ゼミ日誌 駒澤大学・小林ゼミナール

科目名: 演習 I  

開催日: 2002124日、水曜日

司会者:田村 

欠席者:なし 

日誌記録者:武宮 

次の日誌記録者:宮地 

全体的なテーマ: 「デル・モデル」の強さの源泉

 C班(大江、生知、田村、宮地、若狭)による発表。

報告者名、各報告の題名と要点/分担の範囲: 

田村:司会

大江:デルではBTO方式を採用しているため、ユーザーも共にコスト削減が可能。デルの強みは、直販にこだわり他社とは逆の戦略を生み出したところ。

生知:デルは中国生産が強み。ビジネスモデルは、客の声を聞き、コミュニケーションを重視。

宮地:(ディスプレイによる説明)一般的な見込み生産方式と物流。売上高と純利益。世界のパソコン出荷台数。

若狭:用語解説

考察:

 ユーザーが必要とする機能だけを組み込んだPCをインターネットで受注するビジネスモデルを主に直販、BTO(注文生産)、サポート(アフターサービス)、戦略的提携と大きく4つの要素をもつデル・モデル。今は独り勝ちをして業界トップへと上り詰めている。

 デルの業績や顧客からの受注の殆どをWeb上で受けていることはすでに知っていたが、独特の生産方式がトヨタの「カンバン方式」を模倣していたことには驚いた。部品が車と違い格段に少ないPCだからこそ成功できたのだろう。徹底したコスト削減の方式がIT不況下でも利益を年々確保できる要因に思われる。

 また、デル独特の販売方法にも驚かされる。小売店に商品をおろしたり、店頭での展示・販売を一切せずに【最近は店頭展示もある】電話やネットによる販売をおもにしている独特の方法で、資料を読んだときにこのような販売で利益が挙げられるのか疑問に思ったが、日本デルの受注のうちの約8割が電話とネットによるものだと知って驚いた。

 これからますます、デルの躍進は続きPC市場を席巻するだろう。しかし、ここ最近そんなデルがPC業界で達成可能な効率性の限界に達しつつあるといわれている。そこでデルも利益の得られる事業に参入せざるを得なくなる。たとえば、デルが参入して日の浅いストレージやサービスの事業。この方面にはNECや富士通などの古参の大手企業が待ち受けているので、ここでいかに利益や顧客の信頼を得られるようになるかが生き残れる戦略となるに違いない。

 現にデルでも新規の事業参入にあたり、既存の戦略の見直しを迫られていて、CMや店頭でも展示・販売をするようになってきている。

 新しい戦略のでどれだけ利益が挙げられるのか、今後のデルの動向に注目すべきだろう。

提起された論点と討論の内容 

・インテルやマイクロソフト社はモバイルに乗り出しているが、デルは携帯電話に進出しないのか?→デルは自社生産ではないのでしないのではないか。

EMCとはどういう企業か?→フロッピーやCD-Rと同様に消耗品を扱う会社【正しくは、ネットワークサーバーなどの補助記憶装置を製造販売する企業】。

・トヨタの「カンバン方式」とは何か?→部品在庫を置いておくのではなく、必要な部品を必要なだけ部品メーカーに注文する方式。

・「日本は39.5%も出荷台数を伸ばす」とはどういう意味か? →日本のパソコン業界の中でデルの出荷台数が39.5%伸びたこと。

教員の発言: 

 Build to Order/Demandとは、受注生産つまり注文に応じた組み立てのこと。マツダのロードスター、三菱のコルトなど自動車でも受注生産が現れている。その反対は、Build to Stockつまり見込み生産である。

 デルは「カンバン方式」の応用で、無くなった部品を発注するというやり方をしている。

特記事項:

 「IT革命」西垣通著と「米ネット革命」のファイルを持参。

 後期課題の提出日が124日までに変更。

感想/問題点/提案: 

 今回、初めて日誌担当者をやらせてもらいましたが、発表と質問に対してとても集中して聞くことができてよかったです。おかげで内容は難しいですが少ない時間のなかで理解できた点が多かったと思います。来年からは一人一人で発表を進めていかなければならないため、できる限り質問に対し適切な答えができるよう、準備の方も頑張りたいと思います。

 コバマサ:来年をみんなのさらなる飛躍の年にしてほしい。

自由カキコミ: いよいよ冬も本番に近づいてきました。そうなると、僕のようなスキーサークルに所属している者は先生をはじめ、ゼミ生みんなにもいろいろご迷惑をおかけする点が多くなり、申し訳ないと思います。シーズン中は合宿と大会以外のときに行われるゼミの活動は極力参加したいと思いますので何卒よろしくお願いします。

 コバマサ:今日は例年より20日以上も早い大雪になったよ。

Ver. 02/10/06