平成大津波(東日本大震災)
東北太平洋沿岸の海岸地形
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東北太平洋側の海岸線地形を概観したもので、標高値により彩色しています。 すべての画像30度俯瞰で、北の方角をみています。 標高データは国土地理院数値地図(標高50mメッシュ) 立体作画はカシミール3Dで、地名等は後から書き加えました。 |
過去の津波被害との比較(岩手県宮古市田老)
田老の被害写真@ 被害写真A
(下図の青砂理の神社付近、港付近から撮影されたもの 撮影者清水長正)
メッシュは100m間隔です。
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田老では、明治三陸大津波、昭和三陸大津波でも壊滅的な被害を受けています。 昭和三陸大津波の後、高台への移転も検討されましたが、 適当な代替地がなかったため、元の場所を区画整理して再建を図りました。 それが上図の弓なりの市街地です。高さ10mの堅牢な津波堤防を建設して、 「万里の長城」とも呼ばれましたが、平成の大津波はこれを乗り越え、 市街地は壊滅的な被害を受けました。 宮古市田老(地理院地図空中写真) |
過去の津波被害との比較(岩手県釜石市小白浜と唐丹本郷)
メッシュは100m間隔です。
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昭和三陸大津波で壊滅的な被害を受け、高台に集落が移転していました。 平成の大津波は、防潮堤があっても明治・昭和の大津波と同程度の高さまで押し寄せましたが、 移転集落は無事でした。 釜石市唐丹本郷・小白浜(地理院地図空中写真) |
津波ハザードマップと津波浸水域との比較(宮城県仙台市若林区及び名取市)
メッシュは100m間隔です。
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平野部では津波被害を想定していなかった地域も津波にのまれた。 海岸から5km遡上したところもある。海岸付近にいたらあなたは逃げられただろうか? 仙台市若林区荒浜(地理院地図空中写真) |
東京湾の津波
東京湾は湾口が狭く、湾奥が広いので、外洋からの津波はやや弱まります。 2010年2月28日(東京マラソンの日)に東京湾にも津波警報が出ました。 この時の津波の高さは湾外の館山(布良)で80cm、 湾内は横浜港で40cm、晴海港で30cmでした。 およそ半分くらいになりました。 平成大津波(2011年3月11日)では、 湾外の館山(布良)で1m60cm、 東京晴海1m30cm、横浜港1m60cm、千葉90cmでした。 千葉県の市原市で90cm 20軒の住宅で浸水被害が出ています。 あまり減衰しなかったようです。 東京湾直下の大地震が起こったときが懸念されます。 津波が小さくても堤防が壊れて浸水が始まったら大変です。 東京の下町には海抜0m以下に140万人が住んでいます。 あまり知られていないようですが、埋立地の方が海抜が高くなっています。 東京湾岸(地理院地図色別標高) |
地理学科卒業論文(2015年度)より
大磯渚さんの卒業論文が月刊誌「地図中心」に掲載されました。