ゼミ日誌 駒澤大学・小林ゼミナール

科目名:演習U 

開催日20031022日、水曜日

司会者:小林

欠席者:なし 

日誌記録者:飯泉 

次の日誌記録者:間明田 

全体的なテーマ:

日本興業銀行産業調査部〔編〕『日本産業読本』

第四章 組立加工産業  第二節 電子・電機産業

報告者名、各報告の題名と要点/分担の範囲: 

武宮→

1 電子・電機産業の概要

    電子機器は1、民生用電子機器(個人向けの電子機器 ex;カラーテレビ・冷蔵庫・洗濯機)、2 産業用電子機器(企業や官公庁向けの電子機器 ex;電話・交換機・コンピューター)、3 電子部品(電子・電気機器を構成する部品 ex;半導体・液晶・コンデンサー)に分類される。

2 電子・電機産業の発展

    民生用電子・電機:1950年後半〜60年前半、白黒テレビの登場で第一次家電ブーム到来{三種の神器(白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機)}。1960年、カラーテレビ放送開始で第二次家電ブーム到来{3C(カラーテレビ、クーラー、自動車(カー))の時代}。1980年、日本の家電産業は世界市場をリードするようになる。

    産業用電子: 1980年代、ワークステーション、並列処理コンピューター等の登場政府の振興政策・電電公社(のちのNTT)との共同開発が大きな役割を果たす。

    電子部品: 1950年代、トランジスターの時代へ。1980年代、超LSIの登場。汎用メモリ分野では中心的地位へ 

三浦→

電子・電機産業の現状

    最近の動向→半導体、液晶等の情報関連機器のキーデバイス生産が拡大

電子・電機産業の特色

    TVPCの組立工程を機械導入による自動化へ。半導体・液晶・二次電池の重要性の高まりデファクト・スタンダードを握ることの重要性

産業組織と企業収支

    電子・電機産業に参入しているメーカー:1 総合電機メーカー、2 家電メーカー、3 通信機・コンピューター、4 電子部品メーカー、5 重電メーカー

    企業収支→バブル崩壊後は低迷。93年以降:回復基調。96年度:半導体市場の暴落により減益。97年度:再び増益、緩やかな回復傾向

小林沙紀→

今後の展望と課題

    パソコン・通信機器等の情報関連機器を中心として拡大傾向→デバイス市場の高成長

    海外生産の拡大により、国内生産が空洞化→完成品の国内生産の減少、雇用問題、生産技術面の停滞

    半導体等のデバイス分野での技術革新による設備投資、研究開発投資の巨額化→設備の効率的な利用、メーカー間の技術提携、生産提携が必要

間明田→問題提起と考察

 他メーカーの情報家電との相互接続問題や複雑な操作などの問題が解決されたとき情報家電は「三種の神器」と呼ばれるであろう。

提起された論点と討論の内容 

    小池:固定費とは何か?→P137から設備投資、研究開発投資のことではないか。

    生知:139頁に「海外生産の拡大により、国内の生産技術が停滞する」とあるが、現地に技術指導に行っている日本人技術者が日本に帰ってくれば技術面が停滞しないのでは?

→東南アジアでの現地生産は低コストで行っている。現地の労働者の技術もまだ未熟であり、現地に行っている日本人技術者が戻って来るのは現状としては難しい。

    杉浦:レジュメ2ページ目の「企業収支」で、96年に減収となり、97年に回復しているがその後のITバブルでどうなったのか?

ITバブル時の電子・電機産業全体の収益は調べられなかったが、各企業の収益をしらべたところ、去年今年あたりから回復している企業が多かったので、電子・電機産業全体としても回復していると思う。

 

B班からの問題提起〉情報家電が三種の神器と呼ばれる時代は来るのか?

    稲葉:三種の神器と呼ばれるかはわからないが、情報家電はPCより便利になると思う。しかし、問題も多くあるのでまだ先になると思う。

    大江:いれ来ると思うが、家電や機械を買い換えないといけないのでもう少し先になると思う。

    宮地:大江君と同様に、まだインターネットに接続するための電話線の問題、コストの問題、セキュリティーの問題などがあり、まだまだ解決するには時間がかかるが、いずれは来ると思う。

教員の発言: 

    固定費とは生産量が増えても一定の費用のことで、減価償却費、(日本の正社員の)人件費など。また、変動費とは生産量が増えると増加する費用のことで、原材料費、(パートタイマーの)人件費など。

    電機とは、電気機械、または電気機械器具の略。機械器具のうちの器具は、電球、電池、集積回路などを含む。電機産業は、日本標準産業分類では電気機械器具製造業という。電子産業は、電子機械産業、あるいは電子機械器具(電子機器)産業ともいう。カタカナで言えば、エレクトロニクス産業である。電子産業は電機産業の一部である。「電気産業」という用語は、電気を製造する産業という意味になるから、電機産業とは異なる。混乱を避けるために「電力産業」と呼ぶ。「電気産業」という用語は使わないように注意!

    現在のICには1チップに数千万個以上のトランジスターが集積されている。

特記事項:

 書評を提出してください。自分のHPにもあげておくように。

感想/問題点/提案: 

 半導体市場は今後さらに世界で競争が激化していくとおもわれます。日本については、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話、薄型テレビなどに搭載する半導体の市場拡大を見込み、前年比124%増の42784億円と、3年ぶりに前年実績を上回るという記事を目にしました。日本と同様、韓国や台湾、特に中国も半導体産業で大きな成長を見せており、半導体の生産拠点が米国からアジアにシフトしているのだと思いました。

 コバマサ:かつての日本は半導体の世界的生産拠点だったが、汎用メモリのDRAMなどは縮小している。今後は中国で半導体生産が伸びそうであり、日本は高付加価値の半導体でなければ生き残りにくいと思われる。

自由カキコミ:もうすぐゼミパーティーですね。2年生の方が準備してくださっているそうで、とても楽しみです。小林ゼミの2,3,4,年生が交流をもてる唯一の機会なので、みなさんと仲良くなりたいと思います。

コバマサ:学年を越えた交流の場を楽しく生かしてほしいと思います。

Ver. 01/10/03