電子マネーの特徴
(キャッシュカード、プリペイドカードなどとの違い)
項目 カード型電子マネー ネットワーク型マネー 今の現金 キャッシュカード クレジットカード プリペイドカード
どんな格好? プラスチックカードにICを組み込んだものが多くなるという 形として存在しない。発行元の名称やその保証サイン、金額を記した「データ」がその姿 紙もしくは金属(海外にはプラスチック製もある) プラスチックカードの裏に磁気情報を塗布 プラスチックカードの裏に磁気情報を塗布 金属カードに磁気情報を塗布するものが多い
その機能は? すべての買い物 すべての買い物 全ての買い物 金融機関から現金を引き出す ほぼすべての買い物 切符・公衆電話など限定用途
使える店舗の数は? 長野県駒ヶ根市で137店舗が実験に参加中 日本ではホームページ上の疑似商店街内で実験が始まっている 原則としてすべて 金融機関店舗のみ クレジットカードの加盟店 自販機など限定された用途
個人間の貸し借りは? できる できる できる できない できない カードそのものの貸し借りは可能だが、カードの中の価値は交換できない
紛失時のリスクは? 電子財布と組み合わせて、パスワード等で保護することができる 物体として存在しないので紛失しない 高い 暗証番号で保護されているが、破られる可能性がある クレジットカード会社に連絡して使用を停止できるが、その前に使われる可能性がある 暗証番号で守られてはいないので、リスクは大きい
偽造のリスクは? 理論上は偽造できるがコストが高くつくといわれている データ列は理論上では偽造可能だが、コストが高いといわれている 贋札(にせさつ)偽造事件は後を絶たない 現行の磁気カードを偽造した事件は多い 現行の磁気カードを偽造した事件は多い 現行の磁気カードを偽造した事件は多い
個人が通信回線経由で買い物に使えるか? 使える。クレジットカードと異なり、個人の番号を送るわけではないので盗み見された場合のリスクが小さい 使える。クレジットカードと異なり、個人の番号を送るわけではないので盗み見された場合のリスクが小さい 使えない。遠方には現金書留や金融機関の口座を介して送金する 使えない 電子メールでクレジットカード番号を送ることができるが、通信回線上を流れる間に盗み見される危険がある 使えない。但し公衆電話からNTTの番号案内を利用するとき、通信回線経由で情報を買っていることになる
管理の手間は? 理論的に1枚のカードで済む 物体として存在しないので管理の手間がない 増えるほどかさばる 金融機関の提携によってほぼ1枚で済むようになりつつある 使い道によって複数必要な場合が多い 用途が限定されているので、目的別にカードが必要
信用できるのか? どのような組織が信用を保証するかは未定 どのような組織が信用を保証するかは未定 日本では政府・日銀が保証している 発行元の金融機関の信用が反映されている ビザやマスター、JCBといったカード会社の信頼が反映されている 発行機関(例えばNTTやJR)が保証している
海外での利用は? データ送受信などの国際共通規格が成立すれば1枚で済む データ送受信などの国際共通規格が成立すれば1枚で済む 外貨への交換が必要 一部の外資系銀行カードはそのまま使える そのまま使え 用途が限定されているので海外では使えない
使うときの手間は? 自分の電子マネーからデータを店のレジに送るだけ。クレジットカードのような手間は発生しない パソコンなど、データを送受信する装置が必要になる ない。例えば駅の売店では、数秒で売買が成立している 金融機関の引き出し機が閉まると使えない サインを書く手間、カード会社にデータを送る手間がある。実際の決済までタイムラグがある ほぼない。場合によっては、現金以上に手間がかからない
出所)『President』1997年1月号、166頁。
小林ゼミの松本和久君(2962342)がExcelで作成。1998年9月26日。
校正は小林ゼミの林理恵君による。2002年5月28日。