ゼミ日誌 駒澤大学・小林ゼミナール

科目名: 演習 II

開催日: 20031119日、水曜日

司会者:飯泉 

欠席者:小池 

日誌記録者:小林 

次の日誌記録者:大江 

全体的なテーマC班(飯泉、稲葉、大江)の発表

日本興業銀行産業調査部編『日本産業読本』

7章第3節 外食産業(p274p284)、第9章第1節 ベンチャービジネス(p347p357)

報告者名、各報告の題名と要点/分担の範囲: 

外食産業

【外食産業の発展】

・既存店売上高の伸び率は923月にマイナスに転じて以降、マイナスで推移

 →バブル崩壊後の個人消費の冷え込みや法人交際費の削減などが影響

・家計における外食比率は90年前後から鈍化しているものの、食の外部化比率は今なお上昇

 →家計における食事のあり方は、中食を含む形での外部化へと移行

70年代後半から80年代にかけて外食市場の拡大を背景に外食チェーンが登場

・外食チェーン企業の成長要因 1)チェーンストア理論に基づく積極的な店舗展開。2)駐車場付きロードサイド型店舗の展開で新しい商圏の掘り起こし。

【外食産業の現状】

            財務面の特徴→固定資産比率の高さ

            収支面の特徴→売上高に占める人件費の割合が高い、外食チェーン企業の利益率が高い

            注目される動向→消費者ニーズの高度化、多様化、流動化。出店環境の変化。食材仕入れの多様化。

【今後の展望と課題】

1.       バリュー、サービスの構築

2.       オペレーションの強化・充実

3.       優秀な人材の確保

4.       多業態化の推進

5.       経営理念・戦略の明確化

【問題提起と考察】

 外食から中食へ移行した消費者がふえたため、外食産業の中食市場への参入などがみられるようになり中食市場の競争が激化する可能性もある。他企業と差別化を図った企業が徐々に強みを発揮していくと考えられる。

 

ベンチャービジネス

【ベンチャービジネスの定義】

            革新的な技術または経営手法により、大手企業に支配されず、高い成長を志向する企業

            革新的事業の将来性には不確定な要素も多く、高い成長が期待できる反面リスクも伴う

【ベンチャービジネス興隆の条件】

1) 資金調達

 →・米国では成長性で投資の判断をするエンジェルやベンチャーキャピタルがベンチャービジネスの興隆に大きく貢献

  ・95年に中小企業創造活動推進法が実施され、全国の自治体で直接金融による支援制度の実施、低金利融資制度の拡充

2)人材確保

 →95年の新規事業法により、ストックオプション制度が認められる

3)ビジネス支援

 →・ベンチャーキャピタルがCEOや販売担当役員のリクルートなどをサポート

  ・96年日本で「ベンチャープラザJAPAN」が開催される

4)技術開発

【今後の展望と課題】

            規制緩和によりベンチャーへの追い風が吹き、第3次ベンチャーブームが期待された

            ベンチャービジネスの興隆が従来型中小企業の軽視とならないよう注意が必要 

【問題提起と考察】

 日本にベンチャーキャピタルを根付かせるためには、しっかりとしたノウハウを持ったベンチャーキャピタリストの育成、優れた経営陣による素晴らしいビジネスモデルを持った会社が数多く誕生できるような社会への変化、ベンチャーキャピタルに対する規制緩和が必要である。

 

提起された論点と討論の内容

外食産業 

生知:外部労働力とは何か?

  →正社員ではなくパート・アルバイトのように時給の従業員。

間明田:不景気による法人交際費の減少と中食急成長との間にどのような関係があるのか?

  →商談や取引で外食が使われていたが、経費削減により中食を使う場が増加した。

宮地:経営理念や戦略を消費者に明確化するにおいて、専門用語を使用してしまうと意味がないのでは?

  →専門用語をわかりやすく消費者に伝えることは企業イメージのアップになる。

間明田:ホテイチとは何か?

  →ホテルの一階で売られている有名なシェフが作った惣菜やお弁当などのお持ち帰り。女性の利用者が多いので女性うけのよい商品を提供するなどの戦略が必要

ベンチャービジネス

三浦:起業を目指す人がエンジェルとコンタクトをとるにはどうしたらよいのか?

  →アメリカでは、エンジェルとベンチャー企業をあわせる会合があり、コンサルト会社によって契約の場を設けたりしている

三浦:エンジェルが投資したベンチャー企業が成功しなかった場合、投資額はどうなるのか? 投資家に返済する責任はないのか?

  →投資家に投資額を返済する責任はない、有限責任なので投資した会社が投資額以上の負債を負って破綻したとしても投資額が戻ってこないだけで投資家にそれ以上の責任はない。

間明田:ベンチャー企業に投資している企業が一緒に共倒れする可能性はあるか?

  →普通の企業に融資する場合と変わりはないので同じように考えると、共倒れの可能性はある。

杉浦:日本でベンチャーキャピタルを根付かせるためにはベンチャーキャピタリストの育成が必要とあるがどのように育成していけばよいのか?

  →実際に育成の支援活動として、大学の講座での必要な要素の習得や、コンサルティング会社のセミナーを開き経営ノウハウの教育を行ったり、また自治体などによる説明会などを行っている。

間明田:日本は金融系中心、アメリカは独立系中心とあるが、なぜ日本は独立系がないのか?

  →アメリカでは個人の仕事としてベンチャーキャピタルが発展したが、日本では会社の仕事として発展した。両国は生まれ方が違う。

教員の発言

·        ベンチャー企業がエンジェルとの契約の場で必要なのは→学歴は関係なくプレゼンテーション能力、事業計画など。

·        日本では、エンジェルと起業家がコンタクトをとるチャンスが少ない

·        融資→借金なので資金の返済がある。投資→株式という形をとっているので返済する必要はない。

·        アメリカのエンジェルは資金が豊かなので、数企業に投資したうちのいずれかの成功を狙う。

·        ベンチャーキャピタルとエンジェルの違い→エンジェルは個人投資家、ベンチャーキャピタルは投資も融資も行なうし、ファンドを使う。

特記事項:特になし 

 

感想/問題点/提案

 外食産業について→不景気や高齢化によって中食が飛躍的に成長する一方で営業給食部門にとって厳しい状況が続く。しかし、有名店やプロの味といったブランド志向・グルメ志向が顕著な高まりを見せているのも事実なのだから、他店との差別化、多角化を図ることで営業給食もまだまだ、成長の可能性はあると思う。現在では、競争に打ち勝っていくために様々な差別化、サービス向上をめざし、多種多様な飲食店が続々と出現している。そういった意味では、外食消費者側の満足度は高いように思う。

自由カキコミ:

 とても内容の濃い発表でした。意見、質問に対する受け答えが、スムーズで見習いたいです。3年のゼミも残り少なくなってきました。寒さに負けずに頑張りましょ! 

 ゼミパーティお疲れさまでした。4年生とお話する機会ができてよかったです。

Ver. 02/10/06