鈴木 淳也2005年5月10日
山口公太『マクドナルドのIT戦略』経林書房2001年
全体の流れ
マクドナルドのIT戦略は、おもに@QSC+Vの追求 A顧客満足100%達成B経営システムの構築C人材育成であり、これらの命題に対してITをうまく活用していった。
今回の課題
@とAの観点から、顧客を満足させるために、いかにITを使っているか?を考察する
@QSC+Vの追求←マクドナルドの企業理念
Q…Quality(品質Q) S…Service(サービス)
C…Cleanliness(清潔)
V…Value(価値)
A顧客満足度100%達成
顧客満足度調査の方法→おもに三つ
1.
ファスト・トラック(Fast Track) 直訳→速い軌跡つまり速報
モスバーガー、ケンタッキー、ロッテリア、マクドナルドの合計四社に関しての「顧客満足度の
比較調査」
2.
CSR(Customer Satisfaction Review) 直訳→顧客満足再調査
3.
CSS(Customer Satisfaction Survey) マクドナルドの顧客満足度調査の本命
調査項目はおもに「価格」「品質」「サービス」「清潔感」
それぞれの特徴
これらに加えてMPSがある
顧客満足度調査が導き出すものとは?
マクドナルドが90年半ばから行った「バリュー戦略」は、顧客満足度調査から「根拠」と「解答」を導き出したものであり、それには絶対なる自信があった。そして、新しい顧客層を発掘し、大量のヘビ−ユーザーを獲得した。しかし、本来マクドナルドが目指しているのは顧客満足の徹底追及と
実現によって、ヘビーユーザーをロイヤルカスタマーへ進化させることである。これからも顧客満足度調査はIT戦略の裏側で進められていくだろう。
まとめ
マクドナルドは、顧客満足度を達成するために、いろいろな方法で消費者からたくさんのデータを入手している。そして、そのデータを集積・分析し、顧客が満足するバリュー戦略を打ち出している。マクドナルドがバリュー戦略で勝つ理由、それはつまりデータ・マイニングの勝利といえるのではないだろうか。
次回の課題
B経営システムの構築とC人材育成に、マクドナルドはどのようにITを使っているのか
用語解説
MPS (Market
Planning Study)
「特定のマーケットにおける効率の良い出店配置と、既存店の販売促進を手助けするツール」として開発。「調査店舗の現状把握ができる」「自社・他社の競合状況、インパクト(影響)が明確になる」という利点がある。トータルな帰結点として「無駄な投資が省ける」。つまり、調査結果を「数値」と捉えるのではなく、「顧客の行動」で捉えようとするものである
CRM (Customer
Relationship Management)
顧客満足度を向上させ、顧客との長期的な関係を築くという概念。「顧客関係管理」とも訳される。顧客一人ひとりのニーズにきめ細かく対応することで、顧客の利便性と満足度を高め、顧客との関係を強化し、企業収益の向上に結びつけることを目的としている
データ・マイニング(Data Mining)
企業に大量に蓄積されたデータを解析し、その中に潜む項目間の相関関係やパターンなどを探し出す技術
ナレッジ・マネジメント(Knowledge Management)
経営資源としての知識をいかに、獲得、創造、蓄積、活用するかについての、IT経営管理手法の一つ