)

大賢(タイケン)

知者・智者(チシャ)

知的(チテキ)

都合がよい(ツゴウガヨイ)

かしこき【賢】「風吹かず、かしこき日なり」《源氏物語・若菜上》《訳》風も吹かず、(蹴鞠(ケマリ)には)都合がよい日だ。

 

当意即妙(トウイソクミョウ)

発明(ハツメイ)

開ける(ヒラケル)

密告(ミッコク)

さかしら【賢】「人のさかしらにあひて、領(シ)る所をも失ひ」《雨月物語・吉備津の釜》《訳》他人の密告にあって、所領をも失い。◆「ら」は接尾語。

 

明(メイ)

もったいない

かしこく【賢】かしこくおそろしと思ひけれど、さるべきにやありけむ」《更級日記・竹芝寺》《訳》もったいなく恐ろしいと思ったけれど、そうなる運命だったのだろうか。

 

利口・利巧・悧巧(リコウ)

さかしら【賢】「あな醜(ミニク)さかしらをすと酒飲まぬ人をよく見れば猿にかも似る」《万葉集・三四四》《訳》ああ、醜いことだ。りこうぶることをして酒を飲まない人をよく見ると猿に似ていることだ。

さかしう【賢】「せめて申させ給(タマ)へば、さかしう、やがて末まではあらねども」《枕草子・清涼殿の丑寅のすみの》《訳》(帝(ミカド)が)強いておっしゃると、(女御は)利口ぶって、ずっと歌の最後までではないが。

さかしがる【賢】「おしはかりごとうちし、すずろなる物恨みし、我さかしがる」《枕草子・いみじう心づきなきもの》《訳》当て推量をしたり、根も葉もない逆恨みをしたりして、自分はとりこうぶる(のも)。◆「がる」は接尾語。

 

利根(リコン)

リコン【利根】事―真實(シンシツ)ニ可殺事デハナイヲ。コトニヨソヘテ殺シタソ。利根(リコン)スギタ程トニ。ヲソロシガリテソ。《『蒙求抄』巻五「楊脩捷對」486@》

こリコン【小利根】方言小兒多詐謂‖之レヲ狡猾(カウクツ)ノト|ワラウベノ。小利根(コリコン)デ。ソラコトヲ云マワル如クナホトニ。狡−ト云ソ。《『蒙求抄』巻五「江泉四凶」472J》

利発・悧発(リハツ)

怜悧(レイリ)

【賢英】ケンエイ

【賢王】ケンオウ

【賢愚】ケング

【賢君】ケンクン

【賢兄】ケンケイ

【賢佐】ケンサ

【賢宰】ケンサイ

【賢才】ケンザイ

【賢材】ケンザイ

【賢察】ケンサツ

【賢士】ケンシ

【賢者】ケンジャ

【賢主】ケンシュ

【賢俊】ケンシュン

  【賢人】ケンジン

ケンジン【賢人】紫(シ)−帯ヲラルホトニ。官位ニナルコト云フタソ。後ニ盧循(ロシユン)ニ。トラエラレテ。殺サレタソ。賢人ナレトモ。遁(ノカ)レヌソ。義煕九年ニ卒ス。《『蒙求抄』巻五「隠之感鄰」468L》

【賢聖】ケンセイ

【賢相】ケンショウ

【賢台】ケンダイ

【賢知】ケンチ

【賢智】ケンチ

【賢弟】ケンテイ

【賢哲】ケンテツ

【賢能】ケンノウ

【賢媛】ケンエン

【賢不肖】ケンフショウ

【賢婦】ケンプ

【賢輔】ケンポ

【賢母】ケンボ

【賢明】ケンメイ

【賢友】ケンユウ

【賢慮】ケンリョ

【愚鈍】のシソーラス

あさはか。愚か(オロカ)

あさましき【浅間敷】(しか)るに、如此の理(ことはり)を不(ズ)(ワキマヘ)(シラ)、明暮(あけくれ)渡世(とせい)の營(いとなみ)(のみ)に心を盡(つく)し、曉(あかつき)の寢覺(ねざめ)にも、此の身を樂(たのしま)ん事を思(おもひ)て、命(いのち)の終(をは)らん事を夢にも不、暗々(やみ/\)として三途(さんづ)の業(ごう)を増長(ぞうぢやう)して、大苦患(だいくげん)を受(うけ)ん事、浅間敷(あさましき)に非(あらず)や。《鈴木正三反故集』291K》

あさましき【浅間敷】(をのれ)を不(シラ)して、暗(くらき)より闇(くらき)に入事、浅間敷(あさましき)事に非(あらず)や。萬事(ばんじ)は皆(みな)(ひ)なり、強(つよ)く眼(まなこ)を付(つく)べし。《鈴木正三反故集』296L》

幼い(オサナイ)

をさない【幼】謂テ宗人−コヽニ居タ。ヲサナイモノハ。私シガ孫(マコ)テ候ガ何トマリ。一門ヲ興(ヲコ)サウ者ノテ候ト云ソ。《『蒙求抄』巻五「陳群蹙容」474K》

をさない【幼】問レバ。マツカウ御返事(ヘンジ)ヲ申セト云テ。返事ノ樣(ヤウ)ヲ記(シル)シテヲイテ。留守ノ。ヲサナイ者ノ教ヘテ云ヒ置タソ。留守(ルス)ノ。ヲサナイ者ノニ。三箇條(ガテウ)操ガ問フ事ガアツタレハ。三箇條ナガラ答(コタヘ)タソ。《『蒙求抄』巻五「楊脩捷對」485D》

をさなき【幼】祭―?ヲ祭ツル時ニハ。神ノ代官ニ。ヲサナキ者ノヲ。?ニ。ヲクヲ云ソ。《『蒙求抄』巻四「文伯羞鼈」452K》

をろかな【愚】「こゝもとでは、人が盗むゆへに、むかしより作られぬ」といへば、「おろかな事ぢや。よき馬一疋にても、大分の金をとる事ぢやに、いか程番をしても、くるしからぬ事ぢや。善悪、此春作らふ」とて、上々の山椒十石ほど買ひとり、山を掘らせ、ことごとく蒔ひて、四五日して、「やう/\生へ時分ぢやが、遅ひ」とて、、つれの人に問へば、「それはいつ比御まき候」「此四五日さきにまいたる」といへば、「生ゑぬが道理よ。天火、地火に物種をまいては、生へぬが不思議でもなひ」と云。《江戸笑話集『きのふはけふの物語』48G》

  【闇愚】アング

しやうくらき【性暗】師示(しめして)、「能々(よくよく)思知(をもひしる)べし。元來(もとより)、女人は性暗(くら)が故に、先づ瞋(いかり)(つよ)く、貪(むさぼり)(ふか)く、愚癡(ぐち)(はなはだし)き也。《鈴木正三反故集』346A》《語釈》性質が闇愚である。おろかものである。

【尊貴】のシソーラス

うやうやしい【恭】祭導−列傳十.冨−ハ小タノシカツタソ。ヲゴリハセイデ。ウヤ/\シウシテ居タソ。《『蒙求抄』巻七「祭導布被」669K》

たつとい【尊】タツトイ人ニ奉公スルヤウナソ。鳥モ王孫ト云コトヲ知タケナソ。《『玉塵抄』巻37一九三A》

たつとく【貴】去ば、(をそろ)しく見ゆるも五色、美(いつくし)く見ゆるも五色、(たつと)見ゆるも五色、賤(いやし)く見ゆるも五色、如(ゴトク)(カク)ノ、萬般(ばんぱん)の境界(きやうがい)、皆(みな)是夢幻(むげん)空花(くうくは)也。《鈴木正三反故集』286K》

 

【惡】のシソーラス

  惡い(アシイ)

あいあしい【相惡】臣下カ君上ノコトヲアイアシイトマウスハ、キラレウスコトソ。ヽノツミヲヽカメマウシアクルト云心ソ。《『玉塵抄』巻36十七039K》

  惡い(ワルイ)

わるう【惡】後漢列傳七十三、イカニモミメガワルウテ、ヨコブトツテアルラウ。結句(ケツク)力ラガツヨカツタソ。是レヲ妻(メ)ニシテハ、サテヾアラウソ。《『蒙求抄』巻五「孟光荊釵」510K》

 【悪日】アクニチ

アクニチ【惡日】端午ニハ病ヲ消スルコトヲ本ニシテ百薬百草トモヲトルソ。悪日テアルカ、文殊モ善財童子ヲ薬草ヲ採セラレタソ。《『玉塵抄』巻37二二六A》《》運の悪い日。

【愚・劣】のシソーラス

【遅・速】のシソーラス

はやうをそう【早遅】斉ノ陸−沈約ニ書ヲカイテヤツテ、詩文ニ宴茶tンテカイタソノ声韻ノコトヲ論シタ書ニ一人ノ文ヲカク才思ノハヤウカキダスト、一人ハヲソウカキタストノ才ノチヤウタコト大ノハルカニタカイト他ノヒクイとチカウタヤウナソ。《『玉塵抄』巻37二二二J》

 

【大・小】のシソーラス

ちいさい【小】「甕天醯鷄守――[谷]」スタテカメノ小壺ノ中カラ天ヲマフリツメテイルソ。天ヲ小キミテ、天ハチイサイト云ソ。《『玉塵抄』巻36十七039G》

ちいさい【小】アノ樣(ヤウ)ナチイサイ者ノヲ取リ出シテ腹立(フクリフ)サスルフハト云テ。文伯ヲ追(ヲヒ)出シタソ。此義可歟。《『蒙求抄』巻四「文伯羞鼈」453D》

ちいさい【小】中挟−。匕(ヒ)首ハ。チイサイ。ツルキソ。カシラガ。サジノ如キソ。是レガ少テ人ヲ。殺スニ便道(ヘンー)ナソ。《『蒙求抄』巻八「豫譲喬炭」736K》

【広・博】のシソーラス

ひろう【博】雍史記列傳十四。博―ひろう物を聞ヒて、強にこわう物ノをゝぼへて、記はむねにしるいてをいてそ。《『蒙求抄』巻五「淳于灸〓」523K》

 【寛広】カンコウ

クワンクワウ【寛廣】心が寛廣(クワンクワウ)になうて、死タあまり小義な者ノと也一身の上を愁て死たと、云さうではないそ。《『蒙求抄』巻六「仲連蹈海」595K》

【狭隘】のシソーラス

せばせばしい【狭々】強清―水は、見事にすんでは有そ。去ながら、易シ?(クム)ニは、くみほさうも、濁(ニコ)らさうも、やすいそ。せは/\しい者ノぢやほとに、不宿歸と也。《『蒙求抄』巻十「黄憲萬項」937G》

【細太】のシソーラス

ほそう【細】○〓〔水+ム月〕小流谷川ナトノソロ/\トホソウ流カタチナリ。《『玉塵抄』巻37一九四M》

ほそい【細】[家語] 〓〔水+ム月〕−ト不止、将ニ成ント江河ト水ノ流ホソイト云ヘトモ、昼夜流レテヤミドナケレハ、必大河大江トナルソ。スクナイト云テアナドリ油断スマイソ。善モツミ悪モツミツモレハ大ニナルソ。人ノ戒カナソニ孔子ノイエタ者ソ。《『玉塵抄』巻37一九五@》

ほそい【細】ホソイセリ/\水、天下ノ水ニシタカウテ、人ナミ/\ニ東海エ流レヲモムイテ小ノ一滴ノ流ヲ東海ノ王エマラスルソ。《『玉塵抄』巻37一九五I》

【多少】のシソーラス

すくない【少】[家語] 〓〔水+ム月〕−ト不止、将ニ成ント江河ト水ノ流ホソイト云ヘトモ、昼夜流レテヤミドナケレハ、必大河大江トナルソ。スクナイト云テアナドリ油断スマイソ。善モツミ悪モツミツモレハ大ニナルソ。人ノ戒カナソニ孔子ノイエタ者ソ。《『玉塵抄』巻37一九五A》

すくなけれ【少】言寡−詞ハスクナケレドモ。理カタヾシク。ヨウキコヘタソ。未有室ハ。妻(メ)ガナイソ。《『蒙求抄』巻四「阮宣杖頭」451H》

すこしき【少】[坡]振イ袖ヲ傾テ鬘風露−。美人ヲ云タソ。風−ツユノスコシキコトカツユノチツト流タコトカ。〓〔水+ム月〕ノ心、々エヌソ。《『玉塵抄』巻37一九五D》

【新古】のシソーラス

ふるい【古】冨貴ニナツテハ、古イ妻(メ)ヲヽイ出テ、新妻(−ヒメ)モツト云ガ、サウ候歟(カ)ト問ソ。面白フ問ハレタソ。《『蒙求抄』巻五515I》

ふるい【古】老ハ。フルイコウ者ソ。《『蒙求抄』巻五「周澤犯齊」503L》

ふるい【陳】{陳}ト云ハ、フルイ心ソ。三年ニナル者ヲ{陳}ト云。醫家ニハ云ソ。{陳−}ハフルイ昔ノ古書ノコトソ。フルイ上代ノ書ヲウカヽイミテ、ソノ詞ヤ心ヲヌスミ取テ文字ヲ述作スル心カ、心ヤ法ヲヌスミトル心カ。古書ヲウカヽウテ、盗ト云ワ心エニクイソ。ナニモ一句半言テハ心エラレヌ者ナリ。《『玉塵抄』巻37二〇九F》

 

  1. 事物を賛える

  酒・薬など

【良】のシソーラス

【いい・良い】良い・良くなる・良くする

  良い・善い・好い(イイ) 好い事(イイコト) 可(カ)

  結構(ケッコウ)

ケツコフ【結構】麗―は結構な衣裳(イシヤウ)、結構な食物をくうたそ。《『蒙求抄』巻五「武子金埒」528K》

  好転(コウテン) 順潮(ジュンチョウ) 長所(チョウショ) 取り所(トリドコロ) 美果(ビカ) 美点(ビテン)

  好ましい

いろよき【色好】(そう)じて、女人の寺參(てらまひり)(など)の時(とき)色好(いろよき)衣装(いしやう)を著(き)る事、甚(はなはだ)道理(だうり)に背(そむ)けり。《鈴木正三反故集』345H》《語釈》好ましい。

  めでたい

めでたい【目出度】天也。雨ヲイノルカシタニフツタホトニメテタイト云テ喜テ表ヲカイテ天エ上タソ。《『玉塵抄』巻37二一三B》

めでたき【目出度】此、善心善業(ぜんしんぜんごふ)目出度(めでたき)(こと)を知(しつ)て、惡(あく)を退(しりぞ)け善(ぜん)を修(しゆ)し玉ふべき也。《鈴木正三反故集』304B》

  良い・善い・好い(ヨイ)

よい【良】雍−は、のびのびとして、しつけよいかたそ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」609@》

よい【好】一日―是レ等がやうに、飛ヒはねあるき、身を輕(カロ)くもつがよいそ。《『蒙求抄』巻六「華侘五禽」543F》

よい【好】?足は二字ながら足そ。只居をせいで、あるくがよいそ。氣血が道びかれて好いそ。《『蒙求抄』巻六「華侘五禽」543KL》

  良い事(ヨイコト) よしなに 宜しい(ヨロシイ) 宜しく(ヨロシク) 良(リョウ) 良好(リョウコウ)

 

【いい・良い】良い程度

  可(カ)

  極(ゴク)

  最良(サイリョウ)

  然る可く(シカルベク) 次善(ジゼン) 順当(ジュントウ) 純良(ジュンリョウ) 絶好(ゼッコウ) 美(ビ) ベスト 程好い(ホドヨイ) 良(リョウ)

【惡】のシソーラス

  悪い(ワルイ)

わるい【悪】本傳の点、如此桑のやとり木か何れにわるい物ノぢやげなこそ、ここもとの、桑には、やどり木がないそ。桑を取物ぢやほとに、惡かそ。《『蒙求抄』巻十「張堪折轅」929L》

わるい【悪】成王奄ヨリ本ノ周ノミヤコエ帰テ、諸国ノ諸侯ニ禍ノワルイコト、又サイワイノ福ノコトヲ告レタソ。《『玉塵抄』巻37一九九J》

わるい【悪】周ノ幽王ノイタヅラニシテ小人佞人ヲナレチカツケテ、大酒ヲノウテ、ヤミドモナク、ホドハカリモナク、夜ルヒルノサカイモナク、ノマレタソ。ワルイコトヲハマネヲシナリヤスイソ。一天下ノ王テセラルヽホトニ、天下コト/\クマネヲシテワルウナツタソ。《『玉塵抄』巻37二二七LM》

【上】のシソーラス

【いただき(頂)・頭】上・高い・てっぺん・頂

  高い(タカイ)

たかい【高】木天秘当閣下穹窿高敝裡之――[類説]敝ハアラワルヽトヨムソ。高イ所ハカクレモナウアラワルヽソ。秘当閣ヲ木ト云心不知ソ。《『玉塵抄』巻36・16三九C》

たかい【高】此セウ爲ソ。孫ノカ下知シテ馬〓〔阜+責〕ト云一騎打ノフカイ谷ノ両方ノ高イミネニクキヤウノ射手弓万張フセテヲイタソ。《『玉塵抄』巻37一九七M》

たかい【高】潤州鶴林寺花高丈餘毎開時。或見ル三女子遊ヲ周宝謂テ殷七々ニ曰重九将ニ近能開ン此花ヲ。手中夜二女謂テ殷ニ曰、妾爲上帝此花ヲ。今与道者之。此花非久。帰〓〔門+良〕苑矣。及九日爛漫如春宝遊賞累日、花俄ニ不見。後兵火焚寺樹失根株。信ス帰ヲ〓〔門+良〕苑。[坡詩注]潤州ニ鶴林寺アリ。寺ニ杜鵑花アリ高サ一丈アマリ、サノミハナイ花ソ。スクレテソ。花ノサク時分ニシテ女子二人キテ花ヲミテ遊ソ。《『玉塵抄』巻37一九四A》

  頭(アタマ)

あたまな【頭】誕伯(タン−)ハ。誕ハ大也。ヲヽキナ事ヲ云。アタマナ事ヲ云ソ。《『蒙求抄』巻五「阮放八雋」471B》

  頂(イタダキ) 上(ウエ) 上(ウワ) 頭(カシラ) 上(カミ) 机上(キジョウ) 山上(サンジョウ) 山頂(サンチョウ) 山巓(サンテン) 上(ジョウ) 上告(ジョウコク) 上申書(ジョウシンショ) 上席(ジョウセキ) 上奏(ジョウソウ) 上層(ジョウソウ) 上段(ジョウダン) 上聞(ジョウブン) 上方(ジョウホウ)

  上品(ジョウボン)

ジヤウボン【上品】彼秦−秦は狐狼(コロウ)の國て、首取ことを上品にするほとに首功の國と云そ。《『蒙求抄』巻六「仲連蹈海」596F》

  水上(スイジョウ) 翠微(スイビ) 頭上(ズジョウ) 絶頂(ゼッチョウ) 頂上(チョウジョウ) 頂点(チョウテン) 頂門(チョウモン) 直上(チョクジョウ) 天辺(テッペン) 天(テン) 天頂(テンチョウ) 登頂(トウチョウ) 脳天(ノウテン) 氷上(ヒョウジョウ) 真上(マウエ) 稜線(リョウセン)

 

【いただき(頂)・頭】…の表面・…の中

  上(ウエ) 史上(シジョウ) 紙上(シジョウ) 上(ジョウ)

 

【高い】高い地位

  上(ウエ) 大(オオ) 上手(カミテ)

  高位(コウイ)

カウイ【高位】福徳(ふくとく)高位(かうい)の身を樂(たのし)む心不(ツキ)して、我身(わがみ)の爲(ため)に作(なす)功徳(くどく)は、未來(みらい)福徳(ふくとく)と成といへども、輪廻(りんゑ)の業(ごふ)(ツクス)、是を有漏善(うろぜん)と云也。《鈴木正三反故集』300I》

  昇級(ショウキュウ) 昇段(ショウダン) 青雲(セイウン)

  高い(タカイ)

たかい【高】令史ハ文章史筆ヲ本ニスル官ソ。蔡邑カ此ノ人ハ高イ官位ニアゲウス人ヂヤト云タソ。《『玉塵抄』巻37二〇四F》

たかい【高】清級(キフ)ハ。タカイ官ト云フ心ソ。本傳ニハ。左衞將軍ニ。ナイタトアルソ。明ナ官ナレ共。禄(ロク)ヲ我カ物ノニハセイテ。一族(ソク)親類(シンルイ)ニ。ワケテ。トラセタソ。清級(キフ)ノ下ニ。累遷左衞將軍居清顕。禄賜皆班親族ニ。《『蒙求抄』巻五「隠之感鄰」467F》

  利達(リタツ)

 

【位・層・等級】序列・等級(価値に上下のある)

  位(イ) 位階(イカイ) 一位(イチイ) 一枚(イチマイ) 一級(イッキュウ) 一等(イットウ) 上(ウエ) 栄位(エイイ) 王位(オウイ) 王座(オウザ) 大(オオ) 下位(カイ) 階級(カイキュウ) 界層(カイソウ) 階層(カイソウ) 階梯(カイテイ) 下級(カキュウ) 格(カク) 格付け(カクヅケ) カスト 下層(カソウ) 下等(カトウ) 下流(カリュウ) 家老(カロウ) 官位(カンイ) 官職(カンショク) 官等(カントウ) 騎士(キシ) 級(キュウ) 極(キョク) 空位(クウイ) 位(クライ) 位負け(クライマケ) クラス グレード 勲(クン) 勲等(クントウ) 警部(ケイブ) 功(コウ) 皇位(コウイ) 高級(コウキュウ) 公民(コウミン) サード 三流(サンリュウ) 次位(ジイ) 資格(シカク) 四姓(シセイ) 失地(シッチ) 品(シナ) 士農工商(シノウコウショウ) 四民(シミン) 斜陽族(シャヨウゾク) 主位(シュイ) 首位(シュイ) 順位(ジュンイ) 正(ショウ) 上位(ジョウイ) 上級(ジョウキュウ) 上質(ジョウシツ) 上層(ジョウソウ) 城代(ジョウダイ) 上等(ジョウトウ) 上人(ショウニン) 上流(ジョウリュウ) 初級(ショキュウ) 職階(ショッカイ) 初等(ショトウ) 序の口(ジョノクチ) 序列(ジョレツ) 人(ジン) 親等(シントウ) スターダム ステータス 席次(セキジ) 船級(センキュウ) 層(ソウ) 贈位(ゾウイ) 僧正(ソウジョウ) 総領事(ソウリョウジ) 代位(ダイイ) 第三(ダイサン) 大僧正(ダイソウジョウ) タイトル 立(て)(タテ) 段(ダン) 段位(ダンイ) 段階(ダンカイ) 地(チ) 地位(チイ) チェア 中位(チュウイ) 中級(チュウキュウ) 中段(チュウダン) 中等(チュウトウ) 中流(チュウリュウ) 中老(チュウロウ) 帝位(テイイ) 低級(テイキュウ) 底辺(テイヘン) 天(テン) 等(トウ) 等位(トウイ) 等外(トウガイ) 等級(トウキュウ)

  同等(ドウトウ)

ひとしき【等】四書五經ノ疏達ヲナスコトハ。杜欽(トキン)ヤ杜〓〔業+阜〕ト畧(ホー)ヒトシキソ。大冠杜。小冠杜ト云ソ。《『蒙求抄』巻四「谷永筆札」447C》

  特等(トクトウ) 特級(トッキュウ) 並(み)(ナミ) 二流(ニリュウ) 年功序列(ネンコウジョレツ) 博士(ハクシ) 品等(ヒントウ) ブルジョア 分限(ブンゲン) ベスト ヘッド 本位(ホンイ) 末席(マッセキ) 無位(ムイ) 無冠(ムカン) 無産階級(ムサンカイキュウ) 優位(ユウイ) 有産階級(ユウサンカイキュウ) 許し(ユルシ) ランキング ランク 律師(リッシ) 劣位(レツイ) 劣等(レットウ) レベル 労資(ロウシ)

 

【よわい(齢)・とし(年)】高年齢・年配・年上

  上(ウエ) 大きい(オオキイ) 喜の字(キノジ) 高年(コウネン) 高齢(コウレイ) 古希・古稀(コキ) 五十(ゴジュウ) 最長(サイチョウ) 耳順(ジジュン) 初老(ショロウ) 大厄(タイヤク) 致仕(チシ) 知命(チメイ) 中老(チュウロウ) 長(チョウ) 長じる(チョウジル) 長ずる(チョウズル) 定年・停年(テイネン) 年上(トシウエ) 年甲斐(トシガイ) 年嵩(トシカサ) 年長(ネンチョウ) 年配・年輩(ネンパイ) 八十(ハチジュウ) 百(ヒャク) 不惑(フワク) 六十・六十路(ムソジ) 米(ヨネ) 老齢(ロウレイ) 六十(ロクジュウ)

【始まる・初め・いとぐち(緒・端)】初歩段階(高低)始めの頃

  アルファベット 上(ウエ) 階梯(カイテイ) 頭(カシラ) 巻首(カンシュ) 巻頭(カントウ)

  高低(コウテイ)

たかいひくい【高低】斉ノ陸−沈約ニ書ヲカイテヤツテ、詩文ニ宴茶tンテカイタソノ声韻ノコトヲ論シタ書ニ一人ノ文ヲカク才思ノハヤウカキダスト、一人ハヲソウカキタストノ才ノチヤウタコト大ノハルカニタカイト他ノヒクイとチカウタヤウナソ。《『玉塵抄』巻37二二二K》

  始末(シマツ) 首尾(シュビ) 上(ジョウ) 初心(ショシン) 初頭(ショトウ) 序の口(ジョノクチ) 序盤(ジョバン) 初歩(ショホ) 序幕(ジョマク) 端倪(タンゲイ) トップ ドレミ 年初(ネンショ) 冒頭(ボウトウ) 両端(リョウタン)

【場(立場)・地(地位)・境遇】立場・境遇

  足元・足下・足許(アシモト) 域(イキ) 上(ウエ) 憂(き)身(ウキミ) 憂(き)目(ウキメ) 受け〈太刀〉(ウケダチ) 受(け)身(ウケミ) 境界(キョウガイ) 境涯(キョウガイ) 境遇(キョウグウ) 殉教(ジュンキョウ) 身上(シンジョウ) 為る(スル) 瀬(セ) 空(ソラ) 立場(タチバ) 立つ瀬(タツセ) 旅の空(タビノソラ) 中立(チュウリツ) 塗炭(トタン) 泥水(ドロミズ) 悲境(ヒキョウ) 不偏不党(フヘンフトウ) 身(ミ) 身の上(ミノウエ) 矢面・矢表(ヤオモテ) 立脚(リッキャク) 立地(リッチ)

【増す・加える・増える・増やす】増す・加える(「時」に使う接続詞など)

  一倍(イチバイ) 愈・弥(イヨイヨ) 上(ウエ) 御負けに(オマケニ) 糅てて加えて(カテテクワエテ) 更に(サラニ) 加之(シカノミナラズ) それから 但し(タダシ) 益益(マスマス) 又(マタ) 有(ユウ)

【あと(以後)】以後

  後(アト) 後味(アトアジ) 後先(アトサキ) 以往(イオウ) 以後(イゴ) 以降(イコウ) 一別以来(イチベツイライ) 以来(イライ) 上(ウエ) 追って(オッテ) 後(ゴ) 向後・嚮後(コウゴ) 後世(コウセイ) 後代(コウダイ) 後刻(ゴコク) 後日(ゴジツ) 此の後(コノノチ) 今後(コンゴ) 死後(シゴ) 事後(ジゴ) 爾後(ジゴ) 下(シタ) 爾来(ジライ) 絶後(ゼツゴ) 戦後(センゴ) 中陰(チュウイン) 直後(チョクゴ) 読後(ドクゴ) 後(ノチ) 後後(ノチノチ) 後程(ノチホド) 没後・歿後(ボツゴ)    末代(マツダイ) 夜来(ヤライ) 老後(ロウゴ)

【由】原因・理由

  間(アイダ) 上(ウエ) 縁故(エンコ) 従って(シタガッテ) 事由(ジユウ) 条(ジョウ) 所由(ショユウ) 所為(セイ) 其(れ)故(ソレユエ) 為(タメ) 付く・附く(ツク) 故(ユエ) 故に(ユエニ) 故由(ユエヨシ) 由(ヨシ) 来意(ライイ) 来由(ライユ) 理由(リユウ) 訳(ワケ) 訳合い(ワケアイ) 訳柄(ワケガラ)

【上がる・上げる】雑

  以上(イジョウ) 上(ウエ) 登城(トジョウ) 上り・登り・昇り(ノボリ)

【必ず・きっと】必然的に

  以上(イジョウ) 上(ウエ) 必ず(カナラズ) 屹度・急度(キット) 決(ま)って・極(ま)って(キマッテ) 即ち(スナワチ) 相違(ソウイ) 万(バン) 万万(バンバン) 必至(ヒッシ) 必定(ヒツジョウ) 必然(ヒツゼン) 必然性(ヒツゼンセイ) 必然的(ヒツゼンテキ) 独りでに(ヒトリデニ) 不可避(フカヒ)

 

「美」

【馨しい・芳しい・香しい】のシソーラス

【芳しい・馨り・匂い・臭う・臭み・臭い】(匂いについて)甘い・漂う

  美しい【ウツクシイ】

かぐはし【芳】かぐはし君を相見つるかも」《万葉集・四一二〇》《訳》美しいあなたに会ったことだなあ。

  甘い(アマイ)

  薫る・馨る・香る(カオル)

  薫り高い(カオリタカイ)

かぐはしき【芳】かぐはしき花橘(ハナタチバナ)を玉に貫(ヌ)き」《万葉集・一九六七》《訳》香り高い橘の花を玉として緒で貫いて。

かうばしう【香】かうばしうしみたる衣(キヌ)など」《枕草子・こころときめきするもの》《訳》香り高く(香の)しみこんだ着物など。

 

  馨しい・芳しい・香しい(カグワシイ)

  芳しい・馨しい・香しい(カンバシイ)

  薫ずる(クンズル)

  香ばしい・芳ばしい(コウバシイ)

  薫物(タキモノ)

  漂う(タダヨウ)

  匂う(ニオウ)

  匂わす(ニオワス)

  匂わせる(ニオワセル)

  芬芬(フンプン)

  【芳意】ホウイ

  【芳園】ホウエン

  【芳艶】ホウエン

  【芳苑】ホウエン

  【芳恩】ホウオン

  【芳花】ホウカ

  【芳華】ホウカ

  【芳馨】ホウケイ

  【芳簡】ホウカン

  【芳翰】ホウカン

  【芳顔】ホウガン

  【芳紀】ホウキ

  【芳景】ホウケイ

  【芳香】ホウコウ

  【芳魂】ホウコン

  【芳歳】ホウサイ

  【芳札】ホウサツ

  【芳姿】ホウシ

  【芳志】ホウシ

  【芳旨】ホウシ

  【芳時】ホウジ

  【芳樹】ホウジュ

  【芳春】ホウシュン

  【芳醇】ホウジュン

  【芳書】ホウショ

  【芳情】ホウジョウ

  【芳信】ホウシン

  【芳心】ホウシン

  【芳声】ホウセイ

  【芳鮮】ホウセン

  【芳叢】ホウソウ

  【芳草】ホウソウ

  【芳尊】ホウソン

  【芳辰】ホウシン

  【芳樽】ホウソン

  【芳年】ホウネン

  【芳墨】ホウボク

  【芳名】ホウメイ

  【芳命】ホウメイ

  【芳蘭】ホウラン

  【芳齢】ホウレイ

  【芳烈】ホウレツ

  【芳卉】ホウキ

  【芳芬】ホウフン

  【芳茗】ホウメイ

  【芳菲】ホウヒ

  【芳醪】ホウロウ

  【芳醴】ホウレイ

  【芳馥】ホウフク

 

「佳」

  【佳気】カキ

  【佳境】カキョウ

よい【佳】毎食−甘蔗ニスイテ。自尾(スヘ)至ル本ニトテ甘モナイ處カラ食ソ。蜜柑(ミカン)ノ皮カラ食フムキニスルソ。漸ク佳境ニトハ次第ニヨイ處ニ。クイアタラント也。

  【佳肴】カコウ

 

「霊」

【霊】のシソーラス

【霊・神・仏】(神仏に関する)心・力・考え(霊・魂)

  悪霊(アクリョウ) 英魂(エイコン) 怨霊(オンリョウ) 神(カミ) 感応(カンノウ) 業火(ゴウカ) 木霊・木魂・木精・谺(コダマ) 言霊(コトダマ) 魂(コン) 示し(シメシ) 精霊・聖霊(ショウリョウ) 死霊(シリョウ) 信(シン) 神通力(ジンズウリキ) 神道(シンドウ) 心霊(シンレイ) 神霊(シンレイ) 精魂(セイコン) 精霊(セイレイ) 聖霊(セイレイ) 摂理(セツリ) 祖霊(ソレイ) 醍醐味(ダイゴミ) 霊・魂(タマ) 他力本願(タリキホンガン) 中道(チュウドウ) 忠霊(チュウレイ) 般若(ハンニャ) 仏心(ブッシン) 仏法(ブッポウ) 法(ホウ) 亡魂(ボウコン) 亡霊(ボウレイ) 仏(ホトケ) 本地垂迹(ホンジスイジャク) 冥利(ミョウリ) 無相(ムソウ) 木精(モクセイ) 霊(リョウ) 霊(レイ)

  「秘」

【秘】のシソーラス

【隠れる・隠す・潜む・秘める】秘密にする・秘密の

  暗暗裏・闇闇裏・暗暗裡・闇闇裡(アンアンリ) 暗号(アンゴウ) 暗中飛躍・闇中飛躍(アンチュウヒヤク) 言(い)付け(イイツケ) 売り込む(ウリコム) 奥秘(オウヒ) 落ちる(オチル) 落(と)し文(オトシブミ) 落とす(オトス) 隠し芸(カクシゲイ) 隠し事(カクシゴト) 隠し立て(カクシダテ) 隠し撮り(カクシドリ) 隠し持つ(カクシモツ) 隠す(カクス) 隠れる(カクレル) 駆(け)落ち・駈(け)落ち(カケオチ) 家法(カホウ) 機密(キミツ) 隈(クマ) 軍機(グンキ) 厳秘(ゲンピ) 極内(ゴクナイ) 極秘(ゴクヒ) シークレット 仕組む(シクム) 私信(シシン) 私通(シツウ) 忍び(シノビ) 忍び入る(シノビイル) 忍び込む(シノビコム) 忍び泣き(シノビナキ) 忍びの者(シノビノモノ) 忍びやか(シノビヤカ) 忍ぶ(シノブ) 自白(ジハク) 啜り泣き(ススリナキ) 摩り替え・掏り替え(スリカエ) 戦機(センキ) 潜行(センコウ) 立(ち)聞き(タチギキ) 地下に潜る(チカニモグル) 通ずる(ツウズル) 告げ口(ツゲグチ) 匿名(トクメイ) 内証(ナイショウ) 内内(ナイナイ) 内報(ナイホウ) 飲む・呑む(ノム) 秘(ヒ) 秘計(ヒケイ) 秘策(ヒサク) 秘術(ヒジュツ) 秘書(ヒショ) 秘する(ヒスル) 密か・窃か・私か(ヒソカ) 秘伝(ヒデン) 秘方(ヒホウ) 秘法(ヒホウ) 秘密(ヒミツ) 秘め事(ヒメゴト) 秘める(ヒメル) ほくそ笑む(ホクソエム) マル秘(マルヒ) 丸丸(マルマル)

  密(ミツ)

したしく【親】上−イレイヲ。メサレタ處テキニアウテ。何事ヲモ。シタシク密(ミツ)ナコトヲモ知ル臣ソ。《『蒙求抄』巻五「史丹青蒲」462@》

  密議(ミツギ) 密語(ミツゴ) 密航(ミッコウ) 密行(ミッコウ) 密告(ミッコク) 密使(ミッシ) 密談(ミツダン) 密輸入(ミツユニュウ) 噎び泣き・咽び泣き(ムセビナキ) 潜り(モグリ) 潜り込む(モグリコム) 闇(ヤミ) 闇相場(ヤミソウバ) 闇取引(ヤミトリヒキ)

 

「妙」

【妙】のシソーラス

【見事・立派・すばらしい・すてき】見事・すばらしいの形容

  鮮やか(アザヤカ) 天晴・遖(アッパレ) 偉大(イダイ) 得も言われぬ(エモイワレヌ) 輝かしい・耀かしい(カガヤカシイ) 輝く・耀く(カガヤク) 赫赫(カッカク)

  芳しい・馨しい・香しい(カンバシイ)

かんばしい【香】椒(セウ)は、香はしい物ノ也。香の類(ルイ)そ。上古は、香(カウ)がなうて、椒(−)を本にたく也。秦の時もさあるやら。《『蒙求抄』巻八「季倫錦障」748E》

  甘味(カンミ) 驚異的(キョウイテキ) 際立つ(キワダツ) 結晶(ケッショウ) 豪壮(ゴウソウ) 素晴らしい(スバラシイ) すぱり ずばり 正正堂堂(セイセイドウドウ) 善美(ゼンビ) 妙(タエ) でかした 出来す(デカス) ナイス 錦(ニシキ) 華華しい・花花しい(ハナバナシイ)

  美(ビ)

  見事・美事(ミゴト) 目覚ましい(メザマシイ) 理想的(リソウテキ)

  立派(リッパ)

ゆゆしかり【由々】心を知らざる人々は、「ゆゝしかりける臣下を」と、嘆く人もありにけり。《舞の本『入鹿』一三I》《》立派な臣下であったのに。

「特」

【特に】のシソーラス

【特に・殊に】特別・格別

  格別(カクベツ) 殊更(コトサラ) 殊に(コトニ) 殊の外(コトノホカ)

  特異(トクイ)

ばけものがましい【化物】[漢武紀]天下豈ニ有−人尽妖妄尓。武帝ハ長生シタカツテ不死ノ藥、仙術ヲ心ニ求メラレタソ。ソコテ仙人ハ、ヲリヲ云イ、ハケモノカマシイコトハヨモアラシト云エタコトソ。《『玉塵抄』巻37二二七C》

  特殊(トクシュ)

めづらしい【珍・珎】懸ト云ハ、メツラシイソ。鳥ハ木ニイル者ナリ。木ニ此鳥カ物ヲカケタヤウニアル鳥ナリ。トモナワナドノナウテブラリトカヽリハエスマイソ。

特徴(トクチョウ) 特定(トクテイ) 特に(トクニ) 特別(トクベツ) 取(り)分け(トリワケ) 中でも(ナカデモ) なかんずく 何も(ナニモ) 一際(ヒトキワ) 分(ブン) 別段(ベツダン) 別に(ベツニ) 味噌(ミソ) 持ち出す(モチダス) 分きて・別きて(ワキテ) 別けて(ワケテ)

 

    1. 感覚の対象を賛える

  「妙」

  「玉」

【玉】のシソーラス

 【たま(玉)・きゅう(球)】美しい宝石

玉(ギョク) 金玉(キンタマ) 珊瑚(サンゴ) 白玉(シラタマ) 真珠(シンジュ) 玉・珠・球(タマ) 手玉(テダマ) 南京玉(ナンキンダマ) パール ビーズ 翡翠(ヒスイ) 碧玉(ヘキギョク) 宝玉(ホウギョク) 宝珠(ホウジュ) 連珠・聯珠(レンジュ)

瑶(タマ)

テウホウ【重宝】瑶−瑶ハ玉ナリ。書ヲホメテテウホウノ玉ノヤウナ書ト云心ソ。経ヲモ瑶編瓊編ト云タソ。《『玉塵抄』巻37二一一J》

 

    感覺語⇒音・声、味、色、香

「美」{}

いし【美し】「歌の声のよさよ、いしういしうとほめられたり」《源平盛衰記・一七》《訳》歌の声の良さよ、みごとだ、みごとだとおほめになった。

「囂」{}

かまびすしき【囂】營救−トハ。ヤレカウシテアケヨ。ナトヽ。カマヒスシキソ。《『蒙求抄』巻八「劉阮天台」746》

かしがまし【囂】はじめ二十金のときだにも、返し得ざりし金なるに、既に五十両に及びては、身を逆さまにふるひても、返すに物の足らざれば、いと囂(かしがま)しく債(はた)られても、只(たゞ)おなじ回答(いらへ)して、返す景色(けしき)だもなかりしかば、臍繰婆(へそくりばゞ)には、いたく恨み憤りて、本巣の郡司に訴つゝ、截判(さいばん)を仰ぐといへども、障ることのみいと多くて、とにかくに思ふに任せず。《馬琴『青砥藤綱摸稜案』巻四15ウC》

「騒」{音・声} 

さはがしい【騒】輕躁は、性がさはがしい者ノて、世利(セリ)の方タに心があるそ。《『蒙求抄』巻七「潘岳望塵」688H》

さはがしく【騒】既にはや御座敷、身の毛を立て怖ぢ怖れ、はや騒がしく成しかば、「敵(かたき)に色を悟られて、悪しかりなん」と思召、三年(とせ)が間ふさいだる両眼を、くわつと見開き、弓手(ゆんで)の直衣(なをし)の下よりも、件(くだん)の鎌を取出し、うち振り給ふと見えしかば、入鹿の臣の御首は、水もたまらず落ちにける。《舞の本『入鹿』一三N》

「姦」{}

かしましい【姦】安車と云フは、老者ののる車マそ。かしましけれは、目(メ)をまわすと云フて、輪(ワ)をつゝむそ。《『蒙求抄』巻五「淳于灸?」524F》

つをう【強】以鹽―鹽(シホ)ヲ竹葉ニ。ソヽケバ。羊シガ好ノムト云フ説アリ。又鹽汁(シル)ヲ地ニ。ソヽケバ。足シ音(ヲト)ガ。ツヲウナラヌソ。鳴ラサジカ為メニ。ソヽクソ。《『蒙求抄』巻八「胡嬪爭樗752B」》

「美」{}

いしう【美しう】いしい酒でおりゃる」《比丘貞・狂言》《訳》うまい酒でございます。《語の歴史》この語は、上に「お」を付けた「おいしい」が、室町時代に女房詞(コトバ)として女性に多く用いられ、現代語の「おいしい」になった。

うまし【美し】「飯(イヒ)はめどうまくもあらず」《訳》ご飯を食べてもおいしくもない。《万葉集・三八五七》

うまい【旨】四時―四季(キ)ノ間ノ。菓(コノミ)ヤナトノ。ウマイ物ノヲ肴(サカナ)ニシテ。兩頭ハ。舟ノハタニヲイテソ。《『蒙求抄』巻四「??甕下」452B》

むまむまと【甘旨】甘旨ハ。ムマ/\トシタ物ノヲ。玉ハラウト思フテコソ來タレト也。又ノ義ニムマ/\ト云タ心也。使ヲ以テ。ムマ/\ト仰セラルホドニコソ來タレ。ナンゾ。サハナク。ウスイ食物ハソ。如ク∨此ノソヽウナ食事デハ。イツモカウセント也。試(ココロミ)ニシテ。クワセタレバ。カウ云フタホトニ。盛膳ヲシタソ。《『蒙求抄』巻四「井春五經」445FG》

「甘」{}

あまい【甘】○中辺有リ人得コト道猶如食蜜――皆甜、人ノ参禅得道スルコトハ、タトエハ人ノ蜜ヲ食カ如ナソ。蜜ハマン中カアマイソ。マン中テナケレハアマウナイソ。マン中ハミナアマイソ。《『玉塵抄』巻37二〇三@A》

「辛」{}

からき【辛】方、黄檗(きはだ)は苦(にが)く、蓼(たで)(からき)を、如何様(いかやう)の理(り)にて、黄檗(きはだ)は苦(にが)く、蓼(たで)(からき)と知(しる)や。《鈴木正三反故集』341M》

「苦」{}

にがき【辛】(たゞ)、黄檗(きはだ)(にが)、蓼(たで)は辛(からき)と迄(まで)て用(もちゆる)が能(よき)」と也。《鈴木正三反故集』341O》

「薄」{}

うすい【薄】ナンゾ。サハナク。ウスイ食物ハソ。如ク∨此ノソヽウナ食事デハ。イツモカウセント也。試(ココロミ)ニシテ。クワセタレバ。カウ云フタホトニ。盛膳ヲシタソ。《『蒙求抄』巻四「井春五經」445H》

「美」{}

うつくしい【美】[活]春―春色妍ナリナトヽシタソ。春ハ花カ紅紫ニサイテ、美人ノウツクシイ物ヲキテ装うた如ナソ。春妍ト云タソ。《『玉塵抄』巻37十七169H》

うつくしう【美】「はじ・かへでの色うつくしうもみぢたるを植ゑさせて」《平家物語・六・紅葉》《訳》はじやかえでの葉が美しく紅葉したのを植えさせて。

うるはしき【美】「くさぐさのうるはしき貝・石など多かり」《土佐日記・二・四》《訳》いろいろな色鮮やかな貝や石などがたくさんある。

「香」{}

かうはしい【香】紫絲(シシ)−ハ。ムラサキノ糸(イト)テ織(ヲリ)タ屏風(ヒヨウフ)ソ。椒(セウ)ハ香ハシイ物ノ也。香ノ類(ルイ)ソ。上古ハ。香(カウ)ガナウテ。椒ヲ本ニタク也。秦ノ時モ。サアルヤラ。阿房官ノ賦(フ)ニ。烟リ斜メニ。霧(キリ)ノ横ハルハ。焚ナリ‖椒蘭ヲ|トカイタソ。香ヲタクトハ書(カヽ)イテ妙ナソ。目藥也。温藥(ウン−)也。《『蒙求抄』巻八「季倫錦障」748E》

「臭」{}

くさき【臭】一日、去(さる)人來(きたつ)て、咄(はなし)の次(つい)でに、「此比(このごろ)、我等(われら)家中(かちう)にて、常常(つねづね)、諸(しよ)人の善(ぜん)人なりと申たる者(もの)、死去(しきよ)(つかまつり)候が、火葬(くはさう)の時に少(すこし)も臭氣(しうき)之候」と云。師聞(きひて)曰、「然(しか)るべし。行者(ぎやうじや)(など)も強(つよ)く行(ぎやう)を作(なし)たる者(もの)は、(くさ)事不(アル)。殊(こと)に能(よく)身を修(しゆ)し、心を修(しゆ)したる人の火葬(くはさう)などは、曾(かつ)臭き事不有。偖(さて)、後世願(ごせねがひ)(など)を焼(やく)(とき)(くさき)は、でかうまだしひと思(をもひ)めされよ。我も最早(もはや)臭き程には有らじ」と也。《鈴木正三反故集』333FG》

    感情語⇒「恐・怖・怯」「喜・怒・哀・楽」

「恐・怖・怯」

をそろしい【怖】豹狼のやうなをそろしい者ノともをは、のけいて、そとした者ノを、せうは、をかしいことそ。《『蒙求抄』巻七「張綱埋輪」678C》

をそろしい【怖】王にだにかうぢや。三公ぢやほどに、何遽をそろしき事があらんやと。面白点そ。《『蒙求抄』巻六「趙壹坎?」625A》

「喜・怒・哀・楽」

うれしい【嬉】遊−趙の國から、秦の昭王を貴ンて、天子にせうと云うそ。かう云フたらば、うれしがつて、勢を引ふと云そ。《『蒙求抄』巻六「仲連蹈海」593L》

うれしい【嬉】卓丈君が使ふ者ノに重寳か、なそを、やつて、調法してくれいと云た事そ。勿論(モチロン)迷フたほとに、うれしがつて行そ。《『蒙求抄』巻六「丈君當?」609J》

あわれにかなしい【哀悲】杜鵑ナイテ苦キトキハ吾ト謝豹々々ト呼トアリ。口ノワキカラ血カタルソ。ナク声アワレニカナシイソ。蜀エ帰リタイト思テ鳴ホトニカ。《『玉塵抄』巻37一九一E》

アイキ【哀毀】哀毀(アイキ)ハ禮記ニ。父母ノ喪(モ)ニ。子(コ)ノ悲シミニヤスルホドライヲ定メタソ。其ノ禮ニ過タヲ哀毀ト禮記ニ云タソ。《『蒙求抄』巻五「隠之感鄰」466EF》

かなしかっ【哀】胡昭ニカヽツテ。カナシミ。カナシカツタソ。《『蒙求抄』巻五「胡昭投簪」534J》

かなしう【悲】光武―親類(シンルイ)ニ。ハナレタ。ヤウニ。カナシウ。思ヤツタソ。《『蒙求抄』巻七「祭導布被」670D》

かなしう【悲】魯褒カ時世ノ末ニナリテ人ノイヤシウムサブリキタナウナツタコトヲイタミカナシウテ、吾カ姓ヤ氏ヤ名ヲカクイテ、タレトモ主ナシニシテ銭神論ヲ作タソ。《『玉塵抄』巻三十八、十六257K》

きどゆうしひきやうきやう【喜怒憂思悲驚恐】醫法(いはふ)にも、喜怒憂思悲驚恐(きどゆうしひきやう/\)の七氣を萬病(ビヤウ)の本(もと)とすと云り。《鈴木正三反故集』281N》

をもしろから【面白】一切(いつさい)草木(さうもく)珍石(ちんせき)までも、他(た)の庭(には)に有(あつ)ては面白(をもしろ)からず、己(をの)が庭(には)に移取(うつしとり)て樂(たのしみ)とせん事(こと)を思(をも)へり。總(そう)じて多欲(たよく)の人は、人の善(ぜん)を嫉(ねたみ)て、我(わが)(たら)ざる事を恨(うらむ)るものなり。《鈴木正三反故集』302A》

    真正語⇒正・本・実・真・純・公

    1. 神仏
    2. 「正」

      【正】のシソーラス

      【真・実・正】ぴったり・一致

        合う(アウ) 誂え向き(アツラエムキ) おっつかっつ 御昼(オヒル) かっきり きちきち きっかり きっちり 究竟(クッキョウ) 更(サラ) 至言(シゲン) 写実(シャジツ) ジャスト 縮図(シュクズ) 正(ショウ) 正午(ショウゴ) 即ち(スナワチ) ずばり 摺(り)切り(スリキリ) 正(セイ) ちゃんと 丁度・恰度(チョウド) ちょっきり ぴたり ぴったり フラット 文字通り(モジドオリ) 尤も(モットモ)

      【真・実・正】まさに・のように

        いかにも

        九分九厘(クブクリン)

        正(ショウ)

        正銘(ショウメイ)

        真跡・真蹟(シンセキ)

        垂んとする(ナンナントスル)

        迫真(ハクシン)

        実しやか・真しやか(マコトシヤカ)

        正しく(マサシク)

      ただしう【正】文史は、法をたゝしう治る吏そ。文吏と儒者とは、一徒黨の者ではない程に、文吏の上の事をは、其黨でない儒者に問ひ、儒者の上の事をは、其の黨てない、文吏に問そ。(『蒙求抄』巻九「何武去思」871K)

        正に(マサニ)

        満更(マンザラ)

      【真・実・正】まこと・真理・真実・現象

        当(た)り前(アタリマエ)

        確実(カクジツ)

      まさしく【正】「いつとも思ひ出(イ)でねども、まさしくありし心地(ココチ)のするは」《徒然草・七一》《訳》いつのこととも思い出せないけれど、確かにあったような気持ちのするのは。

       

        逆説(ギャクセツ)

        求道(キュウドウ) 虚実(キョジツ) 求道(グドウ) 実に(ゲニ) 現象(ゲンショウ) 実否(ジッピ) 純正(ジュンセイ) 定(ジョウ)

        正真正銘(ショウシンショウメイ)

      まさしい【正】まさしい太上法皇(ダイジヤウホフワウ)の王子を討ち奉るだにあるに」《平家物語・四・通乗之沙汰》《訳》正真正銘の太上法皇の皇子をお討ちすることさえ恐れ多いことなのに。

      まさしき【正】「かの姫宮と申は、丸(まる)が正しき姫なり。契りをこむる汝たち、などか子にてはなかるべき。親子わりなき中ならば、竜王を討つてたべ。もしさもあらば、方/\に竜国を渡さん」と、むつましげに宣へば、兄弟の者、のがれがたくや思ひけん、やがて領掌(りやうじやう)仕り、竜国へ忍び帰て、便宜(びんぎ)あらばと狙ひけり。《舞の本『入鹿』八A》《》私の本当の娘である。

        事理(ジリ) 真(シン)

        真実(シンジツ)

      シンジツ【真実】少年−ホメラルレハ。真實(シンジツ)歟(カ)ト思フフソ。アナドラルヽソ。《『蒙求抄』巻四「■ト丹青」449K》

      シンジツ【真実】天子素−コヽデ。天子モ仁(ジン)アル人テ。御座ル。史丹カ申ス處モ。真實(シンジツ)ヂヤト思フテ。云ルヽソ。《『蒙求抄』巻五「史丹青蒲」464A》

      シンジツな【真実】覈ハキワムト点シタソ。又ハアキラムトモ点シタソ。真実ナ心ソ。ソコヲキワメタ心ソ。《『玉塵抄』巻37二一六D》

      ただしい【正】後漢ノ時ノ者カ。章ハ楚ノ宮ナリ。ソノコトカ。詞ハナヤカニウルワシウシテ美ナソ。シカモ正イ心ヲ以テカキトメタソ。《『玉塵抄』巻37二〇四A》

        神髄・真髄(シンズイ)

        真正(シンセイ)

      ただしい【正】人の冨貴貧賤(セン) 生死は、定た物ノそ。天命を呪詛したにはよるまいそ。たゝしい道を修し行て、いれとも、幸(サイワヒ)を蒙(カフム)ることは、ならぬそ。《『蒙求抄』巻六「斑女辭輦」563H》

       

        真如(シンニョ)

        真否(シンピ)

        真理(シンリ)

      ただしく【正】言寡−詞ハスクナケレドモ。タヾシク。ヨウキコヘタソ。未有室ハ。妻(メ)ガナイソ。《『蒙求抄』巻四「阮宣杖頭」451H》

        正(セイ) 正す(タダス) 成程(ナルホド) 如(ニョ) 如実(ニョジツ) パラドックス 物象(ブッショウ) 法性(ホッショウ) 真(マ) 無論(ムロン) 明証(メイショウ) 勿論(モチロン) 霊(レイ) 陸・碌(ロク) 論無く(ロンナク) 論を俟たない(ロンヲマタナイ)

      【疑】のシソーラス

      うたかわしい【疑】東方朔傳ニハ。滑ハ乱也。稽ハ疑(キ)也。ミタレ。ウアタカワシイト云フ心ソ。何ニを云モ。ミタレウタカワシイソ。《『蒙求抄』巻五「樗里知嚢」492KL》

      うたがわしう【疑】ソチモヒトリ、コチモヒトリヂヤホドニ、人ノ疑(ウタカヒ)ガアラウト云テ、薪(タキヽ)ガ盡キタレハ、屋(イエ)カナンソウ、ヌイテ朝マテタイタソ。カウシタレトモ、マタ人ガウタガワシウ思ハウト、心ワルカツタソ。《『蒙求抄』巻五「顔叔秉燭」513C》

      をかしい【可笑】更補−朱−カ畫ヲ以テ呉道玄カ畫チャト云テヒサウスルソ。ソデモナイコトソ。上ノ句ノソテモヲカシイ書帖ヲ義之カ筆跡トシテテウホウスルソ。ト云ハタトエソ。《『玉塵抄』巻37二二〇G》

      をかしい【可笑】晉書列傳六十九。 自謂−宰相ナントニモ。ナラウト思也。サレドモ。シカ/\トシタ。官ニモナライデ。イタニ。是ヨリサキ。ヲカシイ物ノデアツタ。謝?(シヤコン)ナンドカ。同列テ。居タホトニ。心ガ不滿テ。志シヲ得ヌソ。《『蒙求抄』巻八「仲文照鏡」765K》

       

      「邪」

      【邪】のシソーラス

      【悪い・邪】(道徳的・心理的に)悪い・…が悪い

        悪因悪果(アクインアッカ) 悪質(アクシツ)

        悪性(アクショウ)

      あしく【惡敷】要、唯人々の一心にあり。心の使ひ様(やう)惡敷(あしく)して、大地獄(だいぢごく)に入事、浅間敷(あさましき)事に非(あらず)や。《鈴木正三反故集』300C》

        悪弊(アクヘイ) 悪法(アクホウ) 悪魔(アクマ) 仇・寇・賊・讐(アダ) 悪感(アッカン) 陰険(インケン) 陰謀(インボウ) 後ろめたい(ウシロメタイ) 奸悪・姦悪(カンアク) 奸計・姦計(カンケイ) 奸才・姦才(カンサイ) 奸策・姦策(カンサク) 奸知・奸智・姦智(カンチ) 凶悪・兇悪(キョウアク) 凶漢・兇漢(キョウカン) 凶徒・兇徒(キョウト) 曲説(キョクセツ) 曲論(キョクロン) 外道(ゲドウ) 元凶・元兇(ゲンキョウ) 狡知・狡智(コウチ) 極悪(ゴクアク) 極道・獄道(ゴクドウ) こじつける 誣いる(シイル) 邪(ジャ) 邪険・邪慳(ジャケン) 邪道(ジャドウ) 首魁(シュカイ) 擦れる・摩れる(スレル) 大悪(ダイアク) 突っ張る(ツッパル) 毒する(ドクスル) 毒毒しい(ドクドクシイ) とんでもない 必要悪(ヒツヨウアク) 人で無し(ヒトデナシ) 不良(フリョウ) 不料簡・不了見・不量見(フリョウケン) 弊(ヘイ) 弊風(ヘイフウ) 魔(マ) 猛悪(モウアク) 邪(ヨコシマ) 横道(ヨコミチ) 陋習(ロウシュウ) 脇道(ワキミチ) 悪口(ワルクチ) 悪擦れ(ワルズレ) 悪巧み(ワルダクミ)

       

    3. 血脈

「正」

「実」

【実】のシソーラス

【真・実・正】ありのまま・現実・事実

  あからさま 明らか(アキラカ) 有(り)体・有態(アリテイ) 有りの儘(アリノママ) 如何様(イカサマ) おおっぴら 記録映画(キロクエイガ) 実に(ゲニ) 現実(ゲンジツ) 現実的(ゲンジツテキ) 現存(ゲンソン) 故事・古事(コジ) 更(サラ) 史実(シジツ)

  事実(ジジツ)

じつと【実】「芸といふものはじつと虚(ウソ)との皮膜(ヒニク)の間(アヒダ)にあるものなり」《難波土産》《訳》芸というものは事実とうそとの紙一重の間にあるものだ。

 

  実(ジツ)

  実記(ジッキ)

  実効(ジッコウ)

かいがいしう【甲斐甲斐】操作(サウサク)トハ、カイ/\シウシテ、前タレシツナトシテ、イタソ。《『蒙求抄』巻五「孟光荊釵」512A》《訳》実効がある。はっきりとしたしるしがある。

  実際(ジッサイ)

  実在(ジツザイ)

  実写(ジッシャ)

  実情(ジツジョウ)

  実勢(ジッセイ)

  実践(ジッセン)

  実態(ジッタイ)

  実地(ジッチ)

  実働(ジツドウ) 実に(ジツニ) 実の(ジツノ) 実の所(ジツノトコロ) 実は(ジツハ) 実務(ジツム) 実利(ジツリ) 実力(ジツリョク) 実録(ジツロク) 実録物(ジツロクモノ)

  正直(ショウジキ)

ただしい【正】方伯ハ。方正タヽシイ正直(-ヂキ)ナ者ノソ。直(−)ナル者ノハ。カドガアル物ノソ。故ニ方正ト云ソ。又ノ義ニ。四方ノコトヲ。ヨク知タ者ノヂヤト云フ心ソ。是ハ惡ヒソ。鎌倉(カマクラ)方タノ義ソ。《『蒙求抄』巻五「阮放八雋」470J》

シャウジキ【正直】人ノ羽化登仙(トウ−)スル樣(ヤウ)ナソト云ヘハ。顧ガ正直(-チキ)ナ者ノテ。マコトヽ心得(エ)テ。チトモ疑(ウタカハ)ヌソ。

照射(ショウシャ) 正味(ショウミ) 真(シン) 真情(シンジョウ) 真相(シンソウ) 素(ス) 素顔(スガオ) 政治的(セイジテキ) 赤裸裸(セキララ) 其の実(ソノジツ) 澄清(チョウセイ) 徴憑(チョウヒョウ) 澄明(チョウメイ) 直視(チョクシ) 直情(チョクジョウ)

適正(テキセイ)

天衣無縫(テンイムホウ) 天真爛漫(テンシンランマン) ドキュメンタリー 内実(ナイジツ) 二字(ニジ) 如実(ニョジツ) 不実(フジツ) 分明(ブンメイ) 儘(ママ) 無作為(ムサクイ) 無実(ムジツ) 模写・摸写(モシャ) リアル

 

【心・心持ち・気持ち・情・思う・魂・きもったま】心・真心・情・魂・雰囲気

意識(イシキ) 一心(イッシン) エスプリ 款(カン) 肝(カン) 機(キ) 気(キ) 機根(キコン)

虚心(キョシン)

むなしい【空】第九、日月の往返(わうへん)(はや)しと知は理也。(むな)しく(すご)さざるは義也。夫(それ)、光陰(くはういん)(や)の如し、時、人を待(まつ)事なし。四時(しひじ)の遷變(せんべん)、飛花落葉(ひくわらくよう)、身の上に非(あらず)や。《鈴木正三反故集』291O》

虚心坦懐(キョシンタンカイ) 琴線(キンセン) 古意(コイ) 恒心(コウシン) 公徳心(コウトクシン) 心(ココロ) 自意識(ジイシキ) 自我(ジガ) 詩興(シキョウ) 至情(シジョウ) 詩情(シジョウ) 至心(シシン) 下心(シタゴコロ) 実(ジツ) 実意(ジツイ) 実情(ジツジョウ) 詩味(シミ) 邪気(ジャキ) 純情(ジュンジョウ) 情(ジョウ) 情実(ジョウジツ)

  正体(ショウタイ)

シヤウタイなし【正体】君モ臣モ、上モ下モ、酒ニフケリ、ヲボレシヅンテ、正体ナイソ。酒ヲスコセハ、淫亊カソウテ、影ト形ノヤウナ者ナリ。《『玉塵抄』巻37二二八@》

情文(ジョウブン) 心(シン) 神(シン) 真意(シンイ) 人意(ジンイ) 心から(シンカラ) 心肝(シンカン) 心機(シンキ) 心気(シンキ) 心血(シンケツ) 心根(シンコン) 心魂・神魂(シンコン) 身魂(シンコン) 真情(シンジョウ) 心神(シンシン) 人心(ジンシン) 神性(シンセイ) 心胆(シンタン) 心的(シンテキ) 心頭(シントウ)

心腹(シンプク) 心理的(シンリテキ) 好き心(スキゴコロ) 漫ろ心(スズロゴコロ) スポーツマンシップ 正気(セイキ) 精神(セイシン) 誠心(セイシン) 精神的(セイシンテキ) 精神力(セイシンリョク) 赤心(セキシン) 赤誠(セキセイ) 漫ろ心(ソゾロゴコロ) 大我(タイガ) 丹心(タンシン) 丹誠(タンセイ) 衷情(チュウジョウ) 童心(ドウシン) 道心(ドウシン) 度胸(ドキョウ) 内的(ナイテキ) 念頭(ネントウ) ハート 腸(ハラワタ) 人心(ヒトゴコロ) 物情(ブツジョウ) 仏心(ブッシン) プラトニック 方寸(ホウスン) 菩提心(ボダイシン) 仏心(ホトケゴコロ) 本志(ホンシ) 本性(ホンショウ) 本心(ホンシン) 真心(マゴコロ) 身(ミ) 民情(ミンジョウ) 民心(ミンシン) 胸(ムネ) 物心(モノゴコロ) 雄心(ユウシン) 利己心(リコシン) 良心(リョウシン) 老婆心(ロウバシン)

 

【いさお(功・勲)・手柄】功績

足跡(アシアト) アルバイト 偉業(イギョウ) 偉勲(イクン) 偉功(イコウ) 功・勲(イサオ) 遺産(イサン) 画業(ガギョウ) 業績(ギョウセキ) 金字塔(キンジトウ) 金星(キンボシ) クリーンヒット 勲功(クンコウ) 軍功(グンコウ) 功(コウ) 功科(コウカ) 功績(コウセキ) 甲羅(コウラ) 功労(コウロウ) 事績(ジセキ) 実(ジツ) 実績(ジッセキ) 殊勲(シュクン) 成績(セイセキ) 戦功(センコウ) 戦績(センセキ) 奏功(ソウコウ) 足跡(ソクセキ) 治績(チセキ) 手柄(テガラ) 内助の功(ナイジョノコウ) 年功(ネンコウ) 年功序列(ネンコウジョレツ) 働き(ハタラキ) 武勲(ブクン) 武功(ブコウ) 武勇伝(ブユウデン) メリット 有功(ユウコウ)

 

「本」

【本】のシソーラス

【もと(元・本)・みなもと(源)】もと(本・元)・中心

一元(イチゲン) 大本(オオモト) 親(オヤ) 禍因(カイン) 禍源(カゲン) 禍根(カコン) 基(キ) 給源・給原(キュウゲン) 供給源(キョウキュウゲン) 綱紀(コウキ) 根本(コンポン) 根本的(コンポンテキ) 主体(シュタイ) 信憑(シンピョウ) 正気(セイキ) 精神(セイシン) 全体(ゼンタイ) 宗(ソウ) 大綱(タイコウ) 太始(タイシ) 大宗(タイソウ) 大体(ダイタイ) 大本(タイホン) 柱礎(チュウソ) 底本(テイホン) 同根(ドウコン) 土台(ドダイ) 根(ネ) 根差す(ネザス) 根無し(ネナシ) 根元・根本(ネモト) 喉元(ノドモト) 火元(ヒモト) 本(ホン) 幹(ミキ) 本・元・基・原(モト) 基づく(モトヅク) 元元・本本(モトモト) 由来(ユライ)

【真・実・正】主な・正式な・本来の

格調(カクチョウ)

きちんと

醜名・四股名(シコナ)

主従(シュジュウ)

主成分(シュセイブン)

正真(ショウシン)

真個(シンコ)

真正(シンセイ)

正(セイ)

正座・正坐(セイザ)

正式(セイシキ)

端座・端坐(タンザ)

定本(テイホン)

直る(ナオル)

晴(れ)(ハレ)

本(ホン)

本筋(ホンスジ)

ただしい【正】玄成―本傳には、七年とあるそ。たゝしい處、重々ともつことは、父にをとつたれとも、文章の色とる處は、父にましたそ。又義に、尋常(ヨノツネ)な文華な處は、父にましたと也。質は、父にをとりたれともそ。《『蒙求抄』巻六「華賢滿?」580L》

 

本性(ホンセイ)

本然(ホンゼン)

本当(ホント)

本当(ホントウ)

まさしかり【正】「かく恋ひむものとは我も思ひにき心の占(ウラ)ぞまさしかりける」《古今和歌集・恋四》《訳》このように苦しく恋いこがれるであろうとは自分も思っていた。予感は本当であったよ。

 

本音(ホンネ)

本名(ホンミョウ)

本来(ホンライ)

真っ(マッ)

正面(マトモ)

「正」

ただしき【正】師云、「其(それ)に増(まし)たる罰有んや。誠(まこと)を以(もつ)て佛陀神明(ぶつだしんめい)を貴(たつと)び、上を敬(うやま)ひ下(しも)を憐(あはれ)み、忠(ちう)を盡(つく)し、孝(かう)を勤(つと)め、仁義禮智(じんぎれいち)(たゞし)を以て眞(まこと)の武士(ぶし)とす。《鈴木正三反故集』338N》

「純」

【あどけない・無邪気・素朴・純】純粋

一本(イッポン) 生(キ) 金無垢(キンムク) 至純・至醇(シジュン) 純(ジュン) 純化(ジュンカ) 純粋(ジュンスイ) 処女(ショジョ) 素直(スナオ) 無垢(ムク)

 

【あどけない・無邪気・素朴・純】(初心)無邪気

あどけない 一本気(イッポンギ) 初初しい(ウイウイシイ) 初・初心(ウブ) おぼこ 子供心(コドモゴコロ) 純(ジュン) 純朴・純樸・醇朴・淳朴(ジュンボク) 純良(ジュンリョウ) シンプル 善意(ゼンイ) 童心(ドウシン) ナイーブ 鄙びる(ヒナビル) 牧歌的(ボッカテキ) 無邪気(ムジャキ)

 

【じゅん(順)・したがう(順う)】すぐあとに続く・順々に・次々に

追(い)追(い)(オイオイ) 書き下す(カキクダス) 繰り上げる(クリアゲル) 繰り入れる(クリイレル) 繰(り)越(し)(クリコシ) 繰り出す(クリダス) 繰り延べる(クリノベル) 繰り広げる(クリヒロゲル) 繰る(クル) 純(ジュン) 準準(ジュンジュン) 順に(ジュンニ) 前後(ゼンゴ) 先番(センバン) 手繰る(タグル) 段段(ダンダン) 逐次(チクジ) 丁付(け)(チョウヅケ) 次(ツギ) 次次(ツギツギ) 次ぐ・亜ぐ(ツグ) 番号(バンゴウ) プログラム 連鎖反応(レンサハンノウ)

 

【じゅん(順)・したがう(順う)】順序

後先(アトサキ) オーダー 起承転結(キショウテンケツ) 教程(キョウテイ) 交番(コウバン) 五十音(ゴジュウオン) 献立(コンダテ) 式次(シキジ) 次第(シダイ) 純(ジュン) 順序(ジュンジョ) 順列(ジュンレツ) 序(ジョ) 数詞(スウシ) ステップ 寸法(スンポウ) 席次(セキジ) 席順(セキジュン) 第(ダイ) 段取り(ダンドリ) 置換(チカン) 秩序(チツジョ) 着(チャク) 序(で)(ツイデ) 逓信(テイシン) 手順(テジュン) 手筈(テハズ) 出番(デバン) 天地人(テンチジン) 倒置法(トウチホウ) 成(り)立ち(ナリタチ) 番(バン) 番組(バングミ) 番付(バンヅケ) 筆順(ヒツジュン) 枚(マイ) 道順(ミチジュン) 目次(モクジ) 輪番(リンバン)

 

「本」

「公」

【公】のシソーラス

【おおやけ(公)】政府・国家

明るみ(アカルミ) 公(オオヤケ) 表(オモテ) 表沙汰(オモテザタ) 表向き(オモテムキ) 公方(クボウ) クレムリン 公会(コウカイ) 公儀(コウギ) 公事(コウジ) 公僕(コウボク) 公務(コウム)

 

【おおやけ(公)】社会一般

公(オオヤケ) 公安(コウアン) 公共(コウキョウ) 広告(コウコク) 公衆(コウシュウ) 地方(チホウ)

 

【おおやけ(公)】広く知られる

おおっぴら 公(オオヤケ) オフレコ 表看板(オモテカンバン) 表沙汰(オモテザタ) 表立つ(オモテダツ) 表向き(オモテムキ) 公言(コウゲン) 公式(コウシキ) 公称(コウショウ) 公然(コウゼン) 公表(コウヒョウ) コミュニケ ステートメント 声明(セイメイ) 帳面面(チョウメンヅラ) 非公式(ヒコウシキ) 美名(ビメイ) 標榜(ヒョウボウ) 立言(リツゲン)

 

【おおやけ(公)】(私に対して)おおやけ

公(オオヤケ) 公(コウ) 公私(コウシ) 公社(コウシャ) 公的(コウテキ) 公有(コウユウ) 登録(トウロク) 半官半民(ハンカンハンミン)

 

【軽重】のシソーラス

「軽」

かるい【軽】毛詩ノ注ニハ仙々ハ、舞ナリトアリ。コヽノ注ニハ、軽クアカル皃トシタソ。仙人ハカルウトビアカル者ナリ。サモアリサウナソ。汚ノ仙ノ注ヲミルニカルイアカル心ハナイソ。ウツル心トハシタソ。《『玉塵抄』巻37二二八LM》

かろく【軽】(こと)に武士(ぶし)たる人は、生死を(かろく)してこそ、君の御用(ごよう)にも立(たゝ)るべけれ。《鈴木正三反故集』322A》

【軽薄】ケイハク

ケイハク【軽薄】塞(ミチ)渕(フカシ)秉(トル)コト心ヲ――[詩]孟子ニモアリ。毛詩ノ語ナリ。人ハ心モチ軽薄ニナウ深シテ、アマネウコマカニナニヽモワタライデハソ。塞(ミツル)ト云ハアマネウヒロイコトソ。渕(フカシ)ハ物ノヲクソコヲキワメサクルコトソ。上(ウワカ)カワヲナテヽトヲルハワルイソ。斈問ノ方カ塞渕ウカウテハソ。《『玉塵抄』巻37一八九F》

「重」

をもい【重】竹簡ハ。重イホドニ。アツカイニクイソ。《『蒙求抄』巻七「蔡倫造紙」664I》

をもき【重】歌に、さらぬだに(をも)が上(うへ)のさよ衣(ごろも) 吾(わが)つまならぬ妻(つま)な重ねそ《鈴木正三反故集』321G》《典拠》『新古今集』巻二十・釈教。