エル・ニーニョ(ラ・ニーニャ)と異常気象

太平洋赤道付近の表面海水温は4〜5年周期で大きく変動することが知られています。
海水温の変化は高気圧や低気圧の分布に深くかかわっていて、海水温分布の変化により、
もともと多雨の地域に雨が降らなくなったり、少雨の地域に大量の雨が降ったり、
異常気象の原因となります。

2021年秋に「ラ・ニーニャ」が発生し、2023年の早春までに終わりました。

2023年春からは「エル・ニーニョ」が発生して、2024年春には終わりました。

2024年秋からは「ラ・ニーニャ」が発生するとみられましたが、発生しませんでした。

2025年秋からは「ラ・ニーニャ」傾向となりますが、ラ・ニーニャ発生の基準を満たさない可能性があります。

「エル・ニーニョ」「ラ・ニーニャ」とも、世界的な異常気象に影響を及ぼしていると考えられています。

エル・ニーニョ監視速報(気象庁・最新)

最新の表面海水温の情報(米国気象局・気候予測センター)

エル・ニーニョ年の例(南米エクアドル沖の水温が平年より高くなっている)
エルニーニョ年の表面海水温・平年偏差(2023年12月・気象庁資料)
赤い表示が平年より海水温の高い地域。EQとあるのは赤道のこと
南米エクアドル沖の赤道付近が帯状に高温になっている。
白色の地域はほぼ平年並みの海水温で、水色は平年より低い海域。
エル・ニーニョとは...
南米ペルー沖の海面温度が、高くなる現象のこと。「ニーニョ(nino)」とは男の子の意味で、
定冠詞「エル(el)」をつけると、神の子イエス・キリストという意味になる。
例年クリスマス頃になると、エクアドル沖の海水温が高くなる。カタクチイワシ漁は休みに入り、
バナナやココナッツに恵みの雨が降る。それらを含めて、神に感謝を込めて「エル・ニーニョ」と呼んだらしい。

ラ・ニーニャ年の例(南米エクアドル沖の水温が平年より低くなっている)
ラ・ニーニャ年の表面海水温・平年偏差(2021年12月・気象庁資料より)
青い表示が平年より海水温が低い地域で、エクアドル沖の赤道付近が帯状に低温になっている。
白色の地域はほぼ平年並みの海水温で、薄赤色は平年よりも高い海域。

ラ・ニーニャとは....
エル・ニーニョとはまったく逆のパターンで、4〜5年に1度エクアドル沖に、大規模な冷水域があらわれ、
数ヶ月持続する。「ニーニャ(nina)」とは女の子の意味で、「ラ(la)」は定冠詞である。
エル・ニーニョ現象と同様に太平洋沿岸諸国に異常気象をもたらすとみられる。


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