駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  015201 / 国語学特講Ⅱ
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  木曜日 4時限
 単位数  4
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  片山 久留美(カタヤマ クルミ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 近年パソコンやインターネットの発展により、日本語研究の分野においても電子化された資料を用いることが増えてきました。特に、コーパス(言語研究のための様々な情報を付与した言葉のデータベース)の開発が進展し、これを用いた研究が盛んに行われています。この授業では、こうしたコンピュータを用いた日本語研究について学びます。
日本語を研究するための資料にはどのようなものがあるのかを概説し、電子資料を用いた最近の研究事例などを講義形式で紹介していきます。また、電子資料を活用するために必要となるコンピュータの基本的な知識を、実際にパソコンを使用して演習形式で身につけていきます。前期は主にWEB上で公開されているテキストデータを用いた検索、後期は国立国語研究所が公開している『日本語歴史コーパス』および『現代日本語書き言葉均衡コーパス』を扱います。
最終的には、各自が日本語に関するテーマを設定し、電子化テキストやコーパスから必要な情報を検索・分析できるようになることを目指します。
 到達目標(ねらい) 本科目は、文学部の学位授与の方針DP3およびDP4と特に関連が強い。
この授業の到達目標は以下のとおりである。
1.コンピュータを用いた日本語研究とはどのようなものか理解する。
2.日本語研究を行う上で必要なコンピュータの知識を習得する。
3.自ら課題を設定し、電子テキストやコーパスを用いた日本語研究を実践できるようになる。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 ガイダンス:コンピュータを用いた日本語研究
準備学習
(予習・復習等)
シラバスの確認 60分
第 2 回
授業の計画・内容 日本語研究で使用する資料(1)-上代・中古・中世
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 3 回
授業の計画・内容 日本語研究で使用する資料(2)-近世・近代
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 4 回
授業の計画・内容 日本語研究で使用する資料(3)-現代の言語資源・コーパス
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 5 回
授業の計画・内容 テキストエディタ実践(1)-正規表現による検索
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 6 回
授業の計画・内容 テキストエディタ実践(2)-正規表現による置換
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容を再現する 90分
第 7 回
授業の計画・内容 テキストエディタ実践(3)-正規表現の応用
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容を再現する 90分
第 8 回
授業の計画・内容 データの集計と分析(1)-表計算ソフトの基礎
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容を再現する 90分
第 9 回
授業の計画・内容 データの集計と分析(2)-関数の活用
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容を再現する 60分
第 10 回
授業の計画・内容 データの集計と分析(3)-ピボットテーブル
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容を再現する 60分
第 11 回
授業の計画・内容 データの集計と分析(4)-効果的なグラフ化
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容を再現する 60分
第 12 回
授業の計画・内容 ミニコーパスを作ってみよう(1)―テキストデータの整形
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 13 回
授業の計画・内容 ミニコーパスを作ってみよう(2)―形態素解析
準備学習
(予習・復習等)
前回実習でつくったデータのチェック 90分
第 14 回
授業の計画・内容 ミニコーパスを作ってみよう(3)―データの分析
準備学習
(予習・復習等)
前回実習でつくったデータのチェック 90分
第 15 回
授業の計画・内容 前期授業のまとめ
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 16 回
授業の計画・内容 『日本語歴史コーパス』と『現代日本語書き言葉均衡コーパス』
準備学習
(予習・復習等)
前期配布資料の確認 60分
第 17 回
授業の計画・内容 形態素解析とは何か
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 18 回
授業の計画・内容 コーパス検索アプリケーション「中納言」の概要
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 19 回
授業の計画・内容 コーパスを活用した研究事例(1)-古典語研究
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 20 回
授業の計画・内容 コーパスを活用した研究事例(2)-現代語研究
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 21 回
授業の計画・内容 コーパスを活用した研究事例(3)-日本語教育・国語教育
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
第 22 回
授業の計画・内容 「中納言」検索実践(1)-特定の語の検索
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 90分
第 23 回
授業の計画・内容 「中納言」検索実践(2)-複数の条件を組み合わせた検索
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容の再現 90分
第 24 回
授業の計画・内容 「中納言」検索実践(3)-検索条件式の活用
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容の再現 90分
第 25 回
授業の計画・内容 コーパスにできること・できないこと―レポートテーマの検討
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容の再現 90分
第 26 回
授業の計画・内容 検索条件の検討と試行
準備学習
(予習・復習等)
レポートテーマ決定のための調査 90分
第 27 回
授業の計画・内容 検索結果の分析―データから読み取れること
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容の再現 90分
第 28 回
授業の計画・内容 統計的手法の基礎
準備学習
(予習・復習等)
前回の実習内容の再現 90分
第 29 回
授業の計画・内容 レポート内容の発表―PowerPointを使って
準備学習
(予習・復習等)
調査内容のまとめ、発表資料の作成 90分
第 30 回
授業の計画・内容 後期授業のまとめ
準備学習
(予習・復習等)
配布資料による復習 60分
 履修上の留意点等 ・授業では教室に備え付けのパソコンを使用して実習を行います。
・コンピュータについての特別な知識は前提としません。受講者のパソコンの技量に合わせて授業を進めていきますので、わからないところがあったら積極的に質問してください。
 成績評価の方法
試験
60 % レポート
小テスト
40 % 平常点




前期・後期に一度ずつ、授業で扱った電子テキストやコーパスを用いたレポートの提出を求めます。
パソコンを使った実習を多く行いますので、授業への参加状況・態度を重視します。
 教科書/テキスト
教科書/テキストは使用しません。授業資料は基本的にYeStudyで配布します。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
大名力(2012)『言語研究のための正規表現によるコーパス検索』ひつじ書房
荻野綱男・田野村忠温編(2011)『講座ITと日本語研究5 コーパスの作成と活用』明治書院
河内昭浩編(2019)『新しい古典・言語文化の授業―コーパスを活用した実践と研究』朝倉書店
近藤泰弘・田中牧郎・小木曽智信編(2015)『コーパスと日本語史研究』ひつじ書房
田野村忠温編(2014)『講座日本語コーパス6 コーパスと日本語学』朝倉書店

その他授業内で適宜紹介します。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 昨年度の授業アンケートにおいて、この授業の予習・復習にかける時間が全学の平均を下回っていたため、大学のパソコン以外でも作業できる環境づくりを心がけます。
 関連リンク 国立国語研究所コーパス開発センター(『日本語歴史コーパス』『現代日本語書き言葉均衡コーパス) https://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/
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 アクティブラーニング型の授業科目