ゼミ日誌 駒澤大学・小林ゼミナール

科目名: 演習 I

開催日: 20021120日、水曜日

司会者: 間明田

欠席者: 宮地

日誌記録者: 生知

次の日誌記録者:飯泉 

全体的なテーマ: 

岩村充編著『IT革命を読み解く』(第7章)岩村充「インターネットにおける情報の意味とは」 (p285318)A班(飯泉・小池・杉浦・間明田)による発表

報告者名、各報告の題名と要点/分担の範囲: 

間明田:全体の構成、問題提議「どのように個人・企業間の情報の非対称性を解決するか」

小池 :要点(289〜p307)「情報メディアに接する時間の希少性」

飯泉 :要点(304〜p318)「個人と企業の間の非対称性の問題」

杉浦 :考察 ⇒「IT革命の結果として大量の情報が流れるが、個人の情報活動は時間に制限されている。つまり情報量に対して、個人の情報活動の時間が圧倒的に少ない。そのため、人々の関心が欠乏し、目立つ情報だけが人々の関心を集める。これらのことから、ネット上の商品の価格が高くても、目立ちさえすれば、人々はより安い商品を探さずにそこで購入をする。これに対し、企業は情報を共有することができ、情報活動に資源を集中投入できるので、BtoBではより安い商品を探すことができる。つまりBtoBでは安さが重要で、BtoCでは目立つことで関心を独占することが重要となっている。メガ合併はBtoCの方が多いのはこのためである。

 時間が少なく情報活動があまりできない個人と、集中的に情報活動のできる企業との間に情報の非対称性ができている。これを解決するためには、個人の機能に企業に近いものを取り入れるべきである。それにはコミュニティーサイトなどを使うと良いと思う。コミュニティーサイトはコンセプトや目的を共有することになり、そこを見れば容易に欲しい情報を手に入れることができる。これにより、非対称性をもたらす時間の希少性を解決できる。また、そのサイトを目立つようにして、関心を集めるようなものにしていけば、さらに良いと思う。重要なことはいかに時間の少ないユーザーの情報獲得意欲をかりたてるかである。そして、そのユーザーが積極的な情報取得活動をし、自発的な情報発信活動をすることだと思う。」

提起された論点と討論の内容 

    独占禁止法を運用する公正取引委員会が、企業に有利な形で行動する不透明さがあるので、そこをしっかり整えてから“関心の独占”をいれたほうがよいのではないか。→独占禁止法を見直して、“関心の独占”も考えて枠の中に入れていくといいと思う。

    人々の関心の欠乏する中でマスメディア業者が消費者の関心を惹くにはどうしたらいいか。→企業がシンボリックな情報を流してユーザーのイメージを独占し、ユーザーにわかりやすい情報を流していくことがいいと思う

    再販制度とは何か。→再販売価維持契約の略で、独占禁止法の特例として、化粧品・医薬品・書籍などについて製造元が卸・小売価格を指定する制度。

    問題提議「どのように個人・企業間の情報の非対称性を解決するか」について、A班はコミュニティサイトなどを使うと良いと思うが、他に意見はあるか

1.コミュニティサイトとは何か。→ネット上の掲示板などで企業に関係なく商品の内容について情報提供したい人が自由に意見を言いあうことができるサイト。

2.コミュニティサイトをユーザーに使わせるには何が必要か。→目立つようにして関心を惹かせれば人はサイトの情報を信頼するようになると思う。

3.コミュニティサイトは情報の非対称性を完全に解決できるか。→完全にはできないと思う。ただ、企業は情報を消費して再生産するのに時間がかからないが、消費者は積極的にならないと解決できないので、焼死者が自発的に情報発信活動をすれば解決できるのではないか

教員の発言

・再販制度の反対はopen価格(オープンプライス)制になる。商品に「メーカー希望小売価格」が設定されていない状態のこと。

・ノンライバルグッズとはまず公園や図書館などの公共財を指す。岩村氏は、企業内で共有される情報もノンライバルグッズと呼んでいるが、そういう情報は「営業秘密」でもあるから公共財ではない。

特記事項:

メーリングリスト作成中。ゼミ日誌の送信方法について。

感想/問題点/提案

 今回の発表は問題提議とそれにたいする班の意見があって驚きました。コミュニティサイトについて詳しく知らなかったが、コミュニティサイト構築をノウハウ化して販売している会社では、話題の中心人物をハンティングして教育・研修して抱え込んでいるようなので、そういう人がいるサイトは人が集まって活発化すると思う。こういうサイトがもっと増えていけば個人ユーザーにも知れ渡って情報を取り入れやすくなるのかもしれない。また企業がもっと消費者に開放的になり情報を提供していけばもう少し非対称性を解決できるのではないかと思う。

自由カキコミ:

 22日のゼミパーティおつかれさまでした。今まで先輩たちと話をしたり、活動していることをちゃんと聞く機会があまりなかったので、すごく嬉しかったし楽しかったです。129日には、4年生による卒論発表会があるということなので、参加して色々と勉強や今後の参考になればいいなと思っています。

Ver. 02/10/06