『日本産業読本』
第6章マルチメディア関連産業 第二節 放送産業
第8章エネルギー産業 第二節 石油産業
cグループ（木内、朱、山本）11月30日
放送産業
一、産業の定義（227頁）
わが国における放送産業
1 媒体別→1,地上波放送 2,衛星波放送3,CATV。
①地上波放送→ラジオ放送、テレビ放送。
②衛星放送→ラジオ放送、テレビ放送。
2 事業主体別→公共放送、商業放送。
3 収入源別→視聴料収入を財源、スポンサーからの広告収入を財源。
二、放送産業の発展
わが国の放送産業は1953年、NHKの前身である（社）東京放送局のラジオ放送によってその歴史が始まる。
１、1951年：新日本放送（現毎日放送）と中部日本放送によって民間ラジオ事業が開始。
２、1953年：ＮＨＫ、日本テレビ放送網による本放送の開始を皮切りに、各地でテレビ放送事業が開始。
３、1960年代：テレビは主要四媒体（テレビ、ラジオ、新聞、雑誌）中、もっとも影響力のある基幹メディアとして地位を確立。
４、1970年には：放送機器の高度化（例えばＥＮＧの導入）やＳＮＧに代表される衛星中継による放送リアルタイム性の向上により、テレビ放送はその番組内容を充実。
５、1980年代：「ニューメディア」ブームとともに都市型ＣＡＴＶや放送衛星（ＢＳ：Broad-casting Satellite）による衛星放送が実用化。
６、1992年：通信衛星アナログ放送が開始
７、1996年：デジタル方式による放送が開始。
三、放送産業の現状
１、地上波テレビ放送事業：⑴業界内では熾烈な視聴率獲得競争を展開し、永らく他産業に比較して高い利益水準を享授してきている。
⑵消費者が放送コストを広く、薄く、負担する仕組みが構築される。
２．衛星放送事業 ：現在ＢＳを用いてＮＨＫと日本衛星放送株式会社がテレビ放送を行い、衛星デジタル音楽放送株式会社がラジオ放送を行っている。
（１）
わが国のCATVの受信契約総数→95年度1035万世帯で全世帯数の23.4％。
85年以降：都市型CATV事業が次々に開業→サービスエリアの制限、地元出資要件、などの規制を撤廃、外資規制の緩和。
四、デジタル化と国際化
今後の放送業界におけるキーワード：１、デジタル化 ２、国際化
１、デジタル化：⑴96年ＣＳテレビデジタルが放送開始。
⑵放送コストが劇的に低下。
⑶放送とは縁の薄かった業界からの放送事業への参入が可能。
２．国際化：⑴放送という事業の性格
⑵シスチック産業と位置付け。
今後放送企業はデジタル化と国際化という大きなトレンドの中でも従来の枠組が変化しながらダイナミックに発展を遂げて行くと思われる。
問題点：
今後の展望の『第一に～』の部分、衛星放送によって地方局とのネットワーク化の意義が薄れる可能性があるのに、地上波のメディアの位置付けは変わらないはどういう事？（239頁）（木内）
（2）
石油産業
一、石油産業とは
⑴ 現代文明を支える石油（334頁）
わが国の存立を支えるもっとも重要な産業の一つ。
１、戦前：暫くの間石炭がエネルギー大宗
２、1973年：一次エネルギー供給全体の77％→「エネルギー流体革命」
３、1995年：一次エネルギー供給全体の56%に低下
４、日本→下流部門中心に発展→精製業、元売り（販売）業
世界→（探鉱開発、生産、輸送など）上流部門。
（精製、石油製品販売、）下流部門。
⑵ 石油精製業
石油製品：ガソリン・軽油、灯油、ナフサ・重油、←生産する工程を石油精製と呼ぶ。
規模：米国、旧ソ連続き世界第三位（96年石油精製社：26社。製油所：41カ所。精製能力：527万バーレル⁄日。）
特徴：特定の一種類のみの生産はできない。
石油精製業の需要な役割：需要にマッチした製品供給を行うこと。
⑶ 石油元売り業
96年元売り会社：11社の内半数以上が精製から販売まで一貫。
流通形態：１、直売り ２、特約店販売
二、油産業の発展過程
⑴戦後復興期
1950年：１、太平洋海岸の製油所再開。
２、精製設備の拡充（巨額の資金、海外の最新技術が必要）
⑵高度経済成長と石油業法の成立。
１、1962年：新たな石油法が制定。
２、わが国の高度経済成長：低廉、使いやすく、安定的な供給を確保した石油に支えられてきた。
⑶石油危機と需要の低迷
１、1973年：3ドル∕バレル台→1981年34ドル⁄バレル台
２、エネルギー推進、石油代替エネルギーの導入推進。
⑷ 石油政策の転換と石油価格の暴落
１、1986年特定石油製品輸入暫定措置法（特石法）：ガソリン、灯油、軽油の輸入解禁。
２、解禁にあたり輸入主体を石油精製業に限定。
(3)
３、1987年石油審議会石油産業基本問題検討小委員会→従来の規制中心の政策体系を改め、各種規制を緩和。
４、1986年原油価格大暴落。
⑸ 再び増加に転じた需要と海岸戦争
１、海岸戦争：国際的に石油製品の供給力不足顕在化。
２、「規制緩和アクションプログラム」実行。
二、石油産業における事業規制を収益構造
⑴ 石油産業への事業規制が果たした役割
１、国民経済的に見て無駄なく製油所建設を進めた。
２、①各石油企業のシェアと安定経営を保証。
②各社横並びの経営を誘導。
③相対的企業規模、業界内企業系列を固定化。
３、国際価格体系と異なる否んだ価格体系を温存。
４、ガソリンの増販を指向。
５、出店済みのSSを既得権益化、非効率SS温存の要因。
⑵ 石油産業の収益構造の特徴
１、精製、販売主体にならざるを得ない。
２、価格支配力を確保できていない。
四 石油産業の今後の課題と展望
⑴規制緩和と事業環境の変化
Ⓐ石油政策の変化
１、特石法廃止
２、ガソリン・灯油・軽油の輸入自由化。
３、指定地域制度廃止。
４、セルフSS認可。
Ⓑ規制緩和の進展とその影響
１、ガソリン市場の過当競争は一層激しさを増やし、ガソリン価格下落。
２、輸入自由化されたが、新規参入者の輸入は限定的な量にとどまってる。
３、国内価格が、輸入価格に近い水準に下落。
４、ガソリン独歩高の体系消滅。
Ⓒ今後予想される石油市場の変化
１、石油製品流通経路の多元化
２、あらゆる面で、海外との相互交流が活発化。
３、アジア石油製品貿易が拡大。
⑵ 今後の石油産業の方向性
(4)
Ⓐ更なる合理化を迫られる石油産業
１、営業拠点の削減、
２、人員削減
３、コスト削減
４、間接コスト削減
５、集中生産などの大仕掛けの対応
Ⓑ市場構造の変化に対応した販売網の構築
１、参入圧力が強まる。
２、事後調整の余地は限られる。
３、既存SS業者は徹底した合理化、経営の自立化を求められる。
４、人件費削減、不採算SS閉鎖などの合理化を強化。
５、傘下の系列SSを巨大流通チェーンに衣替え。
Ⓒエネルギー産業としての多角化と国際化
１、収益構造の強化を検討。
２、電力卸供給事業に積極的に取り組む。
３、規制緩和に伴い、本格的な石油製品輸入を検討。
４、アジア地域に対する日本の精製設備の活用を検討。
５、海外事業を積極化することも要請。
Ⓓ戦略的・主目的経営判断の重要性は増すこと
１、各社特自性に基づいた経営判断が求められる。
２、各社それぞれ経営資源に応じた戦略的・自主目的な対応が求められる。
問題点：
石油代替エネルギーの導入により石油シェアが低下していく中で、規制緩和が行われ、既存企業はコスト削減やリストラなど合理化を行い競争力を高めているが、新規参入企業はこのような厳しい状況を生き残っていけるのだろうか？（山下）
（５）