|
第 1 回 |
| 授業の計画・内容 |
ガイダンス・歴史的文献の意義・性格とは何か
歴史的文献の意義・性格を見極めるための重要な要点について確認する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
講義ノート(ルーズリーフ)及び配布資料を保存するファイルを用意する。板書を写すよりも、講義中の言葉をまとめて書いておくこと。 |
60分 |
|
|
第 2 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈著作〉伝記資料『三大尊行状記』について
『三大尊行状記』の道元伝が撰述年や撰述者が明確でないにも拘わらず、従来まで道元禅師の史伝として重要視されてきたのはなぜか。先行研究がどのような点に注目しているかを確認する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
同時代資料との関連性や、資料の意義・性格等から、三伝の著者の比定がどのように行われているかを具体的に把握すること。事前に配布資料を読んでおくこと。漢文には送り仮名などをメモして自分で読みやすくすること。重要な人物名や文献名には赤線などを引いて注目しておくこと。 |
90分 |
|
|
第 3 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈著作〉伝記資料『建撕記』『伝光録』について
『行状記』に続く道元禅師の史伝の成立と内容上の傾向を把握する。『建撕記』については成立年代と編述者について注目しておくこと。
〈思想〉道元禅師の父親について①
先行研究により、父親を比定する上で重要な根拠となる文献を確認し、更に通具説と通親説との相違について確認する。
・実父通具を「育父」と呼ぶ理由
文献的検証以外に思想的解釈により実父を「育父」と呼ぶ意味について、先行研究等に基づいて確認する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
配布資料をよく読んでおくこと。特に紹介する論文や著作などが図書館に所蔵されていることを確認しておく。
道元禅師の史伝についての代表的な研究書を図書館にて確認する。研究者の論証の結果よりも視点や過程に注目すること。 |
90分 |
|
|
第 4 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉道元禅師の父親について②、母親について
・父母に対する報恩などに対する道元禅師の立場
父親問題によって問題となる父親に対する態度の変化について、その論拠を具体的に検討する。
〈著作〉『永平広録』『永平略録』『永平御遺言記録』について
|
準備学習 (予習・復習等) |
先行研究論文の主張を支える、具体的な論拠を明確に整理する。配布資料にまかせず、自分でノートにまとめてみること。
著作については、その成立の背景や構成を具体的に把握すること。 |
90分 |
|
|
第 5 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉誕生から出家まで
出生から出家前までの事蹟について、『行状記』などの史伝の記述を検討する。
〈著作〉『正法眼蔵随聞記』について
編述の状況や、伝写の経緯などを伝える跋文を綿密に検討して、先行研究の論拠を確認する。
|
準備学習 (予習・復習等) |
配布資料をよく読み、史伝中の人物名などに注目しながら、記述をうのみにせず批判的に検討すること。
『正法眼蔵随聞記』跋文から導き出される論証から、歴史的文献で注目すべき点について確認すること。 |
90分 |
|
|
第 6 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉出家後の道心① ―『正法眼蔵随聞記』―
比叡山修学期から建仁寺に至る十八歳までの経緯をふり返る『随聞記』の記述を詳しく検討し、従来までの解釈の問題点について検討する。特に「初めてまさに無常によりて聊か道心を発し」とある一節の「無常」について、他の『随聞記』の説示とあわせて解釈する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
できるだけ授業内に、ノートなどに内容を整理してまとめておくこと。特に『行状記』の史伝と『随聞記』の道元の言述との立場・意識の違いにより「無常」の意味が異なることを把握すること。 |
90分 |
|
|
第 7 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉出家後の道心② ―『随聞記』―
道元が比叡山を下りるときに受けとめた「無常」について、他の『随聞記』を説示を確認する。
〈伝記〉比叡山を下りる際の疑団について
|
準備学習 (予習・復習等) |
前回までの資料をよく読んでおくこと。特に「道心を発す」上で必須となる「無常」とは、どのような学道の姿勢をいうものかを理解すること。『学道用心集』の解釈をノートなどに書いて残しておくこと。 |
90分 |
|
|
第 8 回 |
| 授業の計画・内容 |
第1回 小テスト
〈思想〉出家後の道心③―『学道用心集』―
著述文献である『学道用心集』にある「道心」と「観無常心」について理解する。
〈著作〉『学道用心集』について
|
準備学習 (予習・復習等) |
小テストにあたっては人物名・文献名などを正確に筆記できるように配布資料をよく確認しておくこと。
『学道用心集』にみる道元禅師のい「道心」解釈に対する批判をよく理解しておくこと。
|
90分 |
|
|
第 9 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉〈思想〉 ―『行状記』との関係―
『行状記』等の史伝で比叡山を下りる理由とされる本覚思想に関わる疑団について理解し、『行状記』の作者と推定される義介の立場・意図について検討する。
〈思想〉威儀即仏法・作法是宗旨①―『永平御遺言記録』―
『行状記』の疑団にみる本覚思想への疑義と『御遺言記録』や『正法眼蔵』の本覚思想批判の文脈を並行的に理解する。また『御遺言記録』における、道元禅師の義介に対する評価の説得力を根拠づける「威儀即仏法」の語の理解について検討する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
道元禅師の本覚思想批判については先行関連文献が多くあり、関心をもって図書館を利用して目を通しておくとよい。
配布資料を事前によく読み、次の三点について確認義介の『御遺言記録』撰述の背景と意図を考え把握しておくこと。特に本覚思想と「威儀即仏法」の立場との違いを理解すること。
|
90分 |
|
|
第 10 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉威儀即仏法・作法是宗旨②―『正法眼蔵永』「洗浄」「遍参」
「威儀即仏法」と対にして紹介される「作法是宗旨」の出典である『正法眼蔵』「洗浄」巻を読むことで、義介の受けとめた「威儀即仏法」との類同する解釈を確認する。
|
準備学習 (予習・復習等) |
「作法是宗旨」の語が示される文脈として提示される六祖慧能(六三八~七一三)と南嶽懐譲(六七七~七四四)の問答について、事前に予習しておき従来までの解釈を確認しておくこと。特に南嶽懐譲の「不染汚の修証」の語との連関を意識して考えること。 |
90分 |
|
|
第 11 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉建仁寺での修学―明全との出会い
〈思想〉建仁寺と栄西について
栄西の禅宗相承と建仁寺の開創について確認し、栄西の四宗兼学とされる当時のの修学の状況、とりわけ中国と日本の戒律制度の違いを踏まえた、戒律に対する栄西の意識について検討する。
|
準備学習 (予習・復習等) |
栄西の多様な一面を客観的に理解する。特に日本と中国における授戒制度の違いとその意識の相違について、具体的な術語をもって説明できるようにしておくこと。 |
90分 |
|
|
第 12 回 |
| 授業の計画・内容 |
明全と道元① ―『弁道話』『正法眼蔵随聞記』―
建仁寺で道元が私淑し、共に入宋した明全に対する道元禅師の立場について確認し、入宋直前のエピソードについて理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
明全に対する道元の数種の著述の文献的性格を具体的に理解する。また、『随聞記』に紹介される明全の決断にみる仏道者としての姿勢とはどのようなものであるのか、を自分の文章としてまとめてノートに記録する。
|
90分 |
|
|
第 13 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉明全と道元②―『伝光録』―
明全のエピソードを取り上げる背景と考えられる、懐奘の置かれていた当時の状況の分析を『伝光録』を講読することで確認する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
数種の文献を通じての明全、道元、懐奘、義介、瑩山らそれぞれ異なる立場について分けて理解する。 |
90分 |
|
|
第 14 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉入宋時の動向―新到列位是正問題①―
第一次資料の検討により、入宋当初明全と道元禅師が別行動を取っていたことを確認する。さらに道元禅師自身の著述にはみられない、新到列位是正の問題を『行状記』から講読確認する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
道元禅師自身の動静を示す文脈と、あくまで明全の行動の記録として扱う文献の内容をわけて理解すること。新到列位是正問題については、『行状記』の文言に基づく論証を整理して理解する必要がある。 |
90分 |
|
|
第 15 回 |
| 授業の計画・内容 |
第2回小テスト
〈伝記〉入宋時の動向―新到列位是正問題②―
新到列位是正のエピソードが必ずしも戒律に対する認識の相異ではないとした場合の、新たな見解について先行研究を元に検討する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
史伝の記述の細部に着目して、その現実性を検討すること。小テストにあたっては、前回テスト終了時からの配布資料を整理確認して、その術語の意義を考えながら対策すること。 |
90分 |
|
|
第 16 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉阿育王山典座との出会い―『典座教訓』①―
入宋直後に出会った阿育王山の典座との問答を確認する。典座が受けとめた道元の学道の姿勢とは何かを考察する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
典座との問答を、双方の立場や背景を踏まえ、両者の間の雰囲気のようなものを想像しながら読むこと。特に典座の心に残ったものは何だったかを考え、ノートなどにまとめておくこと。 |
90分 |
|
|
第 17 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉典座との出会い―『典座教訓』②―
前回に引き続き阿育王山典座との問答の後日談を検討し、更に天童山用典座との問答についても検討する。
〈著作〉『永平清規』について
『典座教訓』を含む清規関係の著述について解説する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
典座の答えてくれた言葉の持つ意味と、雪竇の語との類似性はどこにあるのか、を自分で見極めること。 |
90分 |
|
|
第 18 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉諸山歴遊―嗣書の拝見と龍樹身現円月相①―
入宋直後よりの嗣書拝見のエピソードと、『正法眼蔵』「仏性」巻の阿育王山の龍樹身現円月相の図についてのエピソードの内容を把握する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『正法眼蔵』の理解にあたっては、できるだけ原文の表現からその内容を把握するようつとめることが望ましく、公刊されている現代語訳はその確認の上で参照すること。 |
90分 |
|
|
第 19 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉諸山歴遊―龍樹身現円月相②―
『正法眼蔵』「仏性」巻の、前後の関連説示をじっくりと読む。また、大梅法常(七五二~八三九)の夢告のエピソードについても検討する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『正法眼蔵』の解釈にあたっては、ノートなどにまとめ、更に後で読み返して不明な点は質問するなどして確認しておくこと。 |
90分 |
|
|
第 20 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉如浄との面授①―『正法眼蔵』「面授」―
宝慶元年五月一日の日時を記す『正法眼蔵』「面授」巻の冒頭と末尾から、如浄と道元との間にあった伝法(嗣法)の内容について考察する。特にこれまで先行研究が『行状記』の叱咤時脱落を前提にして考察していることを取り上げる。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「面授」巻の語句や人物名について授業内で理解しておくこと。先行研究の論文について確認しておくこと。 |
90分 |
|
|
第 21 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉如浄との面授②―『正法眼蔵』「行持」「看経」「王三昧」―
叱咤時脱落説とは異なる、『正法眼蔵』にみられる如浄の「身心脱落」の語を含む一節について、その思想的内容について確認する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
配布資料を事前によく読み、『正法眼蔵』の現代語訳などを参考にして内容を理解しておくこと。授業内で取り上げた内容については、重要だと思ったところをノートに書きまとめておくこと。 |
90分 |
|
|
第 22 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈思想〉如浄との面授③―『随聞記』真福寺蔵本『正法眼蔵』「大悟」―
引き続き道元の引用する如浄の「身心脱落」の語の用例を確認した上で、真福寺蔵本「大悟」から「身心脱落」の意味を考察する。
〈著作〉『宝慶記』について |
準備学習 (予習・復習等) |
『行状記』の叱咤時脱落の逸話と関連すると考えられる『随聞記』の説示を、事前に読んで理解しておくこと。また真福寺蔵本「大悟」巻の「不是待悟為則」の語の意味を理解すること。 |
90分 |
|
|
第 23 回 |
| 授業の計画・内容 |
第3回小テスト
〈伝記〉帰国から興聖寺開創まで
帰国から興聖寺開創までの事蹟を、史伝ばかりではなく道元禅師自身の著述資料から確認する。
|
準備学習 (予習・復習等) |
配布資料に基づき、時系列で出来事を頭に入れておくこと。帰国直後については、中国と日本の元号の違いを混同しないように注意すること。 |
90分 |
|
|
第 24 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉興聖寺破却から北越入山
興聖寺破却に関連する同時代資料を確認しながら、『正法眼蔵』の著述活動と関係させて当時の教団の状況などを確認する。
〈著作〉『普勧坐禅儀』について
帰国第一作となった『普勧坐禅儀』について、天福本から流布本への書き改めの内容について確認する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
配布資料をよく読み、思想解釈の要点を見いだして、それをもとにノートをまとめること。 |
90分 |
|
|
第 25 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉永平寺の建立と鎌倉行化
永平寺の建立と直弟子達、更に宝治元(一二四七)年の鎌倉行化に関連する資料を検討する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
鎌倉行化後の晩年の『正法眼蔵』の説示との関連に言及する先行研究を確認すること。 |
90分 |
|
|
第 26 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉最晩年から示寂、滅後の教団①―『永平開山御遺言記録』
最晩年の状況を示す『御遺言記録』を元に、特に達磨宗を相続した義介との関係について確認する。
|
準備学習 (予習・復習等) |
『御遺言記録』があくまで義介の立場・目線から説示されていることを念頭において資料を読むこと。 |
90分 |
|
|
第 27 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈伝記〉示寂後の教団②
示寂後の懐奘・義介の嗣法相続の後、義介が永平寺三世に就くまでを取り上げる。
〈著作〉『真字正法眼蔵』について
|
準備学習 (予習・復習等) |
示寂後の動静は、以降の曹洞宗教団の動向と関係して重要である。嗣法相続に関わる意識に注意すること。
『真字正法眼蔵』については、仮字『正法眼蔵』とその意義を別にして理解すること。 |
90分 |
|
|
第 28 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈著作〉仮字『正法眼蔵』について①
各編成本の比較を通じた、編輯論について確認し、各地に所蔵される真筆本の状態からその撰述・書写の過程について検討する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『正法眼蔵』の各種編成本の関係及び真筆本の状態を、写真収録されている研究書などを参照して確認すること。 |
90分 |
|
|
第 29 回 |
| 授業の計画・内容 |
〈著作〉仮字『正法眼蔵』について②
十二巻本『正法眼蔵』「八大人覚」の奥書による構想と、その後の近世に至る『正法眼蔵』の書写及び刊行までの道程について一覧する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『正法眼蔵』の書写本の状態を通じて、宗典として信受されてきた跡形を確認すること。 |
90分 |
|
|
第 30 回 |
| 授業の計画・内容 |
第4回小テスト
|
準備学習 (予習・復習等) |
これまでの配布資料をよく見直して、重要な術語を説明できるように復習してから、小テストに臨むこと。 |
90分 |
|