2007.04.09〜2009.03.30更新
フレッシュマンセミナーその1
日本語の基礎について
 
 朝目覚めて、今日という一日を自分はどのように過ごそうとするのかを考えている。朝の食事と身支度をすませ、家を出て大学に向かう。道行く途中、燕が数羽巣作りする場所を求めて飛び交う姿を目にする。コーヒショップから漂うコーヒーの匂いが堪らないくらい私の嗅覚から喉元へと「飲みたい」と誘(いざな)ってくれる。この誘惑から瞬時に離れ先を急ぐ。桜の花びらがちらほらと散りはじめる街路樹を歩を早めて進む。路面には、真っ白な花吹雪が雲の絨毯のように敷き詰められている。行き交う人の数が次第に増えてきた。ちらほらと顔見知りもいてか挨拶が交わされている。なかには、親しい者同士の会話が快く弾んでいるようだ。この会話に少しく耳を傾けて見ることにしょうか……。
 
日本語の四季
 ことばに結実した日本人の四季に対する季節感を過去から近き将来に向かって紡ぎ続ける現代人とこの「ことばの泉」から紡ぎ出してきた古人たちの言語文化遺産を瞻眺しみよう。
 「春夏秋冬」を「春の日」「夏の日」「秋の日」「冬の日」として随想を巡らすこの国の人々は、これを象徴する歌を口ずさむのである。東洋の哲学者道元禪師は、「春は花 夏不如帰 秋は月 冬雪冴えて冷しかりけり」(『道元の和歌』〔中公新書 (1807)) 松本 章男著〕参照。「傘松道詠」所載ZEN)と哥にした。
現代の私たちも「春の日の花と輝く」はアイルランド民謡にあり、「あの、夏の日−とんでろ じいちゃん − 」は大林監督の映画作品に。森高千里の「夏の日」、「秋の日のヰ゛オロンのためいきの身にしみてうら悲し」はポール・ヴェルレーヌ原詩・上田敏訳『海潮音』の「落葉」に、「冬の日の記憶」は中原中也『在りし日の歌』の題名にとことばの記憶が呼び覚まされていく。
http://video.nifty.com/cs/catalog/video_metadata/catalog_090226175587_1.htm 〔良寛の法話〕
 
 「季節感」と云うことばで表現する人の感覚器官の多くは、頭部に位置する身体部位名いうと「目」「耳」「鼻」「口(舌)」そして「肌膚」の繊細な感触であることに気づく。ここで魔法の声「アイカ」さん(サウンドセラピスト)を紹介しましょう。※ホツマツタエの世界
 この身体部位を働かせて、自然界にある「森羅万象」のものを知る。日本の伝統文化には「道」の付く伝統芸術があります。書道・茶道・華道あたりまでは誰もが知っているでしょう。では、「香道」「舞道」って皆さんは聞いたことがおありでしょうか?
 実際に「舞道」では吾妻流のお家元である吾妻徳彌さん、そのお母さんが山田徳穂さんで「香道」をなさっている方でもあります(伝聞)。今度、皆さんと教室でご一緒にお会いしたい人でもあります。 
 
 次に古典のうた、『古今和歌集』(延喜五年、勅撰和歌集)ではどうでしょうか。
○ひさかたの ひかりのどけき 春の日に しつこゝろなく 花のちるらむ 紀友則
 
○なにはづに 咲くやこの花 冬こもり 今は春べと 咲くやこの花
 ……http://www.minabe.net/gaku/bungaku/sakuyakonohana.html
 
 
《「香道」参考文献資料》
※『光源氏が愛した王朝ブランド品』 著者: 河添房江→『薫集類抄』(くんしゅうるいしょう)111頁
※一色梨郷著『香書』〔昭和十八年(1943)発行(初版2000部)1冊・刊行本(石原求龍堂)〕には、幸田露伴が閲覧したという貴重な書物の翻刻である。
※『香道蘭之園』(こうどうらんのその)[底本…宮内庁書陵部所蔵御所本]
※『香と仏教』(こうとぶっきょう)有賀要延著 平成2年(1990)発行 1冊 刊行本(国書刊行会)
 目次
序にかえて
凡例
第一篇 仏教と香
 一、香の渡来
 二、供養と香
 三、香の効用
 四、経典が語る香−附 事彙部・古記録
 五、主要香の概要
 六、香偈・香真言・香語の諸例
 七、「聞香」というと
第二篇 香と文学
 一、空薫物から香道へ
 二、六国列香
 三、王朝の薫物一覧
 四、名香一覧
 五、香銘と和歌
 六、組香と和歌[以下、組香名小引の目次を追記]
子日香  梅花香  雉子香  桜香  卯花香五月香  山路香  篝火香  千種香  女郎花香菊合香  望月香  立田香(龍田香)  時雨香  落葉香玉川香  二見香  空蝉香  松風香  六歌仙香琴玉香  五方香  住吉香  三千年香  胡蝶香(小蝶香)空月香  松月香  冬月香  賞花香  五行香山海香  松花香  千年香  鈴虫香  有明香古今香  三友香  時鳥香  三夕香  三体香四季歌合香  春秋香  千鳥香  関守香   
 七、組香と漢詩[以下、組香名小引の目次を追記]
杜律香  賈島香  子規香  玄冬香  徒然香新月香  暮春香  初秋香  菊花香  重陽香四季香  慶賀香  詩歌合香  
 八、附記事項[組香名と詩歌 組香目録]
 附録−草木図
未完