2003冬書評
評者:廣田(5期生)
小松俊明〈2003〉『成功する人材がしていること』アスペクト
〈ISBN4−7572−0960−6〉
26×35=885字

 あなたは会社でやりたいことをやり続けることができるか?しっかりとしたキャリアを積むことができるか?それが阻まれた時、転職はマイナスなものではない。むしろプラスである。著者の意見はこうだ。著者の職業であるヘッドハンターとはその転職をサポートするいわば、プロデューサーである。私の、この本の好きな点は、会社の採用者が転職希望者をどのような視点で見ているか?その採用方法。採用の実態。が実例として挙げられているという部分ではなく、なぜこの人が転職を希望したか。なぜ会社が新人ではなく、実力のある経験者を欲しがったのか?そのポストに就かせたのか?が書かれているからである。新しいマネージメントチームの方針にどうしてもついていけないという意見や、会社が日本から撤退するので、スタッフ全員3ヶ月から1年で解雇されるといった仕方の無い理由など、様々である。やはり、様々な人が混在する会社という大きな組織では、多少のごたごたは仕方の無いことかもしれないが、全てにしっかりとした理由があると思う。そこがこの本のポイントかもしれない。実際ヘッドハンターも転職希望者と会うし、会社の採用者とも会う。転職希望者も会社の採用者と会う。この全てに、人と人とのコミュニケーションが必ずある。身だしなみ、言葉遣い、性格、相性、全てが関わってくる。特に、ヘッドハンターは人を見抜くスペシャリストであるから、なおさらである。
 また、どういった人が成功するかもさらに詳しく書かれている。箇条書きにしたら、20項目くらい出てきた。特に印象に残ったのが、情報収集と有効な人脈作り。問題解決能力。コミュニケーション能力である。人とはかけがえの無い財産であるし、お金では買えない。ヘッドハンターとの関わりも含めて、人脈は大切である。本に出てくる実例に自分を当てはめてテストしてみると面白いと思う。私も、少し大人になり、いくら努力しても思い通りにならないこともあるのだなと感じてきたが、変わろうという意思を自分で持ち、努力すれば、自分の中身は何でも変えられると思うので、成功する人材になれるようにこの本を参考にして欲しい。