2002.06.09
「返事」は、「あいづち」表現
 先回こんな話しを皆さんに伝えました。「返事」には、三つある。それは、「はい」「へぇ」「うん」の三つですと。
「へぇ」は「へい」で神社の「幣(ヘイ・ぬさ)
「うん」は、神社の左右両側の狛犬でその口の開閉を「アウン」、「あウンの呼吸」の「うん」
でした。そうです。最初の「はい」は何んなのか伝えていません。みなさんにも考えて欲しいからです。ですから、ここでも回答は用意していません。どうぞ、みなさんそれぞれお考えになって答えをメールで是非お寄せ願います。珍答・妙答ご披露あれ。
 
「あいづち」表現
 この「返事」の冠頭部分の表現が上記の「あいづち」表現なのです。実は、この「あいづち」ことばですが、詳細に述べますとこんなものではありません。例に明治時代の三遊亭圓朝の速記物『英國孝子傳』などから抜粋してみますに、
0「ハイ」を先頭に、
1「ハイハイ」
2「ヱヽ」
3「うん」
4「うん、うん」
5「そう」
6「そぉお」
7「そうなの」
8「ヘイ」「ヘイヘイ」「ヘェ」
9「ホント?」
10「ホント!」
11「それで」
12「ねえ、それでそれで」
13「その次は?」
14「ねえ、早く教えてよ」
15「すごいわねぇ」
16「へぇ、そうなんだ」
17「やっぱり、すごいわねぇ」
18「さすがじゃない」
19「それ、おもしろーい」
20「勉強になるわ」
21「いい話しねぇ」
22「もう一度、話してくださる?」
23「ごもっとも」「成程」「うん成程」
24「わかりやすい」
25「ヲ、さうか」……。
 まだまだ事欠かないのです。どしどし、人の話しの「あいづち」を聞いてあなた自身が発見しては、ここにメモ化し、さらに使ってみては如何でしょうか。
 さて、これだけの「あいづち」表現を数分間の会話中、あなたが使いきったら、まさに「鬼に金棒」となること間違いなし。でも、その場になるとなかなかでてこないのがこの「あいづち」表現でもあります。
 
 ところで、話し手にとことん本音で聞きたいのが聞き手の人情でもあります。では、どうするか、この「あいづち」表現を一歩抜け出して見ましょう。話者の言いたい、伝えたい気持ちをとことん引き出すカウンセラーのテクニックともいえるテクニック。それは、
1「大変なことをなさってますこと()
2「なんと複雑なものなんですネ」
3「そこのところ、もう少し詳しく話してもらえませんか?」
と問い返すのです。この三つをお忘れずに話し手と会話してみてみませんか。
3の「そこのところ、もう少し詳しく話してもらえませんか?」を英語では、「Please more specific.」と表現します。そう、身近なことばで話してもらえませんかという意思表示がここには働いています。
 
 さあ、今日からあなたの話し方が変わってきます。
 
研究課題
 地下鉄電車の自動精算機、これこそ一方的な検索でまさに無言で処理を行わせます。こちらは、相手機械の指示に従い、こちらの意思をボタンで押しつづけて進む仕組みになっています。時に疑問があって、その処理が自分の意思とは異なる作用結果を提示したとき、キャンセル・ボタンを押すことでクリアすなわち、ジ・エンドとなってしまうのです。客は駅員にその疑問訊ねます。「この精算表示の金額が不明確ではないですか?」とこの係りの方は、おもむろに電卓を叩きながら、「この計算はこうこうだ」と結論引き出します。ですが、こちらが応えて欲しいことには、ひとつも応えていないのです。精算機の表示金額の方法が不明確でわかりにくいという問いかけには、何も応えていないのです。このとき、あなたが係りの人であったらどうしますか?さあ、この内容ですけど、あなたならどう客に説明しますか?どうぞ、この客と係員の会話文を円満に脚本してみてください。