2004年夏のゼミ合宿での討論のまとめ


 2004年夏のゼミ合宿は、9月9日から12日まで、富浦セミナーハウスにて実施されました。
 9月9日の午後に開かれた2年生のゼミでは、西垣通『IT革命』の第2章「いま何が起きているか」をとりあげました。
 そして同章について、全員から出されたレポート(とくに西垣著の62頁)をふまえて、「日本のデジタル・デバイド(情報格差)の解消にとってウェブTVは有効か?」というテーマが設定され、AとBの二つのグループに分かれて討論を行いました。
 下記のレポートは、このテーマに対する両グループの見解です。

 Aグループは賛成と反対の両論併記でまとめています。これにたいしてBグループは、賛成意見でまとめられていますが、ウェブテレビの「限界」については議論が及ばなかったようです。しかし「デジタルデバイドとは何か」というような議論の前提になる概念を確認した上で議論を始めたことは優れているでしょう。

 「こういう議論ははじめて」というゼミ生諸君も多かった上に、時間も少なかったので、十分な議論ができたとは言い難いですが、これを踏まえて今後はもっとレベルの高い議論を期待したいと思います。


討論のテーマ

日本のデジタル・デバイド(情報格差)の解消にとってウェブTVは有効か?

注:ウェブTV(WebTV)とは、インターネットにアクセスする機能を持つテレビジョン受像機。


Aグループのレポート


○賛成
 ウェブTVは入り口としては入りやすく、気楽にできる。また情報を家族で共有することによって会話もできる。情報格差は少しではあれ縮まるだろう。

○反対
 確かに入り口としてはよいが、ウェブTVはさわりとして始める人が多いので、主な利用者は初心者となるだろう。人それぞれによって情報の重要さは違うが、初心者が引き出す情報は情報格差を埋めるような情報ではないと思える。また、ウェブTVから引き出せる情報も情報格差に値する情報ではないと思えるので、ウェブTVでは情報格差は解消されないだろう。

編集担当:尾島


Bグループのレポート


 デジタルデバイドとは、インターネット端末を使って情報にアクセスする能力の格差の事である。
 そのデジタルデバイドを解消するためには、ウェブTVが有効となりうる。その理由は、テレビはもっとも身近な大衆情報機器であり、これを低コストでウェブTVに移行できるなら、今までパソコンや携帯電話などのインターネット端末を利用していなかった人もインターネットにアクセスできるからである。

編集担当:高橋諒