OEM : original equipment manufacturing

 この用語は、一般には「相手先ブランドによる製造」の意味とされている。
 しかし"original equipment"がついているのは何故なのかが分からない。

 下記の解説は、野村総合研究所のサイトの「経営用語の基礎知識」にかかれている事である。上の疑問への直接の回答はないが、そのヒントはもしかしたらあるかもしれない。


 OEM Original Equipment Manufacturing
 

 下請け製造の一種として生み出された製造形態。様々な形で発展を遂げるとともに、メーカーに自社工場の役割を問いかけている。

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OEMとは、自動車、家電製品、OA機器、衣服、アクセサリーなどに見られる製造形態であり、完成品もしくは半完成品を相手先ブランド名で生産することを指します。

供給側・被供給側双方にメリット
 OEMを実施すると、供給を行う側と供給を受ける側の双方にメリットがあります。供給を行う側にとっては、他社製品の生産も請け負うために施設稼働率が向上し、製造コストを抑制できます。一方、供給を受ける側としては、開発・管理に関するコストを抑制できるため、安価で製品を調達できます。双方に共通するメリットは、市場に応じた製品投入の機会ロスを避けることです。
 一般に、生産には強いが販売力の劣る企業は、製品供給側に適しており、生産には弱いが販売力の強い企業は、供給を受ける側に適しているといえます。海外市場へ参入する場合などは、OEMが成立しやすい環境といえます。

自社工場の役割を問う
 OEMが成立した経緯を歴史的に見ると、受ける側がコスト競争に勝てなくなり生産工程を放棄した場合や、急速な市場変化に対応 できず他社から生産設備を借りるケースがOEMの発端 でした。メーカーの立場としては、生産を放棄するという苦渋の選択であったと思われます。
 しかしながら現在では、OEMはメーカーにとって当たり前の仕組みであり、むしろ発展を遂げて多様化しています。
OEMが多様化した背景には、(1)製品が複雑化したために1社ですべての部品を生産することが難しくなった、(2)市場の変化が激しくなり生産設備を整備するための十分な時間が確保できなくなった、(3)消費者の購買基準としてブランドイメージが重視された、等があげられます。
 例えばノートパソコンでは、多くの企業が液晶やCPUなどの主要部品で他社からOEM供給を受けています。完全にOEMに依存する企業もあります。
 OEMの発展は、自社工場を持たないファブレスや、自社ブランドを持たないファウンドリー・EMSの台頭を牽引しており、メーカーに対して自社工場の役割を問いかけています。

(内容は平成13年10月時点)


英語版のWIKIPEDIAを見ると、Original Equipment Manufacturerという項目がある。→参照
そして、その文中にはoriginal equipment manufacturingという語句はないし、独立の項目はない。

original equipment manufacturerとは、他の企業が設計した製品や部品を受託し、委託元企業のブランドを付けて製造する企業(メーカー)という意味だろう。
だからoriginal equipment manufacturerとは、もしかしたら「元の製造設備を持っている製造業者」という意味なのかもしれない。しかしそれではわかりにくいから、「相手先ブランドで製造する企業」と訳しているのかもしれない。

であるならば単に、「受託製造業者」とか「受託製造」の一種である。しかし納入する製品には自分のブランド名を付けないこと、また納入する製品を委託元企業が外部に販売すること(社内用ではないこと)を特徴とする「受託製造」なのだろう。




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