ハザードマップを分析してみよう!(2018年)
赤字は教員のコメントです。発表会までは、写真・本文の差し替えは自由です。
ハザードマップはトリミング加工して、撮影場所を矢印で入れておきました。矢印の向きは概ね撮影方向です。
縮尺についても入れておきました。(分速80m換算での時間距離も)
よっし- |
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写真は天竜川の支流である新宮川をその上に架かる新宮橋から撮影したものである。ここから約850m下流で新宮川は天竜川の本流と合流する。写真のほぼ中央にある白い建物は浄化センターであり、その周囲の田畑が広がる地帯が駒ヶ根市防災害ハザードマップ(洪水、土砂災害を想定)上で浸水想定水深2.0~5.0mの区域となっており、より下流の天竜川と合流するまでの一帯より危険度が局所的に高くなっている。新宮川の流域には風化すると真砂となりもろくなる花崗岩が広く分布しており、斜面が崩落し河床に土砂が堆積しやすい。また新宮川源流と天竜川合流地点との標高差は約1100mと急勾配で、大雨が降ると堆積していた土砂が一気に土石流となって川下に流れ下り、天竜川に流れ込む際に土砂が堆積し河床が上昇することにより、洪水氾濫が起こる。撮影地点付近では天竜川と合流する手前で新宮川が大きくカーブしており、大雨などで増水した際、急勾配により勢いがついた流水や土石流がカーブを曲がりきれず、天竜川と合流する前に堤防が決壊し、氾濫する可能性があるのではないか。また田畑が広がる地帯は新宮川の堤防より2mほど低くなっており、さらにここから約700m北側でも天竜川の支流である天王川と唐沢川が合流し、支流が集まり天竜川と合流するポイントとなっているため、より危険度が高くなっていると推測する。 撮影場所 ハザードマップ ハザードマップ凡例 土石流、斜面崩壊、地すべり、河川はん濫など、狭い範囲で様々な災害が想定され、それを一枚の地図にまとめるのは大変な作業ですが、駒ケ根市のハザードマップはわかりやすく仕上がっていますね。台風が近づいて大雨が懸念される場合を想定すると、天竜川谷底低地は浸水の危険があり、新宮川右岸は山が迫っているので、平坦な段丘上の下割地区にいるのがより安全な感じがしました。なお、天竜大橋が流されてしまうと孤立する可能性もあるので、早い段階で対岸段丘上の駒ケ根市街に逃げるのが良いのかもしれません。 |
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ももちゃん |
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鹿児島市の甲突川中流域洪水ハザードマップである。写真は、下伊敷町にかかる岩崎橋にて撮影した。この付近は、甲突川によって形成された扇状地の扇頂部であり、河川沿いの低地部分である。写真右側、甲突川左岸の下伊敷一丁目付近は、平成5年8月の8.6(ハチロク)水害で浸水した地域である。この際、甲突川沿いの国道3号線は、1.5m〜2m浸水した。ハザードマップは、外水氾濫のみを想定している。しかし、鹿児島特有のシラス台地は、透水性が高く、豪雨時に大抵の雨水が河川に流入する他、排水路や下水路から処理能力を超える雨水が溢れる。ゆえに、写真の場所では、内水氾濫によって予想よりも水位が上昇する可能性がある。また、多くの避難所は、低地部分に設けられている。予想を超える浸水被害が起きた場合、二次被災が避難所で発生すると予想する。周辺の高台への避難が、災害発生時の避難先として最有効であると考える。 撮影場所 ハザードマップ 「ハチロク水害」では大きな被害が出ました。8月になっても梅雨前線が停滞した異常な年でした。竜ヶ水駅の土石流の話は良く知られていますね。JRの乗務員と警官の機転で乗客の避難誘導がなされました。写真でみると甲突川は高水敷(河川敷)がなく、両岸は道路で堤防もないようですね。道路から釣りができそう...。ハチロク水害の後、上流部に遊水地などが作られたのでしょうか?そうでなければ再びあふれるかもしれませんね。写真の場所では、支流に逆流して支流からあふれそうですね。なお、右岸と左岸では、左岸の方が少し低い(あふれやすい)ようですね。 |
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たっちゃん |
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群馬県桐生市相生町二丁目町会が作成した、洪水・土砂災害緊急避難地図である。写真を撮影した渡良瀬川右岸は、3m以上の浸水が予想される。この辺りは、昭和24年のキティ台風で被害を受けた地域である。また、今昔マップで1894年~1915年と現在のものを比較すると、流路が南西の方角に移動していることが分かった。今後、カスリーン台風やキティ台風と同じ規模の台風が、渡良瀬川右岸を襲うことになれば、現在の洪水災害の危険性を上回る危険が出るであろう。また、一番近い洪水災害危険時指定緊急避難場所が写真に示した場所から直線距離で約1㎞離れているという課題もある。避難場所を近い所に作るという方法もあるが、日頃から準備をしておくことが一番大切であろう。 撮影場所 ハザードマップ 空中写真をベースとした特徴的なハザードマップですね。市役所ではなくて、町会作成という点も地域防災を重視していて良いことだと思いました。過去の浸水も地図に記載されており、去年の例もありました。ハザードマップとしては最先端をいっていますね。地理院地図でみて、富士山下駅付近の細い水路は、かつての流路だったようです。また、写真の対岸の清瀬町、織姫町付近も旧河道のようです。避難所が離れているのは、浸水しやすい場所に避難所を設置していないからではないでしょうか? |
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えってぃ |
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富山県富山市本郷島地内。常願寺川は、立山連峰を源流とする日本有数の急流河川で、富山平野(扇状地)を形成した河川である。天井川となっており、上流部から土砂が豊富に供給されたため河床が上昇している。明治時代から治水工事が続いており、上流部には砂防堰堤が数多く存在する。写真は、河道から右岸側の堤防を眺めた様子である。天井川は河川氾濫時に堤防を越えた水が河道に戻りにくく、洪水が発生すると被害が拡大しやすい。ハザードマップによると、主に河川や用水に沿って浸水が想定されているが、扇状地の地形特性上、平野部に広く浸水が想定されており、旧河道などを中心に浸水高が高い。避難所には小中学校など2階以上に避難できる施設が多く指定されている。 撮影場所 ハザードマップ 高解像度写真 見事な写真です。あまりにすばらしいので、高解像度版もみられるようにしておきました。(なお、レポートの課題としては危険な場所の撮影をすることでした。まあいいでしょう。)「富山地鉄鉄橋付近」ですね。場所の特定に苦労しました。扇状地河川は河道固定すると天井川になりやすいのですが、写真の場所がそうなっているかどうかは、地理院地図の断面図機能で確認してみてください。 |
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のぶ |
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このハザードマップは世田谷区の洪水のハザードマップの多摩川版である。多摩川流域では川からおよそ500m~1kmの土地が浸水すると予想されている。写真は二子玉川公園から上野毛駅方面を撮影したものである。ハザードマップの浸水予想では総雨量590mmという記録的大雨が降った場合を想定しており写真に写っているあたりは堤防が決壊すると5m~10mの浸水が予想され、大変危険なエリアとなっている。二 子玉川駅周辺で浸水することはないだろうとされている範囲は多摩川から500mほど北に進んだところにある国分寺崖線が境になっている。また写真の撮影場所から東に2kmほど行ったところにある等々力渓谷は土砂災害の危険がある地域として指定されている。 撮影場所 ハザードマップ ハザードマップには避難方向の矢印が示されています。「とにかく丸子川を渡り、台地に上れ」ということでしょう。浸水が5m以上となると、2階も浸水するわけで、木造の建物は流されてしまうことになるでしょう。写真の二子玉ライズの向こう、多摩堤通りよりも川側に住宅があります。そこは一番危険な場所だと思います。むかし、このあたりに遊園地があったんですよ。知ってました? |
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さだお |
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東京都世田谷区等々力・尾山台・野毛・中町地区の土砂災害ハザードマップである。写真は、マップの土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域のほとんどを占める等々力渓谷のものである。全く山間部でない場所でありながら東京都唯一の渓谷であり、そのため土砂災害危険区域に指定されてはいるが、過去に災害が起きたという事例はない。渓谷なので海抜標高が16mであるが、周囲に比べて半分ほどの高さである。土砂災害が起きたとしても渓谷内で完結して渓谷と密接した地域以外に直接的な被害が及ぶとは考えられないと感じた。ただし大雨により土砂災害が起き、渓谷を流れている谷沢川が増水し土砂にせき止められた場合、広い範囲に洪水被害が起こる可能性があると考えられた。 撮影場所 ハザードマップ 等々力渓谷では、崖下の住家がないのですが、崖上の住家はどうなんでしょうか?台地上の住宅地が作られ始めた昭和初めの地図はこちら(世田谷郷土資料館蔵)。地図の破線から考えると崖の部分も含めて分譲されたようです。地理院地図で「全国傾斜量区分図」を重ねてみてみましょう。雪崩対策用に斜面勾配を示したものですが、崖の分布がよくわかります。パノラマ写真は、地層観察ポイントですね。下半分は崩れた土がたまっています。露頭の部分で、横一列に草が生えているのは、そこから水がしみだしているからでしょうか。とすれば、そこが透水層と非透水層の境目ですね。 |
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たいちゃん |
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今回調査した場所は、東京都稲城市押立にある稲城市立第四中学校付近である。また、使用したハザードマップは、多摩川上流に2日間で457mmほどの大雨が観測されたときに想定される洪水のマップである。稲城市のハザードマップによると、撮影場所付近では0.5mから1mの浸水が予想され、これは大人の腰付近まで浸かってしまう数値となっている。実際に撮影地に足を運んでみると、多摩川に近づいていく写真左側方面に上り坂があり、後背湿地になっていることがわかった。ハザードマップと照らし合わせてみても、自然堤防にあたる坂の上は比較的洪水の被害が小さいため、間違いないだろう。稲城市は全体的に山がちな地形のため、自然堤防と山地の境目であるこの地域に洪水の被害が集中しやすい。そのため避難時には、できるだけ早いうちに多摩川から離れることが大切である。 撮影場所 ハザードマップ 多摩川は普段はおとなしい川ですが、1972年に対岸の狛江で堤防が決壊しました。被害地域は多摩川の旧河道でした。地理院地図で「明治時代の低湿地」を重ねてみると、写真の中学校も旧河道ですね。土を盛って作られたと思います。浸水したとき、移動可能な水の深さは腰以下といわれます。つまり、この場所が浸水したら、避難が難しく、建物に孤立することになるわけです。たぶん中学校には、備蓄食料があるのでしょう。ハザードマップの凡例に記載されている「洪水の時に利用できない洪水指定避難所」って文言は非常にわかりにくいですね。 |
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ハナ |
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津幡町津幡・中条地区のハザードマップである。今回撮影したパノラマ写真の地区は土砂災害特別警戒区域に指定されており、災害発生時に建築物の損壊や住民の生命又は身体に著しい危害が生じるおそれのある区域である。撮影場所周辺は住宅地となっておりハザードマップを見てわかるように標高も高く、斜面が急なため、災害発生時には大きな被害が予想される。写真の通り金網フェンスが張られているなど多少の対策はされていると思われるが、もう少し高さのあるフェンスや網を設置したほうが周囲の住民も安心して生活できるように思われる。 撮影場所 ハザードマップ 崖はコンクリで固められており、建物が崖の直下にあるわけではないので、写真からはそれほど危険度は感じません。ただ、この場所の標高が25mくらい、写真の奥の方に50mの山があって、その山が崩壊したら、上部の金網だけでは防ぎきれないのでは?ということですね。この場所は丘陵を削って平坦にして、宅地化した場所のようです。写真の右奥の方にには、大規模に開発した緑ヶ丘住宅があります。山影になって、冬の季節風が弱いという利点かあるのかなと感じました。 |
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米ポン |
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写真は土石流危険区域となっている浅川地区の民宿湖畔荘付近を撮
撮影場所 ハザードマップ 浅川地区は南北を尾根に囲まれ、大雨の時には孤立するおそれがあり、浅川地区自体も土石流の危険があります。交通の大動脈である河口湖大橋と新倉河口湖トンネルは、この浅川集落を通っていませんので、災害に見舞われた場合の救援も困難です。1966年の台風24号、26号では、西湖で土砂災害が発生しました。その教訓は現地で引き継がれているのでしょうか? |
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うえじゅん |
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横浜市戸塚区南部地域の大雨による土砂災害を想定して作られたハザードマップである。今回、写真を撮影したところは地図上の舞岡駅から北に進んだ急傾斜地崩壊危険地区である。舞岡駅周辺は市街化調整区域であることから住宅は多くはないが道が狭く密集した住宅地が多く存在している。農地が残っているため土砂災害の影響は普通の住宅街よりも被害は少ないと考えられるが崖下の家は被害を免れることはできないと推測できる。さらに崖下には舞岡川が流れており、土砂災害が起きた際に家が無事ではあったとしても川と土砂に挟まれて、孤立してしまう恐れがあると考えられる。そのほかにも自分の自宅周辺の避難所が土砂災害警戒地区に指定されており、地震などで避難している場合に大雨が発生した場合には避難を失ってしまう可能性も考えられる。 撮影場所 ハザードマップ(土砂災害) ハザードマップ(浸水) 写真が差し替えとなりました。写真の場所は舞岡川低地で、かつては水田だったところ。住宅には適さないので、バスの車庫などがあります。写真左端は、工場の跡地に作られた新しいお寺ですね。昔からあるお寺さんならば、災害の起こりにくい場所に立地します。地形図などを眺めてみますと、舞岡川と柏尾川が合流するタイヤ工場のあたりが、浸水しやすいのではないでしょうか? |
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いちご |
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東京都渋谷区(撮影日5月5日土曜日)、天候 快晴、標高 15.4m〜16m、地盤 軟弱、地形
渋谷区は非常に揺れやすい谷底低地の地形をしている。河川の氾濫によって形成された。東京都渋谷区ハチ公改札前からスクランブル交差点を撮影した一枚である。渋谷駅は主要な路線が多く存在し、人が多く行き交う場所である。この場所で大きな地震が起こった場合どのような事が想定されるか。①交通網が麻痺する可能性がある。通勤通学時間帯、帰宅時間帯に大きな地震が起こった場合交通の手段が無くなり多くの人たちが家に帰れず駅に取り残される事が考えられる。②看板などの落下。再開発が進む東京の最先端を行く渋谷駅周辺。建物自体の倒壊は考えづらいが、地盤が軟弱なため建物が根こそぎ倒れたり、建物に設置してある看板や大きな照明の落下による人命に関わる大きな事故が起こる可能性がある。③地震後の二次災害。大きな地震が起こったあと交通網が直ちに復旧するとは考えにくい。これは渋谷駅に限ったことではないが、東京で交通網が麻痺すると多くの人が会社や学校に通勤通学する事ができない。これにより東京を中心に動いている日本は機能しなくなる可能性がある。 撮影場所 ハザードマップ 提出された写真では、もっとも多くの人が映っています。この状況で大地震が起こったら、大混乱に陥りますね。東京はその存在自体が災害ではないかと感じることがあります。人が多く集まるということも、被害を拡大する要因になりますね。渋谷は交通の結節点なので、鉄道がマヒすると、大量の帰宅難民が生まれます。大地震のとき、代々木公園を目指すか、青学の方を目指すか....避難場所も人があふれていそうです。ハザードマップは、色の付けすぎで、ベースマップが良くわからない状況となっています。避難地図としては失敗作でしょうか。 |
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まっちゃん |
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これは墨田区押上三丁目付近の写真である。この地域は写真中央 撮影場所 ハザードマップ ハザードマップで、一番深く浸水する場所を的確に選びましたね。写真も海抜-1.0mが入るように撮影するなど、撮り方が上手です。スカイツリータウンができて、地名の響きはおしゃれでも、結局はゼロメートル地帯です。「堤防が無ければ、海になるところ」です。荒川があふれた場合、墨田区は逃げ場所がありません。なお、ハザードマップには中国語と韓国語が書かれています。 |
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Farmar |
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この地点は沖積低地に位置するため、西を流れる江戸川が氾濫した場合は浸水被害が及ぶことが想定されています。また、この地点には一級河川の坂川も流れているため、実際に江戸川が氾濫するような豪雨を受けた際にはこの坂川の氾濫も同時に発生する可能性があります。さらに、この地点には鉄道の線路を越えるためのアンダーパスが坂川に隣接するような形で存在するため、豪雨を受ければすぐに浸水被害が発生すると予想されます。特にこのアンダーパスは駅と住宅地を結ぶ大通りにあるため、人車ともに交通量が激しく豪雨被害が予想される際にも多くの人通りが予想されます。したがって、この地点の危険性を日ごろから周知させ、いざ豪雨が発生した際には早急に通行止めを行う必要があります。 撮影場所 ハザードマップ 写真の場所は正確には「新坂川」といいます。1982年の台風の大雨で、ここより上流で浸水被害が出ました。鰭ヶ崎の私の友人宅も床下浸水となり、池の鯉が逃げてしまいました。松戸・坂川は、市川・真間川、千葉・都川と並んで、良くあふれる川でした。いずれも遊水地や河川改修・浚渫工事が行われ、以前より災害は起きにくくなりましたが油断はできませんね。ハザードマップは、新松戸でもっともメジャーな企業「マツモトキヨシ」が入るサイズでトリミングしました。 |
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