靖国神社Q&AQ1 靖国神社はどのような神社か?
近代日本の出発点となった明治維新の戦乱で、生命を捧げた人たちの霊を慰めるために、明治2(1869)年に明治天皇のご意志によって現在地(東京都千代田区九段)に創建された「東京招魂社」が起源。明治12(1879年)には「靖国神社」と社号が改められたが、「靖国」には「国の平和を願う」という明治天皇のお気持ちが込められている。本年(2001年)はご創健から132年目になる。
途中略
Q8 中国などの近隣諸国が反対していることをどう思うか?
そもそも、靖国神社に対する首相の参拝は国内問題であり、他国が口を差し挟むことがらではない。
かつて以下のような事実があったことを想起されたい。1985年5月、サミット出席の後に西ドイツを訪問した米国のレーガン大統領はビットブルグの旧ドイツ軍将兵らの墓に詣でた後、そこにナチス親衛隊兵士も埋葬されていることが判明して、ユダヤ系米国市民から激しく反発された。しかし、同行したコール独首相の参詣には何の抗議もなかった。日本の首相の靖国神社参拝もこれと同じことではないか。
ちなみに、中国との間には1972年に「日中共同声明」を結んでいるが、その第6条において「内政に対する相互不干渉」を謳っている(注※)。首相が靖国神社に参拝するかどうかは内政問題であり、中国の非難は「日中共同声明」違反に当たる。
※日中共同声明第6条「日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。」
なお、こうした国際条約の問題とは別に、私たちはこれら近隣諸国との友好を願っているだけに彼らの反対をまことに残念に思う。彼らが反対する最も大きな理由は、靖国神社にいわゆる「A級戦犯」が合祀されているという点にあるが、その数は僅か14人に過ぎず、ご祭神総数246万人からすれば微々たるものである。仮に首相が参拝したとしても、その参拝の趣旨はこれら戦歿者全体に対する追悼の意を表明するにとどまり、「戦犯」を美化するものでは決してない。
Q9 「A級戦犯」はなぜ合祀されたのか?
現在、靖国神社には、A級、B・C級を問わず、1000人余の戦争裁判で亡くなった人々が合祀されている。ここに至る経緯は次の通り。
占領が終わると、当時の国会は、連合国によってアジア・太平洋の各地で開かれた戦争裁判は、日本が主権を喪失していた時期に日本の意思とは無関係に一方的に裁いたものであるから、国内法上での犯罪者とはみなさず、「戦犯」の遺族も一般戦歿者の遺族と同じように扱うよう遺族援護関係法規を改正した。これによって「戦犯」を合祀する道が開かれ、昭和34(1959)年に最初の合祀が行われた。
占領終了後の靖国神社の合祀は、国や都道府県と靖国神社との共同作業であって、「戦犯」の合祀は政府の主導で行ってきたと言っても過言ではない。
以下略