気象予報士試験の受験を考えている方へ

試験についての質問を受けることがよくありますので、簡単にまとめました。
気象予報士試験に限らず、頭の柔らかい学生のうちに勉強をして、
資格試験にチャレンジするのは良いことと思います。
就職してから資格の勉強をするのは、学生時代に比べ数倍大変ですからね。

地理学科の卒業生で気象予報士を取得して気象会社に就職した人が複数います。  江口研では「気象予報士の勉強会」を開催しています。
関心のある方→江口先生に連絡してください。

何か質問等があれば、Eメールをください。


Q.試験は難しい?

A.「統計的」にみて難しいです。合格率は5%前後ですから。
 倍率が20倍とも考えられるし、20回受けてやっと合格する勘定になりますので。
 ただし、学生のみなさんは頭が柔らかいので、受験者全体からみれば、
 多少有利なのかもしれません。

Q.地理学科の学生は有利?
A.天気予報に使用する各種天気図のたぐいは、大気をあらわした「地図」そのものです。
 地形図の読図が得意な人や地図表現が好きな人はきわめて有利です。
 高層天気図などの専門図の読み方をマスターすれば、
 比較的簡単に天気予報らしきものはできるようになります。
 気候学の知識も気象学の理解に役立ちます。

Q.数学や物理は得意でなければダメ?
 苦手な人でも、高校の数学や物理の教科書を読みかえす「気力」がある人なら
 大丈夫だと思います。逆に数式に極端な"アレルギー"を持っていて、
 式を見るだけで思考回路が停止してしまう人は向いてません。
 実際、これまで見たことない数学記号が登場したり、
 たくさんの変数を含んだ数式も登場しますが、
 式のそれぞれの項の意味をフィーリングでつかむことができれば、
 解答の手がかりをつかめるので、過剰に心配することは無用です。


Q.どんな本を読んで勉強すればいいの?
 教科書的なものとしては、小倉義光「一般気象学」東京大学出版会 がおススメです。
 大学理系学部の教養講座の水準で書かれた本ですが、 内容が充実しており、
 比較的読みやすい本です。3000円くらいです。まずは図書館で借りて、
 一週間くらいかけて読んでみて、気に入ったら購入すればよいでしょう。
 他にもいろんな本が出ていますが、立ち読みしてみて、自分に合う本から入手しましょう。

 
Q.問題集は何を使えばよいの?
 書店にたくさんならんでいます。購入するのであれば、解説が丁寧なものを選びましょう。
 特にそれぞれの問題の「出題意図」がしっかり、書いてあるものが良いと思います。
 特に、論述系の問題については、「何を答えさせようとしているか?」が大切で、
 出題意図をとりちがえると、正解から遠のいてしまいますので。
 みなさんは地理学科なので、「解説図が多い」問題集を選ぶのもひとつの方法です。
 教科書同様にじっくり立ち読みしてみて、自分に合うものを選ぶと良いと思います。

Q.予備校やカルチャースクールの資格講座はどうですか?
 気象学に触れて、勉強時間が長くなるでしょうし、勉強を誘導してくれるので、
 受講するのもいいでしょう。ただし、受講料が数十万するものがほとんどで、
 これ以上ご両親に負担をかけるのもどうかなと思います。
 地理学科では毎年5〜6人気象予報士試験受験者がいるようです。
 仲間同士で勉強していくのが安上がりでお互い励みにもなると思います。

 
Q.地理学科の先輩で合格者はいるの?
 1学年に10人くらい「気象予報士試験を受けようかな」という学生がいて、
 そのうち5人くらいは実際に試験勉強をして、そのうち2〜3人は学科試験に合格して、
 最終的に実技試験に合格するのは1人いるかいないかという感じです。

Q.就職には有利?
 気象会社にはすでに多くの気象予報士がいるので、求人が多いわけではありません。
 経験が必要な分野なので独立開業も難しいのが現状です。
 世間で言われているほど、有望な資格ではありませんが、有資格者はプラス評価されます。
 めでたく気象予報士試験に合格したなら、就職活動は気象業界だけに絞らず、
 広く環境系の企業にアタックしてみてはどうでしょう?相談にはのります。