ゼ ミ 日 誌 駒澤大学 経済学部 小林ゼミナール
科目名: 演習 II |
開催日: 2007年10月5日 金曜日 |
司会者: 成田 |
欠席者: 高橋 |
日誌記録者: 三村 |
次の日誌記録者: 成田 |
Ver. 06/11/8
全体のテーマ |
三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『日本産業読本 第8版』東洋経済新報社、2006年
第1章 日本の産業の発展構造と課題
報告者名、各報告の題名と要点/分担の範囲 |
報告者名:成田(司会)、小島(概要)、川島(問題提起)
報告の題名と要点
1、
日本の産業高度化とその要因
・ 日本経済の成長過程
・ リーダー交代による産業高度化プロセス
・ 国際分業の高度化とアジアの発展
2、
日本製造業の発展とそのメカニズム
・ 日本製造業の発展とそのメカニズム
・ 自動車産業の構造変化の事例
提起された論点と討論の内容 |
国内で進む産業空洞化問題をどう捉えるか?
A班の考え
良い面⇒環境の悪さ、労働の問題が解消(働きすぎなどを減らす)
悪い面⇒働いていた人からしたら働き口がなくなってしまう。
産業空洞化によって経済の発展をしている。
大井:トランスプラントからの輸入品が多いということで、なぜ技術開発力を失った(13頁)のか。
小島:技術開発力を失っても平気な分野などは技術が必要ではない分野。本の内容が不十分。
産業空洞化に賛同
大竹:産業空洞化は先進国には避けられない。空洞化させるものはさせてしまい、新しいものを生み出していく必要がある。
産業空洞化には賛同も反対もしない
山田:企業は工場を海外に置くことは有利になる(安い賃金など)と考えている。日本で発達することも必要。しかし、日本の賃金を考えると倒産などといった新たな問題にもなってしまうので、どちらともいえない。
A班の答え
産業空洞化は避けられない。海外に工場を置くことは仕方がない。
労働などの賃金などの問題は海外に置き、新たな技術開発を作り上げるのは国内で。
教員の発言 |
今回の「概要」をまとめたレジュメは小島君が明け方までかけて作っただけあって、第1章の全体像を簡潔にまとめあげた力作でした。
産業空洞化が進んだところと進んでいないところがある。(進んだのが繊維産業、バランスをとっているのが自動車産業)
自動車は産業空洞化していない。家電の一部と、繊維は空洞化している。半導体はそこまで空洞化していない。テキストは言いすぎだと思う。
逆輸入されることにより国内の雇用に影響を与えることが「産業空洞化」の問題である。
グループが問題提起する場合、テキストの担当部分と関連する問題を提起して欲しい。それからかなり離れた問題であれば、独自の資料を準備して問題提起してもらいたい。そうでないとゼミ生みんなからの意見が出にくくなる。
なおこのテキストを読み返してみると、重化学工業という用語と重化学産業という用語とが混在していたり、機械加工組立産業、機械組立産業、機械(加工組立)産業という用語が混在しているなど読みづらいところがある。かつて「繊維工業」と表記したものが今は「繊維産業」の方が普通になっているが、「重化学工業」という用語は歴史的に使われてきたので、これを変更するのは混乱になる。また機械産業は、部品を加工したあと組立工程が続くので「加工組立産業」と言い換えたり、単に「組立産業」(英語ではassembly industry)と言い換えることが行なわれてきた(本書の第二部の題名でも使用)ので、機械(加工組立)産業という用語はわかるが、機械加工組立産業、機械組立産業などの表記は読み手を混乱させる記述である。
また10頁に労働集約タイプの繊維産業、中間タイプの重化学産業〔工業〕、資本集約タイプの機械産業という分類が書かれているが、重化学工業(鉄鋼、石油化学、重電機など)と機械産業(自動車、家電など)を比べたとき、前者は巨額の設備投資のもとで自動化(オートメーション化)が進展して労働投入量は少ないのに対し、後者は設備投資も巨額だが組立工程の労働投入量は依然として多いので、資本集約タイプの重化学工業、中間タイプの機械産業と書くべきである。
また7頁に「変動相場制(71年12月のスミソニアン体制)への移行が合意された」と書かれているが、1971年12月のスミソニアン協定は1ドル308円への円切り上げによる固定相場制の再建を「合意」したものであり、誤解を招く表現になっている。
特記事項 |
感想/問題点/提案 |
新しい教科書での最初の授業でした。緊張感が伝わってきて新鮮な授業でした。
ゼミとは限らないなんでもカキコミ |
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掲載日(自動): 2007年10月15日