2001.10.18→2002.10.07更新 実用表現法

書くこと「類語表現」について

「深夜」と「未明」

シンヤ【深夜】よふけ。深更。「―料金」〔『広辞苑』第五版〕

ミメイ【未明】夜がまだすっかり明けきらない時。〔『広辞苑』第五版〕⇒同義語「明け方」「夜明け前」。

時間帯による「深夜」と「未明」の新聞誌上48件データ


 

 

 
未明
 

 

 

 

 

 

 
深夜
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
22:00
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
23:00
 

 

 

 

 

 

 
                0:00              
                1:00              
                2:00              
                3:00              
                4:00              
                5:00              

このグラフから、午前一時から三時にかけて双方に区分のブレがあることに気づきます。この時間帯を季節時差を含めて「夜更け」&「明け方」と見るかで異なりが生じてきます。午前三時をもって境界と見ることができます。

「横断」と「縦断」

オウダン【横断】横に断ちきること。横または東西の方向によこぎること。「大陸―鉄道」 縦断。〔『広辞苑』第五版〕

ジュウダン【縦断】たてにたちきること。たて、または南北の方向に通りぬけること。「本土を―した台風」 横断。〔『広辞苑』第五版〕

 ここで、考察したいのは、「台風」のことです。中国地方を北上して日本海に抜ける進路をとった台風のコースをどう表現するかです。中国四国地方を東西に進めば「縦断」、南北に進めば「横断」ということになりますが、このごろの台風は気まぐれですから「縦横に駆け抜ける」こともあります。

 さて、ここからが課題です。次の1〜10における「類語ことば」の使い分けとその意味表現などを国語辞典で確認し、その異なりの識別をそれぞれ記述してみましょう。そのとき、ことばの実際の用例を「新聞」や「雑誌」などといった身近な言語生活表記のなかで用いられている表現資料をここに添付していきましょう。

主要国語辞典 新潮『現代国語辞典』、新明解国語辞典』、『広辞苑』、『広辞林』、『日本国語大辞典』など

1「おにぎり」と「おむすび」

 

 

2「夫婦」と「夫妻」

 

 

3「パンツ」と「ズボン」

 

 

4「はしご車」と「シュノーケル車」

 

 

5「叔父」と「伯父」

 

 

6「新記録」と「最高記録」

 

 

7「葬儀」と「告別式」

 

 

8「休戦」と「停戦」

 

 

9「幽霊」と「妖怪」

 

 

10「霞」「霧」「靄」

 

 

 已上の「類語表現」について、日々の言語生活のなかでそれぞれどのように表現され、用いられてきたのかを皆さんはそれぞれ認識できたでしょうか?

 
おまけとして、
11「から」と「ので」
雨が降ったから休みます。[客観性]
雨が降ったので休みます。[主観性] ※こちらが◎となります。
12「場合」「とき」「時」
 夫婦喧嘩をしたときに妻が別れようと考えた場合それを口に出したには話は深刻になる。
※「場合」「とき」には、仮定のニュアンスがあります。「時」となれば、現実の時間的色彩を帯びてきます。