企業形態論:後期
第5章 株式公開会社と 資本市場

〔前期復習〕価値の高い企業?
(例)伝統的大企業:GM,日立
   変貌する大企業:GE,トヨタ
   新しいタイプの企業:インテル、マイクロソフト、シスコシステムズ

〔前期復習〕小さくて価値の高い企業
 用語【時価総額】=発行済み株式数×株価
 データからみる現実?
 ・グループ1とグループ2の時価総額は桁違い(ほぼ10倍の格差)
 ・従業員数と売上高では大差ない。
 ・グループ2とグループ3の時価総額はほぼ同じ。
 ・従業員数と売上高は、5分の1から10分の1位でしかない。
 ⇒グループ3は、【小さくて価値がある企業】

〔前期復習〕資本主義経済(市場経済)の特徴
(生産的側面)=利潤追求の努力を継続する企業が社会的生産の大部分を担う
【経営的成果】 =少ない資本、小さな費用、大きな収益
  ⇒高い資本利益率の達成

〔前期復習〕市場経済の成長発展
革新(イノベーション)を採用し続けた 企業の成長の結果
(経営的判定基準)=企業の成長
 ⇒企業の究極目的
 ⇒利潤極大化を通して、継続的成長を達成すること(最終の成果尺度)

〔前期復習〕企業の営利(営利追求の努力) =目的ではないが、前提となること
 @ 企業の存続と繁栄のために資本の追加調達を行わなければならない。
 A そのためには、利潤追求が不可欠。
 B 利潤を賢明に分配しなければならない。

〔前期復習〕企業の資本調達メカニズム =資本の循環
 @ 資本金を出資する
 A 信用の基礎が出来る
 B 負債を借り入れる
 C 総資本で事業を営む
 D 利益が実現する
 E 利益を留保する
 F 自己資本が拡大する

〔前期復習〕★企業の基本的問題
 ・資本(収益性追求の原資)を誰がどのように拠出しているか
 ・その資本を誰が中心となって、どのように運用するか(経営)
 ⇒★企業の本質的要素=『出資』と『経営』

第5章 株式公開会社と資本市場
T 株式公開の経営戦略上の意味
 @ 不特定多数の投資家からの資金調達
 A 市場取引によって、『株価』として現れる企業の客観的な評価が、投資家への判断基準提供
     〔企業の重要なIR(Investor Relations)活動:広報活動の1つ〕
 B 企業経営の透明性を市場にアピール
     〔ブランド・イメージの向上〕

★株式非公開会社化の意味
  株式の非公開会社化  ⇒ 【GOING PRIVATE】
  ⇒企業独自の戦略が存在し、意図的に選択
 @ 情報公開の義務(多大な負担)の回避。
 A M&Aのターゲット(被買収企業)の回避。
 B 企業買収後のターゲットの経営の安定。
   (例)サントリー、出光興産、西武百貨店…

★株式公開会社の資本調達の論理
 @ 株式が自由に取引される。
 A 公正かつ自由な市場における取引によって、企業が評価される。
 B 市場の評価が高まると ⇒ 【株価の上昇】
 C 〔企業にとって〕:将来の資金調達を容易にする。
 D 株価上昇は、企業の将来の好業績を予見する指標
    ⇒〔投資家に〕好ましい利益配分(配当)を期待させる。
    ⇒〔投資家に〕市場における株式の自由な取引によって売買差益を期待させる。
 E 市場におけるその企業の評価が益々高まる。

◎資本コストの捉え方@ Text P.94
 【資本コスト】⇒ 資金を提供する側と、
           資金を調達する側の2つの
           視点から捉える。
・資金を提供する側 ⇒ 債権者,株主=【投資家】
・資金を調達する側 ⇒ 企業

*投資家の資金提供先=企業の資金調達先
  貸借対照表(B/S)提示
  【負債】:資本コスト=利子
  【資本】:資本コスト=配当金

◎資本コストの捉え方A Text P.94
 【投資家にとっての資本コストとは?】
 資金の『機会費用』
 ★機会費用とは?
   =投資家が問うしを決定するということは、他の投資機会から獲得できるリターン〔ex. 利子、配当金〕を諦めて、ある特定の投資機会に資金を投下するということ。

◎資本コストの捉え方B Text P.94
 犠牲にしてしまった投資機会のリターン〔ex. 利子、配当〕は、別の選択をしたとすれば、獲得可能な潜在的リターン〔ex. 利子、配当〕が失われたと捉える。
 ・もしかすれば、リターンを獲得できたかもしれないOpportunity(機会)を失うコストのこと。
 ⇒【opportunity cost】

◎資本コストの捉え方C Text P.94
 したがって…投資家は…
 ⇒機会費用に等しい額のリターンを要求する。
 ★【資本コスト】とは、資金提供者からみると、資金の機会費用として捉えられ、資金提供者の要求する最低限のリターン(ex. 利子、配当)である。

◎資本コストの捉え方D Text P.94
 【企業にとっての資本コストとは?】
 =企業が資金提供者(投資家)に対して支払わなければならないリターン〔ex. 利子、配当〕
 ★企業がそれだけのリターンを支払う為には、企業が努力すべきことは、それ以上のリターンをあげると期待される投資機会、または、投資プロジェクトに資金を投下する必要があるということ。

◎資本コストの捉え方E Text P.94
  投資家が要求する最低限度のリターンを満たすことができないと・・
  ⇒多様な投資機会をもつ投資家から資金の提供を受けられなくなる。

◎資本コストの捉え方F Text P.94
 結果として、企業の行動は・・
 投資機会&投資プロジェクトを選択する時に、資金提供者の要求するリターン〔ex. 利子、配当、成果、利潤…〕を満たせるかどうかが基準となる。
 ⇒資本コストは投資選択の際のハードル・レートとして機能

◎資本コストの捉え方F Text P.94
 ★資本コストは、企業全体、事業部、投資プロジェクト等、さまざまなレベルで推計される。
 ★企業全体の資本コストは、さまざまな負債と株主資本のコストをそれぞれの市場価値で測定した構成比で加重平均した値になる。
 ⇒【加重平均資本コスト(WACC)=Weighted Average Capital Cost】