ゼ ミ 日 誌 駒澤大学 経済学部 小林ゼミナール
科目名: 演習 II |
開催日: 2006年10月24日、火曜日 |
司会者:渡部 |
欠席者: 谷貝 |
日誌記録者: 岡村 |
次の日誌記録者: 清水田 |
Ver. 04/11/13
全体のテーマ |
宇田川勝、新宅純二郎、橘川武郎『日本の企業間競争』(有斐閣 2000年)の
「第2章 デジタル家電 繰返し競争のパターンの継続と変容」について
報告者名、各報告の題名と要点/分担の範囲 |
報告者:池田、清水田、渡部
「第2章 デジタル家電」
1、 家電におけるデジタル化について
2、 ハード面での競争
3、 ソフト面での競争
提起された論点と討論の内容 |
◎提起された論点:従来の家電メーカーにおける企業間競争では、多数のプレーヤーによる同質的競争と差別化競争の反復が行われていたが、デジタル時代では世界的トップ企業との提携による先行逃げ切り型の戦法や、条件を満たすことのできた少数プレーヤーによる勝ち抜け形の個人戦的競争へと変化すると、第2章の「おわりに」で書かれているが、条件を満たせない企業が競争に加わっていくには提携するしか方法はないのか。
湯本:条件を満たしていない企業では提携したほうがよい。条件を満たしていない企業もいいアイデアがあるので、二つ足してつくればいいものはできると思う。
阿部:条件を満たせない企業は資金も少ないし、新商品開発は大きな会社と力を合わせることで、成功していくと思う。
◎限られた少数の企業が競争しあうことは消費者にどのような影響を与えるか。
村田:寡占状況は価格が固定して良くない。しかし、小さい企業が減り、大手に集中して技術力が高まり、商品としては寡占のほうがよい。
石塚:デメリットよりも価格の面でのメリットのほうが大きい。企業間の競争があったほうが価格が下がる。
◎勝ち抜け型の個人戦的競争へと変化すると書かれているが、条件を満たすことができる少数の企業による変化は起きているのか。
呉:大手に関してもごく一部に集約されていると思う。中小企業の参入は難しい。
清水田:どこの企業にもチャンスがあると思う。
◎液晶テレビやHDD型DVDレコーダーは従来のどのメーカーも出しているが、ゲーム機は出していない。違いは何か。
阿部:ゲーム機には特許がある。
長嶋:ゲームのほうはソニー独占。特許も大きい。
山田:ゲーム機はメーカーによってそれぞれ違うソフトなので、別のものと考えられる。
村田:ゲームのコンテンツは独占的だが、HDDレコーダーは規格が一緒だから、どのメーカーもつくれる。
教員の発言 |
l 提携するのと買収されるのは違う。買収されたら企業としてはなくなる。
l ゲーム機の件で特許というよりは著作権といったほうがよい。
l 同じでデジタル家電でも液晶テレビなどとゲーム機では異なる。著作権、コンテンツ、ソフトがキーワード。
追記:多数の企業による競争よりも寡占のほうが価格が下がるという意見はもっと吟味すべきであろう。
特記事項 |
感想/問題点/提案 |
今回はとても内容の濃い討論だったと思う。特に、従来のメーカーが出しているデジタル家電と特定のメーカーしか出していないゲーム機のようなものとの違いは難しかったと思う。著作権やコンテンツ、ソフトといったキーワードを考えながら来週も討論したいと思った。
コバマサ:岡村君のゼミ日誌はかなりの力作ですね。ゼミでの討論の熱気が伝わってきます。
自由カキコミ |
===================================================================
掲載日(自動): 2006年10月31日