駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  001801 / 東南アジア仏教史
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  月曜日 3時限
 単位数  4
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  古山 健一(フルヤマ ケンイチ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  本科目では、今日一般に「東南アジア」と呼ばれている地域のうち、大陸部(インドシナ半島、中国雲南地方)の各地において定着し多数派の宗教となった、いわゆる「テーラヴァーダ仏教(上座部仏教/上座仏教)」の歴史を中心に講義する。
 到達目標(ねらい)  大陸部東南アジアにおけるテーラヴァーダ仏教の伝来・受容・定着の様相、「テーラヴァーダ仏教国家」の成立過程、国家・社会及び民衆の精神生活と仏教との関わり、また仏教に関連する歴史的遺物(世界遺産など)についての理解を深めることを目的とする。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 序説(1):「東南アジア」とは何か?、世界の宗教と仏教、東南アジアの宗教現況
準備学習
(予習・復習等)
高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、中国、東南アジア、南アジアに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。 120分
第 2 回
授業の計画・内容 序説(2):仏教の伝播系統(「南伝」と「北伝」)、「小乗」と「大乗」、「原始仏教」・「初期仏教」・「根本仏教」
準備学習
(予習・復習等)
高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、中国、東南アジア、南アジアに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。 120分
第 3 回
授業の計画・内容 序説(3):「テーラヴァーダ仏教」とは?、「上座部仏教」か「上座仏教」か?、「テーラヴァーダ仏教圏」とは?
準備学習
(予習・復習等)
高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、中国、東南アジア、南アジアに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。 120分
第 4 回
授業の計画・内容 東南アジア仏教の存在形態(1):「規範仏教」( Normative Buddhism )と「非規範仏教」( Nonnormative Buddhism )
準備学習
(予習・復習等)
参考書②③における関連事項のページに目を通しておく。 120分
第 5 回
授業の計画・内容 東南アジア仏教の存在形態(2):サンガ(出家者集団)と在家者たちとの関係、功徳の思想
準備学習
(予習・復習等)
参考書②③における関連事項のページに目を通しておく。 120分
第 6 回
授業の計画・内容 インド仏教史概説:仏滅年代論、インド仏教史の時代区分、部派分裂と部派仏教
準備学習
(予習・復習等)
●参考書②③における関連事項のページに目を通しておく。
●インド仏教史に関する書籍を自分で1冊選び、関連事項のページを読んでおく。
180分
第 7 回
授業の計画・内容 パーリ仏典概説:仏典結集史、パーリ語とパーリ三蔵
準備学習
(予習・復習等)
参考書②③における関連事項のページに目を通しておく。 120分
第 8 回
授業の計画・内容 スリランカ仏教史概説
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、スリランカに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書④⑤における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 9 回
授業の計画・内容 東南アジアの世界遺産(1):東南アジアの仏教遺跡について(※インドネシア・ベトナムの仏教史も含む)
テーラヴァーダ仏教伝来・定着以前の東南アジアの仏教(※インドネシア・ベトナムの仏教史も含む)
準備学習
(予習・復習等)
●第5回~第8回までの授業内容について復習しておく。
●高等学校の国語科で学んだ漢文訓読法を復習しておく。
180分
第 10 回
授業の計画・内容 史料に親しむ(1):『法顕伝』『大唐西域記』『南海帰寄内法伝(義浄伝)』ほかを読む(※インドネシア・ベトナムの仏教史も含む)
準備学習
(予習・復習等)
●第9回の授業内容について復習しておく。
●高等学校の国語科で学んだ漢文訓読法を復習しておく。
180分
第 11 回
授業の計画・内容 史料に親しむ(2):『梁書』『隋書』『旧唐書』を読む<時間があれば『高僧伝』『続高僧伝』も読む>(※インドネシア・ベトナムの仏教史も含む)
準備学習
(予習・復習等)
●第10回の授業内容について事細かに復習しておく。
●高等学校の国語科で学んだ漢文訓読法を復習しておく。
180分
第 12 回
授業の計画・内容 テーラヴァーダ仏教の伝来と文化変容(1):「インド化」と「シンハラ化」、「サンスクリット化」と「パーリ化」
準備学習
(予習・復習等)
●第9回~第11回の授業内容について再度復習しておく。
●参考書②③における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 13 回
授業の計画・内容 テーラヴァーダ仏教の伝来と文化変容(2):「テーラヴァーダ仏教国家」とは?、「ダンマラージャ(正法王)」の思想
準備学習
(予習・復習等)
参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。 120分
第 14 回
授業の計画・内容 ミャンマー仏教史(1):バガン王朝の成立期まで
史料に親しむ(3):[ミャンマー]シュエダゴン仏塔の創建縁起(タマイン)を読む
準備学習
(予習・復習等)
●第9回~第11回の授業内容のうち、ミャンマーに関連する事項を復習しておく。
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、ミャンマーに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
180分
第 15 回
授業の計画・内容 ミャンマー仏教史(2):バガン王朝期からコンバウン王朝期まで
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、ミャンマーに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 16 回
授業の計画・内容 ミャンマー仏教史(3):イギリス植民地時代から現代まで
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、ミャンマーに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 17 回
授業の計画・内容 ミャンマー仏教史(4):現代ミャンマーのテーラヴァーダ仏教
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、ミャンマーに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 18 回
授業の計画・内容 タイ仏教史(1):スコータイ朝以前、スコータイ朝期
準備学習
(予習・復習等)
●第9回~第11回の授業内容のうち、タイに関連する事項を復習しておく。
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、タイに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
180分
第 19 回
授業の計画・内容 タイ仏教史(2):ラーン・ナー地域の仏教史(ハリプンチャイ期から近代期まで)
準備学習
(予習・復習等)
●第9回~第11回の授業内容のうち、タイに関連する事項を復習しておく。
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、タイに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 20 回
授業の計画・内容 タイ仏教史(3):アユタヤ(アユッタヤー)朝期
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、タイに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 21 回
授業の計画・内容 タイ仏教史(4):トンブリー朝・ラッタナコーシン朝期
史料に親しむ(4):[タイ・ラオス]『エメラルド仏年代記』を読む
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、タイに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 22 回
授業の計画・内容 タイ仏教史(5):現代タイのテーラヴァーダ仏教
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、タイに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 23 回
授業の計画・内容 カンボジア仏教史(1):扶南・真臘期(※タイ東北部の仏教史も一部含む)
準備学習
(予習・復習等)
●第9回~第11回の授業内容のうち、カンボジアに関連する事項を復習しておく。
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、カンボジア・ベトナムに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
180分
第 24 回
授業の計画・内容 カンボジア仏教史(2):アンコール王朝期(前半)(※タイ東北部の仏教史も一部含む)
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、カンボジア・ベトナムに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 25 回
授業の計画・内容 カンボジア仏教史(3):アンコール王朝期(後半)(※タイ東北部の仏教史も一部含む)
史料に親しむ(5):[カンボジア]『真臘風土記』を読む
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、カンボジア・ベトナムに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
●高等学校の国語科で学んだ漢文訓読法を復習しておく。
180分
第 26 回
授業の計画・内容 カンボジア仏教史(4):フランス植民地時代から現代まで(※タイ東北部の仏教史も一部含む)
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、カンボジア・ベトナムに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 27 回
授業の計画・内容 ラオス仏教史(1):ラーン・サーン王国建国以前(※雲南シップソンパンナーの仏教史も一部含む)
準備学習
(予習・復習等)
●第9回~第11回の授業内容のうち、タイ及びカンボジアに関連する事項を復習しておく。
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、ラオス・中国南部に関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 28 回
授業の計画・内容 ラオス仏教史(2):ラーン・サーン王国期
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、ラオス・カンボジア・タイに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 29 回
授業の計画・内容 ラオス仏教史(3):フランス植民地時代から現代まで
準備学習
(予習・復習等)
●高等学校社会科の地理及び歴史(特に世界史)の教科書から、ラオス・カンボジア・タイに関連する事項を丁寧に復習又は学習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
第 30 回
授業の計画・内容 東南アジアの世界遺産(2):世界遺産の古都ルアンパバーンについて
準備学習
(予習・復習等)
●第27回~第29回までの授業内容を事細かに復習しておく。
●参考書②③④⑤⑥における関連事項のページに目を通しておく。
120分
 履修上の留意点等 ●授業における配布物(ファイルも含む)は大切に保存すること。
●授業の講義内容及び板書は、しっかりとノートにとること。
●レポート等の提出物は必ず提出すること。
●毎回の学習事項について常に復習を心がけ、参考書(下記)については必ず目を通すこと。
●授業内容について分からない点がある場合は、気兼ねなく質問に来ること。
●教員免許の取得を目指して本講義を受講する人は、各学習指導要領及び当該科目の検定教科書にもしっかり目を通しておくこと。
 成績評価の方法
35 % 試験
レポート
小テスト
30 % 平常点
35 %
前期提出課題(夏期レポート)



【前期課題(夏期レポート)】
前期授業の終了後に夏期レポート(2課題、各1200字以上)を1回実施する。必ず提出すること。
【試験(期末試験)】
期末試験はレポート形式(2課題、各1200字以上)で実施する。

 教科書/テキスト
 講義の基本テキストは、C-Learningの教材倉庫を通して、PDFファイルにより配布する。当該講義実施日の6日前までにはファイルをアップロードする。なお、事前にプリントによる配布希望を申し出た受講者については、テキストをプリントにより配布する。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
①『中学校学習指導要領』、『高等学校学習指導要領』(文部科学省)の最新版
②『上座仏教事典』、2016年、めこん
(ISBN13:978-4839602994)
③『東南アジアを知る事典』、2008年、平凡社
(ISBN13:978-4582126389)
④『新アジア仏教史04スリランカ・東南アジア 静と動の仏教』、2011年、佼成出版社
(ISBN13:978-4333024322)
⑤『講座 仏教の受容と変容 東南アジア編』、1991年、佼成出版社
(ISBN13:978-4333014187)
⑥『新版 世界各国史 東南アジア史〈1〉大陸部』、1999年、山川出版社
(ISBN13:978-4634413504)
⑦ほか、授業中に随時指示したもの
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について ●授業アンケートにおける「プリントが多い」との以前からの改善要望を踏まえて、また紙資源の節約という観点から、講義の基本テキストは、C-Learningの教材倉庫を利用してPDFファイルにより配布することとする。
●まずは基本事項の理解を優先した授業スタイルを採る。
●東南アジア地域への興味・関心を高めうるような話題も、授業の中で適宜とりあげたい。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目