工作機械と工作機械産業

 

 

工作物(work, ワーク)の実例 金属部品

 自動車部品、エンジンブロック、航空機部品、金型(プラスチック用、プレス用)VD

半導体製造装置、小形ベアリングなど

 

工作機械とは  金属を精密に切削・研削する機械。machine tool

 「機械をつくる機械」、mother machine

JIS:(狭義)主として金属の工作物を切削、研削等によって不要部を取り除き、所要の形状に作り上げる機械。

 

工作機械の機種  { }内は工具

工作物を回転させて工具で削る(旋削turning

旋盤{バイト}      →NC旋盤 →ターニングセンタ

工具を回転させて削る

フライス盤{フライス}  →NCフライス盤 →MC(machining center)=マシニングセンタ

ボール盤{ドリル}    →NCボール盤  →MC

中ぐり盤{中ぐりバイト} →NC中ぐり盤  →MC

研削盤{砥石}      →NC研削盤

歯切り盤{カッター}、歯車研削盤{砥石}など  →NC歯切り盤など

 

NC工作機械

NC装置で自動制御される工作機械。

  NCnumerical control)=数値制御。数値とはデジタル信号の意味

立て形MCの構成図  

横形MCの構造    

NC工作機械の構成(制御)  

   ボールねじ 

NC旋盤     NC旋盤の内部構成 

VD 旋盤、NC旋盤、フライス盤、MC

 

NC工作機械のプログラミング

 適正なプログラムの作成

 

オートメーション

FMS, flexible manufacturing system  フレキシブル生産システム 

 階層制御   山岸219

 小規模FMSの経済効果 

 FMSの導入効果比較:ブラザー、東芝タンガロイなど

 トランスファーマシンとFMSのコスト比較 

   FTL(flexible transfer line)FMC(cell)などの領域も

 

トランスファーマシンtransfer machine

 


 

アメリカにおけるNC工作機械の開発史

1948年 John T. Parsonsが「一体強化翼板」*の設計図を見る  

                                            *航空機部品。従来は鋲打ちによる

1949年 米空軍、Parsonsに新型工作機械の開発を委託

    ParsonsMITのサーボメカニズム研究所と駆動装置の共同開発を開始

1951年 MIT、世界初のNC装置を完成

1952年 MITサーボ機構研究所、世界初のNC工作機械(NCフライス盤)を完成 

              研究資金はParsonsから米空軍へ移行

1958年 K&T社、世界初のMCを開発 

1962年 Parsons, W. Forrester, W.M. Pease, A.K. Susskind, J.O. MvDonoughが「NCサーボ系に関する特許」を取得。

 

日本のNC工作機械開発史

1956年 NCタレット・パンチ・プレス 富士通による 

1958年 NCフライス盤  牧野フライスと富士通による 

1966年 MC  牧野フライス、および安田工業 

 

 

日本の工作機械産業

世界最大の生産額 1982年以降。アメリカの衰退 

激しい需要変動  設備投資と連動

 

日本のNC工作機械産業のメーカー別シェア 

 

世界最大の量産規模

 FMSによる部品加工

 コンベアシステムによる組立(アセンブリ)

製品の中心は中小型標準型のNC

市場は広汎な中小企業  NC工作機械のユーザー規模

アセンブリ産業として発展  厳しい価格競争

 

製品開発

 

日米経済の相違 →日米技術発展の相違

アメリカのNC開発  航空宇宙産業が重要な市場 

  ジェット機の構造部品 複雑形状部品  スキンミラー

  特殊な用途の大型で精巧な工作機械  US ITC, 1985

日本のNC開発

 NC制御装置専業メーカーとの共同開発

   初期に重要だった電気油圧パルスモーター

 自動車、家電産業向けNC工作機械

  ←外貨不足、貿易自由化、コストダウン圧力

   米国はドルが基軸通貨。国際収支の圧力がない

*市場的基礎の相違

 

 NCは成熟技術になった 量産技術の優位

 技術者、人材