ダムの貯水量と渇水

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利根川水系の貯水量

今年の9ダムの様子(東京都水道局)        利根川水系9ダム(kml)

2020年4月から八ッ場(やんば)ダムの運用が始まり、利根川水系のダムは九つになりました。
水を貯める「器」が増えたことで、常時満水容量は約20%ほど多くなりました(台風シーズンについては7%増)。

下久保ダムのような大きなダムもあれば、薗原ダムのように小さなダムもあります。平地にある渡良瀬は貯水池です。
矢木沢・奈良俣・藤原・相俣の4ダムは、水源に大量の雪が降るので、融雪期には水量がどっと増えます。
薗原ダムと八ッ場ダムについても、上流部は降雪があります。

夏季制限容量は、梅雨末期から台風シーズンの貯水量の上限です。
大雨が降った時に貯められる余力(3割くらい)を作っておくわけです。

1994年は、6月初めの段階でタップリ水はあったのですが、梅雨の雨がほとんど降らず7月に渇水となってしまいました。
2016年はゴールデンウィーク頃はタップリ水があったのですが、雪解け水が早くなくなって、6月に取水制限となりました。

国土交通省、水文水質データベースの値を用いています。
30年平均は、1992〜2021年の平均で、2020年以降は八ッ場ダムを加えた9ダム、2019年以前は8ダムの平均値で独自に算出しました。


少雪と5月の少雨

2015〜16年の冬は、暖冬の影響で記録的な少雪でした。
利根川上流部の群馬県みなかみ町の降雪量は、1990年以降で最も少なくなりました。
春スキー営業ができずに、雪不足で閉鎖してしまったスキー場も多くありました。
積雪は春になってゆっくり解けるので、貴重な水資源となるわけですが、
雪不足の後は、夏の水不足に注意が必要となります。
とくに2016年は雪がなくなったあと、5月の雨が少ないというダブルパンチとなりました。
5月は水田に水を入れる時期で、ダムは放流をしなくてはなりません。
その結果、5月の貯水量が急激に減少することになりました。