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アマゾンの新物流センター、最 速24時間発送を支える工夫

 別井貴志(編集部)  2005/11/01 21:18

CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20090023,00.htm

1.
 Amazon.co.jpは11月1日で5周年を迎えた。今後のさらなる事業拡大を見据えて、千葉県市川市塩浜に新しい物流センター「アマゾン市川FC (フルフィルメントセンター)」を開業した。東京駅からJR京葉線で約20分の市川塩浜駅の近くにある。旧物流センターはここから約1km離れたところに あり、今後全面的に新センターに物流機能を移行させる。

2.
 新センターは2005年9月末に竣工し、2005年10月18日から試験稼働させ、11月1日に本格稼働させた。延べ床面積1万8800坪(6万 2300平方メートル)で、旧センターに比べて約4倍の規模を誇る。旧センターは2階建てだったが、新センターは4階建て。
3.
 まだまだ移行が完了していないため、空きスペースが多い。書籍から始まったアマゾンだが、現在はエレクトロニクス製品やおもちゃなど製品カテゴリーも増 えた。そのため新センターは大画面テレビなど大型の商材を強化する。
4.
 アマゾンは他では見られないユニークな在庫、入出庫管理をしている。ずらっと並んだ棚にはアルファベットと数字(コード)がふられている。その棚の段は いくつも仕切られていて、その仕切りにも1つ1つにコードがふられている。この仕切りに数冊ずつ置かれた書籍は、まったく分類せずに、すべてこのコードで 在庫管理サーバに登録されている。ジャンルや出版社ごとに分類しないので、漫画の横に洋書の百科事典が置いてあることもある。
5.
 分類されていないといっても、書籍の置き方には「同 じ大きさ」「上下巻など同じシリーズは見える範囲のところに置かない」の2つだけルールがある。大きさを揃えるのは、ユーザーの注文どおり書籍を取り出す ピッキング作業のときに、できるだけ本体を傷めないようにするためだ。また、同一シリーズをそばに置かないのは「1フィートルール」と呼ばれ、ピッカー (在庫の棚から注文のあった商品を取り出す人)が取り出すときに上巻を取ろうとして間違って下巻を取り出してしまうようなケアレスミスを防ぐためだ。
6.
 こうして管理された在庫から、ピッカーたちは紙を見 ながらみんな一方向に進んでいく。ユーザーから注文された書籍がどの棚のどの段にあるかは在庫管理サーバで把握しているので、ピッキングするリストを紙に 印刷してピッカーに渡す。リストを出力する際、あらかじめピッカーがあちこち探し回らなくても一方向の順番で回ればすべての商品がピッキングできるよう に、リストの順番を並べている。そのため、書籍をジャンル分けなどして並べておく必要がないわけだ。書籍に限らず、すべての製品がこのように管理されてい る。
7.
 このようにピッカーを迷わせたり、考えさせたりしな いことがミスを減らすことにつながるそうだ。こうしたノウハウは米国で培い、うまくシステムと人のよい点をを連携されている。ここは数百人のピッカーたち が休憩したり食事したりするカフェテリアスペース。一部工事中で、ミニコンビニの売店もシャッターが閉まったまま。まだくつろげない。
8.
 配送はペリカン便の日通と提携しており、ここから国 内外に配送する。新しい物流センターにより、24時間以内に発送可能な商品ラインアップを拡充させていく。


http://wwwint2.int.komazawa-u.ac.jp/~kobamasa/