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インデックス

 

【あ行】

アーチファクト(Artifacts)
研究対象とした要因による効果ではなく,別の原因で測定中に発生した測定値のゆがみやバイアス。

R-R(R to R Interval)
心電波形のR波から次のR波までの間隔。

アイコニック記憶(Iconic Memory)
瞬間提示された刺激が提示終了後も短時間存続すること。

アイザカウワー現象(Isakower Phenomenom)
アイザカウワー(1938)の概念。入眠時の柔らかくて重い塊が自分の顔に向かって動いてくるというイメージ。

ICSD(The Intermationnal Classification of Sleep Disorders,Diagnostic And Coding Manual; ICSD)
睡眠障害国際分類診断とコードの手引き。1990年に米国睡眠障害連合会診断分類操作委員会により編集されたもの。約90項目にわたる睡眠障害が睡眠異常症 睡眠時随伴症 精神・身体疾患に伴う睡眠障害 提案検討中の睡眠障害に大別され睡眠障害についての最近までの研究が取り入れられている。

アイソメトリックコントラクション(Isometric Contraction)
心臓が収縮の準備をするが,体積は変わらない状態のR波直後の時間。

愛他性(Altruism)
代償としていかなる利益も得られず,また,期待もできないときにも,他人を助けようとする行動。

愛着(Attachment)
愛着とはボウルビィによって作られた概念で,『人間や動物が示す特定の対象や物に対して形成する情緒的結びつきのことである』と定義されている。愛着を抱いた対象の接近や接触を求め,後追い行動,微笑,発声,泣き行動などを示す。子どもの愛着行動に母親が適切なマザリングで応じると母子間には安定した情緒的な関係が成立し,基本的な人間関係の形成の基礎となる。愛着行動の形成は乳児のその後の知的,心身の発達に影響を及ぼす。ハーローの子サルの実験では,作り物の母サルに対して愛着を形成した子サルは,飢えよりも作り物の母サルへの肌の接触を求めた。

アイデンティティの危機(Identity Crisis)
エリクソン(Erik Homburger Erikson)の心理社会的発達理論では,自己に懐疑的になったり,自己の定義についての質問(「私は誰か」,「私はどこへ向かっているのか」)がしきりになされる時期のことで,典型的には青年期である。

IVIM(Intravoxel Incoherent Motion)
生体内における水分子の微少な運動の総称。

アウフガーべ(Aufgabe)
被験者が実験者から与えられる問題。

悪性症候群(Neuroleptic Malignant Syndrome)
抗精神病薬投与中に,高熱が生じ,筋固縮,振戦,嚥下困難などの錐体外路症状,無言無動あるいは激しい興奮,頻脈などの自律神経症状が比較的急激に生じる。死亡することもありうる。

アガペー(Agapee)
キリスト教における神学概念で,神の人間に対する「愛」を表す。

アクトグラム(Actogram)
人間や動物の活動および休息の状態を時間経過によって記録すること。

アセスメント(Assessment)
問題の原因を明らかにし,援助・指導の方法を決定する過程。

アセチルコリン(Acetylcholine)
最も一般的な神経伝達物質。脳や脊髄内の多くのシナプスにみられるが,脳の海馬と呼ばれる領域にはとくに多い。このことから,アセチルコリンは新しい記憶の形成に重要な役割を果たしていると考えられる。

アドレナーキ(Adrenarche)
副腎皮質が副腎性アンドロゲン(デヒドロエピアンドロステロン,アンドロステンジオン)を分泌し始めること。これらのホルモンには弱い男性化作用があり,陰毛発生や体の成長を促進させる。普通の子どもでは6〜8歳にみることができる。

アドレナリン(Adrenalin)
アドレナリン(英名:アドレナリン,米名:エピネフリン)とは,副腎髄質より分泌されるホルモンであり,また,神経節や脳神経系における神経伝達物質でもある。『エピネフリン』を参照。

アナクリティック・ディプレッション(Anaclitic Depression)
乳児が母親から引き離された後,徐々に泣きやすく,気難しくなり,体重減少,睡眠障害などが起こる。さらに3ヶ月以上たつと,周囲の状況に対する反応性が減退し,もはや泣いたり,叫んだりしなくなって,運動が緩慢になり,うつろな目つき,無表情になることをいう。この症状は,母性関係を失う前に,少なくとも6ヵ月以上のよい母子関係にあった乳児のみにみられる。

アニマ(Anima)
ユングは,男性のうちに存在する女性像,女性的性格をアニマと名づけた。

アニムス(Animus)
ユングは,女性のうちに存在する男性像,男性的性格をアニムスと名づけた。

アパシー(Apathy)
やる気のなさ,無関心。欲求不満の結果の一つ。

アフォーダンス(Affordance)
特定の種が自己の環境適応に必要な,その種固有の環境手掛かりである。生活体はアフォーダンスに導かれて,生態学的に妥当な生活を可能にする説いている。言い換えると,人間も含めた動物が,ある事物に対して,あるいはそれを使って,何ができると感じるか,その性質のことをいう。

アポート(Apport)
物品引き寄せ。まれに「アポーテイション」ともいう。交霊会などで,遠方のものを瞬間的に目前,特に密室内に出現させること。この逆を「アスポート」ということもある。

アポトーシス(Apoptosis)
多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で,個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる,管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死のこと。

アマラとカマラ(Amala & Kamala)
1920年にインドのミドナプール付近で狼とともに暮らしているのを発見された二人の少女。

アメンチア(Amentia)
意識混濁は比較的軽いのに,思考のまとまりがなく,見当識の障害が強い状態。

アラニン(Alanine)
アラニンとは,アミノ酸のひとつで分子式はCH3CH(COOH)NH2。2-アミノプロピオン酸のこと。略号はAあるいはAla。グリシンについで2番目に小さなアミノ酸。ほとんどすべての蛋白質に普遍的に見られる。疎水性アミノ酸,非極性側鎖アミノ酸に分類される。蛋白質構成アミノ酸のひとつで,非必須アミノ酸。

アルギニン(Arginine)
アルギニン(NH2C(=NH)NHCH2CH2CH2CH(COOH)NH2)はアミノ酸のひとつ。5-グアニジノ-2-アミノ吉草酸のこと。ヒストンやプロタミンといった,いわゆる核蛋白質での含量が高く,魚類プロタミンでは全体の3分の2がアルギニンになっている。荷電極性側鎖アミノ酸。塩基性アミノ酸の一種で,蛋白質を構成するアミノ酸としては最も塩基性が高い。非必須アミノ酸ではあるが,成長期には摂取が必要。糖原性を持つ。尿素回路の中間体であり,投与によりアンモニアの生体内解毒を助ける。尿素回路内で,アルギナーゼ(EC 3.5.3.1)によりオルニチンと尿素に分解される。アルギナーゼの欠損により高アルギニン血症になるまた,30歳を過ぎると,脳下垂体からのアルギニンの分泌が完全に停止するため,以降は食事など,外部から補給する必要がある。条件付必須アミノ酸のひとつ。外傷・褥瘡・感染などの侵襲下においては,充分な補給が望ましいとされる。免疫反応の活性化,細胞増殖促進し,コラーゲン生成促進などにより,創傷や褥瘡の治癒を促すといわれる。食物では,肉類,ナッツ,大豆,玄米,レーズン,エビ,牛乳などに多く含まれる。

アルゴリズム(Algorithm)
明確に規定された一連の手順にしたがって,同類問題を解決するための操作の系列。

アルファ波(Alpha Waves)
『脳波』を参照。

アロメトリー(Allometry)
サイズの増大に伴うプロポーションの変化を解析する方法。X,Y2つの形質,例えば座高と下肢長,のプロポーションが成長につれてどのように変化するかの見方を相対成長を表わすという。Y/Xを時間についてプロットしたグラフも相対成長ということができる。

アンギオテンシン(Angiotensin)
渇きと同時に塩分の摂取欲求の感情を生じさせ,適応行動に導くホルモンの一種。

暗順応(Dark Adaptation)
被験者を連続的な暗闇か照度を下げた条件下におくと,光に対する感受性が増大すること。

安全信号仮説(Safety Signal Hypothesis)
生活体が予測不可能な嫌悪事象よりも予測可能なそれを好む理由は,予測可能性が安全期間を提供するからであるという提案。

アンドロゲン(Androgen)
男性ホルモン。

アンドロゲンス(Androgens)
男性ホルモンの総称であり,その中でも睾丸により分泌されるテストステロンはもっともよく知られている。

アンドロジニイ・スコア(Androgyny Score)
男子では相対的に肩幅が広く,女子では相対的に腰幅が広いことを利用して,体形の男らしさ,女らしさを表す指標。身体計測値に基づいて男女を判別しようとする,判別関数の得点として計算される(Tanner, 1951)。アンドロジニイ・スコア1=3×肩峰幅-腸骨稜幅(判別値=82)。体形の男らしさが強いほど得点が高い。日本人では7×肩峰幅-腸骨稜幅(判別値=227)という式が得られている。この得点は,成長に伴い高くなり,12歳で性差が現れる(木村,1979)。

アンビバレンス(Ambivalence)
人や物に対して,好きと嫌いが同時に生じること,つまり,同時に正と負の誘因により引き起こされる葛藤。

アンフェタミン(Amphetamines)
落ち着きなさ,神経過敏,不安ならびに心悸亢進などを引き起こす中枢神経興奮薬。デキセドリン硫酸塩(“スピード”)とメタンフェタミン(“メタ”)はいずれもアンフェタミンである。

EEG(Electroencephalogram; EEG)
『脳波』を参照。

EPPS性格検査(Edwards Personal Preference Schedule; EPPS)
エドワーズがマレーの欲求理論に基づき,15の欲求の程度を測定することを目的に作成した。質問項目は225項目ある。この検査の特徴は,「社会的望ましさ」がほぼ等しい項目を対にして,自分の欲求に近いほうの項目を,どちらかひとつ強制的に選択させるという点である。

閾(Threshold)
『それまで知覚されなかった刺激強度の増加ないしや強度差の増加が知覚されるようになる(あるいはそれまで知覚されていた刺激強度の低下ないしや強度差が知覚されなくなる)移行点。閾値はそれを決めるのに用いられる方法に部分的に左右される。

閾値(Threshold)
被験者が,問題とする反応をしはじめると想定される刺激量。

意識(Consciousness)
(a)知覚,記憶,思考などを自覚的に行うために,自己や環境を監視すること。(b)行動や認知的活動を開始させたり終結させたりするために,自己や環境を統御すること。

意識過程(Conscious Processes)
知覚,個人的な思考,夢などのようなその人だけがわかる出来事で,それらは言語報告や他の行動からの推測などによって他者に理解可能になる(同意語,経験,意識性)。

意識狭縮(Limited Consciousness)
意識野,つまり意識の広がりが狭くなった状態。典型例は催眠状態。

意識混濁(Clouding of Consciousness)
意識の清明度の障害。生理的な睡眠状態に近い。異なる点は,十分に覚醒しないということ。

易刺激性(Irritability)
ちょっとした刺激にも反応する状態。

異常習癖(Abnormal Habitude)
頻繁に繰り返される異常な行動。偏食・異食,遺尿,性器いじり,爪かみ,夢中遊行等がある。

異食症(Pica)
石や草など 普通は食欲の対象とならないものを摂食するもの。

イソロイシン(Isoleucine)
イソロイシンはアミノ酸の一種で,側鎖にsec-ブチル基を持つ。2-アミノ-3-メチル-n-吉草酸とも呼ばれる。略号はIleまたはI。ロイシンの構造異性体である。疎水性アミノ酸に分類される。蛋白質構成アミノ酸の1つで,必須アミノ酸である。糖原性・ケト原性を持つ。

依存性の好子(Addictive Reinforcer)
何度も摂取しているうちに強化力が増大する好子。

依存的(Dependent)
他人やある物事に対して過剰な思い入れをもち,それなしでは生活できない様子。

痛みの関門制御説(Gate Control Theory of Pain)
この説によると,痛みの感覚は痛覚受容器が活性化するとともに,脊髄の神経関門がこれらの信号を脳へと伝えることが必要である。圧刺激はこの関門を閉じる傾向を持つ。これが負傷部分を擦ることで痛みが減少する理由である。態度,暗示,薬物なども関門を閉じる作用を持つ。

一次運動野(Primary Motor Area)
中心溝のすぐ前にある投射野。一般に,ここへの電気刺激は動作や運動反応をもたらす。

一次視覚野(Primary Visual Area)
後頭葉に位置する投射野。人間の場合,この領域が損傷を受けると,損傷の程度や部位に対応した視野の一部に盲を生ずる。

一次性徴(Primary Sex Characteristics)
結婚と生殖を可能にする構造的ないし生理的特徴。

一次体性感覚野(Primary Somatosensory)
頭頂葉にある領域で,熱さ,冷たさ,触感,痛みなどの感覚経験を登録する(同意語,身体感覚野)。

一次聴覚野(Primary Auditory Area)
各大脳半球の側頭葉の表面に位置する脳領域で,ここで聴神経により運ばれた聴覚信号が分析される。左右半球からの神経線維は聴覚野に達する前に脳幹で交差することにより,片方の耳からの信号は両方の側頭葉に達する。

一次能力(Primary Abilities)
因子分析によって発見された知能検査遂行の基礎となる能力。

一次利得/二次利得(Primary Gain / Secondary Gain)
疾病内利得/疾病外利得(paranosic gain/epinosic gain)ともいう。一次利得は症状の形成によって達成される不安と葛藤からの解放であり,二次利得は症状を用いて他人に影響を与えたり他人を操ることによって得られる実際的利得である。

位置の恒常性(Location Constancy)
観察者に対する関係が変化した場合でも,静止対象の位置している場所がまったく同じままであると知覚する傾向。

一過性全健忘(Transient Global Amnesia)
脳の血管障害により一過性血流障害が起こり,意識障害があって,後に一定期間の健忘が残る。

一過性疼痛(Phasic Pain)
負傷直後に経験される鋭い痛みのこと。通常は短く,痛みは急速に増加し,その後減少する。

逸脱(Deviation)
社会規範や集団規範に反すること。

遺伝(Heredity)
生物個体の持つ特性が,祖先から子孫に伝わること。

遺伝規定性(Heritability)
母集団における個人間の遺伝的差異によって説明されるある特性における分散の割合のこと。

遺伝子(Gene)
デオキシリボ核酸分子の一部分。

遺伝的行動の差異(Inherited Behavioral Differences)
遺伝的形質によって影響を受ける性質。

遺伝―環境論争(Nature Vs. Nurture Debate)
行動や特性は遺伝的に規定されるか,環境によっておもに形成されるかをめぐる長い議論。

イド(Id)
フロイトは人間の精神構造をイド,自我,超自我の3つの構成概念を用いて説明した。イドはリビドーと呼ばれる精神エネルギーを貯蔵しており,快楽原則に従い,衝動を解放したり,満足を求めたりするので,意志によって制御するのが困難である。

意味記憶(Semantic Memory)
語の意味のような一般的知識を貯蔵する記憶。知識は,記憶者との関係よりも他の知識との関係で符号化される。

意味ネットワークモデル(Semantic Network Model)
長期記憶のなかで,各概念が意味的な関連によって結びついているとするモデルを意味ネットワークモデルという。特にコリンズらのモデルによれば,各概念の結びつきは上位・下位という論理的な階層に基づいているとされる。例えば,「カナリア」という概念と「えさを食べる」という概念の間は,「カナリア→鳥→生物=えさを食べる」という階層構造をもって結びついていると考える。このモデルは,反応時間を指標とした実験によってその妥当性が検証されている。

意味分析法(Semantic Differential Method)
意味分析法(SD法)の略。ある概念に対して,人々がどのようなイメージを持っているのかを測定する手法で,オスグットによって開発された。まず,良いー悪い,温かいー冷たい,など反対の意味を持つ形容詞対を十数個用意し,それぞれの対に5〜7段階の尺度を割り当てる。そして,特定の概念のイメージがどこに位置するのかを評定させるもの。

色の恒常性(Color Constancy)
見慣れた物体の刺激特性を変えるような照明の変化にもかかわらず,同じ色の物体に見える傾向。

色立体(Color Solid)
物体の表面色を順序よく系統的にならべて,三次元空間に配置したもの。白を上端に黒を下端におき無彩色を明度の順に配列した無彩軸のまわりを色相環がとりまいて立体を構成している。

因果性(Causality)
2つないしそれ以上の事象のあいだに,原因と結果の関係が特定できること。よく統制された実験では,独立変数が系統的に従属変数に影響を及ばすことから,原因と結果の関係が明確である。

因子分析(Factor Analysis)
いくつかの変量相互間の相関係数をもとに,それらの変量や変量間の関係を説明する統計的手法。

インシュリン(Insulin)
膵臓から分泌されるホルモン。

印象形成(Impression Formation)
容貌や第三者からの情報など他者について限られた情報を手がかりに,人物のパーソナリティを認知することを印象形成という。

インスリン様成長因子(Insulin-Like Growth Factor)
インスリン様成長因子(IGF)とは血中濃度が成長ホルモン(GH)依存性で,かつインシュリン様作用を示す成長因子の総称。ソマトメジンはこれに等しい。GHの成長促進作用の少なくとも一部はインスリン様成長因子によって仲介されるものと考えられている。IGFは軟骨・骨組織のコラーゲン合成,RNA・DNA合成,蛋白質合成;脂肪細胞に対しグルコース酸化,グルコースの脂質への取り込み;筋組織に対し蛋白質合成;その他の細胞(線維芽細胞)のDNA合成などに関与する。IGFは少なくとも肝臓が産生する。IGFの分泌は身長最大成長速度年齢と一致してあるいはその直後に最高となる。その分泌パタンは,GHのような脈動的な,日内変動を示さない。

陰性エディプスコンプレックス(Negative Oedipus Complex)
同性の親を所有したいと思い,異性の親をライバル視する。エディプスコンプレックスの逆。

陰性症状(Negative Symptoms)
統合失調症にみられる症状で,感情平板化,無関心,さらに発話欠如などの行動欠損が含まれる。脳組織の異常から生じると考えられている。

インフォームド・コンセント(Informed Consent)
患者が理解できる方法及び言語により,適当で理解できる診断の評価・治療の目的,方法などの情報を患者に適切に説明した後に,自由に行なわれる同意をいう。

WISC(Wechsler Intelligence Scale For Children; WISC)
『ウェクスラー児童知能検査』を参照。

WPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence; WPPSI)
『ウェクスラー就学前幼児用知能検査』を参照。

ウィリス輪(Circle of Willis)
脳底部の動脈が吻合して形成する輪(5角形に近い)。

WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale; WAIS)
『ウェクスラー成人知能検査』を参照。

ウェーバーの法則(Weber's Law)
弁別閾は測定される刺激強度に比例するという観察。その比は,刺激強度の広い範囲にわたって一定であり,これがウェーバー比と呼ばれる。ウェーバー比の値は感覚様相に依存し,ウェーバー比が小さくなるほどその感覚の感受性は大きくなる。

ウェーバー比(Weber's Constant)
『ウェーバーの法則』を参照。

ウェクスラー児童用知能検査(Wechsler Intelligence Scale For Children; WISC)
ウェクスラーの開発した知能検査のうち,児童用のものがWISCである。ビネー式などその他の知能検査と異なり,検査結果は,各年齢集団内の平均からの隔たりを表す知能偏差値として示される。また,検査は言語性検査と動作性検査の組み合わせからなり,それぞれの知能偏差値が算出される点も特徴的である。言語性・動作性検査ともにいくつかの下位検査があり,それぞれの成績の偏りがプロフィールとして示される。

ウェクスラー就学前幼児用知能検査(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence; WPPSI)
ウェクスラーの開発した知能検査のうち,就学前の幼児用のもの。

ウェクスラー成人用知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale; WAIS)
アメリカのウェクスラーによって発表された検査。ビネー式と異なり,言語性と動作性の2種類の検査から構成されており,言語性IQ,動作性IQ,および全体IQが算出できる。言語性・動作性検査ともにいくつかの下位検査があり,それぞれの成績の偏りがプロフィールとして示される。

ウェルニッケ野,ウェルニッケ領域(Wernicke's Area)
大脳左半球の領域で,言語理解にかかわっている。この領域の損傷患者は,ことばの理解ができない,すなわち,ことばを聞くことはできても,その意味を理解することはできない。

ウェルニッケ領域(Wernicke's Area)
ウェルニッケ領域とは,左半球側頭葉の上側回後部で,聴覚連合野に相当する。感覚性言語中枢と見られている。この部位の損傷により,言葉は聞こえるが知らない外国語を聞くようで理解できない感覚性失語症が起こる。

迂遠(Circumstantiality)
思考目標は失われないが,一つ一つの観念にこだわって詳しく説明するので,要領よく思考目標に到達できないもの。

氏か育ちかの論争,遺伝か環境かの論争(Nature-Nurture Issue)
遺伝(氏)と特定環境での養育(育ち)が行動に及ぼす相対的重要性を決定する問題。

うそ発見器(Lie Detector)
『ポリグラフ』を参照。

うつ状態(Depressive State)
気分,欲動の低下によるもの。

うつ病(Depression)
悲哀,落胆,生活における動機づけと関心の減退,否定的思考(たとえば,無力感,不適応,自尊心の低下),ならびに睡眠障害,食欲不振,疲労のような身体症状によって特徴づけられる気分障害。

うつ病性障害(Depressive Disorder)
躁病エピソードの既往がなく,1回以上のうつ状態の期間を有する精神障害。

右脳半球症候群(Right Hemispheric Syndrome)
左上下肢麻痺及び左運動障害(片麻痺歩行),構語障害等が出現する右脳の機能障害の総称。

右半球(Right Hemisphere)
右の大脳半球のことで,左半身とほとんどの人の空間的・パターン的活動を制御する(同意語,劣位半球)。

運動感覚(Kinesthesis)
筋,腱,関節などの感覚により身体各部分の位置や動きを知ることができる。

運動残効(Motion Aftereffect)
運動している対象をしばらくじっと見つづけた後で静止対象に目を転じると,それが逆向きに動いているようにみえる錯視のこと。

運動視差(Motion Parallax)
ある対象を見ているとき自分が移動すると,固視対象より近いものは自分の移動方向と反対方向に動いて見える。逆に,遠いものは同方向へ動いて見える。また,そのときの見かけの遠さは固視対象とそのものとの距離に依存し距離が大きいほど見かけの速さも速くなる。このような距離と視覚像の動きとのあいだの法則性が,外界の奥行き知覚を可能にする手がかりのひとつとなっている。

運動失語(Motor Aphasia)
言語的表現ができない失語症。

運動性言語中枢(Motor Speech Center)
左半球の前頭葉のことで,言語の表出に関係がある部位。

運動ニューロン(Motor Neuron)
ニューロン,あるいは神経細胞のことで,脳や脊髄からの信号を筋肉や腺に伝える(同意語,遠心性ニューロン)。

鋭敏化(Sensitization)
威嚇や苦痛刺激を伴う場合に,生活体がある刺激に対する反応を強める学習過程。

エイムズの部屋(Ames Room)
錯視の一種で,具体的には,のぞき穴から見ると,大きさの判断にゆがみが生じる部屋のこと。

AI(Artificial Intelligence)
人工知能。

AVE(Averaging)
積算回数。

ACTH(Adrencorticotropic Hormone)
副腎皮質刺激ホルモン。

ASC(Altered State of Consciousness)
変性意識状態,意識の変性状態,睡眠,催眠,瞑想など,日常のふつうの状態とは異なる意識状態のことを総称してこう呼んでいる。

ADH(Antidiuretic Hormone)
抗利尿ホルモン。

AP(Anterior-Posterior)
前/後。

エグゼンプラー(Exampler)
ニュース番組などにおいて「街の声」などの形式で,顔が見える形で意見を表明する人のこと。数字などのデータで人々の意見を示すよりも,具体的な人物が意見を表明する方が,視聴者に強く印象付けられることが知られている。

エコロジカル・インベントリー(Ecological Inventory)
標準化された評価と異なり,生活体としての個人が生活する環境との関係で,どのように現在機能しているか,将来の生活環境でどのように機能することが要求されるかについて調査するもの。

ST(Speech-Language-Hearing Therapist)
『言語聴覚士』を参照。

SD(Discriminative Stimulus)
その刺激があるときには,ある特定の反応が強化されたり弱化されたりするような刺激(弁別刺激のこと。

STM(Short Term Memory; STM)
『短期記憶』を参照。

S△(Es-Delta)
その刺激があるときには,ある特定の反応が強化も弱化もされないような刺激。

エストロゲン(Estrogens)
主として卵巣から分泌される一群の女性ホルモンで,女性らしい身体的特徴や体毛分布の発育,ならびに妊娠のための生殖系の準備に関与している。

X染色体(X Chromosome)
この性染色体が別のX染色体と対になる場合は女性となり,Y染色体と対になる場合は男性となる。このように,X染色体は伴性形質を伝達する。

HTP(House Tree Person Test)
バックにより考案された投影的人格検査の一つ。被験者に家・木・人を自由に順次描かせ,それについての説明を求め,分析することで人格特性を判断しようとするもの。家では,防衛傾向や内向・外向性など,また,木では,自我や他者との関わりなど,人では,自己像などが判断される。

エディプス葛藤(Oedipal Conflict)
フロイトの精神分析理論では,心理性的発達の男根期に生じる葛藤のこと。この時期には,自分とは異性の親に性的魅力を感じ,同性の親をライバルと見る。

エナジーサイコセラピー(Energy Psychotherapy)
心身を包括的なエネルギーと情報のシステムとしてとらえ,心理的問題をそのシステムの乱れとして扱う技法。身体のポイントに刺激を与えたり,イメージを使う。

NMDA(N-menthyl D-aspartate receptor; NMDA)
NメチルDアスパラギン酸塩受容体。

エピソード記憶(Episodic Memory)
個人的な出来事(エピソード)についての事実を貯蔵する記憶の一様式。事実ないしは出来事は記憶者本人に関連づけて符号化され,特定の時間や場所や時間に関連づけても符号化される。

エピネフリン(Epinephrine)
ストレス状況に反応して副腎髄質で分泌される主要なホルモン。その効果は,自律神経系の交感神経領域の刺激により引き起こされる効果(たとえば,覚醒,心拍率や血圧の上昇など)に類似している。それは,中枢神経系においては興奮性の神経伝達物質でもある(同意語,アドレナリン)。

FP(Free Precession)
自由歳差運動。

MAO(MonoAmine Oxidase)
モノアミン酸化酵素。

MAOI(MonoAmine Oxidase Inhibitor)
モノアミン酸化酵素阻害薬。

MSW(Medical Social Worker)
メディカル・ソーシャルワーカー,医療ソーシャルワーカー。病気やけががもとでおこった経済,社会,心理的などの心配事, 不安などの問題について相談を受け,問題解決を図る社会福祉の専門職。

ELISA法(Enzyme Linked Immuno-Sorbent Assay)
酵素免疫測定法。ELISA法とは,測定したい物質と特異的に反応する抗体もしくは既知量の抗原を固相化したマイクロプレートに,測定したい物質と酵素標識抗原とを同時に加えて反応させ,プレートに結合した酵素標識物の酵素活性を比色法や蛍光法により計測して,被検物質の濃度を求める方法である。抗体の高い結合能と分子認識能を利用するため,HPLC法等と比較して非常に高感度な検出が可能である。しかし,試料溶液中の被検物質と固相表面との反応を利用しているため,平衡状態へ到達させるまでに長時間を要し分析時間が長い,また,煩雑な操作のために熟練が必要であるといった問題がある。本提案では,微小反応分析チップ化することにより,これらの問題点の改善を行う。近接場光エバネッセント光とも呼ばれる。屈折率が大きい媒質から屈折率が小さい媒質に進む光は,ある入射角以上で,その境界面で全反射を起こす。このとき,全反射により光が透過していない高い屈折率の媒質中においても,境界面から垂直方向へは伝搬しない電場の分布が見られる。通常の光(伝搬光)と異なり,入り込む深さは距離に対して指数関数的に減衰し,通常波長以下である。最近は,次世代超高密度記録素子のキーテクノロジーとしても注目を集め,精力的に研究されている。

LH(Lateral Hypothalamus)
外側視床下部。

LSD(Lysergic acid Diethylamide)
リゼルグ酸ジエチルアミド。

LHe,LiHe(Liquid Helium)
液体(液化)ヘリウム。

LN2,LiN2(Liquid Nitrogen)
液体(液化)窒素。

LTP(Long-Term Potentiation)
長期増強。

演繹(Deduction)
一般的な事象から特殊な事象や状況を予測する論理体系。理論から演繹的に導き出された具体的な仮説を,実際の実験や調査から検討し,もとになった理論の普遍性や妥当性を吟味する論理手続きを,仮説演繹法(hypothetico-deductive method)という。

演繹推理,演繹法(Deductive Reasoning)
前提が真なら,結論は偽のはずがないという論法についての推論。

演繹の正しさ(Deductively Valid)
前提が真なら,結論は偽のはずがない。

演繹法(Deduction)
一般命題。

エングラム(Engram)
記憶情報の貯蔵によって生じると仮定されている脳内の化学変化。記憶痕跡とも呼ばれる。

塩酸メチルフェニデート(Retalin)
中枢刺激薬の一種。ADHDの抑制にも使われる。

遠心性ニューロン(Efferent Neuron)
筋肉や腺組織などに中枢からの信号を伝達する運動ニューロン。

延髄(Medulla)
脳幹の最下部で,脊髄が頭骨内に入るときに,それが多少膨らんだもので,大脳の右半球は左半身を制御し,左半球は右半身を制御するように主要な神経路がここで交差する。

エンドルフィン(Endorphins)
体内で生成される化学物質で,痛みを軽減するモルヒネのように働く。

エントレインメント(Entrainment)
言語発達において,前後の文脈を手掛かりにして泣き声の意味を理解することに加えて,乳児が大人からの語りかけに対し,息継ぎやアクセント等の音声のパターンの変化に合わせるように肩を動かしたり,足を伸縮させるといった身体的変化を同調させることをいい,将来の言語的な発達の順義と考えられている。

エンパワーメント(Empowerment)
知識や技術を自分自身が持ち,自分で問題を解決する能力を持つこと。

エンメルトの法則(Emmert's Law)
網膜上の大きさが一定であれば,見かけ上の大きさは距離に比例して変わるという仮説(Amesの部屋や月の錯視(月はどこにあっても同じ大きさのはずなのに,地平線や水平線近くの月は大きく,天頂にある月は小さく見える)はこれから来ている)。

応諾(Compliance)
影響者の望みに従いはするが,必ずしも自分の信念や態度を変えるわけではないこと。

横断的研究(Cross-Sectional Growth Study)
成長を研究するためのデータのとり方のひとつで,異なる年齢の多数の被験者につき,短期間にデータをとる。暦年齢を基準に集計を行い,各年齢における値は多数の被験者の平均値となるため,成長のテンポの個人差を無視することになる。また,異なる年齢群に属する被験者は生年が異なる。このため,成長速度に関する正確な情報が得られない,成長による増加と時代変化による増加を区別することができない,という短所が生じる。一方,全成長期間について大量のデータを短期間に集めることができ,成長の全体的傾向を知ることができるという長所がある。

横紋筋(Striate Muscle)
縞模様の筋肉。これは手足にあるような骨格を制御する筋肉で,自律神経系ではなく体性神経系により活性化される。

ORT(Orthoptist)
『視能訓練士』を参照。

大きさの恒常性(Size Constansy)
見慣れた対象を,その距離に関わらず,実際の大きさのものとして見る傾向。

OT(Occupational Therapist)
『作業療法士』を参照。

OBE(Out of Body Experience)
体脱体験,肉体離脱体験,体外体験。意識の中心が肉体とは離れた位置に存在するように思われる体験。

置き換え(Displacement)
怒りやフラストレーションを,その原因である人とは異なる個人に対して向ける現象。

奥行き知覚(Depth Perception)
空間内の対象間の関係を知覚する能力。人は乳児からその能力を発達させる。

オピオイド(Opiates)
オピオイド(Opioid)とは,オピオイド受容体と親和性を示す化合物の総称。オピウム(アヘン)類似物という意味であり,アヘンが結合するオピオイド受容体に結合する物質(元来,生体内にもある)として命名された。生体内のオピオイドはペプチドであり,作用する受容体の違いによってエンドルフィン類(μ受容体),エンケファリン類(δ受容体),ダイノルフィン類(κ受容体)の3つに分類される。最近これ以外にも新たな受容体が見つかっている。

オピオイド受容体(Opioid Receptors)
脳と脊髄の特定箇所に存在する神経受容体分子のことで,エンドルフィンと呼ばれる一群の神経伝達物質がこの分子と結合する。また,これらの分子は,アヘンに対して親和力を持っている。

オペラント行動(Operant Behavior)
行動を誘発する刺激によらず,たとえば報酬をもたらす行動のように,行動に後続する刺激によって規定される行動(同意語 道具的行動)。

オペラント条件づけ(Operant Conditioning)
行動の直後に,好子をあるいは嫌子を行動に依存して提示することで,その行動の将来の生起頻度が,増加あるいは減少する(operant conditioning)。

オペラント条件付け(Operant Conditioning)
アメリカのスキナーの考案したスキナー箱にねずみを入れて,ねずみがバー(条件刺激)を押した場合(条件反応),えさ(無条件刺激)を与えられるようにすると(食べる行動が無条件反応),はじめ偶然に行われたバー押し行動がやがて自発的に行われるようになる。このように条件反応をしたときだけ無条件刺激が与えられ,条件反応が無条件刺激を得るための手段や道具となる条件づけを,オペラント条件付け(道具的条件づけ)という。

音声障害(Dysphonia)
話し言葉の声の高さ・強さ・質・発声時間等の異常。

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【か行】

外延的意味(Denotative Meaning)
シンボルの第一義的意味で,シンボルが意味するか指示する特定のものである(たとえば,私の住所は外延的意味である。一方,私が望ましい地域に住んでいるかどうかは,住所自体にとっては二次的な内包的意味である)。

絵画統覚テスト(Thematic Apperception Test; TAT)
投影法に属する人格検査。多義的に解釈することのできる絵を見せて,それに対して作られる物語から作り手の人格・行動特徴を理解しようとする技法。マレーとその共同研究者が1943年に完成させた。マレーの人格論である欲求−圧力の理論を基に分析する。

絵画フラストレーション・テスト(Picture Frustration Study)
投影法に属する人格検査。一方の人物が他方の人物の欲求を阻止している状況の絵が提示され,欲求不満状態の人物が何と言うかを尋ねる方法で,ローゼンツヴァイクによって考案された。

快感喪失(Anhedonia)
心地よい感覚が失われた状態。うつ状態などでみられる。

下位検査(Subtest)
いくつかの分野に分かれて検査する場合の個々の検査。

外向性(Extraversion)
外に向かっているという意味で,ユングによれば,リビドーが外部の人やものに向かっていることを意味し,人格の基本的類型と考えられる。一般には外部の事物,社会的事件などに注意し関心を持つ傾向のことを外向性が高いという。

介在ニューロン(Interneurons)
中枢神経系のニューロンで,感覚ニューロンからの信号を受け取り,それを他の介在ニューロや運動ニューロンに伝える。

χ2検定(Chi-Square Test)
χ2分布を用いるノンパラノトリックな統計的仮説検定法。連関表の独立性の検定や,特定の分布への適合度の検定などに用いられる。

解釈(Interpretation)
精神分析で,連想の流れを促進するために分析家が患者の抵抗に注意を払うこと。また,夢解釈では象徴の説明のこと。

外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder)
戦闘や自然災害のように,通常の人間の経験の範囲を超えるストレスの強い出来事によってもたらされ,その後その精神的外傷の再体験とそれに結びついた刺激の回避,疎外感,過剰な驚愕反応傾向,悪夢,頻発する夢,ならびに睡眠困難などの症状を呈する不安障害。

解除反応,除反応(Abreaction)
精神分析において,緊張を引き起こした経験を(ことばや行為あるいはその両方によって)復活させることで,情緒的緊張を減少させる過程。

外側溝(Lateral Fissure)
左右大脳半球の側面にある深い脳溝で,側頭葉の下に位置する(同意語,シルヴィウス裂)。

外側視床下部(Laterral Hypothalamus; LH)
食物摂取を調節する上で重要な視床下部の領域。この部位を電気的に刺激することで,実験動物に摂食行動を開始させることができる。この脳組織を破壊すると,動物の摂食行動は停止する。

外的妥当性(External Validity)
研究知見の一般性に関する概念。ある研究から得られた結果を,違った母集団,状況,条件へ一般化し得る程度。研究結果を一般化できるかどうか。

概念(Concept)
思考や判断によってつくられるもので,はっきり限定された一般的な表象である。たとえば,建造物という概念は,家,小屋,アパート…などの個々の表象から類似なもの,共通するもの,その本質をなしているものが抽象されてつくられたものである。

概念による刺激性制御(Stimulus-Class Control)
刺激クラス弁別訓練を行なった結果,ある刺激クラスに属するすべての刺激の下では反応が高頻度で起こり,別の刺激クラスの下ではあまり起こらなくなること。

海馬(Hippocampus)
大脳皮質の下部に位置する脳組織で,ここでは新しい記憶の固定に関与している。海馬の役割は相互参照システムのそれで,脳の中にばらばらに保存されている特定の記憶要素を相互に結びつけている。

回避−回避コンフリクト(Avoidance-Avoidance Conflict)
2つまたはそれ以上の要求の対象が,ともに負の誘因性をもち,そのどれをも避けたいが,それができないという場合である。例えば,試験勉強がいやだが,落第するのもいやだというような場合のこと。

快楽原則,快楽原理(Pleasure Principle)
フロイトの精神分析理論においてイドが従う方略のことで,外的環境によらず快楽を求め苦痛を避ける。

快楽原理(Pleasure Principle)
快楽を求め,苦痛を避けること,最大の効用のあるものを求めようとする人間の行動原理。古くは,イギリスにおけるベンサムの功利説として,苦痛を避け快を求めようとする行動原理を言い,フロイトにおいては,緊張の高まることが不快でその緊張を解消することを快とみなされる。

解離性同一性障害(Dissociative Identity Disorder)
一人の人間の中に二つ以上の異なる個性または人格が存在し,交代で行動を支配する。以前は多重人格障害と呼ばれていた。

カイン・コンプレックス(Cain complex)
同胞間の抗争,嫉妬などのこと。イブの子,カインとアベル。カインは嫉妬で弟のアベルを殺してしまうことから。

カウプ示数(Kaup's Index)
『BMI』を参照。

カウンセリング(Counseling)
一般に指示的,支持的,再教育的な相談指導,はっきりと精神病的な疾患といえないほどの軽い行動的問題を扱う心理療法のことをいう。

カウンターバランス(Counterbalancing)
順序効果やキャリー・オーバー効果を相殺するための手続き。

過覚醒(Overarousal)
気分が高揚し過ぎ,眠れなくなったり不安で落ち着かない状態。

学習(Learning)
訓練の結果生じる比較的永続的な行動変化。

学習曲線(Learning Curve)
学習過程を図示した曲線のこと。縦軸(たて座標)は熟達の測度(単位時間あたりの作業量,単位量あたりの所要時間,間違い数など),横軸(横座標)は訓練の測度(試行数,経過時間など)を表す。

学習障害(Learning Disabilities)
学習障害は,知能に遅滞はないにもかかわらず,読み,書き,計算など特定の学習面に遅れがあり,そうでない面との差がはっきりしている。手先が不器用なこと。そして,学校や家庭で落ち着きがなく,集団になじめないことが特徴である。

学習性無力(Learned Helplessness)
自分にはどうにもならない(逃げられない)状況で,不快になる刺激を与えつづけると自分で対処することがなくなり,対処する意志も見せなくなること。

学習性無力感(Learned Helplessness)
生活体に回避不可能な外傷(ショック,熱,寒さなど)を与えることによって,実験的に生み出される無関心や無気力の状態。嫌悪状況を回避,逃避できないことが,その後の状況に般化する無力感を生じる。

学習レディネス(Readiness to Learn)
学習がうまくできるための精神的準備のこと。

覚醒(Arousal)
覚醒は睡眠と対をなす概念であり,目覚めている状態ないしめざめることをいう。睡眠から興奮にいたる覚醒の程度は覚醒水準(Arousal Level)といわれる。

覚醒水準(Arousal Level)
人が動因あるいは覚醒の最適水準を求める際に基づく原理。

獲得(Acquisition)
新たな反応が学習され,次第に強められる過程。

確立操作(Establishing Operation)
ある好子や嫌子による強化や弱化,および,それに関連した弁別刺激による行動の喚起力や抑制力に対する生体の感受性を確立する手続き。

隠れた観察者(Hidden Observer)
意識内に存在しない心の一部で,人の経験全体を観察しているように感じられる。

影(Shadow)
元型の一つ。本人が生きられなかった半面を表わすもので,夢の中では同性の人物像で現れることが多い。例えば本人が内気で淑やかな女性であった場合,影は勝気で賑やかな女性の姿を取る。本人の知人でそういう性格の女性の姿である場合も多い。夢の中で影に出会った場合,影に対して嫌悪感や恐怖感を抱く。これは本人は今までしとやかな女として生きて来たが,心の中では自分も活発でありたいという気持ちも存在し,しかしそういう生き方を自分自身が受け入れることができないままである,ということを示している。

仮現運動(Apparent Motion)
動いていないのに動いて見える見かけの運動現象。

過剰修正(Over Correction)
不適切な行動に対する随伴性のひとつで,不適切な行動が起こったならばそれに関連した努力を要する良い行動をやらせるというもの。

過食(Bulimia / Hyperphagia / Overeating)
暴食のエピソードを繰り返し(一定期間に多量の食べ物を早食いする),摂食後には嘔吐や下剤で食べ過ぎたものを排出する病態。

下垂体(Pituitary Gland)
視床下部直下の脳に繋がる内分泌腺で,下垂体前葉と下垂体後葉で構成される。下垂体前葉は,成長や他の内分泌腺の調節を行うので非常に重要な部分である(同意語,脳下垂体)。

カスパー・ハウザー(Kaspar Hauser)
ドイツの素性の不明な野生児。16歳頃に保護されるまで長期に渡り牢獄に閉じ込められていた。発見後に教育を施されて言葉を話せるようになり自己の生い立ちを語り出すようになったが,その全貌が明らかになる前に暗殺されてしまった。

仮性幻覚(Pseudo Hallucination)
幻覚のなかでも実際のものとしての感覚が薄いもの。

仮説(Hypothesis)
現象や,そこに介在する変数間の関係を,統一的に説明するために設けた仮定。それは実験的検証に供することができ,それによって支持されたか否かが確認されるような形式で表現されなければならない。仮説を統計的に証明する場合は否定の論法をとり,実験仮説“]aと]bの間に差がある:]a>]bまたは]aく]b”を証明したいときは,反対の“]aと]bの間に差はない:]a=]b”という統計的仮説を設ける。この仮説が,一定の基準以下の確率でしか起こらないまれな関係(事象)であるときは,統計的仮説を棄却し,実験仮説を受け入れる。統計的仮説は棄却されることを目的として立てた仮説という意味で,帰無仮説(null hypothesis)とよび,帰無仮説以外の仮説,“]a>]b”,“]a<]b”,“]a≠]b”を対立仮説(alternative hypothesis)という。

仮説検証(Hypothesis Testing)
情報を収集し,ある現象についての対立的説明を検証すること。

仮説構成体(Hypothetical Construct)
推測される媒介機構の一形態,構成体は改めて説明を要する属性を有するものではなく,それ自体の属性を持つものと考えられる。たとえば,剥奪された生活体の行動から推論される動因が,その後の行動の説明に使われる。

可塑性(Plasticity)
適切な教育を受けることにより可能となる素質のこと。

形の恒常性(Shape Constancy)
見慣れた対象は見る角度に関係なく同じ形に見える傾向。

偏り(Imbalance)
不均衡,ずれがあること。

カタルシス(Catharsis)
浄化と訳される。一般的には,苦痛や悩みなどを言葉に出して表現するとその苦痛や痛みを解消することができることをいう。精神分析の歴史において,その初期の段階では,抑圧されたり,差し控えたりしてきた感情を表出することの治療的意義を強調した。

価値(Value)
学習性と非学習性の好子と嫌子。

価値変容(Value Change)
対提示手続きによってある刺激・出来事・条件の好子や嫌子としての機能が変わること。

活性化モデル(Activation Model)
記憶における項目検索は,項目の活性化が臨界水準に達することによるという提案。

葛藤(Conflict)
対立あるいは互いに相いれない衝動,欲求,行動傾向が同時に存在すること。

活動性の増大(Increased Activity)
活発に動き回ったり,意欲が亢進している状態。躁状態などでみられる。

活動電位(Action Potential)
樹状突起部から軸索の末端まで伝達される電気化学的インパルス。

カテゴリー化(Categorization)
対象を概念に割り当てる過程。

寡動的(Day Dreamer)
運動過剰的。

かのようなパーソナリティ(As If' Personality)
状況に対して,まるで自分が正常な情動反応をしてでもいるかのように行動する,分裂的性格のタイプ。

カフェテリア実験(Cafeteria Experiment)
動物の食嗜好や特殊飢餓の効果を調べる実験場面を指す。成分既知の食物を各種自由に選択して摂れるように常時与えておき,摂取量や順位を観察・測定するもの。

過眠(Hypersomnia)
通常必要とされる睡眠時間よりも異常に長時間の睡眠をとっている状態。

仮現運動(Apparent Movement)
実際には動いていないのに動いているように見える現象を仮現運動という。例えば,映画のフィルムは実際には動いていない画像の連続であるが動いているように見える。これは,前の画像から次の画像まで一瞬の間に少しだけずらしている為に生じる。

カリギュラ効果(Caligula Effect)
禁止されたことをあえてしてしまう行動。禁止されることで逆に規則を破りたいという欲求が大きくなったり,期待や妄想が大きくなるらしい。カリギュラ効果の語源は映画「カリギュラ」がボストンで上映禁止になったことがかえって話題を呼んだことかららしい。

ガルシア効果(Garcia Effect)
味覚嫌悪学習とも言われる。特定の食物の味覚とその後の気分不快との関係を容易に学習すること。

渇き(Thirst)
水分欲求の心理的表現。

感覚(Sensations)
単純な刺激と結びついた経験。

感覚運動期(Sensorimotor Stage)
乳児が,自分の行動とその結果との関係を発見するのに忙しい時期。

感覚過程(Sensory Processes)
知覚系の下位過程であり,感覚器と密接に結びついている。感覚過程は,われわれに影響する刺激について選択的フィルターを通過した情報を提供する。高次水準の過程はこの情報を用いて場面の心的表象を形成する。

感覚言語中枢(Sensory Speech Center)
言語を聞いて理解する大脳の部位。

感覚失語(Sensory Aphasia)
錯語,同じ言葉の繰り返しが多く,聞いて理解する能力が劣る,コミュニケーション障害。

間隔尺度(Interval Scale)
間隔尺度とは,測定値間の差の関係は成り立つが,比の関係は成り立たない尺度を間隔尺度または距離尺度という。間隔尺度で測定したデータは量的データと異なり,平均値,相関係数などを求めることができる。

感覚順応(Sensory Adaptation)
刺激が長期間与えられることで生じる感受性の低下と,刺激の欠如によって生じる感受性の増加。この現象は視覚,嗅覚,味覚,温度感覚においてとくに顕著である。

感覚神経性聴力損失(Sensory-Neural Loss)
低周波よりも高周波で閾値の上昇(感度の損失)が大きくなる聴力障害。

感覚ニューロン(Sensory Neuron)
生活体に環境や身体内部の出来事を知らせる,感覚受容器から脳や脊髄に信号を伝えるニューロンや,神経細胞のこと(同意語,求心性ニューロン)。

感覚様相(Sensory Modalities)
個々の感覚。

喚起的相互作用,喚起性相互作用(Evocative Interaction)
個人の行動が他者から異なる反応を引き起こすために生じる個人と環境との相互作用。

眼球運動(Eye Movement)
眼球の動き。テキストを読んでいる最中の眼球の運動は,滑らかな移動ではなく,停留とサッケード(跳躍運動)を繰り返している。これが1秒当たり4,5回生じ,一回の停留時間は100〜150ms,サッケードの大きさは2〜5文字程度である。アイカメラを用いることによって,眼球運動を測定し,被験者が読解中に,どこを注視しているか等を調べることができる。読解中の各単語の注視時間(gaze duration)を調べた実験では,単語の長さに関係なく,出現頻度の高い単語ほど注視時間が短いことが報告されている(Just  & Carpenter, 1987)。

環境因子(Environmental Factors)
自然環境(気候や地勢),人工環境(道具,家具,建築環境),社会の態度,習慣,規則,習わしや制度,そして他者から構成される,人の人生と生活にとってのバックグラウンド。

環境要因(Environmental Influences)
生活に関わる物理的条件,化学的条件,生物学的条件,社会的条件そして人的条件。

関係念慮(Idea of Reference)
自分には直接関係のない出来事を,自分に関係づける考え。

間歇強化(Intermittent Reinforcement)
部分強化。

還元主義(Reductionism)
心理学的概念を生物学的概念に還元する考え方。

観察(Observation)
事象に関する経験的事実を記録し,法則との関係づけを行なう認識活動。事象に人為的な操作をいっさい加えず,自然に生起するままに記録を収集する場合を,自然的観察(naturalistic observation)という。事象を選択し,記録・分析を多面的・計画的に行なう観察を,組織的観察(systematic observation)という。

観察学習(Observational Learning)
学習の研究は,主に,孤立した被験者に対して正や負の強化を与えることによる行動の変容を検討してきた。しかし,バンデューラは,直接強化を受けなくても,他者の行動を観察することのみで学習が成立することを示し,「観察学習」と呼んだ。

観察者間一致率(Interobserver Agreement)
2人以上の独立した観察者による記録間の一致度。

観察法(Observational Method)
変数の実験的操作なしで,自然に生じる事象を研究する方法。たとえば,鳥の巣づくりの研究や,遊び場面での子どもの行動を観察すること。

干渉(Interference)
長期記憶からの情報検索を妨害する要因のことで,別の項目が同じ検索手がかりと結びつくときに生じる。たとえば,複数項目の一つを検索しようとすることは,別の項目をうっかり検索することによって阻止され得る。

感情の評価理論(Appraisal Theories of Emotion)
この理論によると,状況に対して行われる認知的評価が,その状況に応じた情動を決定すると考えられている。

感情経験(Affective Experience)
快か不快の,弱いか強いかの感情経験を意味する。

情動失禁(Emotional Incontinence)
些細なことですぐ笑ったり,泣いたり,激怒したり情動が過度に発現される状態。脳障害,痴呆症などでみられる。脳障害,痴呆症などでみられる。

感情転移(Transference)
患者が自己の感情反応の対象を治療者に向ける傾向。

感情鈍麻(Blunted Sffect)
普通なら感情反応が引き起こされるような刺激があるのに,感情が起こらない状態をいう。

桿体(Rod)
目の無彩色感覚のみを媒介する網膜の構成要素の一つで,とくに周辺視や暗所視に重要である。

間脳(Diencephalon)
大脳皮質の下に位置する神経核群で,記憶に関係している。

γ-アミノ酪酸(Gamma-Aminobutyric Acid; GABA)
γ-アミノ酪酸(ガンマ・アミノらくさん)または4-アミノ酪酸(IUPAC名 4-aminobutanoic acid)は,アミノ酸のひとつで,主に抑制性の神経伝達物質として機能している物質である。γ-アミノ酪酸には4種類の異性体が存在する。英語名のγ(gamma)-aminobutyric acid の頭文字をとった略称 GABA(ギャバと読む)が一般的に広く用いられている。脊椎動物の中枢神経系では,主に海馬,小脳,脊髄などに存在し,また節足動物・甲殻類でも神経伝達物質として用いられている。シナプスでは,シナプス前膜から放出され,後膜の膜上にあるGABAに対する受容体蛋白質と結合して作用を発揮する。GABAは,脳内でグルタミン酸のα位のカルボキシル基が酵素反応により除かれることによって生成される。また,血液脳関門を通過しない物質であることがわかっており,体外からGABAを摂取しても,それが神経伝達物質としてそのまま用いられることはない。また一部では興奮性の神経伝達物質として機能することも明らかとなった.。

顔面フィードバック仮説(Facial Feedback Hypothesis)
感情(情動)の主観的経験は特定の表情をすることによって引き起こされる生理学的覚醒からのフィードバックにより決定されるという仮説。

緘黙症(Mutism)
自閉症など器質的,機能的原因や心理的要因により話せなかったり,話さない症状。

記憶痕跡(Memory Trace)
何かが学習されたときからそれが再生されるときまで持続する神経系内に推定される変化。

記憶の減衰(Memory Decay)
短期記憶における忘却の主要な原因で,短期記憶内では情報が単に時間の経過とともに減衰する。

記憶範囲(Memory Span)
項目を順序通りに再生できる最大の数(ほとんどの場合5〜9の間にある)。

飢餓動因(Hunger Drive)
食物剥奪に基づく動因。

危険因子(Risk Factor)
障害などを引き起こしやすい要素。

既視体験(D?j? Vu)
初めてみるものを今までに見たことがあるように体験するもの。

気質(Temperament)
性格の基礎にあたる,感情面の先天的な傾向をいう。

器質的健忘(Organic Amnesia)
疾病やアルコール中毒,薬物中毒,老化などによって生物学的な脳の損傷が起きるために生じる,永続的な記憶喪失の形式。

器質的障害(Organic Disturbance)
諸気管ないし構造に何らかの損傷を受けている状態。

希死念慮(Suicidal Ideation)
死にたいという考え。

記述統計(Descriptive Statistics)
生データの集積を構成したり合計する手続きのための一般的な名称。最も一般的なものは平均値と標準偏差である。この手続きは,単にそのデータの特徴を記述するだけで,それについて何の推論も行わない,記述的といわれる。

記述統計学(Descriptive Statistics)
度数分布など記述表現によりその集団の特性を示す。

基準(Criterion)
(a)予測的検査の成否を確かめるための一組の得点やその他の記録のこと。(b)学習課題で達成されるべき目標として選定された標準のこと。たとえば,迷路の習得の指標としての,過誤なしの迷路走行回数。

基礎水準(Basic Level)
概念の階層で,人が最初に対象を分類する水準。

基準問題(Criterion Problem)
評価する概念の「真の」測度として研究者の採用できる基準行動がない条件で検査や査定器具を妥当なものにする際に生じる困難さ。

基準率法則(Base-Rate Rule)
確率論の法則では,もの(人や物)が同じ階層の成員である確率は,階層の成員の増加にともない高くなる。実世界の状況について理由づけする際,この法則は人によって破られる場合が多い。

希少性の原理(Scarcity Principle)
人間は手に入れにくいものの価値を高く評価する傾向にあるというもの。

擬似連合(Spurious Association)
二刺激間の考えられるが,実在しない関係。学習者は完全とは言えない関係を学習しようとする際にこのような関係を頻繁に報告する。

帰属(Attribution)
他者の行動を説明しようとする過程。帰属理論は,観察された行動の原因を推測するために人が用いる規則を取り扱う。

帰属スタイル(Attributional Styles)
生活上の出来事の原因についての説明スタイル。

帰属理論(Attribution Theory)
人の行動や自分がしたことについて,その原因を考えることがあるが,この原因を考える過程についての研究知見を一括して帰属理論という。

吃音(Dysphemia)
発音の流暢性が阻害され,不随意的に同一音の繰り返しや引き伸ばし,ブロッキングなどが起こる現象をいう。器質的な異常の発見されることは稀で,心因性のものが多いとされる。原因は明らかではないが,発音が十分にコントロールされていないよう児期における発声の失敗などを通じて経験され,それを指摘されたり,親がこの点について過剰に不安がることなどによって,症状として定着することも多いとされる。

帰納(Induction)
特殊から一般へと推論的に進展させる論理体系。個々の実験研究で得られる結果は,はとんどの場合特殊な情報である。この特殊な情報から,一般的状況を推論したり,ある行動事象の発生を予知するための一般法則を導き出すまでに普遍化させるための推論をさす。

帰納推理(Inductive Reasoning)
前提が真なら結論は偽となり得ないという議論についての推論。

機能性幻覚(Functional Hallucination)
ある知覚と平行して幻覚がおこること。

機能的健忘(Functional Amnesia)
不安やヒステリー,抑圧のような心理学的な要因によって引き起こされる,重度の記憶喪失。

機能的障害(Functional Disturbance)
病理的要因により,精神・神経的,身体的機能に低下をきたしている障害。

帰納法(Induction)
特殊な事例から出発して,一般的な法則にいたろうとする思考法。

気分障害(Mood Disorder)
気分の障害によって特徴づけられる精神障害で,抑うつ,躁(過度の高揚)や,両極端の気分を経験する双極性障害などがある。

基本的な帰属の誤り(Fundamental Attribution Error)
状況が個人の行動に及ぼす影響を過小評価し,その人の個人的特徴のせいにしてしまう傾向。

帰無仮説(Null Hypothesis)
統計的検定をおこなうために,まずはじめに立てられる仮説を帰無仮説と呼ぶ。統計的検定は,帰無仮説を棄却することによって,求める結論を得ようとすることが多いので,「反応はランダム」,「平均値は0],「創刊は0」など消極的意味をもつ仮説が採用されることが多い。

記銘(Memorization / Impression)
記憶の構成要素。経験を印象として刻み込むこと。

きめの勾配(Texture Gradient)
奥行きを直接的に知覚するための手がかり。視野の表面を見ているとき,そこに表れている要素の密度が高くなるに従い,奥行きの印象が生じる。

逆転移(Counter-Transference)
医師が患者に向ける感情的な態度や反応のうち,医師が意図的に行っているものではないものを逆転移という。

逆向き解決法(Working Backwards)
問題解決方略の一つで,目標から現在の状態に向かって逆向きに解決していく。

客観性(Objectivity)
複数の観察者がさまざまな条件下で繰り返し観察しても,常に同じ結果が得られるような性質。

客観的不安(Objective Anxiety)
直面する脅威に見合った恐れ。

逆向干渉(Retroactive Interference)
先に学習したものの再生が後から学習したものによって妨害されること。

逆行健忘(Retrograde Amnesia)
健忘を引き起こす外傷以前の期間に起きた出来事や経験の記憶が喪失すること。

逆行催眠(Backward Movement Hypnosis)
催眠下で,それ以前の年齢に戻ったという暗示を受けることにより,過去の事件を思い出したり再体験すること。「年齢退行(エイジ・リグレッション)」。

逆行性健忘(Amnesic Syndrome)
意識障害があった期間だけでなく,その前の期間にまでさかのぼって健忘が起こる。

逆備給(Counter Cathexis)
通常は外に向かうリビドーが対象から今まで向けてきた興味・関心を切り離し,リビドーを引き上げることを逆備給と呼んでいる。いわゆる反動形成の一つである。

キャノン・バード説(Cannon-Bard Theory)
キャノン(W. B. Cannon)とバード(P. Bard)によって提唱された情動の古典的理論。この理論では,情動−産出刺激は皮質と身体反応を同時に活性化する,すなわち身体的変化と情動的経験が同時に起きると考えられている。

ギャバ(GABA)
『γ-アミノ酪酸』を参照。

キャリー・オーバー効果(Carry-Over Effect)
従属変数の測定を繰り返し行なう研究で,疲労や,練習,実験中に入手した知識などによる累積的な影響が混入することによって,測定値の変動が独立変数の効果によると認められなくなること。

ギャングエイジ(Gang Age)
小学校の中学年から高学年頃にかけて,子どもたちは急速に仲間意識が発達し,多くは同年齢の児童と閉鎖的な小集団を作って,そこで遊びや活動をすることを喜びとするようになる。この仲間は,家族以上に大きな影響を持つものであって,大人から干渉されない自分たちだけの集団であることを望んでいる。このような時期を徒党時代・ギャングエイジと呼ぶ。

嗅覚(Olfactory)
においの感覚。

嗅球(Olfactory Bulb)
嗅覚(におい)にかかわる脳領域で,鼻腔にある受容器と嗅皮質の間の中間点に存在する。

求心性ニューロン(Afferent Neuron)
感覚器官や末梢の感覚受容器からの刺激を脊髄や脳など中枢に伝達する知覚神経のニューロン。

急速眼球運動(Rapid Eye Movements(Rems))
通常は夢を見ているときに生じる目の動きで,被験者の目の横や上に小さい電極を付けることによって測定できる。これらの電極は眼窩の眼球運動に結びついた電気的活動の変化を記録する。

協応運動(Coordinate Movement)
目と手,手と足等,2つ以上の身体器官が協応して機能すること。

強化(Reinforcement)
(a)古典的条件づけでは,条件刺激に続いて無条件刺激を提示する実験手続きのこと。(b)オペラント条件づけでは,オペラント反応の出現に続いて強化刺激を提示する,(a)と類似の実験手続きのこと。(c)これらの操作の結果として,条件づけが強められる過程のこと。

境界性人格障害(Borderline Personality Disorder)
児童期あるいは青年期から慢性的に気分,他者との関係,ならびに自己認識の不安定さを呈する精神障害の一つ。

強化刺激(Reinforcing Stimulus)
古典的条件づけでは,無条件刺激のこと。オペラント条件づけでは,オペラント反応を強化する刺激(強化子)。

共感(Empathy)
ある人が苦しんでいるのを見ると苦しみを感じ,そしてその人の苦しみがなくなると安堵を体験すること。

矯正的(Correctional)
逸脱したものを規準の中に戻す作用。

強迫観念(Obsessions)
不安を生じさせる嫌な考え,イメージ,衝動が執拗に頭に浮かぶこと。

強迫神経症(Obsessive Compulsive Neurosis)
強迫神経症は,自分自身でもばかげており,不合理であると思っている観念。

強迫神経症的防衛(Obsessional Defences)
衝動などによって自我が汚染されてしまうことから回避する防衛。反動形成,隔離,取り消しなどの防衛機制が含まれる。

恐怖症(Phobia)
神経症のひとつ。赤面恐怖,対人恐怖,高所恐怖,乗り物恐怖,不潔恐怖など,普通あまり恐怖の対象と考えられていない対象や状況に対して必要以上に強い恐怖を抱き,身動きが取れなくなるものである。

局在機能,機能局在(Localized Functions)
行動が脳の既知の領野によって制御されていることで,たとえば,視覚の機能は後頭葉に局在化されている。

拒食(Food Refusual)
食欲の異常ではなく,食欲があるのに摂食を拒否するもの。

巨人症(Gigantism)
平均よりも2標準偏差を越えているか,97パーセンタイル値を越えるような高身長を示す児童の状態をいう。原因は,1)原発性(体質性),2)内分泌性,3)染色体性がある。高身長の小児の大部分は1)が原因である。内分泌性のものには成長ホルモン放出因子の分泌過剰(視床下部性巨人症),成長ホルモンの分泌過剰(下垂体性巨人症)を原因とするものがある。染色体異常が原因となるものには,骨格異常,水晶体亜脱臼,心血管系異常を3大主徴とするMarfan症候群(常染色体優生遺伝);Klinefelter症候群(基本型は47+XXY),XYY症候群がよく知られている。

空間周波数(Spatial Frequency)
知覚においては,明暗の縞模様における暗縞間の距離のこと。空間周波数は,視覚分解能の決定因である。

空間視力(Spatial Acuity)
形の細部を見る能力。

空間知覚(Space Perception)
視空間,聴空間,触空間等の対象の位置や大きさ,距離等の空間的特性についての認知。

空間定位(Spatial Localization)
視覚対象がどこにあるかを決定すること。

空中浮揚(Levitation)
すでに科学的に知られている物理的な力によらずに,自分を,あるいは他の人や物体などを空中に浮き上がらせること。

偶発的強化(Accidental Reinforcement)
偶然ある行動に好子が随伴して強化してしまい,それが維持されること。

具体的操作段階(Concrete Operational Stage)
ピアジェの認知発達の第3段階(7〜11歳)で,この期間中に子どもは論理的思考と保存ができるようになる。

グリア細胞(Glia Cells)
脳組織の大部分を構成する支持細胞(ニューロンではない)で,最近ではグリア細胞が神経伝達の役割を果たす可能性も指摘されている。

グリシン(Glycine)
グリシン(NH2CH2COOH)とは,アミノ酢酸のことで,アミノ酸の中で,タンパク質を構成するアミノ酸の中で最も単純な形を持つ。

グルタミン酸(Glutamate)
重要な興奮性の神経伝達物質として作用するアミノ酸。

クレッチマーの分類(Kretschmer.E)
精神分裂病,躁うつ病,てんかんの患者の体格と病前性格には一定の特徴があると考えた。太り型体型は循環気質(Cyclothymic Temperament),やせ型体型は分裂気質(Schizothymic Temperament),闘士型体型は粘着気質(Viscous Temperament)と考えられている。

クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob Disease; CJD)
異常蛋白プリオンによる感染症と考えられる脳の変性疾患。説明に詳細解説。

訓練の転移(Transfer of Training)
あるときある場所で訓練された行動が,その後でもまた別の場所でも生じること。

エドガー・ケイシー(Edgar Cayce)
アメリカの“眠れる予言者”。彼は催眠下では別人のようになり,多くの難病を診断して治療法を教えた。また相手の前世や,人類の過去や未来などに関するリーディング(一種のお告げ)をも行った。なかでも,失われた大陸アトランティスの浮上と,日本沈没に関する予言は有名である。

形式的操作段階(Formal Operational Stage)
ピアジェの認知発達の第四段階で,子どもは抽象的規則を使うことができるようになる。

継時処理(Successive Processing)
脳における情報処理の仕方の1つで,刺激を順番に処理する。

系統的脱感作(Systematic Desensitization)
『系統的脱感作法』を参照。

系統的脱感作法(Systematic Desensitization Therapy)
1950年代初期にウォルピによって開発されたもので,恐怖症,不安神経症などに適用されている。これは,人間は恐怖や不安状態のとき,それに拮抗する筋弛緩という反応を同時に行うことができないという原理に基づいている。そこで生理的に不安が抑制される状態,すなわち筋弛緩状態を患者にとらせ,不安を引き起こす刺激を弱いものから強いものへ段階的に繰り返し提示することで,恐怖や不安反応を克服することを目指す治療法である。

系列位置効果(Serial Position Effect)
一定の系列を構成している材料の記銘学習では,系列の初めと終わりの部分がまず記銘されて,中央部分の記銘は遅れるという現象が生ずるが,これを系列位置効果という。

ケースワーカー(Case Worker)
専門的にケースワークに従事する人。ソーシャルワーカー。

ゲシュタルト心理学(Gestalt Psychology)
ヴントの構成心理学打倒を目指して,20世紀初期にドイツで中心にして起こった急進的な運動から生まれた心理学。構成心理学の要素主義,連合主義の考え方に反対し,全体は部分の寄せ集めではなく,まず全体があって部分はその全体に依存して現われると主張した。この全体性をゲシュタルトという。

血圧(Blood Pressure)
血管壁に対する血液の内圧。刺激に続く血圧の変化は,情動の表示器として役立つ。

欠陥状態(Defect State)
統合失調症において,病気の進行が停止したとき,精神障害の程度が軽いものをいう。

欠伸(仏:Habsence)
意識欠損を主徴とするてんかん発作。

欠損値(Missing Data)
観測する予定でありながら,何らかの理由で観測することのできなかったデータ。

ゲルストマン症候群(Gerstmann)
手指失認・左右障害・失書・失算等を特徴とする,ゲルストマンにより指摘された症候群。

幻覚(Hallucinations)
関連するか,適切な外的刺激が存在しない状態での感覚経験。

幻嗅(Olfactory Hallucination)
嗅覚の幻覚。あるはずのないにおいがする。

原光景(Primal Scene)
子供が親の性交を見たり,空想したりすること。父親が母親に残酷なことをしていると思い,外傷となる。

言語行動(Verbal Behavior)
言語共同体の他の成員のオペラント行動を介した強化によって形成・維持されているオペラント行動で,強化をもたらすオペラント行動はその言語共同体特有の行動随伴性のもとで習得されたものである。

言語中枢(Speech Center)
大脳皮質に存在する言語を司る領域。

言語聴覚士 言語療法士(Speech Therapist)
何らかの原因で言語障害や難聴,失語,言語発達遅滞などの言語・聴覚の障害のある人に対し,専門的な訓練・指導を行い,機能回復や障害の軽減を図る専門職の国家資格。

顕在記憶(Explicit Memory)
過去の出来事の意識的な想起の基礎となる記憶。

顕在的内容(Manifest Content)
覚えている夢の内容,登場人物や彼らの行為で,これは,推論された顕在的内容とは区別される。

嫌子(Aversive Condition)
反応の直後に消失するとその反応の将来の生起確率を高めるような刺激・出来事・条件(負の強化子,嫌悪刺激)。

幻視(Visual Hallucination)
視覚の幻覚。実際にはないものが,あるように感じられる。

幻肢痛(Phantom Pain)
切断されて存在しない四肢の末端に疼痛を訴えるもの。

幻聴(Auiditory Hallucination)
聴覚の幻覚。ない音が聞こえるように感じる。

健忘(Amnesia)
記憶の部分的な喪失。

現量値曲線(Distance Curve of Growth)
『成長曲線』を参照。

コア(Core)
ある概念の成員を決定する上でより本質的な属性を含む概念の一部。

抗うつ薬(Antidepressant)
神経伝達物質であるノルエピネフリン,および/または,セロトニンの作用を高めることによって抑鬱状態にある人の気分を高めるために使用される薬。たとえば,イミプラミン(トフラニール)やイソカルボキサジド(マルプラン),フルオキセチン(プロザック)などがある。

構音障害(Articulation Disorder)
その国の音韻を出すことが不完全な症状。

効果の法則(Law of Effect)
ソーンダイクが,学習の原理として,ある場面で学習者が行った反応が満足をもたらす結果と結びつけば,より反応し,逆に不快や不満と結びつけば,場面と反応との関係は弱まってその反応を避けるようになると考えた。このようにある場面での被検体の反応がその効果の評価と結びついて学習が行われるとする考え方を言う。

交感神経系(Sympathetic System)
脊髄の胸椎,腰椎部から始まる神経線維を持ち,脊髄の左右にある神経節連鎖によって特徴づけられる自律神経系の一つ。感情(情動)的興奮に関係するが,その作用は副交感神経系と拮抗する。

後期選択(Late Selection)
生活体が入力情報の意味を決定した後の,認知の後半段階で生起する選択的注意。

攻撃(Aggression)
他者を傷つけたり(身体的,あるいは言語的に),ものを壊したりしようとする行動のこと。

攻撃の置き換え(Displaced Aggression)
欲求不満の原因であった(あるいは原因である)人や物以外に対する攻撃。

高原現象(Plateau)
複雑な内容の学習の過程において一時的な停滞が起こる現象である。学習に対する構えの変換や高次の内容に着目することによって,この状態を脱して再び成績が上昇する。モールス信号の受信の学習経過にその例が示されることがある。

交互作用(Interaction)
2要因以上の実験計画や分散分析において,ある独立変数の効果が,他の独立変数の水準によって異なること。

後催眠暗示(Posthypnotic Suggestion)
覚醒後,指示された方法(通常,前もって指示された合図)で被験者が行為を遂行するように,催眠にかかった被験者に対して与える暗示のこと。被験者の行動,すなわち後催眠反応は,通常被験者がその行動の理由に気づくことなく行われる。

後催眠健忘(Posthypnotic Amnesia)
催眠をかけられた人は催眠中に起きたことを忘れてしまい,思い出すよう合図を受けるまで催眠中に起きたことを思い出せないという後催眠暗示の独特の一形式。

好子(Reinforcer)
反応の直後に提示されるとその反応の将来の生起確率を高めるような刺激・出来事・条件(正の強化子)。

光色素(Photopigments)
桿体と錐体(眼球の受容器)に含まれる化学物質。これらの化学物質が光を吸収すると,神経インパルスを生じるプロセスが開始される。

高次条件づけ(Higher-Order Conditioning)
中性刺激を条件刺激と対提示することで条件刺激に変える。

好子の減衰(Reduction)
すでに起こっている反応を維持したり特定の反応パタンを確立するため好子の種類や量を変えること。

恒常刺激法(Method of Constant Stimuli)
感覚閾値を決定するための精神物理学的方法。閾値付近で変化させた刺激値を被験者に反復的に提示し,被験者がそれらに気づく割合を調べる。

口唇期(Oral Stage)
フロイトの精神分析理論においては,心理性的発達の第一期。この時期,母親の乳房を吸うときのように,快楽が口や唇からもたらされる。口唇期は,吸う,噛むという活動が主体で,外界のものを自己の中に取り入れることを特徴とする段階である。この時期に著しい快を覚えたか,あるいは著しい不満を残したかといった固着のあり方は,甘え,依存あるいは取り入れないための拒否など,愛情の取り入れの様相と深い関係がある。

口唇的性格(Oral Character)
楽天主義,悲観主義,不機嫌,抑うつ,おしゃべり,貪欲など。

構成概念(Construct)
一般には概念(concept)という用語と同義語。観察可能な行動から推論したもので,事象を統合的に説明したり予測するのに用いられる。つまり構成概念それ自体は観察できないが,観察できる行動をそれによって説明できるという理由で想定されているものである。たとえば「心配」はそれ自体は観察できないが,悩み,不安感のような情動の高ぶりを生じさせる心的メカニズムと想定される。

構成失行(Constructive Aparaxia)
構成行為の障害で,操作の空間的位置づけが侵され,図形を描くことや積み木で形を組み立てることがうまくできない。

抗精神病薬(Antipsychotic Drug)
精神病の症状を改善する薬で,統合失調症の治療には頻繁に使われる。例えば,フェノチアジン系のクロルプロマジン(ソラジン)やフルフェナジン(プロリキシン)などがあげられる(同意語,神経遮断薬)。

構成心理学(Structural Psychology)
ドイツの心理学者ヴントによって始められた心理学。心理学の対象を意識であると考え,自分自身の意識過程を観察する内観法を強調し,複雑な意識過程も単純な心的要素に分析された後,再結合されることにより,その構成をさぐることができると考えた。その後,ヴントの学説に反対する考えが次々と生まれ,現代心理学の諸学派が誕生した。個人差同一事象を観察した場合でも,個々の人によって反応時間に差があるように,個人の諸特性にみられる差異のことをいう。

抗てんかん剤(Phenobarbital)
てんかんを抑制する薬の一種。

行動(Behavior)
他の生活体や実験者の使用する器具によって観察できる生活体の活動。主観的・意識的経験についてなされた言語報告も行動に含められる。

行動化(Acting Out)
無意識の願望ないし衝動が,行為に直接現れることをいう。記述精神病理学では,衝動行為とよばれる。

行動主義(Behaviorism)
20世紀初頭にアメリカではワトソンが,ヴントの構成心理学を批判し,心理学はまず実証可能な自然科学の一分野であるべきであり,内観法の代わりに客観的な行動の観察を心理学の中に取り入れるべきだとする立場をとる行動主義を唱えた。行動主義が研究対象とするのは意識ではなく,刺激(S)と反応(R)であり,行動を予測し制御することが心理学の目的であると考えた。このため,ワトソンの心理学はS- R心理学とも呼ばれている。

行動障害(Behaviour Disorders)
本人や他人に問題を呈するさまざまな形態の行為。

行動随伴性(Behavioral Contingency)
ある条件の下である行動をするとある環境の変化が起こる,という行動と環境との関係。

後頭葉(Occipital Lobe)
大脳半球の一部分で,頭頂葉や側頭葉の後部に位置する。

行動療法(Behavior Therapy)
その考え方の基本に,学習理論があり,不適応行動は誤った行動を学習してしまった結果と考え,その誤った行動を消去すること,あるいは新しい行動を学習することによって治療を行う方法。

後脳(Hindbrain)
脳の後ろもしくは後部に位置する全ての組織で,脊髄に最も近い。

後脳注意組織(Posterior Attentional System)
特定の場所に選択的に注意を向ける能力を媒介する脳の後部にある神経組織。

光背効果(Halo Effect)
好き嫌いといった特徴の一方向に,その人に対する知覚が歪んでしまう傾向。

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders; PDD)
通常,3歳までに確認される脳の発達障害で,他人の感情への反応が乏しい,模倣行動をしないなどの社会的相互反応における質的欠陥。非言語的および言語的コミュニケーションの欠如あるいは異常,ごっこ遊びをしないなどといった意志伝達と想像上の活動の欠落。常同的な身体活動,おなじ遊びをし続ける,衣類・食事の好みの偏りなどの活動と興味の範囲の著しい狭小化。以上の3つを特徴とする症候群を広汎性発達障害という。発症率は0.6〜1%で,男女比は男4〜8:女1と男性に多い。言語の獲得も悪いケースが多い。特に幼児期〜学童期に多動性障害を示し,教育現場で大きな問題になっている。

抗不安薬(Antianxiety Drug)
不安や緊張を軽減させる中枢神経系抑制薬(ベンゾジアゼピン類と呼ばれる薬の一種である)。若干の眠気を催すが,バルビツレートほどではない。例えばジアゼパン(バリウム)やアルプラゾラム(ザナックス)などがある(同意語,精神安定薬)。

興奮性シナプス(Excitatory Synapse)
このシナプスでは,神経伝達物質が受け手側の細胞膜の透過性を脱分極の方向に変化させる。

肛門期(Anal Phase)
フロイトの精神分析理論における第2段階で,肛門期とは,口唇期に続く2歳から3,4歳までの時期で,子どもは特に排便をするときに快を感じることから,その行為をコントロールすることで,より大きな快を得ようとすることが認められたことから,このように名づけられた。

肛門性格(Anal Character)
清潔,頑固,吝嗇。

交絡(Confounding)
剰余変数の効果が独立変数の効果から分離できないとき,それらの変数は互いに交絡しているという。剰余変数の交絡は,発生原因により,実験事態の未統制に由来するもの,未統制な被験者特性に由来するもの,恒常誤差に由来するものの3つに分類される。

合理化(Rationalization)
自分の行動の,真の動機や失敗の正しい原因を認めず,もっともらしい理屈をつけて他のことに置き換え,不安や劣等感の高まるのを防ぐこと。衝動的に行った行為に対して,あるいは受け入れにくい理由に対して,もっともらしく満足できる理由づけをすることで自尊感情が維持される防衛機制の一つ。

抗利尿ホルモン(Antidiuretic Hormone; ADH)
水分を血流に戻し,高濃度の尿のみを作るよう腎臓を調節するホルモン。

交流分析(Transactional Analysis)
フロイトの精神分析を基盤として,精神科医バーンによって創始された心理療法。人はだれも3つの心(自我状態)をもっているとし,それらをP(parson),A(adult),C(child)と呼ぶ。P,A,Cのバランスは人それぞれであり,そこに個性があるのだが,あまりに偏っていたり柔軟性がなかったりすると,対人関係上のトラブルが生じたりする。Pとは親心のことでいわゆる父親的な心と,母親的な心とがある。Aとは情報を収集し,現実の状況を適確に判断し,冷静に計算する心,いわゆる大人心である。Cとは子どもの心のことで,自由な子ども心と,従順な子ども心とがある。

コーシャス・シフト(Cautious Shift)
集団での判断が個人の判断より安全な方向にかたよる場合があることが明らかにされ,コーシャス・シフトと名づけられた。

コーピング(Coping)
人が強いストレスの多い要求を処理しようとする過程のこと。

コーマワーク(Coma Work)
ミンデルが創始したプロセス指向心理学は,個人療法,家族療法,集団療法などに適用されると同時に,コーマワークとしても新たな展開を見せている。コーマとは昏睡状態,コーマワークとは昏睡状態の人とのワークを意味する。

コカイン(Cocaine)
コカの葉から採った中枢神経系興奮薬であり,活力を増大させ,多幸感をもたらす。これを多量に服用することで,幻覚を引き起こす。

刻印づけ(Imprinting)
ローレンツは,大型鳥類のヒナが生まれてすぐ見た比較的大きな動くものを追いかける行動をとることを見いだし,これを刻印づけとよんだ。この学習行動は,1)発達初期の一定期間(臨界期)のみに起こる。2)ただ1回の経験で成立する。3)一度成立すると永久に消えないという特徴を持つ。刻印づけは,発達初期の経験が後の行動に決定的な影響を与えるという点で初期決定論を支持する現象ともいえる。しかしながら,ヒトの知能や人格発達にこの非可逆性があてはまるか否かは今後の慎重な検討を要する。

誤差(Error)
測定値(x)のなかで,研究対象となった現象そのものによる値(t)以外の,偶然あるいは未統制の他の変数による部分(e)。x=i+eと表現される。

固執性(Perseveration / Fixation)
状況の変化に対応できず,いつも機械的,無批判に同じ行動を反復する傾向。

個人間差(Inter-Individual Difference)
個人間での能力の差異。

個人差(Individual Differences)
人や同じ種の成員間の行動構造にある比較的永続的な相違。

個人追跡法(Following-Up Study)
『縦断的研究』を参照。

個人内差(Intra-Individual Difference)
同一個人内での心身の諸特性間の差異。

コスター現象(Koster Phenomenon)
近距離の物体の色は遠いものよりも鮮明に見える現象。

個性化(Individuation)
分離や,固有の人格形成の過程。漸進的な分離や,子どもの母親からの自立。

誇大観念(Grandiose Idea)
自分に対する過大評価を内容とする観念。

固着(Fixation)
フロイトの精神分析理論では,心理性的発達の初期段階を乗り越えることや愛着対象の変化の失敗(口唇期固着,母親固着など)によって発達が停止すること。

古典的条件付け(Classical Conditioning)
食物や反復のような,生物学的刺激による連合による刺激によって誘発される行動や条件づけ反応を学習する形式。イヴァン・ペテロビッチ・パブロフ(Ivan Petrovich Pavlov)が犬を使った実験で記憶と反応の概念を一新したことからパブロフ型条件付けとも呼ばれる。

ことばのサラダ(Word Salada)
滅裂思考が高度になり,ことばがサラダのようにバラバラになり,文脈が全く存在しないように見えるもの。

ゴナダーキ(Gonadarche)
性腺(精巣,卵巣)が成熟し,その結果,性腺ホルモン(アンドロジェン,エストロジェン)が分泌し始めること。ゴナダーキのメカニズムは視床下部-下垂体-性腺系のフィードバック・コントロール機序にある。視床下部に,サーモスタット(温度感知器)に相当する,ゴナドスタット(性ホルモン感知器)を想定する説は次のようである。ゴナドスタットは胎生期に働き始め,設定値は思春期前にむかい次第に低くなっていく(感受性が高くなる)。この時期は視床下部-下垂体-性腺系のネガティブ・フィードバック・コントロール機序が働き,わずかな性ホルモンを感知して性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌を(したがって性ホルモンの分泌も)抑えてしまう。設定値はやがて思春期にむけてゆっくりと上昇し始め,思春期に入り急激に高まる。設定値が上昇し始める(感受性が低下していく)ころネガティブからポジティブ・フィードバック・コントロール機序に切り替わる。視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が活発になりその結果下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌が高まる。ついで下垂体の性腺刺激ホルモン放出ホルモンに対する感受性,そして性腺の性腺刺激ホルモンに対する感受性も高くなる。こうして性ホルモンの分泌が盛んになり,二次性徴の発現開始,身長・体重の思春期スパートの開始,骨成熟の完了などが起こる。しかし,ゴナダーキの詳細なメカニズムはなお不明な点が多い。視床下部-下垂体-性腺系の項も見よ。

小人症(Dwarfism)
平均よりもマイナス2標準偏差を下まわっているか,3パーセンタイル値に達しないような低身長を示す児童の状態をいう。下垂体性小人症,甲状腺機能低下症(クレチン症)などの内分泌性疾患のほかに,原発性(体質性)のもの,愛情遮断性小人症(情緒障害による)がある。

コホート分析(Cohort Analysis)
人生の一定時期に同一の重大な出来事を共有している人々の集合をコホートと呼ぶ。複数個の異なったコホートを追跡して,時間経過に伴う事象を量的に記述し,コホート内(年齢間)やコホート間(時代間)などで比較するのがコホート分析である。

語盲(Word Blindness)
視野や視力に問題はないが,文字の形態の認知に異常を来たした症状。

語用論的規則(Pragmatic Rules)
演繹法(推理)で使われる規則。論理的規則に比べて抽象性は低いが,日常生活の多くの異なる場面に適用できる規則。例として,許容規則がある。

コルチゾール(Cortisol)
副腎によって生産されたステロイド・ホルモンの一つ。また,ブドウ糖の形成,炎症の抑制,さらに水分の貯蔵など多くの影響を身体に及ぼす。この物質の血中濃度はストレス測度として用いられる。

語聾(Word Deafness / Auditory Verbal Agnosia)
聴力は正常であるが,話し言葉の聞き取りが著しく困難な症状。失語と同義で,大脳の後頭葉の障害等により,一度獲得した読字能力が低下した障害。

混合縦断的研究(Mixed Longitudinal Growth Study)
成長を研究するための,データのとり方の方法の一つで,横断的方法,縦断的方法それぞれの短所をとり除くよう計画されている。被験者は一定の期間(たとえば6カ月)の間に生まれた個体から構成される複数のグループから成る。このようなグループをコホートと呼ぶ。各被験者は一定の間隔(たとえば1年)で繰り返し計測される。コホートの数とコホート間の年齢差を適切に決めることによって,縦断的研究より短期間に,到達値および成長速度に関する情報を集めることができる。たとえば,コホート数を4,コホートの生年を5年おきとすると,0歳から20歳までのデータを5年間で集めることができる。このような一般的な計画からみると,縦断的研究はコホートが1つの特殊例,横断的研究は計測時点が1回の特殊例とみなすことができる。2回以上計測された不完全な個人追跡データをふくむ個人追跡データを,混合縦断的データと呼ぶこともある。

昏睡(Coma)
どんなに刺激を与えても反応がないか,強い刺激にごくわずかに反応する程度。

コンピタンス(Competence)
人間が母国語を駆使する創造的・抽象的な能力。

コンフリクト(Conflict)
意見,態度,要求,信念,価値など,個人の行動を決定すべき要因間(2つ以上)での矛盾のこと。どれを選択したらよいか分からなくなる状態のこと。レヴィンが考えたコンフリクトが生じる状況は,1)接近−接近型,2)回避−回避型,3)接近−回避型の3つの場合である。

コンプレックス(Complex)
心的外傷などの苦痛な体験における情動や,その体験にまつわる観念や記憶の集合。心のしこり。エディプスコンプレックス(異性の親への愛着と同性の親への敵意),劣等コンプレックス(劣等感を補償できずに感情的なしこりが残りひねくれる)など。

昏迷(Stupor)
意識が清明なのに,表出や行動など意志発動が全く行われなくなった状態。

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【さ行】

サーカディアン・リズム,概日リズム(Circadian Rhythm)
おおむね24時間ごとに生じる身体のリズム。

サイ科学(PSI Science)
広い意味での超心理学。

再生(Retrieval)
以前に学習・経験したことを想い出すこと。

罪責感(Feeling of Guilt)
自分が道徳に反し,他人に迷惑をかける罪深い存在とする考え。

再認(Recognition)
記憶の構成要素。追想されたものが記銘されたものと同一であると確認する作用。

最頻値(Mode)
統計用語。代表値のひとつ。データのなかで,最もたびたび現れる値。

催眠(Hypnosis)
自発的かつ協力的な個人が催眠術師に自身の行動制御を一部委ね,一部歪曲した現実を受け入れる。

催眠性トランス(Hypnotic Trance)
催眠術者によって被験者に誘導されて高まった被暗示性のことで,夢を見ているような状態に近い。

逆向抑制(Retroactive Inhibition)
記憶したことを想起しようとする際に,その前後の経験がそれに妨害的な干渉効果をもつ。後の経験が干渉的に働くことを逆向抑制という。

作業記憶(Working Memory)
数秒間だけ貯蔵される記憶。

作業検査法(Performance Test Method)
作業検査法によるパーソナリティ検査は,言語的な回答を求めないで,被験者に一連の決められた作業を行わせ,その結果や経過からパーソナリティを理解しようとするもの。

作業療法士(Occupational Therapist)
作業療法士 OT(Occupational Therapist)。何らかの原因で身体の機能に障害のある人に,工作や手芸などの作業,生活動作の訓練などを通じて,動作の回復や機能低下の予防を図る専門職の国家資格。

作為思考(Thought Control)
他者によって考えさせられている思考。

作為体験(Delusion of Control)
させられ体験。自分が考えたり行動しているのではなく,誰かの意志によって行動させられている,という体験。

錯語(Paraphasia)
変形された言語,そうした言語を使うこと。

錯乱(Confusion)
精神医学では,意識混濁に精神運動興奮,幻覚,その他意識混濁に精神運動興奮,幻覚その他を伴う複雑な意識障害を総称する。せん妄,もうろう状態,アメンチアなどが含まれる。神経学では,confusionは,最も軽い意識混濁のことで,「意識不鮮明」と訳される。

作話(Confabulation)
でまかせの空想的内容をあたかも真実であるかのように語ること。

差縮小法(Difference Reduction)
目標までにいくつかの下位目標を設定し,これらの下位目標を到達していくことで目標に近づこうとする問題解決方略の一つ。

雑音(Noise)
信号成分に混入する信号妨害情報を雑音(ノイズ)という。検知装置でキャッチした妨害信号,またはサンプル誤差によって画像に生じる斑点状のもの。雑音があると,ピクセル値の近い部分がぼやけることがある。

錯覚(Illusion)
偽りの,あるいは歪曲された知覚内容。

サッケード(Saccade)
人間が対象を見るときの高速的かつ離散的な動きのこと。連続的な移動ではなく,停留(fixation)があり,飛越運動を行う。母語話者を対象にした眼球運動による知覚単位測定によると,@小さな提示単位では,通常の読みよりも62%も小学2年生の読みの速度を落とし,他の学年でも30%〜40%も読解速度が落ちる,A初級者は固視時間が長く,サッカードの距離が短く,停留の回数が多い,と言われている(Rayner, 1986)。

サディズム(Sadism)
他人に苦痛を与えることになる病理学的動機。

作動記憶(Working Memory)
当面する作業の遂行のために短時間保持される記憶のこと。例えば会話の過程では,先にはなされたことを前提として現在の相手の話を理解するが,このようなときに働くのが作動記憶である。作動記憶は,作業の進行状況に応じて絶えず変化していく。また,短期記憶と異なり,意識化されているとは限らず,保持のためのリハーサルも必要としない。

左半球(Left Hemisphere)
左の大脳半球のことで,右半身とほとんどの人の言語ならびに他の論理的,系列的活動を制御する(同意語,優位半球)。

サピア・ホワーフ仮説,言語相対性仮説(Sapir-Whorf Hypothesis)
言語学者サピアとホワーフによって提唱された言語と思考の関係についての仮説。例えば,我々日本人は虹を見て7色と認知するが,これは万国共通ではない。文化圏によって認知の仕方が異なり,それぞれの文化の言語が持つ色名の種類と一致する。彼らはこのような事例を多数集め,認知や思考の仕方は使用する言語の構造に依存すると主張した。

酸化ストレス(Oxidative Stress)
定義として広く受け入れられているのは,“a disturbance in the pro-oxidant/ anti-oxidant system in favor of the former”,すなわち酸化力が抗酸化力を上まわった状況というものである。生体内の活性酸素生成系の亢進や,または消去系(抗酸化システム)の低下により引き起こされると考えられている。一方,Selye(カナダ,1907-1982)が定義したストレスでは,ストレスを外からの刺激(ストレッサー),シグナルとしてとらえており,傷害を及ぼさないレベルのストレスにも生体は生理的に重要な様々な応答をする。酸化ストレス刺激においても,低レベルのストレスにより生体が防御力を亢進させる応答をし,生体にとってむしろ「好ましいストレス(eustress)」となる。この代表的な例として,放射線によるホルミシス効果が知られている。生体内の酸化ストレスを理解するためには,傷害だけでなく,酸化ストレスシグナルに対する生体の応答も含めて考える必要がある。

酸化ストレスマーカー(Oxidation Sstress Marker)
『酸化ストレスの種類と強さ,およびそれによりどのような傷害が,どの程度進んでいるのかを示す指標となる。生体の傷害につながる酸化ストレスは多種の活性種によって起こり,活性種の種類によってマーカーも異なる。酸化ストレスマーカーの濃度,強度は,その生成,代謝,およびクリアランスの速度によって総合的に決まるものであり,生成しやすさだけを必ずしも示しているわけではない。詳しくは「酸化ストレスマーカー」(二木鋭雄,野口範子,内田浩二編,学会出版センター)』を参照。

三環系抗うつ薬(Tricyclic Antidepressant)
抗うつ薬の一種で,神経伝達物質のセロトニンやノルエピネフリンの再取り込みを妨げ,その結果,これらの物質の作用を持続させることにより抑うつ症状を緩和する。一般に処方される薬物にイミプラミン(商品名はTofranilトフラニールやElavilイラビール)がある。

三項随伴性(Three-Term Contingency)
ある条件下である行動をするとある環境の変化が起こるという行動と環境との関係。

三色型色覚(Trichromatism)
三色系(黒=白,青=黄,赤=緑)による分類に基づく正常色覚。色覚が正常である場合は三色系のすべてを知覚するが,色盲の場合は三色系のうち一色系あるいは二色系の色覚に異常がある。

残像(Afterimage)
刺激が消失してもなお残存する感覚経験。通常は視覚経験のことをいう。たとえば,太陽を見つめた後では,景色や一連の色彩イメージが反対色に見える負の残像が生じる。

散布図(Scatter Diagram)
縦軸にある変数,横軸に別の変数の値をとり,測定対象をそれぞれの変数の値に対応させて書き入れることによって,2変数の相関関係をわかりやすく表現したグラフ。

サンプル(Sample)
測定しようとする母集団の部分集合。例えば北星の心理学研究法受講学生は北星学園大学大学生という母集団のサンプルである。しかしながら,それは母集団を代表していないかもしれないということに留意しなくてはいけない。

CRF(Corticotropin-Release Factor; CRF)
副腎皮質刺激ホルモン放出因子。

CAI(Computer Assisted Instruction)
コンピュータによって,説明・問題・ヒントの提示,学習者の回答の判定,学習者への正誤や動機づけの図や文の提示を制御し,同時に複数の学習者に,異教科・異程度の個別学習を可能にするティーチングマシン。

GSR(Galvanic Skin Response)
『皮膚電気反射』を参照。

C.S.S.(Chewing / Sucking / Swallowing)
食べるための基本動作,噛む,吸う,飲み込む。

CSF(Cerebrospinal Fluid)
脳脊髄液。フローアーチファクトの原因となることがある。

GMR(Gradient Motion Rephasing)
フローアーチファクトの抑制。

CMI(Cornel Medical Index Health Questionnaire)
性格・人格に関する心理テストの一種。

シータ波(Theta Rhythm)
『脳波』を参照。

CW(Case Worker)
『ケアワーカー』を参照。

シェイピング(Shaping)
実験者が望む方向に変化する反応のみを強化すること。

JND(Just Noticeable Difference; JND)
『丁度可知差異』を参照。

ジェームズ=ランゲ説(James-Lange Theory)
情動の古典的理論。ジェームズとランゲ(James, W. & Lange, C.)という二人が同様の説(情動の末梢説)を発表したことから,この名前がつけられた。この理論では,刺激によってまず身体的反応が誘発され,次にこの反応が意識されることで情動経験が形成されると考えられている。

ジェームズ・ランゲ説(James-Lange Theory)
身体的変化は事実の知覚の直後に起こり,この身体的変化を感じることが情緒にほかならないと考えた。「泣くから悲しい。殴るから腹がたつ。ふるえるから恐ろしい」と考える説。

ジェンセンの環境閾値説(Jensen's Environmental Threshold Theory)
ジェンセンは,遺伝的資質(素質)がどのようなものであるかによって,環境要因から受ける影響の程度が異なると考えた。環境からの刺激が少なくても発現してくる特性もあれば,豊富な環境刺激がなければ発現してこないものもあるというもの。

ジオン(Geon)
Geometric Ionの略語。知覚において,対象の特徴を構成する幾何学的形態(円柱形,円錐形,四角柱,楔形など)のこと。対象認知は,その対象のジオンが取り出される度合いに応じて良好となる。

自我(Ego)
フロイトは人間の精神構造をイド,自我,超自我の3つの構成概念を用いて説明した。自我はイドから分化したものであり,現実原則に従ってイドと外界との媒介の役割を果たす。つまり私たちは悲しいから泣くのではなく,泣くから悲しくなるというのである。その後,強い情緒に典型的にみられる生理的変化を人為的につくり出してもその情緒が経験されることはない,として批判された。

視覚的断崖(Visual Cliff)
模様の上にガラスを置いた実験装置。模様の半分はガラスのすぐ下に,残りの半分はガラスの数フィート下にある。動物や幼児の奥行知覚の検査に使われる。

視覚認知(Visual Perception)
視覚を通じた意味的な把握。

視覚バッファー(Visual Buffer)
短期記憶において視覚コードの情報(たとえば,言語的・非言語的な事柄についての視覚的表象)を短期的に保存する,符号化過程の仮説的要素。

視覚野(Visual Area)
後頭葉にある投射野。人間ではこの領域の損傷は,損傷範囲の広さや位置に応じて視野の一部に盲点ができる。

視覚誘発電位(Visual-Evoked Potentials)
視覚皮質上の後頭部に置いた電極を用いた知覚の研究法。これらの電極は,被験者が提示刺激をいかによく弁別できるかに関連した電気的活動を記録する。

色相(Hue)
色名によって最もよく表される特質。

色盲(Color Blindness)
有彩色の識別障害。

視空間(Visual Space)
視知覚によって形成される行動空間の特性。自己を中心として上下・左右・前後の3つの方向に分化している。

刺激(Stimulus)
生活体に作用して何らかの反応を引き起こす事物。操作的には,反応を起こすかどうか調べるために生活体に与えられる事物。

刺激鎮痛法(Stimulation-Produced Analgesia)
中脳部位への刺激によって生じる無痛効果。

刺激低減研究,低減刺激研究(Reduced Stimulation Study)
感覚刺激を著しく減少させた実験状況(同意語,感覚遮断研究)。

刺激の二重機能性(Dual-Functioning Chained Stimuli)
刺激反応連鎖中の刺激は,直前に起こる反応を強化し,次の反応の弁別刺激となっている。

刺激般化(Stimulus Generalization)
ある弁別刺激の元で強化された反応は,同様の確立操作が有効なら,類似した新しい刺激に対しても自発される。

刺激弁別(Stimulus Control)
弁別訓練手続きを行なった結果,ある刺激の下では反応が起き別の刺激の下ではその反応が起きなくなること(刺激性制御)。

自己意識(Self-Consciousness)
自己認識の高まった状態。自己に注意を向ける性格特性。

思考(Thinking)
記憶にある事物や出来事を想像したり表象したり,これらの表象を操作する能力のこと。

思考干渉(独 Gedankenbeeinflussung)
自分の考えが誰かによって操作されるという感覚。

視交叉(Optic Chiasma)
視神経が交差する接合点で,脳底近くにある。ここで,網膜内側半分(鼻側)からのびる神経線維が交差して反対側の脳へとつながっていく。それにより,左視神経路は右視野でとらえられた対象の情報を,右視神経路は左視野でとらえられた対象の情報を運ぶ。

思考吹入(Thought Insertion)
誰かに考えを吹き込まれている,という感覚。

思考奪取(Thought Withdrawal)
自分の考えを誰かに抜き取られたという感覚。

思考伝播(Thought)
自分の考えが,広くみんなに伝わってしまっているという感覚。

嗜好テンポ(Preferred Tempo)
メトロノームなどで反復される音や光に対して,速すぎず,遅すぎず,自然であると感ずる際のテンポのこと。刺激間の(音や光の始まりから始まりまでの)時間間隔で表すと,500ms 程度になるが,相当な個人差がある。

思考途絶(Blocking of Thinking)
思考の進行が急に中断され,思考が停止するもの。

自己概念(Self-Concept)
人が自己について抱く考え,感情,態度の総体。自己概念は自己と同義であると考える説もある。

自己効力(Self-Efficacy)
ある結果に必要な行動をうまく実行できるという確信の程度を,バンデューラは自己効力と呼んだ。

自己効力感理論(Theory of Self-Efficacy)
自分がある特定の場面においてその状況に適した振る舞いができるという確信についてのAlbert Banduraの概念。

自己スキーマ(Self-Schema)
過去の経験に由来する,自己についての認知的一般化のことで,これは自己に関連した情報処理を組織化し,ガイドする。

自己知覚(Self-Perception)
自分自身についての認識で,客観的な自己評価の形式をとるので,自己意識とは区別される。

自己中心性(Egocentrism)
J.ピアジェのあげた幼児期における認知的発達の特徴。幼児は自分と異なるさまざまな視点があることを知らないで,すべてのことを自分中心の見方からしか認知・理解することができないというもの。アニミズムや集団的独語などに表れているとした。しかし,のちに集団的独語については,ヴォロツキ−による内言語の過渡的表れという説明に譲る形となった。

思春期スパート(Adolescent Growth Spurt)
性成熟と同じころに起こるからだの成長の劇的な増加のこと。ヒトを含めた霊長類に出現する。S状曲線を描くScammonの一般型の成長パターンを示す測度,器官は多かれ少なかれ思春期スパートを見せる。小児期スパートと思春期スパートに相互関係はない。身長の思春期スパートの大きさ,期間,タイミングなどのパラメータと成人身長との間にも関係はない。思春期の性ホルモンの分泌の増加は,はじめ成長率を増加させる。やがて長管状骨の骨端軟骨の閉鎖をもたらして身長の成長を止める。すなわち思春期スパートは成長の停止をもたらすように働く(Gasserら,1985)。

視床(Thalamus)
脳幹の真上,大脳両半球の内側に位置する二つの神経細胞核群で,脳の中心核の一部と考えられている。領域の一つは感覚の中継局として働き,他の一つは睡眠や覚醒に関与している。この領域は,大脳辺縁系の一部と考えられている。

視床下部(Hypothalamus)
脳幹のすぐ上,そして視床のすぐ下に位置する小さいが非常に重要な組織である。これは脳の中心核の一部と考えられており,食餌行動,飲水行動,性,ならびに情動といった動機づけ行動を制御する中枢を含んでいる。また,内分泌活動を調節し,身体のホメオスタシスを維持して。

視床下部-下垂体-性腺系(Hypothalamic-Pituitary-Gonadal Axis)
思春期のからだの成長のスパートや二次性徴の発現は性腺からの性ホルモンの働きによるところが大きい。下垂体前葉からの性腺刺激ホルモン(卵胞成熟ホルモン,黄体化ホルモン)は性ホルモンの分泌をコントロールする。さらに性腺刺激ホルモンの分泌は間脳の視床下部からの視床下部ホルモン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が支配している。この視床下部ホルモン自身も性ホルモンによってコントロールされる。このようなフィードバック・コントロールシステムが視床下部-下垂体-性腺系である。ゴナダーキの項も見よ。

事象関連電位(Event-Related Potential; ERP)
外的/内的な事象に時間的に関連して生じる脳の電位変化を,頭皮上に貼りつけた電極から記録したもの。

視神経(Optic Nerve)
神経節細胞の軸策で形成された視覚神経で,脳へと伸びている。

システイン(Cysteine)
システインはアミノ酸の1つで側鎖にチオール基を持つ。チオセリンとも言う。略号はCあるいはCys。酸性条件下では安定だが,中・アルカリ性条件では微量の重金属イオンにより容易に空気酸化されシスチンとなる。酸化型のシスチンと対比し,還元型であることを明らかにするためにCySHと記されることもある。親水性アミノ酸,中性極性側鎖アミノ酸に分類される。含硫アミノ酸。蛋白質構成アミノ酸のひとつで,非必須アミノ酸。糖原性を持つ。少量ではあるが大部分の蛋白質にみられる。誘導体であるN-アセチル-L-システイン(NAC)は一般的なサプリメントであり,抗酸化剤のグルタチオンへと代謝される。システインの名はシスチンから付けられたが,これはギリシャ語で膀胱を意味するkustisに由来する。シスチンは腎臓結石から最初に単離された。赤唐辛子,ニンニク,タマネギ,ブロッコリー,芽キャベツ,オート麦,小麦胚芽に含まれる。体内ではメチオニンから作り出される。

シストール(Systole)
心電図のR波とT波間の周期。

自責感(Feeling of Self-Reproach)
自らを責めさいなむ気持ち。うつ病などでみられる。

視線回避(Gaze Avoidance)
他者との心理的距離を保持できず,相手を直視できずに目を合わせることができないこと。

自然回復,自然寛解(Spontaneous Remission)
治療なしでも病気が回復したり改善されたりすること。

持続時間(Duration / Response Duration)
反応が開始してから終了するまでに経過した時間。

自尊感情(Self-Esteem)
自己意識の感情的側面。

実験(Experiment)
ある仮説を検証するための条件と手続きが組み合わされたものである。仮説を証明する方略として,事象を構成する変数間の相関関係から事象の発生を予測したり,変数間に因果関係を類推したりする相関的研究法(correla-tional research)と,変数間の直接的な因果関係を明らかにしようとする実験的研究法(experimental research)がある。実験法では要因と測定値の因果関係を組織的に検討するために,操作した要因以外はいっさい変化しないようにするための条件統制が必要になる。条件統制が行なわれた真の実験(true experiment)に対して,統制が不可能あるいは不完全な場合を準実験(quasi experiment)という。

実験群(Experimental Group)
実験において処置の効果を調べるために処置を受ける被験者(体)群。

実験計画(Experimental Designs)
(1)剰余変数が測定値に及ぼす影響を除去しやすいように工夫した方法。各処理水準に異なる被験者が配置される被験者間計画(between-subjects designs),同一の被験者を各処理水準に割当てる被験者内計画(within-subjects designs)などの種類がある。同一の被験者がすべての処理水準に参加している場合には,繰り返し測定計画(repeated-measures designs)とよばれることもある。(2)どのようにその実験が体系化されたかを示すもの。例えばいくつの被験者集団を用いたか,それぞれにどのような手続きが実行されたかを示すもので,方法の中に書かれる。複雑な研究では,その計画法を説明するために,方法の部分に小見出しをつけて置かれることもある。

実験者バイアス(Experimenter Bias)
アーチファクトの原因の1つ。実験場面で実験者が無意識にとる微妙な行動によって,仮説が予測した方向に実験データがゆがむこと。

実験条件間の相互作用(Experimental Interaction)
一つの実験条件が別の実験条件の結果に影響すること。

失見当識(Disorientation)
時間,場所の見当が失われる状態。

失見当識(Disorientation)
見当識(自分がいまおかれている場所・時間などを把握する能力)が失われること。

実験法(Experimenntal Method)
自然事象に関する研究法で,関与する変数を統制して,因果関係をより正確に定義しようとする。ほとんどが実験室で行われるが,必ずしもその必要はない。

失語(Aphasia)
脳の言語を司る領域の病変で,言語象徴の表出もしくは了解が障害された状態。

失行(Aparaxia)
運動の障害,麻痺などが存在せず,行うべき動作を十分に知っていながらその行為ができない状態をいう。

失声症(Aphonia)
器質性の原因ではなく,発声が不能になる症状。

実践的知能(Practical Intelligence)
人間が生まれつき持っている一般的な認知的,物理的,空間的な認識に関する概念。これによって人は空間や社会的状況をうまく進んでいくことができる。

質的(Qualitative)
本質的な差異を指す言葉で量的(quantitative)と対比される。例えば子どもの考え方は大人の考え方とは質的に異なるのように使用される。

失読症(Alexia / Dyslexia)
視力や視野には異常がないが,読字に障害を持つ症状。

失認(Agnosia)
認知の崩壊または障害を表す一般的用語。

質問紙法(Questionnaire Method)
「あなたはいつも元気ですか」など,質問項目が紙面によって提出されるもので,それに対して,「はい」「いいえ」の2件法や複数回答を用意して被験者に選ばせるもの,または質問に対して自由意見を記述してもらうものなどさまざまな形式がある。実施や採点が比較的簡単で,客観性が高く,集団的にも実施ができる。しかし,質問項目を正しく理解できる人にしか実施ができない,意識的・無意識的に自分の回答をゆがめる可能性がある。時間の経過とともに回答が変動する可能性があるといった側面ももっている。

自動運動(Autokinetic Effect)
暗いところで小さな光点を凝視すると,実際には動いていないのに,それが不規則に動いているように見えるこのことを自動運動という。

児童絵画統覚テスト(Children's Apperception Test; CAT)
L.ベラックの創案した絵画統覚テストの児童版。動物を描いた絵(幼児・児童は人間よりも動物に同一視しやすいという観点から)を用いて,子どもに物語を作ってもらう。解釈法は,TATと同じである(絵画統覚テストを参照)。

自動性(Automaticity)
最初は意識的注意を必要とした反応の習慣作用。

自動的処理(Automatic Processing)
意識的にしなくても遂行できる機械的な処理。

シナプス(Synapse)
あるニューロンの軸索と別のニューロンの樹状突起や細胞体の間の近接する機能的接続のこと。

シナプス間隙(Synaptic Gap)
シナプス前細胞膜とシナプス後細胞膜の間の空間,つまりシナプスのすきま。

シナプス終末(Synaptic Terminals)
軸索の先端の膨らんだ部分のことで,ここに神経伝達物質の入ったシナプス小胞が含まれる。

シナプス小胞(Synaptic Vesicles)
シナプス終末内にある小球形ないしは不定形の構造で,神経伝達物質を内含している。これが刺激されると,神経伝達物質を放出される。

自発テンポ(Spontaneous Tempo)
特にテンポを指定されず,テーブルを指先で叩くような動作を反復するとき,個人ごとにほぼ定まったテンポが現れる。このテンポのこと。指先で叩く動作の場合,そのテンポは,打叩間の(打叩によって指とテーブルなどが接触してから,再び離れて次に接触するまでの)時間間隔であらわすと,600ms程度になるが,相当な個人差がある。

嗜癖(Addiction)
強迫的・破壊的な薬物摂取行動。

視野(Visual Field)
凝視点を見ているときに見えている全視覚領域。

弱解法(Weak Methods)
問題についての特定の知識に頼らない一般的な問題解決方略。たとえば差縮小法,手段=目的分析,逆向き解決法などがあげられる。

シャクター=シンガー説(Schacter-Singer Theory)
環境刺激は一般的な生理学的覚醒を生じるが,個人が下す覚醒の認知的評価が特定感情(情動)の主観的経験をもたらすという感情(情動)理論。

尺度化(Scaling)
生データを順位,割合,標準得点などの,より容易に解釈できる得点に変換すること。

尺度構成法(Scaling Technique)
被験者の反応に数値を割当てる際に用いられる手続き。精神物理学的測定法,マグニチュード推定法,態度尺度構成法,多次元尺度構成法など,多くの種類がある。

斜視(Strabismus)
乳児期において両目が同じ方向に向かないために生じる,両眼奥行き知覚の欠如。

遮断化(Deprivation)
刺激,出来事,条件を一定期間提示しないでおくと好子として機能するようになる。

弱化によるシェイピング(Shaping With Punishment)
目標行動にだんだん近づいていく行動以外の行動をすべて分化的に弱化する手続き。

習慣(Habit)
学習された刺激=反応系列。

集合得点(Aggregated Score)
同じ行動や特徴についての,いくつかの測度の組み合わせ。

収束的妥当性(Convergent Validity)
新しい測度と,新しい測度が測定しようとするものと同じ概念を測定すると考えられている既存の測度との相関から,構成概念妥当性を推定する方法。

従属変数(Dependent Variables)
因果関係の結果と仮定される変数であり,独立変数の影響を評価するために研究者が用いる,観察可能な行動の測定値。

集団規範(Group Norm)
集団の成員によって共有され,期待されている行動の枠組あるいは標準的な行動様式をいう。集団規範の特徴として,成員の行動の準拠枠となり成員の行動や判断を方向づけ,評価の基準を示すこと,また,集団の成員に期待される行動の量・程度・種類を示すということ,さらに許容される行動の範囲をもち,重要な規範ほど許容範囲は狭いというものがある。

集団思考(Group Think)
意思決定を行なう集団において,ある合意に達するために,集団にとって望ましくない考えが排除される渡る傾向のこと。特に,指導者の見解に一致させる例が挙げられる。

集団追跡法(Population Follow-Up Study)
たとえば文部省の学校保健統計調査のような,毎年行われる全国的な体格調査の報告資料を成長の研究に利用するときの,データの取り扱い方のひとつ。被験者集団の出生年度を基準として,同じ年度生まれの集団の異なる年齢時のデータを,複数の年度における調査報告にまたがってひろいだしてゆく。たとえば,1970年生まれの集団の6歳時のデータは1976年度の報告から,7歳時のデータは1977年度の報告からとる。この方法によれば,どの年齢のデータも,被験者自体は異なってはいるものの,同じ年度に生まれた者からとることになるため,横断的方法に比べて時代変化の影響が少ないデータを得ることができる。

縦断的研究(Longitudinal Growth Study)
成長を研究するためのデータを得る方法の一つで,同一個人につき,一定間隔で繰り返しデータをとり続ける方法。個人追跡法とも呼ぶ。ある時点における状態だけでなく,成長速度に関する情報,PHV年齢のような成長曲線の特徴に関する情報をも手にいれることができる。しかし,多数の被験者につき全成長期間にわたるデータを得ようとすると,時間がかかり効率が悪いという欠点がある。

集団分極化現象,集団成極化現象(Grout Polarization)
集団討議を経て意志決定をする場合,個人で決断を下すよりも危険な決定をする場合と安全で保守的な決定を下す場合がある。いずれの場合にも集団の決定は個人の決定よりの極端になる傾向があることを言う。

集団無意識(Collective Unconscious)
無意識の中には,個人的に関係の深いものばかりではなく,個人を超えて,集団や民族などに広く共通の無意識があることを主張し,これを普遍的無意識(集団的無意識)と呼んだ。

執着性格(Immodithymic Character)
下田の提唱する性格特徴。一度起こった感情が長くその強さを維持し,あるいはむしろ増強する傾向を持つこと。

自由度(Degrees of Freedom)
統計的仮説検定において,ある結果が生じる確率を計算するために必要な値。計算された統計量を変化させずに,任意の値をとることのできる観測値の数。

習得(Acquisition)
習って覚えこむこと。

習得性好子(Learned Reinforcer)
他の好子と対呈示されることで,好子としての機能を持った,刺激,出来事,条件(2次性強化子,条件性強化子)。

習得性般性好子(Generalized Learned Reinforcer)
遮断化されていた多種の好子と対提示されることで,好子としての機能を獲得した習得性好子(2次性般性強化子や条件性般性強化子)。

周波数(Frequency)
1秒あたりの周期回数。

主観的等価点(Point of Subjective Equality)
物理量を測定する尺度上の任意の基準点に対して,心理的に等しいと感じる点。

軸索(Axon)
他のニューロンにインパルスを伝達するニューロンの一部。

主効果(Main Effect)
2要因以上の実験計画や分散分析において,ある独立変数が単独で従属変数に及ぼす全体的効果。

手指失認(Finger Agnosia)
手・指を通じた感覚に異常があること。身体失認の一種。

樹状突起(Dendrite)
他のニューロンからのインパルスを(細胞体とともに)受け取るニューロンの特定部位。

主訴(Chief Complaint)
患者や被相談者が訴える主要な問題。

主題的制御(Thematic Control)
1対1対応のない弁別刺激による反応の制御。

手段=目的分析(Means-Ends Analysis)
現在の状態と目標の状態を比較し,これらの間にある最も重要な相違を見つけるという問題解決方略のことで,この相違を除去することが主要な下位目標になる。

シュトラウス症候群(Strauss Syndrome)
シュトラウスによる脳損傷児の一群で,精神遅滞がなく図・地関係の歪み被転導性等の症状。

受容器(Receptor)
特定の刺激に反応し,求心性ニューロンからなる神経(たとえば,目の網膜)に連結している。もっと広義の意味で使うと,それらの感覚部位を含む器官(目や耳など)のこと。

受容野(Receptive Field)
視覚において,特定の皮質ニューロンと関連している網膜領域。刺激が視野の中に現れた場合には,脳の関連するニューロンが活性化される。

馴化,慣れ(Habituation)
繰り返される刺激に対する反応強度の低減。

順向干渉(Proactive Interference)
先行学習によって新しい材料の学習や再生が妨害される。

順向相互作用(Proactive Intertaction)
異なる個人が異なる状況に入ることを選択し,入った後には,状況の異なる印象形成をするために生じる個人と環境との相互作用。

順向抑制(Proactive Inhibition)
記銘したことを想起しようとする際に,その前後の経験の記憶が妨害的な干渉効果をもつ。以前の経験が妨害的に働くことを順向抑制という。

順序効果(Order Effect)
被験者内デザインを用いた実験計画で,測定値に,独立変数の効果に加えて,刺激や課題の順序に基づく誤差が混入すること。

順序尺度(Ordinal Scale)
順序尺度とはスチィーブンスによって分類された4種の尺度の1つ。順序関係のあるいくつかのカテゴリーに分類する尺度を順序尺度といい,順序尺度で測定されたデータは質的データとなる。

純粋失読(Pure Alexia)
脳損傷(左後頭葉の)により引き起こされる単語を認知する能力の喪失。

準備された条件づけ,準備性条件づけ(Prepared Conditioning)
人には早期から危険な対象や状況を恐怖と結びつける傾向があり,これは生物学的なもので進化のための選択ともいえる。

消去(Extinction)
古典的条件づけやオペラント条件づけに続いて,通常の強化なしに条件刺激を提示する実験的手続きのこと。この手続きの結果として強化されないため条件づけられた反応が弱まること。

状況帰属(Situational Attribution)
人の行為を内的な態度や動機ではなく,状況ないし環境の要因に帰属すること。

消去抵抗(Resistance to Extinction)
反応が消去するまでの時間の長さと反応数。

条件(Conditions)
要因の各水準,または複数の要因の水準の組合せによって定められる測定状況。

条件交替法(Alternating-Treatments Design)
異なった独立変数をセッションごとに交互に繰り返し導入し,各々が従属変数に与える効果を比較する実験計画法。

条件刺激(Conditioned Stimulus; CS)
元々は中性刺激であったものが,無条件刺激との対提示により条件反応を誘発すようになった刺激のこと。

条件性情動反応(Conditioned Emotional Response)
条件づけにより獲得された情動反応のこと。それまでは情動反応を喚起させなかった刺激によって,反応が生起する。

条件づけ(Conditioning)
条件反応が形成される過程。

焦燥(Agitation)
うつ状態などでみられることがある,強い焦り。

情緒不安定性人格障害(Emortionally Unstable Personality Disorder)
衝動的に,結果を考えずに行動する傾向が特徴の人格障害。情動が暴発する傾向にある。

常同運動(Stereotyped Movement)
身振り・姿勢・行動などが同じ形で持続・反復する異常な行動。

衝動行為(Impulsive)
衝動に基づく行為,熟慮や抑制を欠き,意志の統制を受けず,欲動から直接に発現する行為。

情動焦点型コーピング(Emotion-Focused Coping)
この方法は不安やストレスを減少させるために行われるが,感情を引き起こす状況そのものを変化させるわけではない。防衛機制は,情動焦点型の対処形式といえる。

衝動のコントロール(Impulsive Control)
一次的な欲求や,反社会的な衝動を理性・意志により統制すること。

情動不安定(Emotional Lability)
情動が不安定で暴発する傾向にある状態。

小動物幻視(Tiervision)
昆虫やネズミなどが部屋の中にたくさん見える幻視。振戦せん妄の際にみられる。

小脳(Cerebellum)
延髄と橋の背面にある脳の一部。主として運動・平衡の調節中枢。脳幹後部に接続する葉構造で,筋緊張や複雑な動きの協調を調節している。

場の理論(Field Theories)
レヴィンによる行動理論。人間がどんな行動を起こすかは,その人と,その人のおかれた心理的な環境との両方によって決定されるものと考えた。

情報処理論(Information Processing)
人間をコンピュータに類似した一種の情報処理装置と考え,こころの動きを外界からの刺激(入力情報)と反応(情報処理された出力)との関係という観点から実験的に検討し,それによってモデルを作ろうとする理論。

剰余変数(Extraneous Variables)
研究の対象となっている独立変数以外で,従属変数の変動に影響を及ばす変数。

証明(Proof / Prove)
非常に大まかにいって,証明とはある信念に論理的な支持を提供するなんらかの論証である。もし観察された事実があなたの仮説と一致すれば,あなたの仮説は支持される。あるいは,もしその観察された事実がその仮説に一致していなければ,それは支持されないことになる。しかしその仮説もそれが引き出された理論も,決して証明された(されない)ということではないので不用意に使用しないほうがよい言葉である。

処置(Treatment)
要因(実験因子)と水準のすべての操作手続きの総称。条件のよく似た実験・観察単位(個体または群)をまとめるための条件セットと実験手続き。

ショック療法(Shock Therapy)
『電気けいれん療法(ECT)』を参照。

初頭効果(Primacy Effect)
一連の物事を記憶しようとするときに,最初のいくつかの物事は記憶に残りやすいこと。これは,ある物事が記憶される確率は,その物事が一連の物事のうちのどこに位置するかに影響されるためである。この影響は,Uの形をしている。つまり,最初と最後の物事は,中間の物事よりも記憶に残りやすい。それぞれ,初頭効果,親近性効果(recency effect)と呼ばれる。(Martin, 1994, p.310)例えば,数個の英語の単語を1度ずつ聞いた後で,思い出した順に自由再生するように求められると,リストの最初にあった単語と最後にあった単語は,中央部の単語よりも再生されやすい(高橋, 2001, p.117)。

自律(Autonomic System)
内臓や内分泌腺とつながる(神経)系。

自律訓練法(Autogenic Training)
1890年代のドイツのフォークトの催眠研究所に端を発し,精神科医シュルツによって体系化,発展した。彼は,催眠の精神生理的メカニズムの研究によって,筋肉と欠陥の弛緩が本質的な要因であることを突き止めた。自己暗示の練習により,全身の緊張を解き,心身の状態を自分でうまく調整できるように工夫された段階的訓練法である。

自律神経系(Autonomic Nervous System)
末梢神経系の一部で,平滑筋(器官やリンパ腺)の活動を調節する。自律神経系は,さらに交感神経系と副交感神経系の二つに分けられる。

事例史(Case Histories)
科学的使用を目的に作成される個人史。

白さの恒常性(Lightness Constancy)
見慣れたものは光と影が刺激特性を変化させるにもかかわらず,同じ白さとして見える傾向。

心因健忘(Psychogenic Amnesia)
精神的原因によって特定の出来事あるいは一定期間のことを想起できないもの。

人格(Personality)
心理学でいう人格とは,個人の一貫した独自の行動傾向をあらわす概念である。人のもつ種々の側面あるいは多様さ全体をとらえるとともに,人それぞれの特徴的な行動の内側を示す言葉で,「ひとがら」とでもいえる。つまり,人格は,「知・情・意」のすべてを含み,環境への適応場面においてみられる個々人の特徴的な態度の総体である。語源は,ラテン語のPersona。

人格障害(Personality Disorders)
根深く,習慣的,かつ硬直化した行動や性格様式で,個人の適応の可能性を著しく制限する。しばしば社会はその行動を不適応と考えるが,その個人はそうとは認めない。

親近性効果(Recency Effect)
記憶実験において,リストの最後の数項目の方が他の項目よりも再生されやすい傾向。

新近性効果(Recency Effect)
情報呈示の系列効果に関する問題の一つ。情報呈示系列の最終部分が,初頭や中間部よりも効果的に作用することを意味する。これは,記憶研究における系列位置効果だけでなく,印象形成,説得や広告の際の情報配列の効果においても問題となる。実際,初頭性効果との関係は,与えられる問題や情報の送り手・受け手の関係,受け手の側のパーソナリティなどさまざまな要因の影響を受けて変化するといわれる。

神経(Nerve)
何百・何千ものニューロンから伸びた軸索の束。

神経核(Nuclei(単数形:Nucleus))
脳や脊髄に密集して存在する神経細胞体の集まり。

神経学的(Neurological)
神経学的検査法でとらえられない脳の病変を,認知能力,言語性機能,非言語性機能学習能力,計算能力,行動等の障害,偏り,発達遅滞などから予測する方法。

神経学的微症状(Soft Neurological Sign)
神経学的な検査で捕らえられない程度の,認知能力,言語性機能,非言語性機能等の偏り,発達遅滞。

神経系の(Nervous)
中枢神経系,末梢神経系。

神経細胞(Nerve Cell)
『ニューロン』を参照。

神経受容体分子(Neuroreceptor Molecule)
細胞膜内のタンパク質分子で,神経伝達物質といった特定の化学物質に反応する。特定の化学物質により神経受容体分子が活性化されると,細胞膜の透過性が増加ないしは減少する。ある神経伝達物質は神経受容体と結合すると,興奮性の効果を示すが,他の神経伝達物質は抑制性の。

神経症(Neurosis(複数形:Neuroses))
不安や葛藤に対処できず,強迫観念,強迫行為,恐怖症,不安発作など,本人が苦痛を感じるような症状を発現する。フロイトの精神分析理論によると,神経症は,無意識の葛藤から生じる不安を回避するのに防衛機制を使かうことに由来する。

神経症的不安(Neurotic Anxiety)
実際に直面する脅威に対する不釣合いの恐怖(舞台負けなど)。

神経心理学(Neurological Theory)
心理現象とその基礎としての神経系の関係を究明する科学。

神経衰弱(Neurasthenia)
通常の作業の後に精神的・身体的疲労を訴え,ふつうの休息では疲労感が回復しないもの。

神経性食欲不振症(Anorexia Nervosa)
人の標準体重範囲の最小値から15%以上の減量を自らに強いる状態。

神経性大食症(Bulimia Nervosa)
過食症。過食症。むちゃ食いが間をおきながら繰り返し,その間摂食行動を自己制御できないもの。

神経性無食欲症(Anorexia Nervosa)
食欲低下を主徴とし,摂食の拒否と高度のやせ,月経障害がみられる。

神経節(Ganglia(単数形:Ganglion))
脳や脊髄の外側にある神経細胞体の集り。

神経伝達物質(Neurotransmitter)
シナプス間隙に放出され,その次のニューロンを刺激する化学物質のこと。

人工知能(Artificial Inetelligence(Ai))
コンピュータ科学と認知心理学を統合した研究領域。人工知能は(a)人の思考過程をシミュレートするためのコンピュータ利用と,(b)「知的」に行動し,変化する事態に適応できるコンピュータ・プログラムの考案などに関わっている。

心身症(Psychosomatic Disease)
身体症状を主とするが,その診断と治療に心理因子についての配慮が必要なもの。

真性幻覚(True Hallucination)
完全に知覚の性質を持っていて,実在感がある幻覚。

振戦せん妄(Delirium Tremens)
アルコール中毒によるせん妄。特徴的なのが小動物幻視。

心臓拡張期(Diastole)
心臓周期での,T波の終わりからR波の始まりまでの周期。心室拡充(ventricular filling)ともよばれる。

診断(Diagnosis)
問題の原因を明らかにし,援助・指導の方法を決定する過程。

心的イメージ(Mental Imagery)
写真のような心的表象のこと。しかし,直観像とは異なる。

心的回転(Mental Rotation)
向きの異なる同じ図形の異同弁別作業において,向きの角度により反応時間が増大することから,一方の図形を心的イメージとして回転させ,照合を行っていると考え,この心的な操作を心的回転と呼んだ。

心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder;PTSD)
生命の危険などにさらされ,強い恐怖や無力感を体験した後で,侵入的再体験,回避や麻痺,および覚醒亢進が持続する障害である。

心的表象/状況モデル/テキストベース(Mental Representation / Situational Model / Text Base)
読み手があるテキストを読んで記憶に残ったものを心的表象(mental representation)という。テキストの理解とは,読み手がそのテキストに即して首尾一貫性のある心的表象(coherent mental representation)を構築した状態を指す。(西本, 2001)。テキストを理解したときの読み手の心的表象には,様々なレベルが存在する。広く認められているモデルとして,言語的な段階,概念的な段階,全体表象的な段階の3つのレベルが想定されており,それぞれ「表層的記憶(surface memory)」,「命題的テキストベース(prepositional text base)」「状況モデル(Situational Model)」と呼ばれている(van Dijk & Kintsch, 1983)。最も記憶に残りにくいものは,表層レベルの記憶であり,テキストに提示されたそのままの分の単語や語順の記憶である。命題テキストベースとは,テキストの意味そのものの記憶であり,テキスト中の命題がネットワーク状につながったものであると考えられえる。このレベルの表象の形成には,語や文の意味の理解が必要とされる。最も記憶に残りやすいレベルの表象は状況モデルであり,テキストに記述されている内容を反映するものである。このレベルの表象は,読み手がテキスト中に明示的に与えられた情報にスキーマから関連する情報を付け加えて,情報の統合や精緻化を行うことで形成される。(堀場, 2000)。

浸透圧受容器(Osmoreceptors)
視床下部にあるとされる細胞で,下垂体からの抗利尿ホルモン(ADH)の放出による脱水症状に反応して,血流に水分を再吸収させる信号を腎臓に送る。

心拍数(Beats Per Minutes:Bpm)
心電図で示される心臓の平均心拍数。

振幅(Amplitude)
波の最高点と最低点の間の圧力差。

シンボル(Symbol)
それ自身ではなく,何か別のことを意味し,参照しているもの。

信頼性(Reliability)
測定の安定性・一貫性の程度。同じ結果が繰り返し得られる場合に,信頼性が高いという。妥当性の前提条件の1つ。

心理神経学(Psychoneurological)
人間の脳の機能障害に関連した行動上の障害についての研究する学問。

心理診断(Psychodiagnosis)
心理学的方法により個人の人格または性格の診断を行うこと。

心理生理的障害(Psychophysiological Disorder)
情動が中心的役割を果たすと考えられている身体疾患。

心理的動機(Psychological Motive)
生物学的欲求に基づくというよりも,むしろ主として学習された動機のこと。

心理療法(Psychotherapy)
心理学的(身体的または生物学的というよりも)方法による精神障害の治療。

図=地の体制化(Figure-Ground Organization)
ある図柄が,背景と切り出された前景として知覚されること。刺激が曖昧で図と地の関係が反転しているような場合でも,図柄は通常この方法で知覚される。

随意処理(Voluntary Processes)
生活体自らにより選択され,意図や計画に従って統制,あるいは監視されている活動。

遂行(Performance)
外的な行動で,行動としては表されない知識や情報から区別される。この区別は,学習の理論において重要である。

水準(Level)
要因を細かく分類したもの。

水晶体(Lens)
眼球の一部分で,外部からの光線を網膜上の一点に焦点化させる。

推測統計(Inferential Statistics)
この種の統計は推測するときに用いられる。母集団のサンプルから得られたデータで,母集団での一般性を推測するために確率理論の数学を用いる。その中でます最初に出会うものは,t検定と分散分析であろう。

推測統計学(Inferential Statistics)
一部について観察し,確率の理論を用いて全体の法則性を説明しようとするもの。

錐体(Cone)
錐体は,網膜上に散在するが,とくに中心窩に密集して見られる特殊な細胞で,有彩色と無彩色の感覚の両方を媒介する。

水頭症(Hydrocephalus)
脳髄液の液量が増加し,脳室が拡大する症状。

随伴性(Contingency)
行動の分析において,できごとと出来事との関係を規定する条件を随伴性という。つまり,ある刺激(弁別刺激)のもとにある反応を自発するとある結果(強化)が生じることをいう。

随伴性ダイアグラム(Contingency Diagram)
行動随伴性を図示したもので,行動と環境との関係を分析する道具として使われ,基本的には直前条件・行動・直後条件の3つの要素からなる。

随伴性による制御(Contingency Control)
ルールの力を借りずに随伴性によって行動を直接制御すること。

随伴性モドキ(Analog Contingencies)
見かけ上,強化や弱化の随伴性が行動を制御しているようだが,実はルールによって制御されている場合の随伴性。

睡眠障害(Sleep Disorder)
熟睡できず,それにより昼間の活動に支障をきたしたり,過度の眠気が生じたりする睡眠に関する障害。

睡眠ポリグラフィー(PSG)
脳波 筋電図 眼球運動 その他必要に応じて血圧 心電図 体温 呼吸運動などを睡眠中に連続同時期録する睡眠学の検査。

推論(Inference)
推論とは,既知の前提から新しい結論を導き出す思考の働き,あるいはその過程や結論をさすこともある(谷口, 2001)。推論という作業は高度な知的作業であり,優れた読み手を特徴付ける技能である(吉田, 2001)。それゆえ,「推論能力」の不足は読解における困難の原因になると考えられる(田近, 1994)。推論は,テキスト理解に必要不可欠な意味的ギャップを埋める「橋渡し推論(bridging inference)」と明示的なテキスト理解には必要ではないが,読み手の理解をさらに深める働きの「精緻化推論(elaborative inference)」という2つのタイプに分けることができる(van Dijk & Kintsch, 1983)。推論タイプの分類方法は研究者によって様々であるが,この「橋渡し推論」と「精緻化推論」は,「多くの研究者の間で合意が得られていると思われる分類」(邑本, 1998)であるとされている。

数唱(Recall of Digits)
ランダムな数字を与えられ記憶して復唱するもので,心理テストで短期記憶の課題の一つとして用いられる。

スキーマ(Schema(複数 Schemas))
(a)物理的・社会的世界がどのように働いているかについての理論。(b)人,対象,出来事,あるいは状況の集合についての心的表象。(c)情報の知覚,整理,処理,活用にとって必要な認知構造。(d)人,対象,出来事,状況に関する組織化された信念や知識。

Scammonの成長パターン(Scammon's Curves of Growth)
Scammon(1930)はさまざまな器官の生後の形態学的成長のパターンを調べて4種の類型(一般型,神経型,生殖型,リンパ型)に分けた。彼はパターンを誕生時の値を0とし,成人(20歳)の値を100として表わしている。一般型はS字状の成長曲線を描く。変曲点のタイミングは思春期のはじまりに相当する。一般型の器官は頭部を除く筋骨格系の測度(身長,体重など),生殖系を除く内臓,循環器のサイズがある。神経型は早期に成長が著しい(成長曲線の立ち上がりが早い)。以後はプラトーとなる指数関数的なパターンである。脳とこれを納める頭,眼球のサイズや脊髄の長さがこのパターンを示す。生殖型は神経型とは対称的に早期にはほとんど成長しない。思春期から急激な成長がおこり完成する。生殖器のサイズと二次性徴器官(乳房など)がこのパターンを示す。リンパ型は思春期前期に成人の値を追い越すほど(190%)急激に成長し,以後は沈滞して成人値に落ち着くパターンである。胸腺,リンパ節,扁桃のサイズがこのパターンを示す。このように器官,部分によって成長が盛んな時期が異なるので,ヒトは相似形で成長するのではなくプロポーションを変化させながら成長する。一般型と神経型の成長パターンの違いは,幼児期の身長に比べて頭でっかち,頭に比べて顎が小さいプロポーションや顔に比べて大きなぱっちりした目のプロポーションを説明する。また,4頭身の新生児から6.5頭身の成人へのプロポーション変化も神経型と一般型のパターンから説明できる。

スキャロップ(Scallop)
反応が強化されると,しばらくは反応が起こらず,時間経過と共にだんだん反応率が高まり,次の強化の直前に反応率が最高になる反応パタン。

スクリーニング(Screening)
健康な人の中から,疾病にかかっている人を抽出する検査。

スクリプト(Script)
スキーマ理論の一つ。Schank and Abelsonによって提唱された知識の表現形式のひとつで,Minskyが提唱したframeの下位クラスに当たるもの。ある場面や状況のなかで人がとる行動や,そこで起きる出来事を系列としてまとめた知識。一旦スクリプトが言語処理子(a language processor)によってアクセスされると,次に何が起こるか(どのような順序で出来事が起こるのか)についての予測が立てられる。例えば,レストランに入ったときに起こる一連の出来事を説明するもの(場面1「入場」,場面2「注文」,場面3「食事」,場面4「退場」)は「レストラン・スクリプト」と呼ばれる。

スケープゴート(Scapegoat)
罪のない無力な犠牲者が,犠牲者を仕立て上げる人たちの欲求不満の原因として責められたり罰せられたりするという攻撃の置き換え。

ステレオタイプ(Stereotype)
(a)ある人々の集団に共通する人格特性や身体的特徴についての一組の推論。(b)さまざまな種類の人々についてのスキーマのこと。

ステロイド(Steroids)
複合化合物で,そのうちのいくつかは副腎皮質の分泌物に顕著であり,精神病のいくつかの病型に関連している可能性がある。

図と地の混乱(Figure-Ground Confusion)
必要な刺激(図)を背景(地)から引き出すことが困難,聞き分け能力の欠如。

ストループ効果(Stroop Effect)
色インクでかかれた色名を呈示し,用いられたインクの色の名称を答えさせる。このような課題を行うと,色名とインクの色が異なる場合に反応時間が遅くなる。このような,色の認識に対する文字の意味の干渉を,発見者の名をとってストループ効果という。

ストレス(Stress)
生体に何らかの刺激が加えられたときに生じる生体側のゆがみをいう。この刺激を本来はストレッサーという。

ストレス=脆弱性モデル(Vulnerability-Stress Model)
身体疾患や精神疾患の相互作用モデルで,人は,生まれつきの脆弱性(素因)と強いストレス状況の経験の双方を有する場合にだけ疾患を発現することを提案している。diathesis-stress modelストレス=素因モデルに同じ。

ストレス=素因モデル(Diathesis-Stress Model)
『ストレス=脆弱性モデル』を参照。

ストレス反応(Stress Responses)
心身の健康を損なわせると知覚される出来事に対する反応。これらの反応は,不安,怒り,攻撃,無関心,抑うつ,認知的障害のような心理的反応と同様に,緊急時に備える身体的変化(闘争か逃走かの反応)も含む。

ストレッサー(Stressors)
心身の健康を脅かすと認知される出来事。

ストロボスコープ運動(Stroboscopic Motion)
映画のように,動作に対応する順序で配列された刺激パターンの一コマずつを連続的に提示することにより,運動の錯覚が生じる。

SMART(Shimadzu Motion Artifact Rejection Technique)
フローアーチファクト補正。

3D(Three Dimensions)
3次元。

スリーパー効果(Sleeper Effect)
信憑性の低い人の説得効果が,時間が経つにつれて上がっていくという現象。

スレオニン(Threonine)
アミノ酸の一種,側鎖にヒドロキシエチル基を持つ。必須アミノ酸の1つ。

性格(Character)
精神機能の持続する特徴のうち,知的側面は知能とよばれ,情意面の特性は性格とよばれる。

正規化(Normalizationl)
分布の正規化。

性器期(Genital Phase)
フロイトの精神分析理論でいうと,心理性的発達の最終段階で,思春期に始まり,成熟した成人の性愛で頂点に達する。

正規曲線(Normal Curve)
正規分布を描いた図。

正規分布(Normal Distribution)
測定値の確率分布として想定される最も基本的な分布。左右対称で,最頻値,中央値,平均値が一致する。この他に,統計的仮説検定でよく用いられる確率分布として,χ2分布(chi-square distribution),t分布(t-distribution),F分布(F-distribution)などがある。

制御過程(Control Processes)
平衡状態の確立や目標指向活動の監視を行う調節過程。

正弦波(Sine Wave)
プロットすると,三角法の正弦関数の波形になる周期的波。純音の波形を描くとこの関数となる。

声強勢分析器(Voice Stress Analyzer)
感情(情動)に結びついた人の声の変化を,図示できる装置。うそ発見に使用される。

静座不能(Akathisia)
アカシジア。じっと座っていられない状態。抗精神病薬の副作用(錐体街路症状)でみられることがある。

制止(Inhibition)
欲動に基づく行動を起こそうというところに抵抗が強くなる。うつ状態などでみられる。

静止電位(Resting Potential)
神経細胞膜の電位が静止している(換言すれば他のニューロンに対して反応しない)状態のこと。細胞膜内の電位は膜外よりもわずかに陰性である。

静止網膜像(Stabilized Retinal Image)
通常の視覚で見られる眼球の微動を特別な方法で停止させたときの網膜上の対象像。網膜上の同一位置にある像はすぐに見えなくなってしまう。これは,眼球運動によって与えられる網膜細胞への刺激変化は視覚にとって必要であることを示唆している。

成熟(Maturation)
まったく未完な組織,器官が完成の状態または個体が成体(成人)に達するテンポあるいは過程をいう。この完成の状態は身長のように 170cmという値で表わされるものではなく,100%という概念をもつ。四肢骨の発生(骨成熟)では軟骨モデルが完全に骨組織で置換されると骨成熟が完了したことになる。このように成熟にはすべての正常なヒトに共通の終点がある,しかしすべての子どもの身長の成長の完成(終点)を共通の値で表わすことはできない。成熟の指標はしばしば,離散的,順位的,質的あるいは非可算的なものである。成熟と生理学的年齢は密接な関係を持っている。

正常(Normal)
基準に合致するもの。精神現に平均を求めるのは困難。平均基準と価値基準がある。

精神運動制止(Phychomotor Retardation)
寡言,寡動で思考・行動のテンポが遅くなる。

精神外科(Psychosurgery)
心理的障害を和らげるために脳の細胞組織に施される外科的な処置。

精神測定関数,心理測定関数(Psychometric Function)
刺激の物理的エネルギー量に対する被験者の刺激検出率を表す曲線図表。

精神年齢(Mental Age; MA)
ビネーにより提唱された知能検査に用いられる尺度単位で,知能検査が厳密に標準化されているなら,6歳児集団の平均精神年齢は6歳,7歳児集団のそれは7歳と測定されるはずである。精神年齢が個人の生活年齢(CA)よりも高い子供は発達が速く,逆に低い子供は発達が遅れて。

精神物理学(Psychophysics)
心的過程と物理的世界の関係についての科学として,フェヒナーによって使われた名称。現在では,通常統制された物理的刺激によって生ずる感覚の研究に限定されている。

精神物理学的測定法(Psychophysical Methods)
物理量として測定された刺激と,それに対する反応として体験された心理感覚とのあいだの関係を,定量的に把握する研究法。調整法(method of adjustment),極限法(method of limits),恒常法(constant method)をはじめ,さまざまな測定法が開発されている。

精神分析(Psychoanalysis)
(a)精神障害の治療法としてフロイトによって発展され,彼の後継者たちによって拡張された方法。(b)精神分析的治療法の経験から生まれた人格理論。この理論は,人格発達や動機づけにおける無意識過程の役割を強調する。

精神分析学(Psychoanalysis)
フロイトによって始められた学問体系。人間の精神生活の理解や行動を,無意識における欲求の原動力となる精神的エネルギー(リビドー)にあると考える。彼は神経症の治療に「自由連想法」と呼ばれる方法を用いて人間の深層を探り,臨床経験を通してその理論を発展させた。

精神保健福祉士(Psychiatric Social Worker; PSW)
精神障害者の保健や福祉についての専門知識・技術に基づき,精神障害者の社会復帰についての相談援助を行う専門職の国家資格。

精神免疫学(Psychoimmunology)
身体の免疫系がいかに心理学的変数によって影響されるかを研究する行動医学の研究分野。

生成文法(Generative Grammar)
チョムスキーが考えた文法構造の獲得過程に関する考えを言う。子どもは生得的に言語を習得するための構造を備えており,有限個の文法の規則を繰り返して適用し使用することによって無限の文を構成することができるという考え方である。基盤となる文法構造になれれば,句の構造や文の要素の加算的結合として複雑な文を生成できるというもの。

性腺(Gonads)
性ホルモンを分泌し,生殖細胞を生成する性器官のこと。卵巣と呼ばれる女性の性腺は,エストロゲンを分泌し卵細胞を生成する。睾丸と呼ばれる男性の性腺は,アンドロゲン(とくにテストステロン)を分泌し,精子細胞を生成する。

生態学的妥当性(Ecological Validity)
実験結果を,測定状況や環境的要因に関して一般化できる程度。外的妥当性の1側面。

精緻化(Elaboration)
記憶過程のひとつで,言語情報を拡張することで情報を検索する方法の数を増やそうとすること。

成長(Growth)
成長という言葉には,大きさの増加と,未分化な状態から特殊化した状態への変化(分化)あるいは身体機能や行動の時間的変化という2つの概念がふくまれる。英語では前者に対してgrowthを,後者に対してdevelopmentという語を使い分けているが,日本語では,成長,発育,発達などの言葉をそれほど厳密に区別せず使うことが多い。ヒトの成長では,思春期のスパートの存在と,体重とのアロメトリーでみると長い成長期間とが特徴であるが,これらは他の霊長類,とくに類人猿にも認められる。成長は内分泌系によって制御されており,成長ホルモン,甲状腺ホルモンなどが適切に分泌されることが正常な成長にとって必要不可欠である。何らかの原因でこれらのホルモンの分泌が異常になると,成長異常をおこし,低身長,知能の遅れなどの障害をもたらす。成長はまた,遺伝と環境の両方の要因によって支配される。思春期前の成長は環境要因に,思春期のスパートは遺伝的要因によって,大きく影響されている。成長を左右する環境要因としては,気候,高度,SES,栄養などがある。雨期,乾期のような条件により季節的に生活条件が大きく変わる場合は,それに応じて成長速度が変化する。また,このように劇的な季節的変化がない場合も,身長は冬期よりも夏期に,体重は夏期よりも冬期に多く伸びるという傾向がある。

成長曲線(Growth Curve)
個体,部分,器官などのサイズの成長または個体数,細胞数などの増加の様子をグラフに曲線で表わしたもの。普通は横軸に暦年齢,縦軸に計測値をとる。曲線上の点は,自動車の距離メータの値のように,一定時間に到達した値(現量値)を表わす。ふつう成長曲線といえばこの現量値曲線のことである。ヒトの成長では計測間隔をあまり狭くすることは難しい。実際に得られるのは折線グラフである。成長曲線,とくに身長成長曲線,を数学的に取り扱おうとするいくつかの試みがある。一つは純粋な数学的モデルを当てはめて成長曲線を記述および説明しようとするもので,ロジスティック曲線,ゴンペルツ曲線などが古くから使われている。最近ではPreece-Bains曲線(1978),Jolicoeur-Pontier-Abidi曲線(1992),Kanefuji-Shohoji曲線(1990),あるいはBock-du Toir-Thissen(1994)のトリプルロジスティック曲線などが使われている。これらの成長曲線をつかって,例えば成人身長の予測などが可能である。もう一つはパラメーターに依存しない自由な曲線を当てはめて成長折線グラフを平滑化し記述しようとするもので,スプライン曲線(Largoら, 1978)やカーネル曲線(Gasserら,1984)などがある。これらの曲線は生物学的モデルを仮定しないので現実のデータをよりよく反映する。

成長勾配(Growth Gradient)
からだの各部はそれぞれ異なったテンポで成長する。すでにAristotelesは脊椎動物の発生では頭部の発生分化が早く,下肢が遅いということを記載している。1920年代になってこのような尾部から頭部に向かう部分の相対サイズが段階的に大きくなる現象を頭尾成長勾配と呼ぶようになった。Huxley(1932)とTeissier(1960)はアロメトリーを使って,カニの脚の各部が胴体に近い節から端の節に向かって成長テンポが早くなる成長勾配や後方の肢から前方の肢に向かい成長テンポが早くなる成長勾配を明らかにした。ヒトでも頭方から尾方へ向かいのアロメトリー係数が大きくなる(成長テンポが早くなる)成長勾配,四肢の各節の成人値に対する相対長が近位から遠位に向かい大きくなる成長勾配がある。

成長速度曲線(Velocity Curve of Growth)
成長曲線(現量値曲線)を時間で微分した曲線のこと。成長率曲線ともいう。自動車のスピードメータが示す値の時間変化のカーブに相当する。普通は横軸に暦年齢,縦軸に一年当りの増加量(年間増加量)を目盛って折線グラフを描く。年間増加量は同一個人の成長記録,すなわち縦断的資料,からしか求めることができない。S字状の現量値曲線では変曲点,すなわちスピードの変わる時点が分かりにくい。しかし成長速度曲線では変曲点はピークとして現われる。大部分の子どもの身長の成長速度曲線には小児期と思春期に大小のピークが出現する。これが小児期スパートと思春期スパートである。ある集団の標準成長速度曲線を求めようとするとき,年齢ごとに成長速度の平均をとっていくと最大増加(ピーク)のタイミングが異なるために最大増加の平均は鈍くなってしまう。そこで,ピークのタイミングをあわせて(PHV年齢尺度)から最大増加の平均を求める。このようにしてもとめた成長速度曲線がテンポ調整済み成長速度曲線である。

成長ホルモン(Growth Hormone)
下垂体前葉が分泌するホルモン。作用は二つあり,一つは直接からだの組織に働きかけ,糖の利用を抑制させ,蛋白合成作用を促し貯蔵脂肪を燃焼させる。もう一つはインスリン様成長因子の合成を促し骨の成長を助ける。思春期になると分泌量は増え,身長最大増加時期に最高となる。寝る子は育つの諺のように,成長ホルモンの分泌は深い睡眠が始まるころに分泌量が最高に達するような日内変動パターンを示す。

性的衝動の減退(Diminished Libido)
性の欲動が減少すること。

性同一性(Gender Identity)
男性,あるいは女性としての自己の確かな感覚。

性の型づけ(Sex Typing)
文化がそれぞれの性にふさわしいと考える行動や特性を獲得すること。

正の強化(Positive Reinforcement)
正の刺激提示により反応を強化すること。

性の恒常性(Gender Constancy)
幼児が,人の性が年齢や見かけ(たとえば,反対の性の服を着る)では変化しないことを認識していること。

正の誘因(Positive Incentive)
この種の対象や状況は,知覚されたり予期される場合にそれらに向けられた行動を引き起こす。

生物医学的療法(Biomedical Therapy)
心理的障害を生物学的な変化や身体的機構に関連づけることによって,つまり心理的障害を病気として扱い,医学的処置によって治療するのに使われた療法。

生物学的治療(Biological Therapy)
薬,電気ショック,あるいはその他の身体に直接影響を与える方法による情動問題や精神障害の治療法。

生物学的バイアス(Biological Biasing)
人間は遺伝学的に病気に「なりやす」く,そのため一般的な個体群の中で他の生物よりも発症しやすいという概念。

生物学的枠組み(Biological Perspective)
心理学領域への接近法で,身体内部,とくに脳や神経系内部で生起する電気的・化学的事象によって行動の説明を試みる。

生物心理学者(Biological Psychologist)
生物学的過程と行動との関係にかかわる心理学者。生理心理学者と同じである。

性役割(Sex Role)
社会が,性別に応じてその個人にふさわしいとみなす態度や行動の全て。

生理学(Physiology)
生活体とその一部の機能を研究する学問。

生理学的動因(Physiological Motive)
食べ物や水に対する要求など明らかな身体的要求に基づく動機。

生理学的年齢(Physiological Age)
生体の組織がもつ時計によって計る年齢のこと。必ずしも年を単位として表わすわけではない。客観的な外的な暦年齢に対して,組織の成長段階に密接に関連した個体に特有な内的な年齢をいう。たとえば,受精卵が細胞分裂を繰り返しているときの細胞数(細胞時計),心拍数(心臓時計),生えつつある歯の数(歯牙時計),骨化しつつある骨の数(骨化時計)などがある。また成長期に出現する一つの出来事のタイミングを基準時として,その前後に暦年齢を対応させることもある。身長成長での最大増加のタイミングに基づくPHV年齢尺度や初潮のタイミングに基づく初潮年齢尺度がある。

生理心理学者(Physiological Psychologist)
『生物心理学者』を参照。

積率相関係数(Product-Moment Correlation)
『相関係数』を参照。

赤緑色盲(Red-Green Color Blindness)
もっとも普通に見られる色盲で,二色型色盲の一つ。

接近−回避コンフリクト(Approach-Avoidance Conflict)
要求の対象が,同時に正と負の誘因性を持つ場合で,こわいもの見たさがこれである。また負の領域を通過しなければ,正の領域に到達できない場合もこれに当たる。手術を受けなければ健康を取り戻せない,といった場合である。

接近−接近コンフリクト(Approach-Approach Conflict)
2つまたはそれ以上の要求の対象が,ともに正の誘因性をもち,両方,ないしはすべてを満足させたいが,同時にそれをかなえることができないような場合である。

絶対閾(Absolute Threshold)
被験者が,問題とする属性の存在を, 50%の確率で検出できる物理的な刺激量。

節約率(Saving Score)
エビングハウスが記憶の研究で用いた記憶痕跡を示す指標の一つ。記憶材料を完全に記憶するまでの時間(または試行数)を測定して,一定時間経過後に再学習させた場合の時間(または試行数)の測定値の差を求め,最初の学習(原学習)時間または(または試行数)で割った値。再生・再認が不可能な場合でも何らかの記憶痕跡の存在を明らかにするものとして評価されている。

セリン(Serine)
セリンとはアミノ酸の1つで,ヒドロキシメチル基を持つ。SerあるいはSの略号で表され,IUPAC命名法に従うと2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオン酸である。セリシン(絹糸に含まれる蛋白質の一種)の加水分解物から1865年に初めて単離され,ラテン語で絹を意味するsericumからこの名がついた。構造は1902年に明らかになった。極性無電荷側鎖アミノ酸に分類され,グリシンなどから作り出せるため非必須アミノ酸である。糖原性を持つ。酵素の活性中心において,求核試薬として機能している場合がある。生体内では,解糖系の中間体である3-ホスホグリセリン酸から,ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.95),ホスホセリンアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.52),ホスホセリンホスファターゼ(EC 3.1.3.3)の働きにより合成される。プリン,ピリミジン,システイン,(バクテリアでは)トリプトファンなどの生合成に関与するため,代謝において重要である。酵素の部分構造に含まれ重要な役割を果たす。キモトリプシン,トリプシンなど多くの酵素の活性中心に存在することが示されている。いわゆる神経ガスや殺虫剤はアセチルコリンエステラーゼの活性中心のセリン残基に結合し,酵素反応を阻害することによって毒性を発揮することが知られている。神経伝達物質であるアセチルコリンがその役目を終えたあと,アセチルコリンエステラーゼがすぐに破壊して活性を失わせるが,これが作用しないと過剰のアセチルコリンが蓄積することになり,痙攣などの発作を誘発して死に至らしめる。蛋白質の構成要素としては,側鎖のヒドロキシ基によってグリコシド結合を形成するという特徴を持つ。これは糖尿病の症状を説明する際に必要となることがある。真核生物におけるシグナル伝達の際にキナーゼによってリン酸化される3種のアミノ酸残基の1つである。リン酸化されたセリン残基はホスホセリンとよばれる。セリンプロテアーゼは典型的なタンパク質分解酵素である。

セルフエスティーム(Self-Esteem)
自尊感情,自己有能感。自己評価の感情,自己意識の感情的側面のこと。

セロトニン(Serotonin)
末梢神経系および中枢神経系の神経伝達物質で,睡眠,痛みの知覚,気分障害(抑うつと躁うつ)を含むさまざまな過程に関わることが示唆されてきた,抑制性伝達物質である。

セロトニン再取り込み阻害薬(Serotonin Reuptake Inhibitors)
抗うつ薬の一種で,シナプスにおいて神経伝達物質のセロトニンを増加させる作用がある。

前意識(Preconsciousness)
この覚醒状態では,情報は,その時点では「心に浮かぶ」ものではないが,意識化しようとすれば意識できる。

前意識的記憶(Preconscious Memories)
意識に上って来ることのできる記憶。

線遠近,線遠近法(Linear Perspective)
遠近法における,奥行き知覚の単眼手がかり。平行線が一点に収束するとき,それは距離的に遠ざかるものとして知覚される。

全か無かの法則(All-Or-None Principle)
単一ニューロンの神経インパルスは刺激の強度とは無関係である,つまり,ニューロンは完全に反応する(活動電位を発火する)か否かのどちらかであるという法則。

前行健忘(Anterograde Amnesia)
健忘を引き起こす外傷に引き続いて生じる出来事や経験の記憶の喪失。たとえば,患者は新しい情報を記憶することができないが,健忘の兆候が現れる以前に学んだ情報の再生には概して影響はない。

潜在記憶(Implicit Memory)
知覚的,認知的技能の基礎となる記憶の一種で,改善に結びつく経験についての何らかの意識的想起がなくても,しばしばある種の知覚ないし認知課題の改善として示される。

潜在的内容(Latent Content)
夢に含まれる意味(たとえば,夢によって表現される願望の動機など)で,顕在的内容から解釈される。

潜時(Latency)
反応開始の合図から実際に反応が始まるまでに経過した時間。

染色体(Chromosomes)
体の各細胞核に存在する組織。

染色体異常(Chromosomal Aberration)
染色体数が正常より多かったり少なかったり,異常があったりするもの。ダウン氏症候群,タナー症候群はこの一種。

前操作期(Preoperational Stage)
ピアジェの認知的発達の第二段階のこと。この時期子供は象徴思考を行うが,特定の規則や操作を理解することはまだできない。

選択的強化(Selective Reinforcement)
特定の望ましい行動を強めること。

選択的順応(Selective Adaptation)
知覚において,運動を見る際に生じる運動に対する感受性の低下。観察された運動やそれに類似した運動に対する感受性は低下するが,方向や速度がいちじるしく異なる運動に対する感受性は保たれることから,この順応は選択的である。大脳皮質の神経疲労によって生じると考えられる。

選択的注意(Selective Attention)
認識するために,特定の情報を選択し,他の情報を無視するという知覚過程。

前庭器官(Vestibular Apparatus)
体の動きと運動感覚に必要な感覚器官を含む内示の器官。

前庭系(Vestibular System)
神経伝達物質が分布していて,情報を伝達する際の神経伝達物質として重要な働きをしていると考えられている。

前庭窓(Oval Window)
内耳にある蝸牛の膜のことで,連結した3つの骨(つち骨,きぬた骨,あぶみ骨)を介して鼓膜からの振動を受ける。前庭窓で生じた振動は蝸牛内部のリンパ液に類似の振動を引き起こし(リンパ流が生じ),最後に聴覚受容器である有毛細胞を活性化する。

前庭嚢(Vestibular Sacs)
耳石器(「耳石」)を含む球形嚢と卵型嚢と呼ばれる,内耳の迷路の中にある2つの嚢。卵型嚢と球形嚢のゼラチン質にある有毛細胞への耳石の圧力は,私たちに体の傾きや直線加速度の感覚を与える。

尖度(Kurtosis)
分布の性質のひとつで,分布が扁平であるか,あるいは尖っているかをあらわす数値。

前頭葉(Frontal Lobe)
各大脳半球の中心溝の前に位置する部分。

前頭葉白質切断法(Prefrontal Lobotomy)
脳の前頭葉と視床をつなぐ神経線維を切断する手術。他の治療では効果が出なかった重度の精神障害を持った人に対して行われた。

前脳(Forebrain)
脳の前,あるいは前部に位置する組織。

全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder)
持続性の緊張,不安症状。

潜伏期(Latency Period)
フロイトの精神分析理論では,性的衝動と攻撃衝動の双方が静まるおよそ6歳から12歳までの児童期中期の期間。

前部注意組織(Anterior Attentional System)
脳の前頭部にある神経構造で,対象の属性(対象の位置ではない)に対する選択的注意能力を媒介する。

線毛(Cilia)
受容器の一部をなす有毛組織。

せん妄(Delirium)
意識障害のひとつ。意識混濁,錯覚・幻覚,精神運動興奮・不安などが加わった特殊な意識障害。

総課題提示法(Total-Task Presentation)
刺激反応連鎖のすべての要素を同時に形成していく方法。

相関(Correlation)
相関係数。

相関係数(Correlational Coefficient)
相関(correlation),すなわち2つの変数間の関係の強さを表わす測度。一方の変数の値が大きくなればそれに伴って他方の変数の値がだいたい大きくなる(あるいは逆に小さくなる)傾向がみられるときに相関関係があるという。その相関関係の程度を表現する係数のことである。通常は-1〜+1の値をとる。0のときが無相関である。-1は完全な負の相関,+1は完全な正の相関があることになる。各変数の尺度の性質により,ピアソンの積率相関係数(product moment correation coefficient)や,順位相関係数(rank correlation coefficient)など,多くの種類が考案されている。

相関法(Correlational Method)
研究者の統制下にないある特徴が別の特徴と関連しているのか,あるいは相関しているのかを決定するために使われる研究法。

想起(Remembering)
記銘したことを後で思い出すこと。

双極細胞(Bipolar Cells)
網膜の細胞で,光受容器から神経節細胞まで電気的インパルスを伝導する。

双極性障害(Bipolar Disorders)
うつの期間と躁の期間を交互に繰り返す。(躁鬱病と同義)。

相互構成(Mutual Constitution)
個人が周囲の文化によって作られ,同時に彼または彼女の行動によって文化が作られるという,相互的な方法。相互構成の二つの様式は,独立(個人の独自性や独特であることに注目)と相互依存(集団や地域社会,より大きな集団とつながっており責任を負っているという感覚に注目)である。

相互作用モデル(Interactive Models)
高位の読解処理が下位の処理に影響を及ぼすというトップダウン・モデルの主張に加え,語彙技能の読解へのかかわりなどボトムアップ・モデルの重要性をも考慮に入れ,読解過程を説明可能にしたモデル。ボトムアップ理論,トップダウン理論の極論では説明しきれなかった限界点を受けて主張されるようになった。相互作用モデルの種類には,Rumelhartの相互作用モデルと並列分散処理モデルやStanovichの相互作用補完モデル,LaBerge and Samuels(1974)による「自動処理モデル」(automatic processing model),Perfetti(1985)による「言語効率論(verbal efficiency theory)」などがある。しかし,スキーマ理論を応用したものやボトムアップ理論を発展させたものなど,「相互作用モデル」とはいっても全てが統一された理論的背景をもつわけではない。このように理論的背景は異なるものの,全ての相互作用モデル(interactive models)に共通することは,(1)一見相容れないもの同士のように見える,bottom-upの主要な概念である語の効果的な自動化と,強力なtop-downの統制を合わせて説明できるということ,(2)bottom-upとtop-downの技能及び知識の混合度合いは読み手によって当然異なるし,ひとりの読み手であってもテキストによって当然変えるものであろうが,相互モデルはこの事実も含めて説明できるということである(Eskey, 1988)。

操作(Operation / Manipulation)
条件統制や独立変数の変化など,実験・観察を行なう際の具体的・物理的な実行制御の手続き。

早朝覚醒(Early Morning Walking)
朝早くに覚醒してしまう状態。睡眠障害の一つの型。

測定(Measurement)
変数に数を割り当てる体系。

躁転(Induced Mania)
気分が沈みこんだ状態(うつ状態)から,気分が高ぶった状態(躁状態)に変わること。

側頭葉内側部健忘(Medial-Temporal Lobe Amnesia)
脳の側頭葉の中央への損傷の結果として生じる,健忘ないしは記憶喪失の一形式。

相貌失認(Prosopagnosia)
脳の損傷に起因する,顔を認識する能力の欠損。

相貌的知覚(Physiognomic Perception)
主観と客観が未分化であることから外的事物を客体として把握できず,直感的・情緒的にとらえ,事物を情意的に知覚すること。例えば割れたビスケットをみて「ビスケットがかわいそう」というような場合である。事物を事物として捉えず,人格化して捉え,その中に表情を見るような知覚をいう。

ソーシャル・ワーカー(Social Worker)
社会福祉の援助活動を実践する専門家。

ソース(Source)
ネットワーク上での,データ発信元。

即時記憶(Immediate Memory)
持続時間が数秒から1分の記憶。

属性帰属(Dispositional Attribution)
人の行為を,状況要因ではなく内的属性(態度,性格特性,動機)に帰属させること。

測定尺度(Measurement Scale)
測定対象に数字を割当てるための物差し。名義尺度,順序尺度,間隔尺度,比率尺度の4種額がある。

測度(Measure)
測定(measurement)によって得られる量的結果,および測定(measurement)で用いられる基準単位のこと。測定(measurement)が事象をある原理に基づく尺度(scale)上に位置づけることであるのに対して,尺度上でのその位置を示す数値と単位のことである。

側頭葉(Temporal Lobe)
大脳半球の外側溝の下方。後頭葉前方の部分。

ソシオグラム(Sociogram)
集団の構造を理解するため,モレノによって考案された検査法にソシオメトリックテストがあるが,この集団内の個々人の選択・被選択の関係を直観的に理解しやすい図として表したもの。

組織的強化,体系的強化(Systematic Reinforcement)
望ましい反応を強化し(賞賛や具体的な報酬を与えることにより),望ましくない反応は無視することによって行動を変容させる方法。

粗大運動技能(Gross Motor Skills)
腕・足等の大きな筋肉の協応運動,強さや耐性力を表す。

ソマトタイプ(Somatotype)
Sheldon(1940)は体格の3つのタイプ(内胚葉型,中胚葉型,外胚葉型)を表わすのに各々の発達程度に応じて1〜7の数字を使った。7-1-1は内胚葉型を,1-7-1は中胚葉型,1-1-7は外胚葉型の極端な例である。これがソマトタイプである。どのタイプにも属さなければソマトタイプを4-4-4と表わす。Sheldonの方法は観察による主観的な分類であるが,Heath & Carter(1967)はこれを発展させて生体計測と算出式を採用した客観的なソマトタイプ分類法を示している。幼児期から思春期を通じて男児は中胚葉型,女児は内胚葉型を示す傾向がある。

ソマトメジン(Somatomedin)
『インスリン様成長因子』を参照。

ソンディ・テスト(Szondu-Test)
性格・人格に関する心理テストの一種。

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【た行】

第1種の過誤(Type L Error)
帰無仮説が正しいにもかかわらず棄却してしまう,統計的仮説検定上の誤り。

第1種の過誤(Type I Error)
統計的仮説において,標本の分析結果から母集団の特性を推測する際には,真の母集団の特性とは異なる結論に達する,つまり誤りを犯す危険性が必ず存在する。このような誤りには2種類のものがあり,その1つは,正しい帰無仮説を棄却し誤った対立仮説を採択する誤りであり,これを「第1種の過誤」という。

対応がある(Correlated)
比較する2つ以上のデータが,すべて同じ被験者から得られたものである場合,それらのデータには対応があるという。

対応がない(Independent)
比較する2つ以上のデータが,それぞれ異なる被験者から得られたものである場合,それらのデータには対応がないという。

体温調節(Temperature Regulation)
生活体が身体の体温を比較的一定に保つ過程。

体感幻覚(Cenesthopathy)
血管の中を虫が這っている,などという体感の幻覚。

退行(Regression)
低い発達段階に戻って未発達な行動をとることで当面の困難を回避すること。

代謝異常(Metabolic Abnormality)
生体内における物質の吸収・合成・分解・排泄の一連の代謝機能に異常が生じること。

代償機能(Compensation)
大脳のある部分が損なわれた場合に,他の部分がその機能を補うこと。

代償行動(Substitute Behavior)
何らかの要因により本来の欲求が満たされない場合に,他の形で解消しようとする行動。

対象の永続性(Object Permanence)
物体はたとえ見えなくなっても存在し続けるという理解。認知発達初期において重要。

対象の大きさ(Object Size)
見え方から判断される対象の大きさ。大きさの恒常性が保たれる場合,遠い距離の対象は,近い距離の対象と同じ大きさに見える。

対処行動(Cooping Behavior)
ストレスの下では,生体はストレス事態を引き起こす刺激に立ち向かい克服しようとしたり,逃避・回避・攻撃などさまざまな方略でこれを軽減しようと試みる。こうした行動を対処行動(コーピング)と呼ぶ。

対人関係療法(Interpersonal psychotherapy; IPT)
重要な人間関係における問題点を見つけ,人間関係を改善することで,症状を良くしていこうとする治療法。

対人認知(Interpersonal Cognition)
他者の感情・意図・態度などを認知すること。

耐性(Tolerance)
同じ薬効を得るために薬物を増量させる必要があること,。

体性神経系(Somatic Nervous System)
感覚受容器,筋肉,身体表面との間で信号のやり取りを行う。

代替検査信頼性(Alternate Form Reliability)
同じ検査の二つ以上の代替版を同一人物に行わせた場合のそれらの測定値間の一貫性。

第2種の過誤(Type II Error)
統計的仮説において,標本の分析結果から母集団の特性を推測する際には,真の母集団の特性とは異なる結論に達する,つまり誤りを犯す危険性が必ず存在する。このような誤りには2種類のものがあり,その1つは,帰無仮説がまちがっているのに棄却できない,統計的仮説検定上の誤り,これを「第2種の過誤」という。

大脳(Cerebrum)
中枢神経系にあり,身体諸機能の最高次の制御を司っている。

大脳半球(Cerebral Hemisphere)
ヒトや他の高等動物の脳を構成している二つの大きな半球で,神経細胞と神経線維からなる。両半球は深い溝により分離しているが,脳梁と呼ばれる太い神経繊維でつながっている(同意語,大脳)。

大脳半球優位(Cerebral Hemispheric Dominance)
大脳を形成する左右2つの半球が不均等な状態で,言語機能などに影響が現れるとされている。

大脳皮質(Cerebral Cortex)
大脳半球の表面を覆う,神経細胞の密集した薄い層。大脳皮質の中で系統発生的に古い部分は,古皮質・旧皮質であり,新しい部分は,新皮質である。発動された一次欲求の対象を特定したり,行動の対象となる目標の設定をするためには,大脳皮質とくに新皮質が重要な働きをする。

大脳辺縁系(Limbic System)
視床下部と密接に相互連絡する組織で,視床下部や脳幹によって調整される本能的行動のいくつかに補助的な制御を果たしているようである。

対比視力(Contrast Acuity)
明るさの識別能力。

代表値(Measure of Central Tendency)
分布の中心的な位置を表現する値のことで,たとえば平均値,中央値,得点分布の最頻値などがある。

タイプAとタイプB(Typea And Typeb)
冠状動脈性心臓疾患の研究で発見された二つの対照的な行動様式。タイプAは,時間の切迫感を持ち,リラックスできず,そのため,物事が時間通りに進まないことや無能とみなす人達に対して我慢できず,腹を立てる。タイプAは心臓疾患を発症する危険性が高い。タイプBは,罪の意。

タイム・アウト(Time Out)
不適切な行動を起こしたときに,一定の時間の対処によりその行動の減少,消失させる手続き。

代理強化(Vicarious Reinforcement)
観察学習では,直接の経験ではなく観察をしているだけでも学習が成立するとしたが,その観察の過程で,被観察者が強化をうけることまたは強化を受けないことが観察されるとこれが観察者によって強化因として働くという考え。

対立仮説(Alternative Hypothesis)
帰無仮説が棄却されたとき採用される仮説を対立仮説とよぶ。

ダウン氏症候群(Down's Syndrome)
染色体の中の21対目の分裂により生じる。知能発達障害,特徴的な顔貌,心臓疾患等を伴う。

タキストスコープ,瞬間露出器(Tachistoscope)
言葉,シンボル,写真,その他の視覚的刺激などを瞬間的に提示する機器で,Tスコープとも呼ばれる。

タクト(Tact)
物や出来事,あるいはその特徴が弁別刺激で,般性強化により形成・維持されている,弁別刺激と反応との間に1対1対応のない言語行動。

多血質(Sanguine)
ガノレスによる人格の古典的分類。血液が優勢で快活,敏感,耐久力に乏しい。

多元遺伝子的形質,ポリジ-ン形質(Polygenic Traits)
知性,身長,情動的安定など多数組みの遺伝子によって決定される特徴。

多幸(Euphoria)
内容がなく空虚で,あらゆることに楽天的な弛緩した気分。

多数の無知,多元的無知(Pluralistic Ignorance)
集団内の成員がお互いに事態について誤った認識をする傾向のこと。たとえば,他の成員が冷静で行動を起こさないという理由から,緊急事態を非緊急事態と定義してしまうこと。

多層ベースライン法(Multiple-Baseline Design)
行動的介入プログラムを開始時期と導入までのベースラインの長さを変えて繰り返し導入する実験計画法。

脱馴化(Dishabituation)
反復刺激の馴化に続く反応強度の回復。これは,刺激状況を変化させることで生活体の注意が更新されることを示している。

達成動機(Achievement Motive)
マックレイランド等によって研究が進み,マレーは,障害を克服し,困難な物事を迅速にかつ立派にやり遂げるために努力しようとする動機とした。

脱分極(Depolarization)
神経細胞膜の静止電位が活動電位の方向に変化することで,細胞膜の内側がより陽性になる。

脱力発作(Cataplexy)
姿勢を維持するための筋の緊張が発作的に低下・消失するために転倒したりする発作。

多動症候群(Hyperkinetic Syndrome)
落ち着きがなく,じっとしていることができない症状。

妥当性(Validity)
測ろうとしたものを測定できていること。

妥当性係数(Validity Coefficient)
検査得点と検査から予測される基準(基準変数)の間の相関。

妥当性尺度(Validity Scale)
質問紙法による人格検査における,でたらめな回答や,故意の回答歪曲を検出するために挿入される尺度。

楽しみの喪失(Loss of Pleasure)
うつ状態などでみられることがある,楽しいという感情が失われた状態。

タブラ・ラサ(Tabula Rasa)
ラテン語で,何もかかれていない石板という意味。人間は生来的に知識や観念を持たずに生まれ,すべての知識は学習や経験から得られるものであるという考え方。これは,17,8世紀のイギリスの経験主義者たち(Lockeロック,Humeヒューム,Berkeleyバークレー,Hartleyハー。

多変量実験(Multivariate Experiment)
同時に複数の独立変数を操作する実験。

単一性対非単一性(Unitary Versus Non-Unitary Nature of Working Memory)
ワーキング・メモリ(working memory: WM)の研究者の中には,WMが「単一性」であると主張する研究者(Cowan, 1999; Engle, Kane & Tuholski, 1999; Lovett, Reder, & Lebiere, 1999)がいる一方で,非単一性を主張する研究者(Baddeley &Logie, 1999; Kieras, Meyer, Mueller, & Seymour, 1999; Young & Lewis, 1999; Ericsson & Delaney, 1999; Barnard, 1999; Schnaider, 1999; O'reilly, Braver & Cohen, 1999)も存在する。単一性を主張する研究者たちのモデルの特徴としては,注意をWMの構成要素の中に組み込んでいることである。特にCowanは「WMは注意の焦点を含む」と明記し,容量制限を受ける対象になるのも注意の焦点が当たる範囲としている。またEngle et al. もWMを短期記憶と注意を合わせたもの(WM=STM+controlled attention)とし,WMの内部で維持される情報は必ず注意の制御下におかれるとしている。それに対して非単一性を主張する研究者の多くは,注意とWMの相互関係は認めるものの「別物である」という認識を持つものが多い(Kieras et al.; Young & Lewis; Schnaider)。最も古典的で実証データの多いBaddeley & Logieにおいても,「中央実行系が注意の統制に重要な役割を果たしているが,注意の制御は単一的な機能ではないし,中央実行系は注意の制御を司る唯一の機関でもない」としている。WMの単一性および専門性の見解の違いは,WMテストで測定するものに関わってくるものと考えられる。現在は短期間の保持と処理を行うWMテストが複数存在するものの,どのテストも批判の対象となるもの(Caplan & Waters, 2002)であり改善の余地を残している。つまり,WM容量の何を測定しているのかがわからないということである。

段階的電位(Graded Potentials)
他のニューロンのシナプスからの刺激によってニューロンの樹状突起や細胞体に誘発されるさまざまな大きさの電位変化。段階的電位が脱分極の閾値に達すると,活動電位が生じる。

短期記憶(Short-Term Memory; STM)
短期記憶とは,感覚記憶から情報が送られてくる場所と考えられているが,ここでの貯蔵容量には限界がある。普通7つ前後の項目を貯蔵・処理すると考えられている。また,ここに入った情報は,リハーサルすることができ,リハーサルする限り記憶されている。しかし,リハーサルしなければ,15〜30秒で消えてしまう。したがって,次の長期記憶に転送されない限り,記憶として残らず忘却が生じる。

喃語(Babbling)
乳児は泣きと笑いによって情動を表現する。生後2ヵ月ごろから特に情動的ではない状態においても音を発するようになる。このような声はやがてはっきりしたパターンをもってきて,反復音声が増加する。これを喃語という。

男根期(Phallic Phase)
フロイトの精神分析理論における心理性的発達の第三期。3,4歳から6歳ごろまでをいい,男女共に性器が関心の対象となり,性的感受性が高まる時期である。このために異性の親への性的感情が高まり,同性の親への敵対関係を強めるエディプス期をとおして,性的同一性を獲得していくと認識されている。

胆汁質(Choleric)
ガノレスによる人格の古典的分類。胆汁が優勢で短気,易怒,精力的。

単純恐怖(Simple Phobia)
現実的な危険のない特定の事物,動物,状況に対する過度の恐怖。

単純細胞(Simple Cell)
視覚野にある細胞で,視野内の特定の方向や位置にある明るい線分や直線の縁に反応する。

単純ベースライン法(Simple Baseline Design)
行動的介入プログラムを導入する前にベースラインデータを収集する実験計画法。

談話心迫(Pressure Talkativeness)
黙っていられずに次々と話し出す。

知覚(Perception)
見る,聞く,触れる,感じる等直接感覚器官を通じて,周囲の状態や変化を知ること。

知覚的防衛(Perceptual Defense)
意識的な知覚系が,個人の無意識的な知覚系によって気づかれている不安喚起事態を認めるのを防ぐこと。

知覚内容(Percept)
知覚過程の結果で,個人が知覚する事柄。

知覚の恒常性(Perceptual Constancy)
網膜上の印象が絶えず変化しても,対象の見え方は一定を保つこと。

知覚パターン化(Perceptual Patterning)
近接,類同,連結,閉合のような原則に従って刺激を知覚する傾向。

知識(Information)
WISCの下位検査の一種。

知性化(Intellectualization)
情動的に脅威の状況を抽象的・知性的な言葉で言い表わすことによって,状況から離れようとする防衛機制の一つ。

チック(Tic)
顔面・頸部などの筋肉が不随意かつ突発的に動く症状。

知能(Intelligence)
知能の定義はさまざまであり,広義の認知機能を意味する幅広い概念ととらえるとよいであろう。知能は一般に,因子分析法によって因子を抽出する方法で行われている。知能の研究者で代表的なスピアマンは,一般因子と特殊因子の2因子からなっていると考えた。次にサーストンは,2因子だけでなく,もっと多くの因子から成っているという多因子説を提唱した。ギルフォードは,知能構造モデルを作った。

知能指数(Intelligence Quotient; IQ)
標準化した知能検査から得られる指数。元来は精神年齢を生活年齢で割った数に100をかけることで得た。現在では知能テストの点数として直接算出される。

チャンキング(Chunking)
新しい情報を意味のあるより大きな単位で記録し,それらを作業記憶に貯蔵すること。

チャンク(Chunk)
短期記憶は,同時に保持できる情報の量には限界がある。数字だと7個前後が記憶範囲である。文字についても,無意味綴りなら7綴り程度,単語としてのまとまりのある材料なら7単語程度一度に覚えられる。このように記憶範囲は,意味的にまとまりのあるものを単位として7単位ぐらいとされる。この単位のことをチャンクとよぶ。

チャンク化(Key Terms Chunking)
個々の情報項目を類似性や連合や他の体制化原理に従ってより大きな全体に統合する過程。

注意の移動(Attention Shift)
特定の刺激に対する注意を持続が他へ移ること。

注意(Attention)
より詳細な検査のためにある情報は選択し,他の情報は無視するという能力。

注意欠陥多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder; ADHD)
通常,7歳までに認められる脳の発達障害で,多動性,注意力障害,衝動性を特徴とする。発症率は3〜5%程度と非常に高いことが分かってきた。この障害も広汎性発達障害と同様,男性に多く,男4〜6:女1である。広汎性発達障害に近縁の障害であるが,自閉症の診断が優先されているため,自閉症と診断された場合にはADHDの診断は省略される。通常,言語の獲得には異常がない場合が多く,就学後,その行動異常が問題になってくる。

注意持続困難(Short Attention Span)
特定の刺激に対して注意を持続できる時間が短い状態。

中央値(Median)
統計用語。代表値のひとつ。データを大きさの順に並べ換えたときの真ん中の値。

中央制御部(Central Executive)
短期記憶において,聴覚バッファーと視覚バッファーを統合する符号化過程の仮説的要素。

中央値(Median)
データを大きさの順序で並べたときに,ちょうど中央に位置する値。50パーセンタイル。順序尺度によるデータの代表値としてよく用いられる。

仲介変数(Intervening Variable)
刺激と反応の間に生じると仮定された過程のことで,これは一つの刺激に対しては一つの反応のみを考慮する。仲介変数は更なる特定作業なしに推定されるか,具体的特性が与えられて研究対象となる。

中隔野(Septal Area)
脳の中央深部で両側脳室間に位置する部位で,ここに電気刺激を与えると快とよく似た状態を引き起こすと考えられる(少なくともラットでは)。

中間効果(Intermediate Effect)
先行知識(prior knowledge)の量により,novice(またはbeginner; 先行知識が少ない人),intermediate(中程度ある人),expert(またはadvanced; 多くある人)に分けたときに,intermediateがexpertより多く情報を再生し,理解が高くなる現象である。それが起こる理由については,3種類の説明がなされている。(1)Patel & Groen(1991a, 1991b)の説明:expertはmacrostructureを使って関連のある情報を選び,再生するため。(2)Schmidt & Boshuizen(1993)の説明:expertは知識を要約(encapsulation)するため(命題の詳細が,より一般的な概念に要約されるため)。(3)Caillies, Denhiere, & Jhean-Larose(1999)の説明: beginnerとintermediateの先行知識は,長期記憶の中で,時間的因果的構造をしており,advancedの先行知識は,階層的目的論的構造をしている。そして,長期記憶の中での表象に近い構造で書かれたテキストを読む際,理解できる量が増える。よってintermediateは,時間的因果的構造を持つテキストを読む場合,advancedよりも理解できるためintermediate effect が起こる。この仮説は実験により支持された。(all information, as cited in Caillies et al., 1999)。

抽象(Abstractions)
一つの事例ではなく,複数の事例を特徴づける性質。

中心窩(Fovea)
眼球内の網膜の中心部分の小さな領域で,錐体が高密度に分布しており,日中に視対象の細部や色を見るのに適した網膜の最も高感度の部分。

中心核(Central Core)
脳の最も中心にある部分で,基本的生命過程を統御する構造を含んでいる。

中心傾向(Central Tendency)
評定者が評定尺度の両極(たとえば「非常に優れている」や「非常に劣っている」など)の評定を避け,大多数の評定者を尺度上の中心値あるいは平均値の近辺に集中して評定してしまう傾向のこと。

中心溝(Central Fissure)
前頭葉と頭頂葉を分離する,左右の半球にある亀裂(同意語,ローランド溝)。

中心転換(Recentering)
問題状況のみかたを変えること。先入観や末梢的な情報に惑わされず,問題状況の構造に即した中心をつかむことによって問題が解決される。

中枢神経(Center Nerve)
頭部および脊髄腔にある行動・思考などをつかさどる神経系。

中性刺激(Neutral Stimulus)
ある反応に関してその反応を制御しない刺激。

中脳(Midbrain)
脳の中央部分。

中脳辺縁系ドーパミン・システム(Mesolimbic Dopamine System)
脳幹上部にあるニューロン群のことで,食物やその他の報酬の誘因動機づけにとって重要である。このニューロンは,中脳に始まり,軸索を前脳の辺縁系組織に上向きに投射され,そこで神経伝達物質としてドーパミンを放出する。

中枢神経系(Central Nervous System; CNS)
脳と脊髄にあるすべてのニューロン。

聴覚性失認証(Auditory Agnosia)
聴覚を通じた意味把握が困難な認知障害。

聴覚バッファー(Acoustic Buffer)
短期記憶において,聴覚的コードの情報(たとえば,数字,文字,単語などの音)を短期間貯蔵する。符号化過程の仮説構成要素。

聴覚フィルター(Auditory Filter)
聴覚末梢系の働きは,周波数軸上に,重なりあって並んだ一群の帯域通過フィルターを想定することによって,近似的に記述されうる場合がある。この仮想上のフィルターを聴覚フィルターと呼ぶ。例えば,ある純音に対して,雑音が(完全な)マスキングを及ぼしうるか否かを見るには,聴覚フィルターを,純音がどの程度通過し,雑音の成分がどの程度通過するかを,それぞれ計算し,両者のレベル差を見ればよい。ただし,純音の検出に最も有利なフィルターを選ぶ必要がある。聴覚フィルターの概念は,臨界帯域の概念に似ている。

聴覚野(Auditory Area)
各大脳半球の側頭葉の表面に位置する脳領域で,ここでは聴神経により伝達される聴覚的信号が分析される。各半球からの神経線維は,聴覚野に達する前に脳幹で交差するので,それぞれの耳からの信号は両方の側頭葉に伝達される。

長期記憶(Long Term Memory; LTM)
数分,数時間,あるいは数年間保持する記憶。長い場合は生涯にわたって情報が残ること。

長期作動記憶(Long-Term Working Memory)
読解など複雑な認知課題には記憶が関連する。ワーキング・メモリ(working memory: WM)は,感覚特性,言語学的表現,命題構造,状況モデル,語彙知識,フレーム及びスマータ,先行するテキストや文脈のエピソード記憶などの面でテキスト理解と関わる(vanDijk & Kintsch, 1983, p.347)。しかし読解においては,典型的な短期作動記憶(short-term workingmemory: ST-WM)の容量制限(7 chunks)は当てはまらない。記憶実験の結果と日常生活や専門的な活動における記憶容量には差があることから,Erricson & Kintsch(1995)などの論文は日常的および専門的な活動における記憶についても古典的理論の枠組みを拡張する必要性があるとして,「長期作動記憶(long-term working memory: LT-WM)」の概念を主張した。LT-WMは長期記憶(LTM)の活性化された要素(別名:短期記憶(STM),注意の焦点,意識)である。テキスト理解においてLM内の項目が検索されると,その項目はWMに入り,認知プロセスへ影響する,というプロセスを踏む。検索構造を組織するには豊富な知識が不可欠であるが,読解などの活動においては知識だけでなく,ウェイターが注文を読み上げるときのように,発達した検索ストラテジーも必要である。このようにテキスト理解において検索構造を構築するスキルは,はじめから読解に含まれているものであり,領域に特有なストラテジーではない。読み手に背景知識がある領域ではLT-WMは使用可能であるが,読み手に背景知識がない領域ではLT-WMは使用できない。短期作動記憶(ST-WM)は厳格に容量が制限されるが,LT-WMが制約を受けるのは検索構造(STMを通してアクセスされる)の程度と性質によってのみである。

長期増強(Long-Term Potentiation)
学習の神経的基礎に関する現象で,ニューロンは,一度刺激されると,その後刺激されたときに(少なくとも数ヶ月間は)活動率の増加を示す。

調査(Survey)
ある特定の種頬の情報の探索方法。一般的には質問紙,面接あるいはすでにつくられた尺度,たとえば知能尺度や適性尺度などを用いた研究を指す。

超自我(Super Ego)
フロイトは人間の精神構造をイド,自我,超自我の3つの構成概念を用いて説明した。超自我は自我の形成後に,両親のしつけや文化的,社会的価値基準を取り込んで形成される。道徳原則に従い,イドを厳しく管理する。

超心理学(Parapsychology)
テレパシー,透視,予知,念力などの超能力やいわゆる超常現象について科学的方法論を用いて明らかにしようと試みる分野。

丁度可知差異(Just Noticeable Difference; JND)
二つの刺激を区別できる最小の刺激差のこと。丁度可知差異は,絶えず標準刺激に対して一定の割合(40分の1)を取るということから,人間の感覚・知覚の心的過程には法則性がある。これは,心理学の歴史の中で一番初めに数量化されて記述された法則で,フェヒナーによってヴェーバーの法則と呼ばれる。

超複雑細胞(Hypercomplex Cell)
視覚皮質にある細胞のことで,特定の方向や長さに反応する。

直後強化(Immediate Reinforcement)
強化の効果は反応と強化との間に遅延があるほど減少し,遅延が1分以上になると無効となる。

貯蔵(Storage)
符号化段階から物理的入力情報を保持・貯蔵すること。

直観像(Eidetic Imagery)
ほぼ写真のような鮮明な状態で,光景の視覚イメ-ジを保持しつづけられる能力のこと。この種のイメージは,単に記憶するよりはるかに詳細な部分まで描き出せる。

チロシン(Tyrosine)
チロシンはアミノ酸の1つで,側鎖にフェノール部位を持つ。2-アミノ-3-ヒドロキシフェニルプロピオン酸あるいはp-ヒドロキシフェニルアラニンとも呼ばれる。略号はTyrまたはY。タンパク質を構成するアミノ酸。極性無電荷側鎖アミノ酸あるいは芳香族アミノ酸に分類される。糖原性・ケト原性を持つ。フェニルアラニンのヒドロキシル化---チーズから発見されたため,それを意味するギリシャ語のtyrosからtyrosineと名付けられた。ヒドロキシ基の位置が異なる3種類の異性体,パラ-Tyr(p-Tyr),メタ-Tyr(m-Tyr),オルト-Tyr(o-Tyr)が存在するが,フェニルアラニンヒドロキシラーゼによる酵素反応で合成されるのはp-Tyrのみである。他の2つの異性体は酸化的ストレスが高い場合にヒドロキシルラジカルの攻撃によって生成する。チロシンは酵素チロシンヒドロキシラーゼによってドーパに変換される。プロテインキナーゼの作用でリン酸基による修飾を受け,ある種の酵素の機能や活性を変化させるため,シグナル伝達で重要な役割を果たしている。リン酸化されたチロシンはフォスフォチロシンと呼ばれる。また,チロシンは甲状腺ホルモンのチロキシン,トリヨードチロニンやメラニン色素,生理活性なカテコールアミンであるドーパミン,ノルエピネフリン,エピネフリンの前駆体である。ケシがモルフィンを生産する際にも用いられている。動物ではフェニルアラニンよりフェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼ(EC 1.14.16.1)と補酵素テトラヒドロビオプテリン(tetrahydrobiopterin)の作用により合成されるが,これにはフェニルアラニンが豊富に存在する必要がある。フェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼ遺伝子の欠損は,フェニルケトン尿症の原因となっている。植物や多くの微生物はシキミ酸経路によってプレフェン酸を経て合成を行う。プレフェン酸はヒドロキシ基を残したまま酸化的脱炭酸によってp-ヒドロキシフェニルピルビン酸となる。これがさらにグルタミン酸を窒素源としたアミノ基転移を受け,チロシンが生成する。

ツァエガルニク効果(Zeigarnik Effect)
忘却に関する影響性の一つ。レヴィンは,人が欲求に基づいてある目標指向的行動をするとき,緊張が生じ,これが持続すると考えた。そしてこの緊張は目標が達成されたとき始めて解消し,緊張の解消をもって忘却されることになるという。このことから目標が達成されないで中断した未完了課題では,なおも緊張が持続していて,完了した課題に比較して記憶の保持がよいという。この未完了課題における記憶への効果をいう。

追試(Replication)
新しいサンプルや新しい被験者を使用して先行実験の方法を正確に再現すること。繰り返し同じ知見が得られると,元の仮説の支持を強め,そしてその仮説をつくり出した理論がより確からしくなるため,追試は重要である。一般に心理学以外の科学においては大変重要視される。

追想(Reproduction)
記憶の構成要素。保持されたものを再び意識に戻すこと。思い出すこと。

対提示手続き(Pairing Procedure)
好子でも嫌子でもない刺激を好子か嫌子と組み合わせて提示する。

通過症候群(独:Durchgangssyndrom)
頭部外傷などの回復期で,意識障害はほとんどないが自発性が低下したり,感情が障害されたり,幻覚妄想が生じたりという中間的な状態を通過する。

月の錯視(Moon Illusion)
地平線の近くにある月と天頂にある月とを見比べると,どちらの位置にある月も同じ網膜像を形成するにもかかわらず,地平線の月の方が天頂の月よりも50%ほど大きく見えるという,知覚の錯覚。

TM(Transcendental Meditation; TM)
超越瞑想法。

定位反射(Orienting Reflex)
(a)皮質アルファ波の抑制,皮膚電気反射,瞳孔の拡張,複雑な血管運動反応などの,刺激の変化に対する不特定の反応(ロシアの心理学者が提唱した用語)。(b)生活体の受容器を刺激変化が起きた環境に向けさせる,頭や身体の動きのこと。

DSM-IV(Diagnostic And Statistical Manual of Mental Disorder Fourth Edition)
1994年にアメリカ精神医学会が刊行した「精神障害の診断と統計の手引き」第4版。

低覚醒(Underarousal)
目覚めが浅く,ぼんやりしている状態。

定間隔(Fixed Interval Schedule; FI)
前回の強化からある一定時間が経過した後の最初の反応に対して生活体は強化される。

定義(Definition)
ある概念や語義について,明確に定めたもの。

ジーン・ディクスン(Jeane Dixon)
ケネディ大統領の暗殺を予言したことで知られるアメリカの女性予言者。

t検定(T-Test)
2つの平均値の差を比較するための統計的仮説検定の手続きの1つ。検定の際にt分布を用いることからこの名がある。

抵抗(Resistance)
無意識の衝動を意識レベルまで引き上げることに対する心理的障壁。

T細胞(T-Cell(Thymus-Dependent Cell))
異種抗原(酵素,毒素,その他の物質)を発見し破壊するリンパ球の一種。身体の免疫反応において重要な役割を果たす。

低酸素症(Hypoxemia)
正常な機能を営むに充分な酸素が供給されない状態。

定時スケジュール(Fixed-Time Schedule)
反応とは無関係に一定時間がたてば好子が提示されるスケジュール。

ディセプション(Deception)
実験の目的を対象者に初めに知らせると結果に歪みが生じることが予想される場合,本当の目的を知らせなかったり,別の日的であると偽って実験を行なうこと。後にデブリーフィングが必要となる。

T得点(T-Score)
得点の分布が平均50,標準偏差10の正規分布に近似するように換算して得られた得点のこと。偏差値とも言う。

低反応率分化強化(Differential Reinforcement of Low Rate)
最後の反応からある一定の時間が経過した後の反応に好子が随伴する強化(DRL)。

定率(Fixed Ratio Schedule; FR)
強化される前になされなければならない反応数がある一定の値に固定されている。

データ駆動学習(Data-Driven Learning)
連合学習の一種で,人が学習されるべき関係について予断を持っていないので,学習は入力刺激やデータによってのみ推進される。

デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic Acid; DNA)
すべての生物の基本的な遺伝物質で,糖デオキシリボースと結合したヌクレオチド重合体を基本骨格とする。高等な生物になると,DNAの大部分は染色体内部に配列されている。

デカルト座標変換法(Cartesian Transformation)
からだの各部分の成長テンポの違いがかたちの変化をもたらす。これを数学的に表わすためにゴム膜にデカルト座標(直交座標)を設定しこの座標系に幼児の顔を描いてみる。X軸に近い領域をマイナスのY方向に引き伸ばしてみると,成人の顔かたちに近づく。このときの座標系の歪みが各部の成長テンポに対応している。D'Arcy Thompson(1942)はこの方法で個体の成長,種間の形態の比較が可能であることを示した。

適応障害(Adjustment Disorder)
欲求を満たされないときに葛藤や不満を生じさせないように生活することを適応というが,そのシステムがうまく作用しないで不具合が生じている状態。

適性(Aptitude)
学習能力のこと。たとえば,タイプ・ライターで練習する前の個人のタイプを打つ能力のこと。適性検査は,訓練の結果を予測するように作られているため,現在の能力をもとに未来の能力を予測することにも使われる。

db(Decibel)
『デシベル』を参照。

デシベル(Decibel; dB)
音の強度の測度で,10デシベルの変化は音量を10倍に上げることに相当し,20デシベルの変化は音量の100倍に相当する。

デジャ・ヴュ(Déjà-Vu)
一度も経験したことがないはずなのに,以前にどこかで経験したような気がすること。(既視感)。

テスト・バッテリー(Test Battery)
心理判定などで複数の検査を組み合わせたもので,その合成得点は個人差を評価するのに使われる。

テストステロン(Testosterone)
アンドロゲンの一種で思春期に髭,脇毛,陰毛の急激な発達を促す。また声が低くなったり,男らしい体型を作る筋肉の形成,外生殖器の成長を促進する。

テストバッテリー(Test Battery)
テストの目的や意図を正確に反映する結果を得るためにいくつかの検査をあわせて実施することをいう。きまったバッテリーを組むこともあるが,臨床場面などでは,ここの患者毎に問題にすべきと考えられる点について,その特徴を明らかにすることができるようなバッテリーを組むことが重要になる。

デストルドー(Destrudo)
死の本能の精神エネルギー。リビドーは性の本能の精神エネルギー。

手と目の協応(Eye-Hand Coordination)
手と目の2つの身体器官が協応して機能すること。

デブリーフィング(Debriefing)
ある研究や実験が完了したときに被験者に与える説明である。そのような説明にはその研究が関係している理論の概略,その研究の問題と仮説,対象者になされたことの意味が含まれなければならない。いわゆるディイセプションが行なわれた場合には,なぜそれが必要だったのかを明らかにすることになる。

デルタ波(Delta Waves)
『脳波』を参照。

転移(Transference)
もともとは精神分析の概念。患者がそれまでの生活史で他者に対して持ってきた感情や態度を,それらの人に置き換えて医師に対して向けることをいう。

癲癇(Epilepsy)
発作的で一時的な脳機能の異常。

転換性障害(Conversion Disorder)
転換とは,ある欲求が抑圧された結果生じた無意識的な感情葛藤が,体の症状となって現れる反応様式をいう。

天井効果(Ceiling Effect)
『測定上の問題点の1つ。測定値が最大値に達するために,独立変数の効果を検出できる変化量がわずかしかない場合。床効果』を参照。

転導推理(Transduction)
推理の仕方には,特殊な事例から一般的な原理を導く帰納的推理と,その逆に一般から特殊への演技的推理があるが,幼児にはそのどちらでもない,いわば特殊から特殊への推理がみられる。このことをシュテルンが転導推理と名づけた。

テンポ(Tempo)
時間的な繰り返しの,頻度もしくは速さ。音楽の拍に関して用いられることが多い。物理的な意味と,主観的な意味との,双方で用いられる。多くの楽曲においては,テンポが,「速く」,「遅めに」などの言葉で指示されたり,1分当たりの拍数や,総演奏時間によって指定されたりしており,このような楽曲を実際にどのようなテンポで演奏するかを決めることは,演奏家の重要な役割である。

テンポ調整済み成長速度曲線(Tempo Conditional Velocity Curve of Growth)
『成長速度曲線』を参照。

テンポラルレゾリューション(Temporal Resolusion)
カーディアックなどの解析に使用できる最少時間。

動因(Drive / Motive)
動機づけの内的原因であって,外的な出来事とは独立して生じる。動機づけの動因理論では,生理学的状態とホメオスタシスの役割が強調される。

動因低減説(Drive-Reduction Theory)
動機づけられた一連の行動は,緊張が高められた嫌悪的な状態(あるいは動因)から動因が減少する目標状態までの動きとして最もよく説明できるという理論。言い換えると,行動系列の目標点は,動因低減である。

投影(Projection)
自己の受け入れ難い衝動を抑制し,それらの衝動を持つとみなした他者に対して敵対的態度を示すこと。

投影法,投影検査法(Projective Techniques / Test)
あいまいさ,不完全さ,または多義性をもった刺激を提示し,許容的な状況の中で,被験者に比較的自由に反応を求め,その反応の中に投影される被験者の欲求,不安,その他のパーソナリティ特徴を理解しようとするもの。

同化(Assimilation)
ピアジェの認知発達理論によると,乳児が既存のシェマ(スキーマ)を使って新奇の事物や事象を理解する過程。

動悸(Palpitation)
心臓の拍動を感じること。

動機づけ(Motivation)
行動を発動させ,方向づける条件。

統計(Statistics)
数量的データの収集,分析,解釈などの問題を扱う数学の一分野。データを得た集団の記述と説明を目的とする記述統計(descriptive statistics)と,無作為標本に基づいて母集団に関する推測を行なう推測統計(inferential statistics)がある。

統計的仮説検定(Statistical Hypothesis Testing)
収集したデータの統計的性質に基づいて,推論の妥当性を判断するための方法の総称。

統計的有意性(Statistical Significance)
現実についての記述として得られた統計的測定の信頼性。たとえば,母集団の平均値が標本データから決定された限界内におさまる確率などがある。これで示されるものは,統計結果の信頼性であり,統計結果の重要性ではない。

統計量(Statistic)
母集団からの無作為標本に関する数値。例えば,平均値。

瞳孔(Pupil)
虹彩(眼球の色のついた部分)の丸い開口部で,目に入る光の強さに応じて散大,収縮する。

統合化(Consolidation)
分化した個々の器官・機能が一つの体系に組み込まれること。

統合困難(Disorganization)
部分を関係づけて全体を構成することが困難なこと。

統合失調症(Schizophrenia)
深刻な人格の崩壊,現実の歪曲,ならびに日常生活の機能不全を特徴とする一群の障害。

動作性検査(Performance Test)
作業や実演を通して,非言語性の知能・創造性・運動等の能力を測定しようとする検査。

洞察(Insight)
(a)問題解決の実験において解決に導く関係の知覚。このような解決方法は,その後再び問題に直面したとき直ちに利用される。(b)心理療法においては,葛藤以前と以後の出来事の動的な関係を自覚することで,その結果,葛藤の原因に気づくことになる。

同時処理(Simultaneous Processing)
同時にその状況の中の複合刺激(文脈,状況,表情,会話など)を処理し今どのようなことを実行するのかの判断をするもの。

投射(Projection)
自我防衛機制の一つ。自分自身の中に生じた欲求や情動が自我を脅かすものである場合,これを他者がもっているものと考えることで,自我の崩壊を回避しようとするもの。

動静脈奇形(Arteriovenous Malformation:Avm)
膨張した動脈と静脈が絡み合って生じる動静脈の形成異常。通常,動静脈の短絡路(shunt)を伴う。一般的に血管壁は脆弱なため,クモ膜下出血などの原因となる。

統制(Control)
従属変数の変動が独立変数の系統的操作に関係しており,剰余変数には関係していないことを保証する手続き。基本的な3つの型は,操作,条件の恒常化,カウンターバランスである。

統制群(Control Group)
標準的な処置を受けるか,あるいは何も処置を受けない被験者(体)のセット。実験群に対する比較の基準として使用される。対照群ともいう。

統制刺激(Controlled Stimulation)
生活体の知覚経験を組織的に変化させてその後の遂行に及ぼす影響を決定するための条件のこと。たとえば,生後2,3ヶ月間,縦縞模様だけが見える環境で子ネコを育てること。

統制条件(Control Condition)
実験のなかで,独立変数以外の実験条件を可能な限り実験群と合致させた条件。従属変数の変動が,独立変数以外の要因で生じないことを保証する条件。

統制変数(Control Variables)
共分散分析(analysis of covariance)などの相関分析に用いられる剰余変数のこと。従属変数の変動のうち,剰余変数によって起こる変動成分(誤差成分)を取り除いて,独立変数の効果を検討しようとする場合に,統制すべき変数という意味で,統制変数という。

統制理論(Control Theory)
家庭・学校のしつけ,教育不足が非行などの原因になるという説。

闘争か逃走かの反応(Fight-Or-Flight Response)
生活体を緊急時に向けて準備させる身体反応様式のこと。これらには,瞳孔散大,心拍数,血圧,呼吸,筋緊張野増加,ならびにエピネフリンやノルエピネフリン,ACTHやその他のホルモンの分泌が起きる。その一方で,唾液,粘液分泌の減少,消化活動の低下,血管収縮が生じる。

同調行動(Conforming Behavior)
集団中の多数成員の行動と同じ行動をすることをいう。集団の凝集性が高く,成員がその集団にとどまっていたいと願うほど,また刺激や情報があいまいで判断に確信をもてない状況ほど,強い同調傾向を生じる。

特徴抽出器,特徴検出器(Feature Detector)
複雑な刺激布置において,目立つ特徴を検出する知覚機構の一般的用語。たとえば,視覚には,線分(あるいは縁)の検出器が存在する。私たちが目にするすべての物は近似的には一連の線分が相互にある角度で接合されているため,特徴検出器は複雑な形を認識するための基礎単位である。

頭頂葉(Parietal Lobe)
大脳半球の一部。中心溝の後方で前頭葉と後頭葉の間に位置する。

逃避学習(Escape Learning)
嫌悪事象から逃避するために反応することを学習する。

同胞(Sibling)
きょうだい。

ドーパミン(Dopamine)
神経細胞の活動を伝える化学物質で,足りなくなると運動神経や感覚神経など神経系の働きが故障する。統合失調症の一因になると考えられ,それ特定の酵素によってアミノ酸から合成され,またノルエピネフリンに変換される。

ドーパミン仮説(Dopamine Hypothesis)
統合失調症が,神経伝達物質であるドーパミンの過剰と関係があるとする説。つまり,統合失調症患者は,ドーパミンを過剰に分泌しているか,あるいは異常に多くのドーパミン受容体を持っているかのどちらかであると考えられている。

トゥレット症候群(Gilles De La Tourette Syndrome)
トゥレット症候群は,多様性の運動チックと1つ以上の音声チックが長期間に亘って続くチック障害。

読筋術(Muscle Reading)
相手の手首を握った術者が,その人の望んでいることを読み取って,そのとおりの行動をしてみせる術。

特殊飢餓(Specific Hunger)
甘いものを欲しがるように,ある特別な食物の誘因に対する飢餓。

特殊神経エネルギー(Specific Nerve Energies)
ヨハネス・ミュラー(Johannes Muller)の提唱したもので,脳は,感覚様相間の質的違いを,関与する特殊神経経路によって符号化する。

特殊性による符号化(Coding By Specificity)
関与する特定のニューロンによって感覚の質を符号化すること。

特性論(Traits Personality)
特性論の基本的立場は,「神経質」とか「強調的」というパーソナリティ特性は誰もが共通に持っているものであり,個々人の性格の違いは,そのような特性が強いかー弱いか,多いかー少ないかの量的な差異,すなわち程度の問題によって決まるのであって,質的な問題ではないと考える考え方。

独立変数(Independent Variables)
因果関係の原因と仮定される要因であり,行動に及ばす影響を決定するために実験者が操作する変数。

度数分布(Frequency Distribution)
データ集計法の1つ。ある変数をいくつかの水準に分け,各水準ごとに観察された頻度(人数,回数など)を集計する。

途絶(Blocking)
意識障害がないのに,思考や行動の流れが突然停止し,行動や談話が中断するが,まもなく元に戻る。

トップダウン処理(Top-Down Processing)
トップダウン処理(top-down processing),ボトムアップ処理(bottom-up processing)とは,読解過程における情報処理の「方向性」を示している用語である。トップダウン処理は,テキストに書かれている1語1語の意味よりも,書き手の意図やテキスト全体の意味により注意を払いながら読みを進めていく読み方である。読解力の優れたL1またはL2学習者は,このようなトップダウン処理的な読み方をする傾向がある。(姉崎, 2000)一方,ボトムアップ処理は,読み手がテキストを読むとき,単語1つ1つの音声または文字の知覚分析から始まり,語の意味が読み手の知識から引き出され,句,文,段落間の意味理解へと進み,テキスト全体を把握するといった積み木を積み上げるような読み方のことである(渡辺, 1996)。読解力の弱いL2学習者は,文法構造や単語の意味理解,発音と綴りの一致に注目する読み方をする傾向があり,文全体の意味の把握ができないといったボトムアップ処理偏重の読み方をする傾向がある(姉崎, 2000)。

Trios(Time Rhythm Improvisation Orality Spirituality)
奴隷制度の後遺症の影響や辛い体験がアフリカ系アメリカ人の時間,リズム,即興,話し言葉,霊性の概念に表れることがある,という心理学者ジェイムス・ジョーンズの理論。

トリプトファン(Tryptophan)
トリプトファンはアミノ酸の一種で,2-アミノ-3-(インドリル)プロピオン酸のこと。スペルはTryptophan,略号はTrpまたはW。側鎖にインドール環を持ち,芳香族アミノ酸に分類される。蛋白質構成アミノ酸で,必須アミノ酸の一つである。糖原性・ケト原性を持つ。多くのタンパク質中に見出されるが,含量は低い。NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド。生体内において,酸化還元酵素に関与する補酵素として重要)をはじめ,セロトニン・メラトニンといったホルモン,キヌレニン等生体色素,また植物において重要な成長ホルモンであるインドール酢酸,などの前駆体として重要。トリプトファンの代謝は極めて多様であり,また複雑である。大きく分けて,(1)セロトニン経路 脳・腸・マスト細胞。セロトニン・メラトニンの合成に向かう経路。(2)グルタル酸経路 肝臓。エネルギー源として完全分解にいたる経路。(3)NAD経路 肝臓。NADの合成に向かう経路(4)蛋白質合成 全身。の4つの系統に分類される。

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【な行】

内観(Introspection)
自分自身の知覚,思考,感情などを観察し記録すること。

内向性(Introversion)
内気な性格。感情をなかなか表面に出さず,非社交的な性格。

内向性=外向性(Introversion-Extraversion)
カール・ユング(Carl Jung)によって最初に明らかにされた人格次元。人の基本的な方向性が,どの程度自己の内部に,あるいは外的世界に向かうのかを指している。内向性の典型は自己にひきこもりがちな内気の人であり,外向性の典型は他者と一緒にいることを好む。

内在化(Internalization)
影響者が正しいと納得し,自分の信念や態度を変えること。

内省(Introspection)
自己の直接的な経験過程を観察し,報告すること。個人内の主観的な経験の観察であるため,客観性や公共性などの点から科学的資料として疑問をもつ研究者も少なくなかったが,実験条件と実験計画の整備,行動観察や身体的な随伴現象の記録などにより,その弱点が補正され,人格・臨床心理学から感覚・知覚・情動・思考などに関する実験心理学まで,広範な分野で活用されている。

内的整合性(Internal Consistency)
検査の信頼性の一形式で,とくに検査の項目群の等質性や項目全体が同一の変数を測定している程度。

内的妥当性(Internal Validity)
研究知見の妥当性に関する概念。測定された差異が研究で用いた独立変数の効果であって,未統制の他の要因の影響でないと明確に判断できる程度。研究結果が現実を正しく反映しているかどうか。

内的妥当性(Internal Validity)
従属変数が独立変数によって変化したと証明するもっともらしさ。

内破(Inplosion)
レイン(Laing, 1960)の概念。自分が現実によって無化されてしまうのではないかという自己の内部から生じる恐れによって,自己の同一性を破壊してしまうこと。

内発的動機(Intrinsic Motivation)
好奇心など,行動すること,または経験することそのものによって満足がもたらされるような動機を意味し,人が生まれながらに持つ動機とされている。つまり,外的報酬によらず,活動それ自体が報酬となるような動機のこと。

内分泌系(Endocrine System)
内分泌物(ホルモン)が毛細血管周辺の細胞外液を介して血液中に分泌される無導管腺で,この内分泌腺によって分泌されたホルモンは,身体機能の重要な調節機能を担っている。

内包的意味(Connotative Meanig)
語やシンボルの暗示的・情緒的意味のことで,外延的意味とは異なる。たとえば,「裸の」と「裸体の」は,どちらも衣服を身につけていない体(外延的意味)を指しているが内含的意味は多少異なる。

内容妥当性(Content Validity)
テスト項目が,テストが測定しようとしているものと対応している程度から,妥当性を推定する方法。

ナノメートル(NanometerNm)
1メートルの10のマイナス9乗。光の波長はナノメートルで表される。

ナラティブセラピー(Narrative therapy)
ものごとは,従来の意味での真実といったものはありえず,各々の視点から再構成された現実があるのみだという「社会構成主義」の立場に立つ心理療法。来談者(患者)の語る現実を尊重し,新たな現実構築を目ざす。

ナルコレプシー(Narcolepsy)
突然睡眠を引き起こすような激しい眠気に頻繁に襲われること。

二次条件づけ(Second Order Conditioning)
生物学的に重要な無条件刺激(たとえば,食物,水,ショック)と繰り返し対提示されることで無条件刺激の効力を獲得することになった条件刺激を,他の条件反射の無条件刺激として用いることによって新しい条件反射を形成すること。

二次資料(Secondary Source)
二次資料は,あなた自身は読んでいないが,あなたが実際に読んだものの中で参照されていた文献である。もし教科書でPiaget(1932)がなんらかの結論に達したことを読んだが,Piagetの実際の論文を入手していないならば,Piagetがいったことについてあなたが述べようとする場合,Piagetのオリジナルの研究ではなくあなたが実際に読んだもの,すなわちあなたの教科書から引用したことを示さなければならない。この二次資料の使用はできる限り避けることが望ましいとされる。

二次性徴(Secondary Sex Character)
性の違いによるからだの特徴のうち,遺伝子によるもの(卵巣と精巣)以外のもの。思春期のからだの成熟の性差と関連がある初潮,精通,陰毛の発達,外生殖器の発達,乳房の発達,声変わり,体型(肩幅/腰幅)の特徴,皮下脂肪の発達の特徴などある。

2次的報酬訓練(Secondary Reward Training)
強化された条件刺激を報酬として行う訓練。Wolfeは猿にお金を持たせ,自販機で飲み物を買わせることをおこなった。

二重記憶説(Dual-Memory Theory)
容量に制限のある短期記憶と制限のない長期記憶の違いについての説。情報は短期記憶から長期記憶へ符号化される。

二重知覚(Duplex Perception)
一つの物理的手掛かりが,二つの対象ないし事象の知覚に関ること。主に聴覚に関して用いられる用語である。例えば,合成音声を基本として,第3フォルマントの立ち上がり付近の遷移の違いのみによって/da/と/ga/とが聴き分けられるような,刺激パターンの組を用意する。ここで,時間-周波数の座標における第3フォルマントの遷移部のみを分離して一方の耳に呈示し,残りの全ての部分をもう一方の耳に呈示すると,残りの部分を呈示された耳に,音節/da/,/ga/が聴き取られ,遷移部のみを呈示された耳にはチュッというような音が聴こえる。第3フォルマントの遷移部は,音節を聴き分ける手掛かりになると同時に,非音声的な音(チュッ)としても聴き取られるので,二重知覚を示したことになる。

二重眼かくし法(Double-Blind Method)
被験者と被験者に接している実験者の両方が,その被験者が実験群に属しているのか統制群に属しているのかを知らない手続き。

二重盲検法(Double Blind)
薬物研究で頻繁に用いられる実験計画法で,実験が完了するまで被験者は治療条件にあるのか,非治療条件にあるのか,治療者にも患者にも知らされない。

日内変動(Diuranal Changes)
一日のうちの軽くなったり重くなったり,症状が変化すること。変化の傾向。抑うつ気分は朝強く,夕方に軽くなる傾向がある。

二点閾(Two-Point Threshold)
圧覚閾の一種。二本の細い棒を皮膚に接触させ,その接触点が一点ではなく二点であると判断される最小の距離。

乳児期(Infancy)
人間やその他の生活体の無力で依存的である期間で,人間においては生後,約2年間。

入眠時幻覚(Hypnagogic Hallucination)
眠りに入ろうとする状態に現れる幻覚。夢と違って,目が覚めているという意識があり,また自分が見ているという意識がある。従って厳密にはニセ幻覚である。

ニューロン(Neuron)
神経インパルスや信号を他のニューロンや腺,筋肉へと伝える特殊細胞。

認知過程(Cognitive Processes)
外界からの刺激を取捨選択して取り入れ,知覚,記憶,情報処理にかかわる心的過程で,これによって人は情報を獲得し,計画を立て,問題を解決する。

認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)
患者の中には,症状が単に行動,習慣の問題として理解されるのではなく,独特の考え方や価値観,固定的な思考様式。

認知障害(Perceptual Handicapped)
感覚・知覚・記憶など,事物や現象についての知識を形づくる際にはたらく感覚の障害。

認知神経科学(Cognitive Neuroscience)
認知心理学と神経科学の観点を結合した学際的アプローチで,心的活動が脳の中でどのように実行されているかを研究する。

認知心理学(Cognitive Psychology)
1960年頃から急速に発展してきた心理学の一分野で,人間のおこなう画像・音声のパターン認知,自然言語理解,学習・記憶,推論・問題解決など,人間の情報処理にみられる計算過程を扱う心理学の分野を指す。行動主義が「意識なき心理学」と呼ばれるのに対して,認知心理学はその反動として,人間の意識や心を研究の対象とすべきであると主張する。

認知制御(Cognitive Control)
自分またはリーダーに導かれて,主観的な現実を構成する能力。状況に異なった意味を与える個人または集団の力。

認知地図(Cognitive Map)
学習場面で生じるさまざまな事象についての情報の貯蔵や体制化を行う記憶の仮説構成概念で,学習場面のメンタル・ピクチャーともいう。

認知的評価理論(Cognitive- Appraisal Theory)
この感情(情動)理論では,主観的感情(情動)状態は,感情(情動)を喚起する状況に対する個人の評価や分析の関数であると考えている。生理学的覚醒状態は,その人が状況をどう評価するかに応じて異なる感情(情動)(正反対の感情<情動>さえも)を産出することができる。

認知的不協和(Cognitive Dissonance)
一貫性のない認知によって引き起こされる不快感。思考と行動の不一致によって緊張状態が生じると言う理論。また,それによって生じた不協和が集団や個人に,その緊張を軽減するように動機づけるとする。

認知的不協和理論(Cognitive Dissonance)
我々は,自分自身,自分の行動,周囲の環境についてさまざまな知識や意見を持っている。これらの認知要素間に矛盾した要素が存在するときには不協和が生じる。不協和は心理的緊張ないしは不快をもたらすので,その状態を解決しようとする。このことを認知的不況和理論という。

粘液質(Phlegmatic)
ガノレスによる人格の古典的分類。粘液が優勢で反応が遅い。

年間増加量曲線(Annual Increment Curve of Growth)
『成長速度曲線』を参照。

年齢退行(Age Regression)
催眠では,幼児期の記憶に基づくか幼児期に相応しい経験の空想を通して,幼児期の再体験をする。

ノイズ(Noise)
信号成分に混入する雑音(信号妨害情報)のこと。

脳幹(Brain Stem)
脳のうち,大脳半球と小脳を除いた部分の総称。脳の中心部周辺の組織で,本質的には大脳と小脳ならびにそれらの付属部分を除く全ての脳組織。

脳幹網様体(Brain Stem Reticular)
延髄から間脳にかけての神経核と神経腺維を含む。感覚受容器からの情報が・信号が,感覚神経を通じ脳幹部分を通過する際,その一部が感覚神経の側枝から脳幹網様体に入り,視床を通じて大脳皮質全体に送られる。

脳機能障害(Brain Dysfunction)
中枢神経系の機能障害。

脳損傷(Brain Damaged)
出生前・周産期の異常などにより脳に機能障害を生じていること。

脳波(ElectroencephalogramEEG)
脳の神経細胞から出る弱い周期性の電流。頭皮(あるいは,まれには露出した脳)に電極を装着することによって得られる記録。観察される脳波の中には開眼安静時に計測されるアルファ波(8-13Hz),深い睡眠時に出現する高振幅徐波のデルタ波(1-3Hz)の脳波に特徴的なパターンで行動的覚醒の指標となる。

脳波検査(Electroencephalogram)
脳の電気的現象を測定する検査。

脳梁(Corpus Callosum)
二つの大脳半球を連結している太い神経線維の束。

能力(Ability)
実証できる知識あるいは技能で,適性や学力を含む。

ノーマライゼイション(Normalization)
正常化。

ノルアドレナリン(独 Noradrenalin / 英 Noradrenaline)
米国ではノルエピネフリン(Norepinephrine)として知られ,化学式C8H11NO3のカテコールアミンにしてフェネチルアミンである。ホルモンとして副腎から血液に放出され,また,シナプス伝達の間にノルアドレナリン作動性ニューロンから放出される神経伝達物質である。

ノン・パラメトリック検定(Non-Parametric Test)
母集団の分布がわからない,もしくはパラメトリックでない場合におこなう検定手法。

ノンレム睡眠(Non REM Sleep)
睡眠の深さで分類した4段階の総称(REM睡眠は除く)。ノンレム睡眠では,眼球運動がみられず,心拍動や呼吸率が著しく低下し,筋肉は弛緩し,さらに大脳の代謝率は覚醒時に比べて25〜30%まで減少する。

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【は行】

ハーディネス(Hardiness)
たとえ大きなストレスのかかる出来事に直面しても,身体的・情動的にダメ-ジを受けない抵抗力のこと。

バイアス(Bias)
『測定値上にみられる系統的な誤差傾向。実験者バイアス』を参照。

バイオフィードバック(Biofeedback)
体温,脳波リズム,心臓の鼓動など,本来無意識に属する身体機能を,計測器の表示を参考にしながら訓練することによって,意識的に制御できるようにすること。例えば,脳波にα波が出現したことを本人に知らせるとα波の出現頻度が次第に高まっていくというように,生理的反応に関する情報を本人に知らせることで,生理反応を変化させること。

バイオフィードバック訓練(Biofeedback Training)
自分の生理学的状態のある側面についての情報を受け取り(フィードバック),その状態を変化させる試み。

媒介変数(Intervening Variables)
独立変数と従属変数の関数関係を説明するために,両者に介在する変数として仮定されたもの。演算の便宜から形式的に設定されたもの以外は,構成概念とほぼ同義である。

背景因子(Contextual Factors)
外的な環境因子と内的な個人因子からなる,人の人生と生活の完全なバックグラウンドのこと。

パイロットスタディ(Pilot Study)
研究の初期段階で,研究計画が適切かどうかを確かめたり,修正の必要がないかを調べるために行なう,小人数の被験者を対象とした研究。

バウムテスト(The Tree Test / Baum Test)
性格・人格に関する心理テストの一種。

破局反応/パニック(Catastrophic Reaction)
非理性的な情緒的混乱を伴った行動。

バクスター効果(Backster Effect)
ウソ発見器をサボテンなどの植物に接続すると,まわりの人間や生物の感情に植物が反応するという現象。その植物の世話をしている人だと,遠方にいても反応する場合もあるという。

橋渡し推論(Bridging Inference)
照応関係や因果関係などを理解のための情報を補い,テクストの意味的結束性(coherence)を構築する推論。Graesser and Krez(1994)の代名詞,指示表現の先行詞を推測するanaphoric reference,出来事の原因を推測するcausal antecedent,用いられた道具を推測するinstrument,特定の名詞から関連する事項を連想するinstantiation of noun categoryが含まれる。一般的に読解中に自発的に行われるon-line inferenceといわれているが,説明することのできない研究結果も出てきている。

パス解析(Path Analysis)
二変数間の全体的な相関を個々の成分あるいはパスに分割する相関手続き。たとえば,パス解析は,子どものかんしゃくと後の職業的問題の関連(因果関係)は直接的であるのか,それとも退学といった介在変数との関連によるものなのかを決定するのに役立つ。

パターンによる符号化(Coding By Pattern)
神経の発火パターンに基づいて感覚の質を符号化すること。

パターン認識(Pattern Recognition)
対象が何であるかを決定する知覚過程。

罰(Punishment)
反応の強度を減少させるために用いられる手続きで,ある行動が起きるたびに嫌悪刺激を提示する。

発情周期(Estrous Cycle)
ほとんどの雌の哺乳動物において排卵に先行して見られる性的感受性が周期的なに起きることで,血流中のエストロゲンスとプロゲステロンの分泌量の増減によって特徴づけられる。

発達加速現象(Acceleration〔In Physical Growth〕)
身体・精神的な発育・発達が,年齢が低くなればなるほど早く進んでいく傾向。具体的には,身長や体重など体位においても,初潮など性的成熟においても,今の大人が子どもだった以前に比べ,早熟化していることなどを指す。

発達課題(Developmental Task)
人が社会・文化的に生きていくために,各発達段階に課せられた課題で,各々の時期での課題への成功・失敗は後の幸不幸や社会的承認などに関わるとされる。個人の発達に関する実際的基準としてハヴィガーストによりまとめられたもの。幼児期には,身体的発達と身辺自立などが,児童期には身体的技能の発達と他者とのかかわりなどが,青年期には,自我同一性や社会的自立などがあげられている。

発達性(Developmental)
心身の発達途上にある時期。

発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder)
作動筋と拮抗筋の間の協調がうまくいかないために,運動が円滑に行われない発達期に現れる症状。

発達性ゲルストマン症候群(Development Gerstmann's Syndrome)
ゲネストマンにより記載された,発達期に現れる手指失認・左右障害などの症候群。

発動性減退(Aspontaneity)
自発的な行動,意欲の低下した状態。

バッファー(Buffer)
入力した情報を心内で一時的に保持するとともに,長期記憶との情報のやり取りを行うと仮定されている機構。Baddeley(2000)ではそれまでの「中央実行系(central executive)」とそれらを支える「視空間スケッチパッド(visuo-spatial sketch pad)」「音韻ループ(phonological loop)」の2つの下位機構から成り立つMulti-component model にbuffer(episodic buffer)の概念を追加し,4つの構成素からなる新たなワーキング・メモリのモデルを提唱した。これは,従来の3構成素のモデルでは,記憶研究に重要なチャンキングの概念がうまく説明できなかったことや,中央実行系の役割が不透明であったことなどの問題点を改善するために生まれたものである。しかしbufferの概念自体は最近になって初めて登場したものではない。Kintsch & van Dijk(1978)のテキスト処理理論において,STM bufferは重要な役割を担っており,それなしでの一貫したテキスト表象の構築は不可能であるとされていた。しかしKintsch(1998)は実証データを基にこの見解に2つの修正を加え,(1)理解はSTM buffer の使用なくても可能である(干渉文を挿入しても,処理時間は延びるものの,理解度には影響を与えなかった),(2)bufferなしでは理解が不可能であるわけではないが,STM bufferがあるとより一貫したテキストベースの形成が可能になる,とすることでよりよくSTM bufferを説明できる,とした。

パニック障害(Panic Disorder)
不安障害の一つ。本症状を示す患者は,突然生じる説明のつかない恐怖体験や,恐怖に対する生理学的兆候(たとえば,心悸亢進,息切れ感,筋肉の震え,めまいなど)を伴う,破滅が切迫している不安感を訴える。

パニック発作(Panic Attack)
急性的で圧倒的な不安や恐怖の発現。強い体験刺激に対し,論理的・言語的体系に添った判断できなくなり,無統制な反応をすること。

バビンスキー反射(Babinski Reflex)
足の裏を刺激すると,足の指を扇のように広げる。生後1年ないしは1年半で消失する。

パフォーマンス(Performance)
望ましい達成を含めた行動のこと。

バラード・ウィリアムズ現象(Ballard-Williams Phenomenon)
レミニッセンスのひとつで,有意味な文章などの記憶で,数日程度の比較的長い時間間隔で生ずる現象。

パラダイム(Paradigms)
研究成果を理解したり解釈するために用いる典型的な理論体系のことで,モデルや概念あるいは理論などをさす場合と,研究で用いられる典型的な実験手続きや技法をさす場合の2つがある。

バリン(Valine)
アミノ酸の1つで,側鎖にイソプロピル基を持つ。2-アミノイソ吉草酸とも呼ばれる。蛋白質構成アミノ酸のひとつで,必須アミノ酸。

半陰陽者(Hermaphrodite)
外見上,両性ないしは生殖腺と逆の性器をもって生まれた人。

汎化,般化(Generalization)
(a)学習において,ある種の事物や事象に共通する特徴や原則を発見すること。(b)条件づけでは,特定の刺激に対していったん条件反応が形成されると,類似する刺激も同一の反応を引き起こすようになるという原理。

般化模倣(Generalized Imitation)
ある反応の模倣が過去に強化されていないのにもかかわらず出現すること。

反響回路(Reverbration Chain Circuit)
あるニューロン群が閉回路を持ち,あるインパルスが生じて回路に入ると回路内をそのインパルスが一定期間回り続ける。そのような機能を持った脳内の回路。短期記憶などの神経学的な根拠として利用される。

反響言語(Echolalia)
相手の言葉をオウム返しに模倣して繰り返すもの。

伴性形質(Sex-Linked Trait)
性を決定する染色体上にある伝達遺伝子によって決定される特性のことで,赤緑色盲などがこれに当たる。

反対色細胞(Color-Opponent Cells)
色覚において,特定の二つの反対色だけに反応する細胞。

汎適応症候群(General Adaptation Syndrome)
すべての生活体がストレスに対して見せる反応群。

反転法(Reversal Design)
介入手続きの効果を評価するために介入手続きとベースライン条件を反転させる実験計画法。

反動形成(Reaction Formation)
受け入れられない動因と正反対の強い表出を行うことでその動因を否定する防衛機制の一つ。

反応(Response)
行動の構成要素。刺激によって生じる生活体の活動の総称。

反応形成(Shaping)
ある特定の型あるいは構造を持つ複雑な行動を行えるようにするために,目的とする行動へのちょっとした反応を即座に強化し,さらに次の段階の目的行動に近づいたちょっとした反応を強化する。この形で順じ強化を与えつつ,その行動全体を作り上げること。

反応コスト(Response Cost)
ある反応に随伴して物質的な好子を除去することでその反応の生起確率を減少させること。

反応時間(Response Time)
刺激が呈示されてから,被験者が所定の反応をするまでに要する時間。反応潜時(latency)ともいう。

反対条件づけ,拮抗条件づけ,逆条件づけ(Counterconditioning)
行動療法で,別の(通常は競合的な)反応を確立することによって,ある刺激に対する特定反応の置き換えを行うこと。

反応性相互作用(Reactive Interaction)
個人がそれぞれ異なる仕方で環境を解釈し,体験し,反応することから生じる,個人と環境の相互作用。

反応セット(Response Set)
特定の反応をすることに対するレディネス。特に反応時間に関する実験では,刺激よりも筋肉の動きに集中している状態をさす。

反応型(Response Topography)
反応の形態のことで,その反応を構成する要素の動作順序(軌跡,動作部位,身体の他の部分との相対的位置によって定義される)。

反応の次元(Response Dimension)
反応の物理的特性のこと。

反応分化(Response Differentiation)
分化強化か分化弱化によってある反応クラスの反応が他の反応クラスの反応より起こりやすくなること。

ハンフレイズ効果,強化矛盾(Humphrey's Effect)
連続強化によるよりも部分強化によって形成された行動の方が消去抵抗が大きいというもの。

PHV(Peak Height VelocityPHV)
身長成長速度曲線での最大増加(ピーク)の大きさのこと。成長速度曲線の当てはめ方によってまちまちな報告であるが,日本男児では11cm/年,日本女児では9cm/年くらいである。

PHV年齢(PHV Age)
身長成長速度曲線での最大増加(ピーク)のタイミングのこと。成長速度曲線の当てはめ方によってまちまちな報告であるが,日本男児では13歳,日本女児では11歳くらいである。

PAG(Substantia GriseaPAG)
中脳水道周囲灰色質(略してPAG)と呼ばれる中脳の領域で,痛みの感知に関与する。PAG神経が活性化されると,神経関門が閉じられ,その結果痛みの感覚が減少する。

PSW(Psychiatric Social Worker; PSW)
『精神保健福祉士』を参照。

PM理論(PM Theory)
リーダーシップの類型論。リーダーシップには目標をなしとげたり,仕事や課題をやり遂げる機能であるP機能と人間関係に配慮し,集団のチームワークを維持・強化する能力であるM機能の2つの能力機能の強弱によりリーダーシップを分類する。

非意識過程(Nonconscious Processes)
多くの研究は,私たちが意識的に気づかない刺激を登録し,評価していることを示している。これらの刺激は,無意識のうちに私たちに影響を及ぼしているか,あるいは非意識(意識下)の水準で働いている。

PT(Physical Therapist)
『理学療法士』を参照。

ppm(Parts Per Million)
100万分の1。

PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)
『心的外傷後ストレス障害』を参照。

BAC(Blood Alcohol Concentration)
血中アルコール濃度。

光背効果(Halo Effect)
ある人が何か良い性質を持っていることを知ると,その人のほかの面まで良いと思いこんでしまう現象。対人認知のときに良く表れる歪みのひとつである。

ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)
その人にとって大切な関係にある周囲の人の期待がその人に伝わり,学習能力や知能などに変化の起きる現象をいう。狭義には,教師が何らかの理由・情報のもと,無意識的にもある期待を持つことでそれが実現傾向をみせることを言う。ギリシャ神話にちなんで名づけられた。

非顕現的な観察(Unobtrusive Assessment)
クライアントや被験者が観察されていることを意識していないときに行動を観察する方法。

非言語性学習障害(Nonverbal Learning Disabilities)
読み,書き,暗記は良好であるが,理解,応用,視・知覚及び空間の認知等に困難を示し右脳に障害を持つと推察されている。

備給(Cathexis)
人物や事物に性的な感情・興味・関心を向ける,すなわちリビドーを向けること。フロイトは,幼児期におけるリビドーは,自己の身体に向けられるとし,その部位により心理性的発達段階を定めた。

被験者(Subject)
実験対象として研究に参加する,人間または動物。

非公式集団(Informal Group)
個人的感情や欲求にもとづいて,自然発生的に形成される集団で,私的集団,自生集団ともいわれる。同期会,趣味の会,など個人的属性によって規定され,社会制度的なものに拘束されない集団である。

微細運動技能(Fine Motor Skills)
指等の小さな筋肉の協応運動,器用さ。

微細脳機能障害(Minimal Brain Dysfunction)
中枢神経系機能の異常による軽度から中度の学習ないし行動の障害。

微細脳損傷(Minimal Brain Damage / Minimal Cerebral Damage / Minimal Cerebral Injure)
中枢神経系機能の軽度から中度の障害。

微少な不随意運動(Choreiform Movement)
本人の意志にによりコントロールができない,四肢・体幹・顔面などの微小な動き・運動。

ヒスチジン(Histidine)
ヒスチジンはアミノ酸の一種。名前はギリシャ語で「組織」という意味。塩基性アミノ酸の一種で,必須アミノ酸。糖原性を持つ。側鎖にイミダゾイル基という複素芳香環を持ち,この部分の特殊な性質により酵素の活性中心や,蛋白質分子内でのプロトン移動に関与している。蛋白質中では金属との結合部位となり,あるいは水素結合やイオン結合を介してとしてその高次構造の維持に重要な役割を果たしている。ヒスタミンおよびカルノシン生合成の前駆体でもある。

比成長速度(Specific Growth Rate)
『アロメトリー』を参照。

必須アミノ酸(Essential Amino Acid)
必須アミノ酸(ひっす-さん)とは,その動物の体内で合成できず,栄養分として摂取しなければならないアミノ酸のこと。必要アミノ酸,不可欠アミノ酸とも言う。人間(ヒト)では,一般に次の8種類が必須アミノ酸に含まれる。トリプトファン,リシン(リジン),メチオニン,フェニルアラニン,スレオニン,バリン,ロイシン,イソロイシン,ヒスチジン(乳幼児期のみ,このヒスチジンが追加され9種類となる)。必須アミノ酸は,いずれもL-型で有効ではあるが,体内ではアミノ酸オキシダーゼ(EC 1.4.3.3)とアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1群)の作用により,D-型とL-型の相互変換が可能なため,D-型のアミノ酸でもよい(リジンとスレオニンを除く)。また,相当するαケト酸やαヒドロキシ酸で代替できるものもある。ヒスチジンは体内で作られるが,急速な発育をする幼児の食事に欠かせないことから,1985年からこれも必要なアミノ酸として加わるようになり,合計9種類が必須アミノ酸と呼ばれている。

否定の助長効果(Conductive Negation)
否定の疑問形で質問すると肯定的な応答をしやすくなる。

被転導性(Distractibility)
周囲の刺激に容易に反応したり,重要な物に注意が集中しない等の過活動の一種で脳損傷児に多く見られる。

否認(Denial)
受け入れがたい衝動や考えが知覚されなかったり,完全には意識されなくなる防衛機制。

皮膚視覚(Dermo-Optical Perception)
目を使わずにものを見る能力。特に指先などに触れたものの色や,そこに書かれている文字などを知る能力をいう。

皮膚電気反射(Galvanic Skin ResponseGSR)
皮膚の電気伝導性や活動性の変化であり,敏感な検流計により測定される。測定された反応は,通常,情動を表す指標として用いられる。

肥満(Obesity)
体脂肪量が過剰になった状態をいい,単に身長あたりの体重が大きいことをいうのではない。体脂肪量は皮脂厚計,超音波測定装置,水中体重法などで測るが,いずれも一長一短で真の肥満度を測ることは不可能に近い。文部省学校保健統計では年齢別の身長別標準体重の120%以上を肥満傾向児としている。1992年の調査では6歳児で4%の出現率を見ている。ヨーロッパ系集団では体脂肪率(体重当りの脂肪量)に影響を及ぼす遺伝と文化要因の割合は25%と30%くらいである。6歳以後に極端な肥満傾向児は大人になってもその傾向が続く。

ヒューリスティクス(Heuristics)
アルゴリズムに対する言葉。ギリシャ語で「発見」を意味する語から作られた。一般に問題解決において,必ず成功するという保証はないが,経験的に成功確率の高い方法を指し,思考過程の研究で重視されている。

評価(Appraisals)
状況,出来事,人物,あるいは自己についての評価。

表示規則(Display Rules)
人がある特定の状況で経験する感情(情動)のタイプや,それに適切な行動(表情を含む)についての文化的規則のこと。

標準化(Standardization)
異なる尺度で測定されたデータを比較するために,各変数の分布の平均や標準偏差が特定の値になるようにデータを変換すること。z得点(z-score)は,標準化の手続きで得られる標準得点(standard score)の1つである。

標準成長曲線(National Standard of Growth Curve)
大規模な調査による日本人の成長曲線としては,10年ごとに行われている0から6歳児を対象にした乳幼児身体発育調査(厚生省)での身 長,体重,胸囲,頭囲のパーセンタイル曲線がある。成長曲線としては発表されてないが,毎年行われている5〜17歳児を対象にした学校保健統計調査での身長,体重,胸囲,座高;18〜29歳を含む体力・運動能力調査(文科省)がある。後二者の平均値と標準偏差から標準成長曲線を描くことができる。

標準偏差(Standard Deviation; SD)
分布のひろがりの測度の1つ。散布度として最も信頼でき広く用いられてきたもので,個々の測定値が平均からどのくらい離れて散らばっているのかを示す数値のひとつ。例えば,あるクラスのテスト得点の標準偏差は各生徒の得点ごとに平均との差,すなわち偏差を求め,その2乗の総和をクラスの人数で割ったもの。すなわち分散の正の平方根である。

表象に基づく思考(Symbolic Reasoning)
表象上の概念を関係づける認知的能力。たとえば,模型の部屋における人形の位置を知らせて,実際の部屋における人形を発見できるかで検査する。

病前性格(Premorbid Personality)
病気が発症する前の元来の性格。

評定者間の一致度(Interrater Agreement)
『評定者間信頼性』を参照。

評定尺度(Rating Scale)
この尺度を用いることによって,評定者は尺度で定義された特性に関する他者(あるいは自分自身)の判断を記録することができる。

標的行動(Target Behavior)
1つの研究や実践で変容の対象とする行動で、行動的介入プログラムで従属変数として測定される改善の対象となる。

評定者間信頼性(Interjudge Reliability)
ある行動を査定あるいは評定する場合(たとえば,保育園の子どもたちの攻撃性について評定を行う場合)に,二人以上の観察者によって達成される一貫性。評定者間一致度とも呼ばれる。

標本(Sample)
「母集団」として知られる得点群の全体から抽出された得点群。抽出を無作為に行うことで偏りのない標本が得られる。抽出を無作為に行わないと,標本が偏り,母集団の代表とみなすことができなくなる。

標本抽出(Sampling)
母集団についての推論を行なうために,その一部を抽出すること。被験者を選定する手続き。単純無作為抽出(simple random sampling),層化抽出法(stratified random sampling)などの方法がある。

表面的更新/全体的更新(Surface Updating / Global Updating)
Johnson & Seifert(1999)によると,最初得た情報が間違っており,その誤った情報を後に訂正する過程は,表面的更新と全体的更新に分けられる。表面的更新は,前に得た情報が訂正されたことに気付き,テキストを表象の中に取り入れ,前の情報の特定の部分が訂正されたことに気付く過程である。全体的更新は,表面的更新後に,情報の訂正をすることで,状況モデルにどんな影響が出るかに気付き,状況モデルを更新するために,適切な推論をする過程である(pp.303-304)。Johnson & Seifert(1999)は,情報が更新されても,最初の情報の影響が抜けない現象を説明するために,それぞれの更新ごとに理由・要因をまとめている。

比率尺度(Ratio Scale)
統計用語。スティーブンスによる数量的尺度の4分類の最高位。絶対原点としての0が存在して,加減乗除の四則のすべてで対応が可能な単位を持つようなもの。

比率スケジュール(Ratio Schedul)
生活体が示す反応数に応じて強化がなされる強化スケジュール。

非両立行動分化強化(Differential Reinforcement of Incompatible Behaviors)
ある反応と同時には行えない反応を強化すること(DRI)。

頻度(Rate / Frequency)
一定時間における行動生起の回数。

ファイ現象(Phi-Phenomenon)
仮現運動の1つである。映画,電光ニュース,ネオンサインなどは,ごく短い時間に少しずつ位置をずらした絵やポイントを提示することによって,それが動いているように映ると言う現象を利用したものである。

ファイル=引き出し問題(File-Drawer Problem)
肯定的な結果を得ることができない研究は,そうでない研究に比べると発表される可能性が非常に低いために生じる問題(失敗研究は,このようにして公表されずに「ファイル用の引き出しにしまいこまれる」ことになる)。

ファジー概念(Fuzzy Concept)
この概念においては,人は主に成員の分類決定をプロトタイプ特性に頼るため,人が下す決定は必ずしも確実であるとは限らない。

フェニルアラニン(Phenylalanine)
フェニルアラニンはアミノ酸の一種で,側鎖にベンジル基を持つ。略号は Phe または F。アラニンの側鎖の水素原子が1つフェニル基で置き換えられた構造を持つことが名称の由来である。室温では白色の粉末性固体である。蛋白質構成アミノ酸で,必須アミノ酸の1つ。非極性側鎖アミノ酸で,芳香族アミノ酸。糖原性を持つ。他のアミノ酸と同じく,D体とL体の2つのエナンチオマーを持つ。L-フェニルアラニン(LPA)は天然に存在する化合物であり,DNAによってコードされ,蛋白質を構成する。D-フェニルアラニン(DPA)は化学合成によって人工的に作り出される化合物である。L-フェニルアラニンは生体内でL-チロシンに変換され,さらに L-ドーパとなる。これがさらにドーパミンやノルエピネフリン,エピネフリンへと誘導される。D-フェニルアラニンはフェネチルアミンに変換されるのみである。フェニルケトン尿症では,このフェニルアラニンをチロシンに変化させる酵素,フェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼ(EC 1.14.16.1)の遺伝子の完全欠損により,血中にフェニルアラニンが異常に蓄積される。そのためフェニルアラニンの摂取を控えねばならない。

不安(Anxiety)
危惧,緊張,心配などの状態のこと。不安を恐怖と同義であると考える研究者もいるが,不安の対象(たとえば,漠然とした怖さや虫の知らせなど)は恐怖の対象(たとえば,狂暴な獣など)に比べて特定しにくいと考える研究者もいる。

ファン効果(Fan Effect)
再認記憶実験における干渉効果の1つで,活性化の散開による反応時間の増加を指すもの。再認時の反応時間は,学習した事象の数が多いほど増加する。Anderson(1974)は,活性化拡散過程が限界容量特性をもつという側面から解釈し,リンクの数が増えるほど1つのリンクに配分される活性化は少なくなり,反応速度が遅延すると主張している。また,ワーキング・メモリ(WM)の小さい群により大きなファン効果が見られることがWM内で一度に活性化できる容量に制限があるという主張にも用いられることがある(e.g.,Cantor and Engle, 1999)。これに対してCowanは,「WMの大きい群は,活性化させる能力に優れていたのではなく,ある試行には関連のない情報を抑制する能力が優れていた」という再解釈の可能性を示し,ファン効果をWMの容量制限の性質として「一度に保有できる情報量の制限」に対して慎重を促している。

不安信号(Signal Anxiety)
フロイトの概念。自我の平衡に脅威が差し迫っていることを自我に予告する警報。機能は自我に防衛機制を講じさせることによって自我の崩壊を防ぐことにある。

フィードバック(Feedback)
これから行なう行動を導くために,これまで行なった行動についての評価などを提示する。

VMH(Ventromedial Hypothalamus)
視床下部腹内側核。

夫婦療法(Marital Therapy)
夫婦がともに参加する心理療法で,夫婦関係の問題を解決することを目的としている(カップル療法と同義)。

ブーメラン効果(Boomerang Effect)
コミュニケーションをうけた人が,説得内容とは逆の方向に自分の意見や態度を変化させる逆効果現象。これは,説得者の意図や伝達内容について,受け手が不信感を抱いたり受け手が最初に持っている態度が複合的な場合に起こるものと思われる。

フーリエ分析(Fourier Analysis)
与えられた関数を,正弦波成分(周波数,位相,振幅によって定まる)に分解する数学的な手法。分解して得られた正弦波成分を合成すると元の関数に戻る。振動,波,信号などが伝わったり,変換されたりする仕組みに関して,周波数ごとに別々の過程であると考えて処理,考察を進め,最後に,全ての周波数の成分をまとめるようにすると,考えかたが簡単になる場合がある。このような現象に関してフーリエ分析が有効である。

フェンシクリジン(Phencyclidine(Pcp))
本来は麻酔薬として開発されたが,異常な反応を生じることから使用が中止された。本薬は痛みの不感とともに,自己や環境からの解離感覚を生じさせる作用を持つ。これを過剰に摂取すると長期にわたる昏迷や昏睡をもたらす。

フェノチアジン(Phenothiazines)
抗精神病薬の一群で,神経伝達物質のドーパミンがその受容器に結合するのを妨害することによって,統合失調症の症状を和らげる。(誘導体)クロルプロマジン(ソラジン)やフルフェナジン(プロリキシン)などはこの例である。

フェヒナーの法則(Fechner's Law)
刺激の感覚強度はその物理的強さの対数に比例して増加するという主張。

フェロモン(Pheromones)
同種の他個体によって嗅ぎ分けられる空気中に漂う化学物質。

不応期(Refractory Phase)
ニューロンはいったん発火した後,一時的に活動しない時期があり,これを不応期と呼ぶ。

孵化期(Incubation)
問題解決に至るまでの過程のひとつ。問題から離れてまったく別のことをしていて,本人も問題のことを忘れてしまっているような時期。ニワトリが卵をあたためることに比喩されるように,無意識的思考の過程があるとされる。

付加的好子(Adjunctive Reinforcer)
他の好子あるいは嫌子の提示条件によって強化力が高まる好子。

複合感覚(Multisensory)
複数の刺激を判別する感覚。

副交感神経系(Parasympathetic System)
自律神経系の一部で,脊髄頭部と仙部に発する神経線維。身体の弛緩・静止状態では活発になり,交感神経系とある程度拮抗的に作用する。

副甲状腺(Parathyroid)
頚部にある甲状腺に隣接する内分泌腺。ここから分泌されるホルモンによってカルシウム代謝が調節され,その結果,神経系の正常な興奮が維持される。副甲状腺の異常は緊張性けいれんを引き起こす。

複雑細胞(Complex Cell)
視覚野にある細胞で,視野のどの位置にあっても,特定方向の光の棒や縁に反応する。

副腎(Adrenal Gland)
腎臓の上にある一対の内分泌腺。副腎髄質からはホルモンのエピネフリンとノルエピネフリンが分泌される。副腎皮質からは多くのホルモンが分泌されるが,これらは総称して副腎皮質ホルモンと呼ばれ,コルチゾールもこれに含まれている。

副腎皮質系(Adrenal-Cortical-Systm)
ストレスに反応して作動する神経内分泌系。視床下部からの信号を受け,下垂体から多くのホルモンが分泌される。そのうちの一つが甲状腺を刺激し利用可能なエネルギー量を増加させる。さらに別のホルモン(副腎皮質刺激ホルモン,ACTH)により副腎(副腎皮質)の外層を刺激する。

副腎皮質刺激ホルモン(Adrenocorticotropic Hormone(Acth))
ストレスに反応して下垂体から分泌されるホルモン。主要な「ストレス」ホルモンとして知られる。このホルモンが血流により副腎や他の様々な器官に運ばれることで,およそ30のホルモンの放出が生じる。それぞれのホルモンは,緊急事態に対する身体の調整機能を担っている。

副腎皮質刺激ホルモン放出因子(Corticotropin-Release Factor(Crf))
ストレスに反応して視床下部のニューロンによって分泌される物質。それは次に,運河のような組織を通り脳下垂体に運ばれ,ACTH(身体の主要な「ストレス」ホルモン)を放出させる。

腹内側視床下部,視床下部腹内側核(Ventromedial Hypothalamus; VMH)
食物摂取の調節を行なう上で重要な視床下部の領域。この領域の電気刺激は,実験動物に食物摂取を中止させる。この領域の脳組織の破壊は,過度の食物摂取を引き起こし,結果的に肥満になる。

符号化(Coding / Encoding)
物理的入力を記憶が受け取れる表象に変換し,それを記憶に「収納」すること。

不随意運動(Adventitious Overflow)
四肢に出現する緩慢な独特の運動で,本人の意思でコントロールすることが困難な特異な運動。

物質的な好子/嫌子(Tangible Reinforces / Aversive Conditions)
食べ物,雑誌,おもちゃなど,物質として形をもち,眼にみえる好子や嫌子。

不適応(Maladjustment)
環境や個体ないの適応がうまくいかず,発達を阻害したり,周囲を困惑させるような状態。

負の強化(Negative Reinforcement)
嫌悪刺激が消失することで反応が強化されること。

負の誘因(Negative Incentive)
この種の対象や環境は,知覚あるいは予測された場合に行動がこれらから遠ざかるように方向づけられる。

部分強化(Partial Reinforcement / Intermittent Reinforcement)
所定の反応が生起するとき,その生起回数の一部のみを強化すること(同意語,間歇強化)。

不眠(Insomnia)
眠ることができない,または満足のいく十分な睡眠をとることができない。

不眠症(Insomnia)
睡眠の量や質についての不満状態。

ヒューリスティックス,発見法(Heuristics)
必ずしも成功するとは限らないが,かなり適用が容易で,しばしば正答をもたらすことができる近道の方法のこと。

プライミング(Priming)
関連する手がかりを先に提示することによって,記憶に貯蔵されている情報への アクセス可能性や検索可能性が増大すること。

プライミング効果(Priming Effect)
時間的に先行して提示された刺激がのちに提示される刺激の同定,判断に及ぼす影響をプライミング効果という。

フラストレーション(Frustration)
欲求不満,要求不満,要求阻止ともいう。なんらかの原因により目標達成ができず,欲求の充足が不可能な状況にあるために,生体に強い緊張状態が生じる。この状態をフラストレーションという。

フラストレーション耐性(Frustration Tolerance)
心理的な障害を少しも生ずることなく,フラストレーションに耐えうる能力ないしその限界をいう。ローゼンツヴァイクによって提唱された概念で,かれは「心理生理的適応に失敗されずに,すなわち不適応な反応様式にうったえることなしに,フラストレーションに耐えうる個人的能力」と定義した。

フラッシュバルブ記憶(Flashbulb Memory)
感情(情動)が強く喚起される重大な出来事を知ったときの周囲の状況についての鮮明で比較的永続的な記憶。

フラッディング法(Flooding)
恐怖症状を持つ人々を,逃避の機会なしに恐怖刺激や恐怖場面に長時間曝露する治療法。

プリマックの原理(Premack Principle)
いつもあらわれる行動が,あらわれることの少ない行動を強化する現象のこと。プリマックがネズミの実験から高頻度反応による強化を観察し,自分の名にちなんでプリマックの原理と名づけた。

プルキニエ現象(Purkinje Phenomenon)
明所においては黄色が他の色よりも明るく見え,暗所においては緑色のものが明るく見える現象をいう。

ブレークアンドラン(Break And Run)
強化後しばらくは反応が起こらず,その後,次に好子が提示されるまで高率で安定した反応が生じる。

プレグナンツの法則(Principles of Pregnancy)
ゲシュタルト心理学の立場の人たちがなづけたもの。与えられた条件のゆるす限り,できるだけ全体を簡潔な秩序あるまとまりに見ようとする傾向のこと。

ブローカ野,ブロ-カ領域(Broca's Area)
左の脳半球の一部で,発話の統御に関与する。この領域が損傷を受けると,単語を正しく発音することが困難で,ゆっくりと苦しげに話す。そのため,この患者の発話はある程度意味を持つものの,キーワードだけで構成されている。

ブローカ領域(Broca's Area)
ブローカ領域とは,文節言語の中枢である前頭葉後下部のことで,舌や口など発声に関係した筋肉の運動連合野に相当する。

フロー・チャート(Flow Chart)
活動における選択と実行の流れを図式的に表したもの。

プログラム学習(Programmed Learning)
プログラム学習は,教えるべきことを十分に検討して系統的に序列化して配列し,現在の段階から始めて目標となる高度な水準にまで,順に無理なく到達させようとするもの。

プロゲステロン(Progesterone)
破裂した卵胞より分泌される女性ホルモン。

ブロッキング(Blocking)
古典的条件づけの一現象。ある条件刺激が確実に無条件刺激を予告するときに,別の条件刺激が加えられても,加えられた条件刺激と無条件刺激の間の関係は学習されない,というもの。

プロトコル(Protocol)
ユーザーが独自に設定したパラメータプログラム。

プロトタイプ(Prototype)
概念の典型事例を表す属性。

プロラクチン(Prolactin)
母乳の分泌を刺激する脳下垂体のホルモン。

プロリン(Proline)
プロリンはアミノ酸の一つ。ピロリジン-2-カルボン酸のこと。略号はProまたはP。環状アミノ酸で,タンパク質を構成する。糖原性を持つ。表皮細胞増殖促進活性,コラーゲン合成促進活性,角質層保湿作用などの生理活性を示す。一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸。体の結合組織,心筋の合成時の主な材料でもある。最近では,アルドール反応の安全かつ効果的な触媒として注目されつつある。生体内では,主に肝臓と小腸で行われるが,それぞれ合成経路が少し異なる。肝臓では,尿素回路の中間体であるオルニチンより,オルニチン-オキソ酸アミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.13)とピロリン-5-カルボン酸レダクターゼ(EC 1.5.1.2)の作用により合成される。ただし,両酵素の間に,非酵素的に進む側鎖の閉環反応が含まれている。

プロンプト(Prompt)
正反応が起きる確率を高める補助的な刺激。

分解(Degradation)
受け手側ニューロンの細胞膜にある酵素が神経伝達物質と反応することで化学的に分解され,不活性化される過程で,(再取り込みに加えて)神経伝達物質の作用を終結させる方法でもある。

分化強化(Differential Reinforcement)
ある刺激が提示される場合にだけ強化が与えられる条件づけの手続きで,この手続きの結果が条件性弁別である。

分化弱化(Differential Punishment)
ある反応クラスを弱化し,それ以外の反応クラスが回復するようにすること。

分散(Variance)
分布のひろがりを表わす測度の1つ。偏差(deviation)(観測値と算術平均の差)の2乗の総和を,観測値の個数または個数-1で割ったもの。

分散分析(Analysis of Variance)
2つ以上の平均値や2つ以上の変数・要因を組み合わせた条件下での平均値を比較するための,統計的仮説検定の手続きの1つ。

分泌型イムノグロブリンA(secretion of Immunoglobulin A; sIgA)
精神性ストレスによる,視床下部-下垂体-副腎系を介した免疫系の機能低下により,唾液中のsIgA濃度が減少すると考えられており,精神性ストレスマーカーの1種として認知されている。唾液を含む外分泌液において,Ig組成では主要成分である。血清IgAと分子構造は異なり,j鎖を有するIgA2量体とポリIgレセプターの細胞外ドメイン(Sc)との複合体で,分子量は39万Daである。生理的条件下でsIgA産生には,常在菌による刺激が重要因子である。粘膜免疫系における抗原刺激に対応する分泌型抗体の応答はT細胞系の調節を受けていると考えられている。

分離−固体化(Separation-Individuation)
マーラーは,発達初期の自己と主な養育者(多くの場合は母親)との関係について,自他の区別が明らかではない正常な自閉期,次に続く滋養や保護の関係としての正常な共生期,さらに生後6カ月以降3歳ぐらいまでの分離−固体化に分け,母子関係を個が確立されていく過程として理論づけた。子どもは,この分離−固体化の時期に,身体的な発育にも助けられ,自分から環境に働きかけていこうとすること,必要なときに養育者の援助を受けられることを通して,こうした自立に向かう適切な関わりと距離がよい母親像の内在化に貢献し,心理的独立の一歩を可能にしていると考えている。

分裂病質(Schizoid)
統合失調症に似ているが,それよりは軽いいくつかの特徴を有していること。統合失調症患者の家族には高頻度でみられるので,統合失調症の遺伝的基礎を支持しているようである。

ペイ・フォー・パフォーマンス(Pay-For-Performance)
報酬(賃金やそれに代わるものが,特定のパフォーマンス(達成に随伴して与えられる仕組み)。

平滑化(Smoothing of Growth Curve)
『成長曲線』を参照。

平滑筋(Smooth Muscle)
消化器官,血管,その他の内臓に見られる筋肉で,自律神経系によって制御されている。

平均(Mean / Average)
データの総和をデータの個数で割ったものを算術平均(arithmetic mean)といい,平均値といえば通常これをさす。間隔尺度によるデータの代表値として,最もよく用いられる。その他に,幾何平均(geometric mean),調和平均(harmonic mean)などもある。

平均値(Mean)
算術平均の専門用語。

併存的妥当性(Concurrent Vatidity)
新しい測度を,評価の確立した既存の測度と比較して,基準関連妥当性を推定する方法。

並立随伴性(Concurrent Contingencies)
2つ以上の強化や弱化の随伴性が同時に働いていること。

並列処理(Parallel Processing)
複数の情報が同時に処理されるという情報処理についての理論的な説明。

ベースライン(Baseline)
行動を行動的介入なしに測定する実験期間のこと。

ペーツル現象(Poetzle Phenomenon)
1917年,神経学者のペーツルが発見。「人は覚醒時に受けた閾下知覚を夢の中で思い起こせる」。近代的手法で研究された閾下知覚の最初の例。

ベクトル(Vector)
大きさと方向を表す数学上の数量。

ヘリウム(Helium:He)
原子番号2の希ガス元素。ほとんどの超電導装置は,マグネットを極低温に保持するための冷却用寒剤として液体ヘリウムを使用する。

ヘルツ(Hertz(Hz))
音波の周波数,とくに一秒あたりの周波数の測定に使われる単位(サイクル/秒)。

ヘロイン(Heroin)
アヘンから抽出された極度の依存性を持つ中枢神経系抑制薬。

変換(Transduction)
物理的エネルギーを脳まで達する電気信号に変換すること。

変間隔強化スケジュール,変動間隔強化スケジュール(Variable Interval Schedule)
特定の時間経過後の最初の反応に対して強化が行われる手続き。しかし,その時間間隔は不規則に変化する。

変換器(Transducer)
生理的指標を記録・測定可能な他の形式のエネルギーに変換するという,精神生理学的における電極や計器のような装置。

偏見(Prejudice)
集団に向けられる否定的感情。「前判断」から派生したもので,通常その集団に関する適切かつ妥当なデータに基づかない否定的感情を意味する。

偏見のスケープゴート説(Scapegoat Theory of Prejudice)
少数派集団に向けられる敵意は,偏見を持つた人達が受け入れがたい衝動を抑制し,同じ衝動を持つとみなす他の人達に対して敵意の態度を表すことにより生じるという理論。この敵意は,しばしば個人的問題と社会的問題の両方の責任を少数派に押し付ける形をとる。

偏差(Deviation)
個々の観測値と観測値全体から求められた平均値との差のこと。3,4,5と3個の観測値がある場合は,偏差は各々-1,0,1である。

変時隔強化スケジュール(Variable-Interval Schedule of Reinforcemnet)
直前の強化の機会から,ある時間(時間は一定ではない)経過後の最初の反応に強化が随伴するスケジュール。

変数(Variable)
その変化が,数量の変化として測定可能な特性を広く変数という。身長・体重のように連続的に変化し得ると考えられる連続型変数(continuous variable)と,兄弟姉妹の数のように非連続な変化と考えられる離散型変数(discrete varjable)とがある。

変数の混同(Confounding Varibles)
2つ以上の独立変数が同時に変化してしまって,何が従属変数に影響を与えているかが分からなくなってしまうこと。

ベンゾジアゼピン類(Benzodiaaepines)
不安を低減させるのに効果的な類似の化学構造を持つ一群の薬物。たとえば,ダイアゼパム(バリウム)やアルプラゾラム(ザナックス)がある。

扁桃核(Amygdala)
大脳皮質下の脳組織で,感情(情動)記憶の固定に関わっている。

変動的結果によるシェイピング(Variable-Outcome Shaping)
行動が目標行動に近づくにつれて好子の量が増加するか嫌子の量が減少するシェイピング。

変動の測度(Measure of Variation)
度数分布における得点のばらつきや広がりの測度で,たとえば範囲や標準偏差がある。

弁別(Discrimination)
2つ以上の刺激を区別し,それぞれの刺激に対応して異なる反応をすることをいう。

弁別閾(Difference Threshold)
刺激の物理的な大きさと感覚・知覚との関係を定式化しようと試みる研究を精神物理学という。そして,感覚の変化をもたらす最小の刺激変化の量を弁別閾という。この弁別閾と刺激量との間にどのような関係があるかを定式化したものがウェーバーの法則である。これによれば,弁別閾は基準となる刺激量の増加に伴って増加するという比例関係が成り立つ(僮/I=k)。なお,比例定数k(ウェーバー比とよばれる)は,感覚の種類によって異なる。

弁別的妥当性(Divergent Validity)
新しい測度と,新しい測度が測定しようとするもの以外の概念を測定すると考えられている測度とのあいだの相関の程度から,構成概念妥当性を推定する方法。

防衛機制(Defense Mechanism)
人は,さまざまな危険や困難な状況に直面させられて存在している。そのような状況の中で,自らを守り安定を維持していくための働きをもっている。これを自我防衛機制といい,さまざまな形態がある。

忘却曲線(Forgetting Curve)
経験したことを一定期間保持することを記憶という。一方,一度記憶されたことを思い起こせなくなることを忘却と呼ぶ。忘却曲線とは,この忘却曲線とは,この忘却の過程について時間の関数として表したもので,エビングハウスは無意味綴りを用いた実験によって,経験の直後に急速に忘却が進み一定時間を過ぎるとこの忘却の割合が安定し緩やかになっていくことを,横軸に時間,縦軸に忘却率を示す形でグラフ化したもの。

報酬(Reward)
正の強化と同意語。

紡錘波(Spindle)
睡眠の第二段階に特有の脳波。13〜16Hzの(α波に比べてわずかに高い)律動的な波が突発的に短時間出現する。

方法論(Methodology)
厳密にいえば,方法論とは知識を獲得し理解に到達する道筋を指す。一般には「科学的方法」の同義語として使われることも多い。特定の研究における特定の手続きを指す方法(method)という用語よりももっと広い意味を指す。

方略的自己呈示(Strategic Self-Presentation)
自己概念の社会的な面,他者に対して自分をどのようにみせるかに対する意識。

保持(Retention)
記憶の構成要素。記銘されたものを想起するまで維持すること。

母集団(Population)
すべての可能な事例全体のことで,これから標本が抽出される,母集団が標本よりも,たとえば,5〜10倍という,あきらかに大きい場合,その標本から母集団を推測する通常の統計的公式が用いられる。

母数(Parameter)
母集団の分布を表わす数値。

母性剥奪(Maternal Deprivation)
ボウルビィは,「乳幼児と母親(あるいは生涯母親の役割を果たす人物)との人間関係が,親密かつ継続的で,しかも両者が満足と幸福感に満たされているような状態が,精神衛生の根本である」と述べ,このような人間関係を欠いている子どもの状態を「マターナル・ディプリベーション」と名づけた。そして,これは子どもの人格発達に重大な悪影響を受けることを明らかにした。

保続(Perseveration)
同じ観念が繰り返して現れ,思考の切り替えができない状態。

保存(Conservation)
物質の量がその形の変化にかかわらず同じままであることを理解すること。

没個性化(Deindividuation)
人格的同一性を失い,匿名で集団に融合してしまう感覚。

ポップアウト効果(Pop-Out Effect)
多数の配列の中から主要な特徴を探すとき,目的の特徴が「飛び出してくる」ように思われる知覚現象。

ボディイメージ(Body Image)
心の中に作られた自分自身の像。

ボディマスインデックス(Body Mass Index; BMI)
太り具合・やせ具合を表す,身長と体重から計算される示数のひとつ。体重(kg)÷身長(cm)2で計算される。BMIと略される。カウプ示数とも呼ぶ。ボディマスインデックスの平均値は1歳から6歳のあいだはほぼ一定であるため,同じ基準値を判定に使えるため,小児科で肥満の判定のためによく使われる。

ボトムアップ処理(Bottom-Up Processes)
知覚,学習,記憶,理解において生活体のそれまでの知識や期待ではなく,入力された情報によってのみ駆動される処理様式。

ホメオスタシス(Homeostasis)
アメリカの生理学者キャノンは,体内環境を恒常に保つ機能をホメオスタシスと呼んだ。この機能は自律神経系と内分泌系の2つのシステムにより維持されている。生体にとって最も基本的な循環,消化,代謝,分泌,体温保持,生殖などの諸機能の調節がなされている。この2つの調節系を統合するのは視床下部であり,さらに,それを上位から調節しているのが大脳辺縁系である。

ポリグラフ(Polygnph)
情動に伴う複数の生理的反応(心音率,呼吸率,血圧,GSRなど)を同時に測定する装置。被験者が質問に答えているときの反応の分析により被験者の罪が決定されることから,一般には「うそ発見器」と呼ばれる。

ポリサージャリー(Polysurgery)
疼痛を訴え,何度も腹部手術を反復してうけ,手術創だらけになること。

ホルモン(Hormones)
内分泌腺により血液中に分泌される化学物質で,身体の他の部分に運ばれ,そこでホルモンを認識する細胞に特定の作用をもたらす。

本能(Instinct)
先天的に決定された行動で,種に特有のもので,同種の成員すべてに同じ形式で出現する。

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【ま行】

マガーク効果(Mcgurk Effect)
音韻知覚に関する,聴覚的な手掛かりと,視覚的な手掛かりとを,くい違ったものにして,同時に呈示すると,二種類の手掛かりが引っ張りあうような知覚の生ずること。例えば,/ba/と発音した音を,聴覚刺激として与え,/ga/と発音した顔の動きを,視覚刺激として与えると,多くの場合,音声としては /ba/と/ga/との間に位置づけられる/da/が聴かれる。この場合,被験者は,手掛かりの一部を目で見たとは感じず,耳に/da/が聴こえたと感ずる。

マグニチュード推定法(Magnitude Estimation)
Stevensによって開発された尺度構成法。標準刺激と比較したときの比較刺激の強度を,被験者が数値の形で推定し回答する方法。

マクレガーのX理論(Mcgregor's X Theory)
企業における個人の欲求充足と能率の調和的現実条件を考究し,管理の基本方式をその基盤である人間観に遡って系列的にまとめた。X理論は次のとおりである。1)普通の人間は生まれつき仕事が嫌いである。2)たいての人間は,強制,命令,処罰などをともなう企業目標達成のため十分な力を発揮することはない。3)普通の人間は命令されることをより好み,責任を回避したがり,あまり野心をもたず,何よりも安全を求める。

マクレガーのY理論(Mcgregor's Y Theory)
X理論からY理論への変換によって,組織の雰囲気が根本的に変わることを指摘している。Y理論とは,1)仕事で心身を使うのはあたりまえのことであり,遊びや休憩の場合と変わらない。2)外からの統制や威圧のみが企業目標達成に努力させる手段ではない。3)投入する努力の度は,目標達成にともなう報酬次第である。4)普通の人間は安全が脅かされぬ限り責任を引き受けるばかりか進んで責任をとろうとする。5)企業内の問題を解決しようと創意工夫をこらす能力は,たいていの人に備わっているものである。6)現代の企業においては,日常,従業員の知的能力はほんの一部しか生かされていない。

マクロ・ルール(Macrorules)
階層的なテキスト構造の中で,基底をなす命題群(microstructure; ミクロ構造)がテキスト全体の意味を捉える上位概念(macrostructure; マクロ構造)に置き換えられるときの規則。マクロ・ルールは循環的に用いられ,その結果としてテキスト構造は複数のレベルからなる階層構造を成す。主な規則は以下のものである。(1)Deletion(削除):一連の命題群のうちで,あとに続く命題を解釈するための前提条件とならない命題は除く。(2)Generalization(一般化):一連の命題群はミクロ命題群の直接の上位概念で表される命題に置換される。(3)Selection(選別):一連の命題群のうちで,別の命題によって表される,一般的な条件や構成要素を含む命題は除く。(4)Construction(構成):一連の命題群はそれらが含まれるマクロ命題によって置き換えられる。※van Dijk & Kintsch(1983)におけるマクロ・ルールは(1),(2),(4)の3つである。

マゾヒズム(Masochism)
自分自身に苦痛を与えたり,他人による痛みに耐える病理学的願望のこと。

マターナル・ディプリベーション(Maternal Deprivation)
『母性剥奪』を参照。

末梢神経系(Peripheral Nervous System)
脳や脊髄と身体の他の部分をつなぐ神経。

マニピュレーション(Manipulation)
人が考えごとをしたり緊張したりしているときには,何かに触れることによってリラックスしようとすること。

守りにくいルール(Rules That Are Hard to Follow)
1回の反応に随伴する結果が小さすぎる(累積的にしか意味がないか,確率が低すぎる随伴性を記述したルールは守りにくい。

マルベの法則(Marbe's Law)
刺激語と反応語との連合強度によって反応時間が異なる。

マンド(Mand)
特定の確立操作が主要な制御変数で,その確立操作に対応した強化により形成・維持されている言語行動。

マントラ(Mantra)
サンスクリットで,本来的には「文字」「言葉」を意味する。

満腹感知器(Satiety Sensors)
飢え,あるいは渇きのシステムとは異なる部位にある感知器で,必要とされる栄養や水分が補給されていることや食餌や飲水行動を止めても良いことを知らせる信号を送る。

ミエリン鞘(Myelin Sheath)
有髄鞘線維としてしられる,特定の神経線維を取り巻く線毛状の鞘。有髄鞘線維では無髄鞘線維よりも刺激伝達が速く,伝達エネルギーも少なくてすむ。

ミネソタ多面的人格特性目録検査(Minnesota Multiphasic Personality Inventory; MMPI)
MMPIはミネソタ大学のハザウェイとマッキンレーにより,1943年に作成されたテストである。全部で550の項目が含まれている。その内容は,一般的健康・感受性・家族婚姻など26の主題のもとに多方面にわたっている。

ミュンヒハウゼン症候群(Munchausen Syndrome)
嘘で,しかし重篤な症状を訴えては病院に入院を繰り返し,渡り歩く。

味蕾(Taste Buds)
味覚のための受容器で,舌の上や口の周りに群をなしている。

無意識(Unconsciousness)
(a)思考,態度,衝動,願望,動機づけ,感情が意識されない状態。(b)記憶,衝動,願望が意識に上らない状態。(c)衝動や願望,無意識的記憶が人の思考や行動に影響を及ぼす状態。

無意識過程(Unconscious Processes)
意識に上らない記憶,衝動や欲望。ジークムント・フロイトの精神分析理論によれば,苦痛をともなう記憶や願望は抑圧される,すなわち,気づかれることなく我々の行動に影響し続ける無意識に移されることがある。

無意識の動機(Unconscious Motive)
被験者が気づかない,あるいは歪んだ形で気づいているような動機のこと。意識と無意識を分けるはっきりした境界線はないので,多くの動機は意識と無意識の両側面を持つている。

夢幻様状態(Oneiroid State)
せん妄,もうろう状態,アメンチアなどを総称して用いられてきた。

無作為化(Randomization)
母集団の各構成員が標本として選択される確率が,すべて等しくなるようにする手続き。

無支持コンプレックス(Nonacceptance Complex)
他人からの支持がなく援助が与えられないために起こる不安を中心とした無意識的なコンプレックス。

無条件刺激(Unconditioned Stimulus; UCS)
古典的条件づけにおいて,反応を自動的に引き起こす刺激。慨して先行条件づけなしの,反射により反応を引き起こす。

無条件反応(Unconditioned Response; UCR)
古典的条件づけにおいて,以前は中性刺激であった刺激に対して条件反応を形成するための土台として用いられる無条件刺激に対して元来生じる反応のこと。

むちゃ食い(Binge Eating)
過食でみられる摂食行動。大量の食物を一度に摂取する。

名義尺度(Nominal Scale)
対象を分類する基準を名義尺度という。例えば,1組,2組といった学級の番号である。名義尺度での数値は,カテゴリーに与える一種の符号のようなものであるから,A組,B組としてもよい。尺度のうちでは最低の水準である。

明順応(Light Adaptation)
強い明るさの中に長くいることで,明るさに対する目の感受性が減少すること。

迷信行動(Superstitious Behavior)
実際はそうではないのに,あたかも反応が特別な結果をもたらすかのような行動をすること。

迷信行動(Superstitious Behavior)
スキナーは,ハトを用いて,首を回転させるなど実際には意味のない行動と食物の獲得とが条件づけられることを確かめた。そしてこのように単なる偶然的な結びつきでしかない非合理的な行動を迷信行動と呼んだ。

瞑想(Meditation)
特定の儀式や修練を行うことによって,意識の変成した状態に到達すること。

メタ認知(Meta Cognition)
我々が,外界からの情報を既存の枠組の中に評価的に取り込んでいく過程知と呼ぶ。そして,どのように認知しているかについての知識やそれを制御する過程をメタ認知という。問題解決場面などで「何がわからないのかがわかること」やどのようにしたら解決できるかを計画したり,その方法が適当かどうかを考えることができることなどが含まれる。

メタ認知モニタリング(Metacognitive Monitoring)
意図的・計画的な行為をスムーズに遂行するために,自己の認知活動を監視・評価・制御する機能が「メタ認知」であり,その中の「制御」に大きく関わっているのがメタ認知モニタリングである。読解におけるメタ認知モニタリングの要素は,(1)planning:読解前のプランニング,(2)self-evaluation:読解における自己評価,(3)revision:読解における修正,の3つに大別できる。例えば,anaphoric devices(前方照応表現)の処理において,先行詞を統語的一致や意味的一致に基づいてスムーズに特定するためには,メタ認知モニタリングの力が必要であると考えられている。このメタ認知モニタリング力は,加齢にともなう知的機能の発達や技能の熟達化に伴って発達するといわれているが,その発達過程については,まだ明らかにされていない部分が多い。Ehrlich(1999)の研究では,児童期において,メタ認知モニタリング力が前方照応表現の処理に非常に重要で,読解力の差を生む一因であることが分かったが,青年期では,前方照応表現の処理にそれほど大きくメタ認知モニタリングの力が関係していないことが明らかになった。また,青年期においては,背景知識がメタ認知モニタリングに関係しており,読み手の背景知識が不足していると,メタ認知モニタリングの力が大きく働くことが明らかになった。しかし,この実験で,青年期の被験者に用いたテキストが適当なものだったかどうかなど,細部について更に検証を重ねる必要がある。

メタ分析(Meta-Analysis)
特定の現象について蓄積された研究を一つの包括的な実験として捉え,そしてそれぞれの研究を一観測値として処理する統計的手法。

メチオニン(Methionine)
メチオニンは必須アミノ酸の1つで,側鎖に硫黄を含んだ疎水性のアミノ酸である。血液中のコレステロール値を下げ,活性酸素を取り除く作用がある。ピルビン酸へと代謝する経路が存在するため,糖原性をもつ。硫黄移動経路によりシステイン,カルニチン,タウリンの生合成や,レシチンのリン酸化などリン脂質の生成に関与する。メチオニンが不適切な変換を受けると動脈硬化症が起こることがある。メチオニンはキレート剤でもある。メチオニンの誘導体であるS-アデノシルメチオニン(SAM)はメチル基の供与体としてはたらく。対応するコドンが単一なアミノ酸は2つだけであり,1つはAUGでコードされるメチオニン,もう1つはUGGでコードされるトリプトファンである。コドンAUGはリボソームにmRNAからの蛋白質翻訳を「開始」させるメッセージを送る開始コドンとしても重要である。結果として真核生物および古細菌では全ての蛋白質のN末端はメチオニンになる。しかしながら,これは翻訳中の蛋白質に限るものであり,普通は翻訳完了後に修飾を受けて取り除かれる。メチオニンはN末端以外の位置にも出現する。メチオニンを多く含む食物として果物,肉,野菜,ナッツ,マメ科の植物があげられる。特にホウレンソウ,グリーンピース,ニンニク,ある種のチーズ,トウモロコシ,ピスタチオ,カシューナッツ,インゲンマメ,豆腐,テンペに豊富に見られる。肉類では鶏肉,牛肉,魚肉など大部分のものに含まれる。

メランコリー親和型人格(Typus Melancholicus)
テレンバッハが提唱する生来うつ病にかかりやすい人の人格特徴。

メンタル・モデル(Mental Model)
問題状況に関する具体的な心的表象のことで,問題解決に役立つと考えられる。

妄想(Delusion)
妄想とは,病的に作られた誤った思考内容で,強く確信されて,論理的に説得しても訂正が不可能なもの。

盲点(Blind Spot)
網膜上の不感領域で,神経節細胞からの神経線維が視神経へと束ねられる部分。

網膜(Retina)
光に反応する眼の部位で,桿体と錐体を含んでいる。

網様体(Reticular Formation)
脳幹内の不明瞭な神経路と結合組織のことで,明瞭な神経路の外側に位置し,覚醒機構として重要である。

もうろう状態(Twilight State)
意識狭窄に意識混濁が加わり,さらに幻覚,錯覚,不安,徘徊などを伴った特殊な状態。意識変容状態の一つ。精神医学では,意識混濁に精神運動興奮,幻覚,その他を伴う複雑な意識障害。

モーガンの公準(Morgan's Canon)
動物の行動が心理学的に低次にの能力によって解釈されるならば,いたずらにそれより高次の心的能力を解釈中にもちこんではならないとする考え方。

モーズレイ性格検査(Maudsley Personal Inventory; MPI)
イギリスの心理学者アイゼンクは,ギルフォードの性格検査の質問項目を検討し,神経症的傾向(N)と外向−内向性(E)の2つの次元からとらえて,モーズレイ性格検査を開発した。

目的指向的システムデザイン(Goal-Directed Systems Design)
はじめに,システムの究極の目的を設定し,次に,究極の目的を達成するのに必要な目前の目的をいろいろのレベルで設定し,最後に,目前の目的を達成するのに必要な最初の目的を設定する。

モデリング(Modeling)
行動の学習が,他者を観察し模倣することにより行われる過程。

モデル(Model)
(a)ミニチュアシステムは,論理的,数学的,あるいは物理的モデルに沿って組み立てられることが多い。つまり,データが組織化され,わかりやすくなるという原則はモデルの原則でもある。

モニタリング(Monitoring)
自分が読んでいることを理解しているかなど,理解の状況を評価・吟味するはたらきのこと(大河内, 2001)。メタ認知,つまり「認知の認知」の活動である。Cote & Goldman(1999)は,文章を読んで知識の構築ができた生徒,構築できなかった生徒の処理の違いを比較し,このモニタリングを行った上で,さらにその読解中に生じた問題を解決するようなストラテジーをとり得たかどうかがその後の理解に大きく関わっているとする(p.189)。

モノアミン酸化酵素(Monoamine Oxidase; MAO)
生体アミン(たとえば,ノルエピネフリン,ドーパミン,セロトニンなど)と呼ばれる一群の神経伝達物質の分解を担う酵素の一つで,情動の調節に重要であると考えられている。抑うつの治療には,この酵素の活動を抑制する薬物(MAO阻害薬)が使用される。

モノアミン酸化酵素阻害薬(Monoamine Oxidase Inhibitor; MAOI)
抑うつの治療に使用される薬物である。この薬物は,特定の神経伝達物質(ドーパミン,ノルエピネフリン,セロトニンなど)を分解する酵素(モノアミン酸化酵素)の働きを抑制する効果を持つ。したがってこの薬物の使用により,これらの神経伝達物質の作用を持続させることが。

模倣(Imitation)
模倣する人間の行動がモデルの人間の行動の刺激性制御下に入って,その形態がモデルの行動の形態に一致すること。

森田神経質(Morita Neuroticism)
森田療法の創始者,森田正馬医師が提唱した神経質性格。

森田療法(Morita Therapy)
森田正馬が考案した心理療法。

モロー反射(Moro Reflex)
頚が後ろに伸びることで誘発され,腕を大きく広げ,何かに抱きつくような反射。大きな音などでも誘発される。頚のすわる3〜4ヵ月には消える。

問題解決方略(Problem-Solving Strategies)
問題を解決するのに利用できるさまざまな方略。とくに興味深いのは,問題の解決を一連の下位目標に分割するという種類の方略で,下位目標は,最終目標に完全に到達するまでの中間段階として達成される。

問題焦点型コーピング(Problem-Focused Coping)
不安を生じさせる状況に対して何らかの方法で対処することにより,不安やストレスを減少させること。たとえば,その状況から逃避する,あるいは状況を変える方法を見いだすなどの対処法がある。

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【や行】

ヤーキス・ドットソンの法則(Yerkes-Dodson's Law)
覚醒水準が高くなるに従って精神活動の効率は増すが,正常の域を越えて高くなりすぎて,強い情動が喚起されるような状態になると,精神活動の効率は逆に低下する。このような現象のことをヤーキス・ドットソンの法則という。

役割演技,ロールプレイ(Role Playing)
自分や他人を即興的に演じてみる方法。通常自分の役割に応じた行動様式で送っている生活の中で,その役割をうまくとれない,またはその役割が固定的で流動性がない,などの不適応に対して,問題となる役割場面を設定して,改めて自分や他人の役割を演じてみることで柔軟で適切な役割行動を導こうとする方法。

矢田部・ギルフォード性格検査(YG Personality Inventory)
『YG性格検査』を参照。

有意差(Significant Difference)
データの間に生じる差の確立が仮説より大きい場合有意な差があるという。

有意である(Significant)
実験や調査の結果得られた条件差の生じる確率が,誤差による変動のみを考えたのでは非常に小さいとき,その差は(統計的に)有意であるという。統計的有意性(statistical significance)を判断する際の基準となる確率を有意水準(level of signifjcance)あるいは危険率とよび,αで表わす。

優位半球(Major Hemisphere)
一般的に言語中枢がある左半球いう。

誘因理論(Incentive Theory)
行動を決定する際の正と負の誘因の重要性を強調する動機づけ理論。内的動因が活動を起こさせる唯一の要因ではない。

U-検定(U-Test)
2標本が同一の母集団からのサンプルと考えてよいかどうかの検定。このU-検定はノン・パラメトリックのなかでも検定力の高い方法で,取り扱う数量がt-検定の仮定を満たさないときにt-検定の代わりとして利用される。

誘導運動(Induced Movement)
物自体は,実際には動かなくても,背景全体が動けば,位置関係に変化が起こる。そのとき,ものの方が動いて感じられることがある。このことを誘導運動という。たとえば,雲間の月がゆっくり流れる雲と反対方向に動いて感じられるような場合のことである。

誘発電位(Evoked Potential)
刺激することで生じる神経系のある部分の電位。測定された電位は,コンピュータによる反応の加算平均に基づいている。

UPI学生精神的健康調査(University Personality Inventory)
学生を対象とした性格・人格に関する心理テストの一種。

有毛細胞(Hair Cells)
聴覚においては,蝸牛に存在する毛状の受容器のこと。基底膜の振動によって曲がり,電気的インパルスを脳へ送る。

床効果(Floor Effect / Basement Effect)
『測定上の問題点の1つ。測定値が最小値に達するために,独立変数の効果を検出できる変化量がわずかしかない場合。天井効果』を参照。

夢のスクリーン(Dream Screen)
レヴィンの概念。何か夢を見た感じといったように,感覚だけで具体的像がない夢のこと。

要因(Factor)
測定値の変動に影響を与えるものを要因といい,測定値に対する影響をその要因の効果という。

要因計画(Factorial Designs)
2つ以上の独立変数が実験者によって操作される実験計画。

要求特性(Demand Characteristics)
実験状況の手掛かりや刺激,その他の情報が,被験者の行動を実験者が期待する方向へ誘導すること。アーチファクトの原因の1つ。

幼児期健忘(Childhood Amnesia)
生まれてから最初の数年の出来事を思い出すことができない。

陽性症状(Positive Symptoms)
統合失調症における幻覚や奇異な行動のような行動過多のこと。陰性症状と対照をなし,神経伝達の異常に起因すると考えられている。

要素心理学(Elementary Psychology)
心的現象(精神現象)を分析し,それを構成する要素を取り出し,その要素の結合によってもとの心的現象を説明しようとする考え方。ヴントやティチナーらによる構成心理学やイギリスの連合心理学などがこれにあたる。

容量受容器(Volumetric Receptors)
血液や体液の量に反応して水分摂取を調節する,仮説的受容器。腎臓から血流中に分泌される物質であるレニンが,この受容器の一種であると考えられている。レニンは血管を収縮させ,視床下部の細胞に作用し渇きを引き起こすアンギオテンシンというホルモンの放出を刺激する。

予期不安(Anticipatory Anxiety)
まだ起こっていない出来事に対して不安を感じ,不安定になるもの。

抑圧(Repression)
自我防衛機制のひとつ。意識することが自分にとって都合の悪くなるような記憶,情動,欲望などを意識から追い出し,無意識のなかに閉じ込めてしまうことを抑圧という。

抑制(Suppression)
衝動,行動傾性,容認されない行為の遂行願望が外には現れないが,意識化されている自己制御過程。

予測的妥当性(Predictive Validity)
新しい測度に基づいて,評価の確立した既存の測度の予測をすることで,基準関連妥当性を推定する方法。

欲求階層(Hierarchies of Needs)
欲求と動機についてのマズローの分類法で,基本的な生物学的欲求から,基本的な欲求が満たされた後に初めて重要になるより複雑な心理学的な動機づけまでがある。

欲求充足対象(Need-Satisfying Object)
本能的欲求を満足させてくれる力があるという理由だけで愛されている対象。

欲求の階層説(Hierarchy of Needs)
マズローが考えたもので,多様な欲求の関係を整理し5段階に分け,それぞれの欲求は下位の欲求が満足されてはじめて生まれるとした。最下位層に「生理的欲求」をおき,順に「安全を求める欲求」「愛と所属の欲求」「承認と尊敬を求める欲求」とし,最後に自分自身による自己承認・自己尊重の欲求である「自己実現の欲求」へと展開するとして,階層構造を主張した。

欲求不満(Frustration)
『フラストレーション』を参照。

欲求不満耐性(Frustration Tolerance)
欲求が阻害されても,非合理的な行動等の心の障害を起こさず,耐えられる能力。

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【ら行】

来談者中心療法(Client-Centered Therapy)
非指示的療法と呼び,ロジャースが有名である。クライエント(来談者)に対し何をすべきか指示しないことを特徴とし,治療者の態度を重視する療法。

ラピッドサイクラー(Rapid Cycler; RC)
病相頻発型感情障害。頻繁に(年に4回以上),気分が沈みこんだ状態(うつ状態)や逆に高ぶった状態(躁状態)をくりかえすこと。

ラポール(Rapport)
実験者と被験者,または面接者と被面接者のあいだの,信頼と親愛のきずなをもった快適な社会的関係のこと。

ランチ・ライン効果(Lunch-Line Effect)
周辺注意の一例。大勢の人がいる騒々しい部屋でだれかと会話に熱中しているときでも,他の人の会話に自分の名前が出るとそれに注意が引きつけられる。この現象は,その会話の非意識的監視機能を示唆している。

リエゾン精神医学(Liaison Psychiatry)
患者の精神症状だけでなく,患者−家族関係,患者−医療者関係,ときには病棟における医療スタッフ間のメンタルヘルスにも介入することもある幅広い精神科医の活動。

力動精神医学(Dynamic Psychiatry)
人間の精神現象を生物的・心理的・社会的な力のバランスの結果として理解すること。

リシン(Lysine)
アミノ酸の1つで側鎖に4-アミノブチル基を持つ。塩基性アミノ酸に分類される。タンパク質構成アミノ酸で,必須アミノ酸である。

離人感(Depersonalization)
自分自身が存在しない感じ,自分が自分でない感じとして体験される。

リスキー・シフト(Risky Shift)
集団決定が個人決定に比べ,より危険な方向に偏る傾向があることが明らかにされた。この現象はリスキー・シフトという。大勢の集団の中で個人の匿名性が高まり,責任が分散するときに生じる。

リズム(Rhythm)
時間上に生ずる主観的なまとまり,すなわちゲシュタルトであり,知覚または動作,もしくはその両者の時間的統合を支える。特に,話し言葉,音楽などの聴覚コミュニケーションの仕組みについて理解する上で重要な概念である。現れるや否や消え去ってしまう時間上のパターンの中に明確な秩序を把握するために,我々は,等間隔の時間の単位が反復されていることを手がかりにすることが多いので,このような反復のことをリズムと呼ぶことがある。また,音楽,詩歌に関しては,「タンゴのリズム」,「七五調のリズム」のような用例に見られるように,反復されるパターンのことを,リズムと呼ぶ場合もある。ゲシュタルトとしてのリズムの知覚に際しては,等間隔の,あるいはそれに近い枠組みの当てはめられることが多く,このような枠組みは,時間の格子temporal gridと呼ばれる。次々に生ずる事象の,始まりから始まりまでの時間間隔や,持続時間,強度,質の違いがリズムの性質に影響する。話し言葉や音楽においては,音の高さの変化が重要な要素となる。リズムを構成する事象,あるいは事象群の中に,前後のものに比して,知覚,産出の際に強調されるものがあり,この強調のことをアクセントと呼ぶ。リズムを構成する事象や,時間の単位は,時間的に近いものどうしがまとまりをなし,さらに,いくつかのまとまりがつながってより大きいまとまりをなすことによって階層構造を形成すると考えられる。階層構造の各層を構成する単位にもアクセントのあるものと,ないものとがあり,アクセントの位置がリズムの性格に大きく影響する。

リゼルグ酸ジエチルアミド(Lysergic Acid Diethylamide; LSD)
意識の極端な変化,幻覚,知覚の歪み,気分の著しい変化などを生じる非常に強い向精神薬のこと。

理想化(Idealization)
アンビバレンスな状態の対象を良い対象と悪い対象とに分裂させること。

離脱状態(Withdrawal State)
薬物など反復使用によって身体依存が形成されているときにその薬物を中断すると出現する症状。

リタリン(Retalin)
中枢刺激薬の一種。ADHDの抑制にも使われる。

立体視(Stereoscopic Vision)
両眼の視野を重ねることにより生じる奥行きと対象までの距離の両眼知覚(両眼視)。実体鏡によりそれぞれの眼にわずかに異なる絵が提示されたときに生じる立体視効果。

リテラシー(Literacy)
読み書きの能力のこと。

リハーサル(Rehearsal)
短期記憶内にある情報の意識的反復で,通常発声を含む。リハーサルは,短期記憶内における情報の再生と長期記憶への転送を促す。

リビドー(Libido)
(ラテン語で欲望)。フロイトの精神分析理論では,イドの精神的エネルギーのこと。

両価性(Ambivalence)
同一の対象に対して,相反する感情が同時にある状態をいう。

両眼視差(Binocular Parallax)
ある一点を両眼視すると左右の眼球の方向に僅かな差が生じるが,この手がかりによって奥行き知覚が行なわれる。

両眼手がかり(Binocular Cues)
『距離手がかり』を参照。

両耳強度差(Interaural Intensity Difference)
両耳に到達する音の強度差で,高い周波数の音の定位に役立っている。

両耳時間差(Interaural Time Difference)
音波が両耳に届くまでの時間差で,低い周波数の音の定位に役立っている。

両耳聴(Binaural Hearing)
左右二つの耳で音を聴くこと。日常生活において,右耳と左耳とに入ってくる音は,似通っているものの,僅かなくい違いを含む場合が殆どである。聴覚系は,両耳に与えられた音信号を比較したり,両耳から別々に得られた情報を統合したりしながら,環境に何が生じたかを把握する。左右の耳から並行して情報を得ることが,最も役立っているのは,音源の方向ないし位置の知覚,音ないし音の鳴っている空間の広がりの知覚,および音源分離に関してである。音源が,聴取者の正面に対して右寄りにあるとき,音は,左耳よりも右耳に対して,より早く到達し,多くの場合より強くなる。このような左右の時間差(位相差を含む),および強度差は,左右次元のどの方向から音が到来したかを把握する手掛かりになる。なお,実験室的には,左右の耳に大きく異なった音信号を呈示することも広く行われ,数々の興味深い現象が報告されている。

良心(Conscience)
個人が自分自身の行為を判断する際の善悪の基準の内面化された認識。

両断脳患者,分離脳患者(Split-Brain Subject)
脳梁を切断する手術を受けた人で,二つの大脳半球の機能は分離された状態にある。

量的(Quantitative)
あるものがもし測定できるものならば,それは量的といえる。本質的違いを指す質的(qualitative)と対比される。なお心理学実験の変数の多くは量的に測定される。

量の知覚(Volume Perception)
異なる形の容器であっても量は変わらないことの理解。

臨界期(Critical Periods)
人生において決定的な時期のことで,この時期に特定の出来事が生ずることで発達が正常に進行する。

臨界帯域(Critical Band)
各耳に対応する聴覚系の第一段階において,音の周波数成分が,狭い周波数範囲ごとに別々に処理されていると想定すると,多くの精神物理学的なデータが統一的に説明される。この一つ一つの周波数範囲の処理単位のことを臨界帯域と呼ぶ。臨界帯域の周波数幅は,中心周波数の関数として表され,500Hz以下に対しては,常に約100Hzとなり,500Hz以上に対しては,中心周波数の5分の1程度となる。純音成分に,同時マスキングを最も及ぼしやすいのは,その純音成分を中心とする臨界帯域に含まれる他の成分である。複合音や雑音の音の大きさの知覚に関しては,臨界帯域ごとに,音エネルギーが音の大きさ(ソーン値)に変換され,全ての臨界帯域にわたって音の大きさが加算されると考えれば,かなり良い近似が得られる。一つの臨界帯域は,蝸牛の基底膜における約1mmの長さに対応している。本来の意味における臨界帯域は,担当する全ての周波数の成分を均等に通過させ,可聴周波数範囲を,隙間も重なりもなく覆いつくす。この点で,特定の周波数の成分を最もよく通し,互いに重なりを許す聴覚フィルターとは区別される。ただし,この区別は絶対的なものではない。臨界帯域の中心周波数は,工学的なモデルに見られるように固定したものではなく,刺激に応じて変化しうると考えたほうがよい。

臨床心理士(Clinical Psychologist)
臨床心理学的諸技法を専門的に用いて,心に悩みを持つ人の解決を図る専門家。

臨床脳病理学(Clinical Brain Pathology)
病的な状態にある脳の解剖学的・生理学的・実践的に究明する科学。

類型論(Typology)
一定の原理に基づいて典型的な性格を設定し,それによって多様な性格を分類してパーソナリティの理解や記述を容易にしようとする立場。

累積曲線(Cumulative Curve)
オペラント条件づけの期間中に生起する反応のグラフ式の記録。累積曲線の勾配は反応率を示す。

ルール(Rule)
行動随伴性を記述したタクトが生みだす言語刺激。

ルール支配行動(Rule-Governed Behavior)
ルールに制御された行動。

レスポンデント行動(Respondent Behavior)
反射活動に相当する行動様式で,主に刺激の統制下にあり,また刺激から予測可能である(同意語,誘発行動)。

レスポンデント条件づけ(Respondent Conditioning)
中性刺激が無条件刺激と対提示されることで無条件反応に似た条件反応を誘発し条件刺激に変わること。

劣位半球(Minor Hemisphere)
一般的に言語中枢がない右半球いう。

劣性遺伝子(Recessive Gene)
対になっている二つの遺伝子の一方は,他方が劣性遺伝子の場合にのみ,個人の特徴や容姿を決定する。しかし,他方も優性遺伝子の場合,劣性遺伝子の影響は隠される。

レット症候群(Rett's Syndrome)
中枢神経系の発達神経障害で,女児のみに発生する。はじめは普通に成長していたのに,生後6ヶ月から1歳6ヶ月の頃に突然発症し,それまでに獲得していた手の機能や言葉を失ってしまう難病。

レディネス(Readiness)
学習が可能になるためには,心身ともに一定の発達を遂げていなければならない。このような学習可能な準備状態をいう。

リボ核酸(Ribonucleic Acid; RNA)
リボヌクレオチドがホスホジエステル結合でつながった核酸。

レミニッセンス(Reminiscence)
記銘学習では普通記銘の反復回数が多いほどよく保持される。しかし連続して集中的に反復記銘をする集中学習(Massed Learning)よりも,何回かごとに休みを入れて反復記銘する(分散学習)の方が,完全に学習するまでに要する時間が少なくて済む。また,記銘から時間が経つほど忘却が進むと考えるのが普通だが,原学習が不完全な場合には,学習直後よりもしばらくたってからのほうが再生量がやや多くなる場合がある。この現象をレミニッセンスという。

レム(Rapid Eye Movements; REM)
急速な目の動きが起きる睡眠段階。急速眼球運動(REM)。

REM睡眠(Rapid Eye Movement Sleep)
睡眠の経過のなかで脳波が入眠時あるいは覚醒時のパターンを示す時期がある。この時期に閉じた瞼の中で眼球が急速に動き,心拍や呼吸が早くなることを見出し,この時期の睡眠をREM睡眠という。

連関表(Contingency Table)
2つの属性間の関係を調べるために,データをそれぞれの属性に関してカテゴリ分類して得られた度数表。

連合学習(Associative Learning)
事象間に存在する特定の随伴性(あるいは関係)についての学習。すなわちある事象が他の事象と結びついていることの学習。

連合弛緩(Loosening of Association)
思考を構成する観念の間に論理的な関連がなく,思考のまとまりがなくなるもので,統合失調症でみられる。

連合失認(Associative Agnosia)
大脳皮質の特定領域の損傷に由来する知覚障害の一つで,患者は,視覚的に提示されたなじみのある事物を理解することが困難となるが,触れたり聞いたりできれば,その事物の名称をすぐに言うことができる。

連合野(Association Areas)
直接感覚,運動過程には関係していない大脳皮質領域で,多くの感覚経路からの入力を統合し,恐らくは学習,記憶,思考などの働きをしていると考えられる。

連続強化(Continuous Reinforcement)
反応する度に強化が随伴すること。

ロイシン(Leucine)
ロイシンはアミノ酸のひとつで,側鎖にイソブチル基を持つ。白色結晶となることからこの名がついた。タンパク質構成アミノ酸で,必須アミノ酸。疎水性アミノ酸,非極性側鎖アミノ酸で分枝アミノ酸に分類される。ケト原性を持つ。幼児では生長,成人では窒素平衡に必須である。タンパク質の生成・分解を調整することによって筋肉の維持に関与する。

労働量と飽和化/遮断化の関係(Relationships Between Response Efforts, Satiation, And Deprivation)
ある好子を得るのに労働量が多ければ多いほど飽和化は早く起き,遮断化が大きければ大きいほど労働量の多い反応でも行なうことができるようになる。

ロールシャッハ・テスト(Rorschach Test)
10枚の左右対称のインク・プロットからなる検査である。インクのしみが何に見えるか答えてもらい,その反応を記号化,整理する。それに基づいて,被験者の知的,情緒的,対人関係などの各側面について解釈を行っていく。スイスの精神分析医であるロールシャッハは,1921年『精神診断学』を著しロールシャッハ・テストを公表した。

ローレル指数(Rohrer's Index)
太り具合・やせ具合を表す,身長と体重から計算される示数のひとつ。体重(kg)÷身長(cm)3で計算される。ローレル示数の平均値は生後急速に減少するが,7歳ころから思春期にはいる前までは,ほぼ一定である。このため,少年期については,BMIよりも扱いやすいとされている。

ロボトミー(Prefrontal Leucotomy)
前頭葉白質切裁術。脳に外科的侵襲を加えて精神症状を改善させようとする精神外科の一つで,薬物療法が発達する前に行われていた。現在では行われることはない。

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【わ行】

ワード・ホブランド現象(Ward-Hovland Phenomenon)
レミニッセンスのひとつで,無意味綴りなどの材料で,数分程度の比較的短時間内で生ずる現象。

YG性格検査(YG Personality Inventory)
『矢田部・ギルフォード性格検査』を参照。

Y染色体(Y Chromosome)
X染色体と対になることで男性となる性染色体の一つ。

歪度(Skewness)
分布の性質として,分布が左右対称であるか,あるいはどちらかに歪んでいるのかをあらわす数値。

わかもの文化(Youth Culture / Adolescent Subculture)
独自な領域を求めようとする青年運動をG.ウィネケンは青年文化と名づけた。現代のわかもの文化の概念はT.バーンズによると,全体社会の中で青年たちの間に広く行きわたり,強い影響力を持つ下位文化をさしている。それは青年たちに所属感と安全感の代償的満足を与え,同一性の達成を助けている。わかもの文化の発生の基礎は,青年の社会的位置の不明確さに対する青年の社会的反作用にあるとしている。

ワルテッグ描画テスト(Wartegg Zeichen Test)
E.ワルテッグの考案した投影法による人格検査。4cm平方の枠の中に描かれている短い線や点を手がかりにして,1つのまとまった絵を完成させる検査である。

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