2001年1月24日火曜日発表→1月30日火曜日一部訂正(第1問の答え) (担当:経営学部 鹿嶋秀晃)

平成12年度 経営労務論(鹿嶋)定期試験の講評


1.全体を通して  今回は昨年度と方式を変え、「持ち込み可」としました。しかし、答案を見る限り、「ただノートを写しただけ」で、十分な読み直し・理解をせずに試験場に向かった学生がかなり多い!授業中にも何度か指導しましたが、板書をただ写すだけ、授業に来てただ座っているだけでは意味がありません。大学の講義で求められるのは丸暗記でなく「知識+思考力!」
 「知ること→感じること→考えること」の3ステップが社会科学の醍醐味です。
2.第1・2問 いかに考えずに丸写ししていたかが顕著に表れています。問題文をよく読まずにただ穴を埋めるとミスをします。
・社会学的想像力は満点がいませんでした。再度、社会学事典を確認のこと。
・「解雇の必要性」の説明は誰に対して必要なのか?
3.第1問の答え 1月19日実施分:T・T・F(訂正しました)・F(訂正しました)・F・F・能力開発・労働協約・3年・遅い・3・3・労働時間・1・第一組合
1月22日実施分:F・T・F・F・T・F・人的資源管理・政策・国民車構想・LIFETIME COMMITMENT・温情的経営OR経営家族主義・1940年体制・考課者訓練・ジェネラリスト・40
4.論述問題
 (第3問)
●採点の基準〜基本はテーマ13で解説したとおりです。標準的な答案(経営労務の知識に基づいて、論点が伝わるもの)を6割=12点として、そこからプラス・マイナスして点数を決めています。

●点数の低い答案
1)経営労務論で学んだことからかけ離れて、ただ自分の意見のみを述べた「大主張大会」になっているもの。
 求めているのは「ただ意見を述べること」ではなく「論述すること」です。
 テーマ13のノートを再度読み直してみること!!
2)字数の少ないもの。(字数制限がないのだから、書けるだけ書くこと。内容が充実していれば短くてもかまわないのですが。)
3)専門書、ホームページ、雑誌等を写しただけのもの。自分の言葉でないので文章が浮いてしまっています

●点数の高い答案
1)問題意識の高い答案
 いい答案には問題意識がしっかりと表れています。
 (点数の高かった答案のタイトル例)
 ・「現在の企業側から見た雇用調整問題」(19点)
 ・「日本的雇用システムの今後」(18点)
 ・「母親が安心して働ける企業を目指して」(18点)
 ・「日本企業における人材採用方法の変化とその傾向」(18点)など
※注意:タイトルがいいからといって点数が必ずしも良いわけではありません。
 単純に真似をするような愚かなことはやめるように!良タイトルは高得点の必要十分条件ではない。
2)経営労務論で学んだ内容に基づいて、自分の主張が述べられているもの。

●非常にショックだったこと
 前もって勉強できるようにと思ってあらかじめ問題を公表していたのですが、それをいいことにさまざまな本やホームページから記事をそのまま写してきて、アレンジもせずに書いた答案が40通以上ありました。私も専門家の端くれなので、どんな本から写してきたかは予想が出来ます(実際いくつかは書名、ページ数まで分かりました)。これでは論述問題とは言えません。対策を考える必要がありそうです。性善説でやっていきたかったんですけど...
5.漢字の間違い 日本語の間違いは特に気を付けるように!文章の品位が落ちます。重要な間違いは減点しています。
×企業競走力→○企業競争力、×処偶→○処遇、
×早期退職優偶→○優遇、×専問→○専門、
×成積→○成績、×業積→○業績、×勤属→○勤続、
×人事公課→○人事考課、×初まる→○始まる、
×指命解雇→○指名解雇、×年棒制→○年俸制、
×健康保健→○健康保険、
6.配点について 採点基準に基づいて、厳格に採点をしています。
ただし、問題数が多く時間がギリギリであっただろうことを加味し、合格ラインを下げました。
今回に限り、50点から59点の答案を一律60点に上げています。
つまり、「不可」の答案は実際の点数は49点以下です。猛勉強が必要です!!
今回の採点は大甘です。

※自分の素点を知りたい、論文の講評を聞きたいなどの疑問・質問は大歓迎します。
  各学年の質疑応答期間に研究室を訪ねて見て下さい。



 疑問・質問大歓迎!!単位の懇願大迷惑!!



一部の成績分布

一部 不可 合計
全体 (4人)2% (16人)7% (111人)49% (95人)42% 226人
一部4年生 (1人)1% (4人)4% (42人)44% (48人)51% 95人
一部3年生 (3人)3% (9人)8% (59人)53% (41人)37% 112人
一部2年生 (0人)0% (3人)16% (10人)53% (6人)32% 19人

最高点:93点、平均点:54.4点

二部の成績分布

 飛び抜けて成績のいい人はいませんが、一部より合格者が多かったです。
 これはきっと授業への出席率の高さが関係しているのでしょう。
 (もちろん、出席点は加味していません

二部 不可 合計
全体 (1人)3% (1人)3% (28人)76% (7人)19% 37人

最高点:80点、平均点:58.7点

※ 経営労務論の受講が今後の学問、人生に少しでも役立つことを願います。 鹿嶋秀晃 2001.01.24