電機産業と電子産業について
 

電機とは、電気機械、または電気機械器具の略。
 機械器具のうちの器具は、電球、電池、集積回路などを含む。
 電機産業は、日本標準産業分類では電気機械器具製造業という。
 電気機械器具を電気機器、電器などと略すこともある。

電子産業は、電子機械産業、あるいは電子機械器具(電子機器)産業ともいう。
 カタカナで言えば、エレクトロニクス産業である。
 テレビ、ラジオ、コンピューターなどのように電子の運動を利用する機器を製造する産業である。情報機器が多い。
 これに対して洗濯機、冷蔵庫などは電気を機械的エネルギに変換して利用し、照明器具は電気を熱に変換して利用する。これらを「狭義の電機」という。
 電子産業は、電機産業の一部として誕生したが、その比重が高まったことによって特別な名称が付けられた。
 (結論)狭義の電機とは電気を別のエネルギに変換して動く機器、電子機器とは電気を情報伝達の媒体として利用する機器。

いわゆる「家電」とは、家庭用電気製品または家庭用電機(電気機器)を含んでいる。家庭用を、民生用とも言う。
 最初は洗濯機、冷蔵庫などの狭義の電機が多かったが、しだいにラジオ、テレビ、VTR、携帯電話、デジカメなどの電子機器の比重が高まった。
 「家電」の対語は、産業用電機で、企業内で業務用に使われる電機を意味する。発電機、配電機器、放送通信機器、設備機械の制御機器などがある。
 実際には家庭用にも産業用にも使われている機器が多い。電話、ファックスなど。

 コンピューターは、軍や統計局などの政府、大学などの研究機関、一部の大企業で利用が始まった。大型汎用コンピューターの時代には大企業での利用が普及した。
 1970年代に登場したパソコンは個人や家庭で利用されるようになったが、中小企業などの企業でも大量に利用されている。
 つまりコンピューターは、当初は産業用電子機器だったが、現在は家電の一部でもある。

 「電気産業」という呼称は、電気を製造する産業という意味になるから、電機産業とは異なる。混乱を避けるために「電力産業」と呼ぶ。
 ワープロで「でんき」を漢字に変換すると、電気と電機が出てくるが、「電気産業」という用語は使わないように注意したい。
 また「電機器」という表記は不自然だから使うべきではない。「電機器」は可。
 社名では、松下電器産業、日本電気、三菱電機などと多様だが、一般的な用語は上記に従うといい。
 
 
電機(電気機械器具)

洗濯機、冷蔵庫、扇風機、アイロン、
照明機器(電球)、電池

発電機、配電機器、設備機械の制御機器

電話(電話機、交換機)、ファックス、
 

*以上は「狭義の電機」
電子機器(電子機械器具)

ラジオ、テレビ、テープレコーダー、
VTR、デジカメ、携帯電話

放送通信機器、設備機械の制御機器、
電子顕微鏡

トランジスター、集積回路

コンピューター

設 問

  1. 集積回路は、電機の一種なのか。
  2. エアコンはどこに入るか。
  3. CDプレイヤーはどこに入るか。
  4. 設備機械の制御機器が両方に出てくるのはなぜか。
  5. 家電に含まれる機器はどれか。とくにデジカメ、電話、集積回路など。


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