2006.10.04〜2008.09.29更新

 03の講義内容 日本語文化を学ぶ字書・辞書・参考専門書の利用とその実際

 

中国の漢字→字書・類書の世界

―宋版字書・類書の東アジアへの流通とその波及効果―

萩原 義雄

 

    はじめに

 日本人が初めて漢字を受け入れた時、多くの仏經典・漢籍などから学び知り、これを正しく書記記録できるようにと編まれたのが字書・類書でした。これも、中国で編纂されて利用されておりました。これを日本人がより早い時期に受容すべきであることを常に探求してきたことは云うまでもありません。(余談、日本人が唯一捨ててない文化遺産が「漢字」だって、知っていましたか?)

 実際、日本に伝わったこれらの字書・類書について確かめておきましょう。

 

1,宋版『一切經』附載音釋

書陵部蔵・東寺蔵(東禅寺版)・愛知県本源寺藏(東禅寺版)・神奈川県立金澤文庫藏・その他

2,『玉篇』―写本及び版本の字体規範の考察―

    宋版 内閣文庫藏『大廣益會玉篇』三冊(別49-10)

    元版 内閣文庫藏『大廣益會玉篇』三冊(別49-9)

     『原本系玉篇佚文集成データベース』の構想と今昔文字鏡 瀬間正之

     宋本『玉篇』部首字一覧 池田証壽

     『明治新刻 廣集玉篇大全』鈴本音彦編輯、田中宋栄堂梓

3,宋版『廣韻』

 『広韻』検索ページ  2000.4.20(β’版) ◆

4,元『事林廣記』(日用百科全書)

  「事林廣記研究会

  

 古辞書に波及した書物『文選』及び『文選注』   

☆國寳『文選』足利學校遺蹟圖書館後援會 汲古書院刊卷一〜卷六

☆東洋文庫蔵舊金澤文庫本國寳『文選集注』零本 唐李善等 寫本 七軸

    第一軸卷四十八首闕尾全(六十卷本第二十四卷ノ内)
    第二軸卷第五十九首闕尾次軸ニ接續、(六十卷本第三十卷ノ内)
    第三軸卷第五十九、首前軸ニ接續、尾全、(六十卷本第三十卷ノ内)
    第四軸卷第六十八首尾共ニ完(六十卷本第三十四卷ノ内)
    第五軸卷第八十七?首尾共ニ闕、(六十卷本第四十四卷ノ内)
    第六軸卷第百十三、首闕、尾次軸ニ接續(六十卷本第五十七卷ノ内)
    第七軸卷第百十三、首前軸ニ接續尾全、(六十卷本第五十七卷ノ内)

★和刻本『文選』汲古書院刊

 

 その他

★漢文・文字受容における角筆文献資料の考察

○「角筆文字」(広島大学)というもの

○「角筆がおもしろい〜旧高松藩士の獄中記からの発見3つの謎に迫る」

 

 特に一度は足を運びたい施設

※台東区立「書道博物館」と秋季特別展 中村不折(一八六六-一九四三)コレクション 

    7月23日(水)〜10月5日(日) 

          中村不折コレクション 
           「良寛、亀田鵬斎、小林一茶、そして不折」
 

    秋季特別展 中村不折コレクション 

    10月11日(土)〜12月23日(火)宋・元時代の書画

   

※台東区立「江戸東京博物館

    江戸東京博物館開館15周年記念
    特別展 ボストン美術館 浮世絵名品展    休館日: 毎週月曜日
    開催期間10月7日(火)〜11月30日(日)
    会場: 江戸東京博物館 1階 企画展示室
    開館時間: 九時三十分〜十七時三十分(土は午後七時三十分まで)
   ※入館は閉館の三十分前まで

 

 特に図書館で閲覧しておきたい書物

 

※川瀬一馬『五山版の研究』(昭和四五年、上巻:研究篇, 下巻:図録篇)本学図書館B1 H012/23-1・2 とH012/23-1・2C

※山田忠雄編『國語史學の爲に』(昭和六一年五月、笠間書院刊 一部:徃來物,二部:古辞書,三部:語誌・語史)B1NDC 810.2/5-1・2・3

※『日本古典籍書誌学辞典』(一九九九年、岩波書店刊)

   

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