駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  091251 / 国際経済論b
 開講年度・期  2020年 後期  開講曜日・時限  月曜日 2時限
 単位数  2
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  福島 浩治(フクシマ コウジ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要   グローバル経済と呼ばれる現代世界は、一体どのような政治経済的特質を内在させた時代なのか。世界経済と国際経済ならびにグローバル経済の共通性と異質性はなにか。リーマンショックに象徴される世界金融恐慌、所得や地域間格差の広がり、食糧とエネルギー問題、気候変動や大気・水質汚染など環境と公害問題、地球人口増加の影で進む少子高齢化、国際労働移動とジェンダー、多国籍企業の展開による土地収奪など、国境を越えたグローバルな課題群はすべて現代国際経済の動向展開に通底している。
  本講義では、開放経済としての国際マクロ経済学の基礎的理解を射程に、国際貿易、国際金融、国際通貨などの経済理論と政策の史的展開を理解し、これらの底流にある国際的な政治経済メカニズムに接近し、現代国際経済のダイナミズムを歴史的にどう位置づけ把握するべきかを検討する。既存理論や政策を刷新していくような政治経済上の構想を探究したい。
 到達目標(ねらい) ①現代国際経済を舞台とする貿易、投資、通貨、金融などの経済理論、経済政策をめぐる基
 礎的理解ができ、他者に説明ができる。
②現代国際経済の史的ダイナミズムを、政治、社会、環境、人間などとの相互的な影響関係
 のなかで立体的または構造的に捉えることができる。
③現代国際経済の課題群の克服にむけて、政策上の代替案を、持続可能性、公共性、再配分、共
 生などの鍵概念を用いて、グローバル、リージョナル、ナショナル、ローカルな重層的視点から構
 想できる。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 授業ガイダンス
準備学習
(予習・復習等)
シラバスを読む 60分
第 2 回
授業の計画・内容 アメリカの戦後構想①:世界大恐慌と通貨ブロック圏の形成
準備学習
(予習・復習等)
大恐慌、ブロック経済の基礎的学習 60分
第 3 回
授業の計画・内容 アメリカの戦後構想②:武器貸与法とブレトンウッズ体制の確立
準備学習
(予習・復習等)
アメリカの戦後構想と武器貸与法の役割 60分
第 4 回
授業の計画・内容 アメリカの戦後構想③:国際通貨体制をめぐる英米の攻防
準備学習
(予習・復習等)
米国ホワイト案、英国ケインズ案についての基礎的学習 60分
第 5 回
授業の計画・内容 アメリカの対外援助政策と戦後経済復興
準備学習
(予習・復習等)
マーシャルプランなど戦後復興と国際援助のかかわりの基礎的学習 60分
第 6 回
授業の計画・内容 ブレトンウッズ体制と「資本主義の黄金時代」
準備学習
(予習・復習等)
戦後の経済成長メカニズムについての基礎的学習 60分
第 7 回
授業の計画・内容 ブレトンウッズ体制の崩壊とドル①:ニクソンショック
準備学習
(予習・復習等)
金ドル交換停止、変動相場制への移行についての基礎的学習 60分
第 8 回
授業の計画・内容 戦後ブレトンウッズ体制の崩壊とドル②:スタグフレーション
準備学習
(予習・復習等)
スタグフレーションについての基礎的学習 60分
第 9 回
授業の計画・内容 石油危機とオイルダラー①:アメリカの中東政策
準備学習
(予習・復習等)
米国の中東政策と石油メジャーズについての基礎的学習 60分
第 10 回
授業の計画・内容 石油危機とオイルダラー②:オイルダラー還流(1)
準備学習
(予習・復習等)
オイルダラーの各国経済、世界経済に対する影響についての基礎的学習 60分
第 11 回
授業の計画・内容 石油危機とオイルダラー③:オイルダラー還流(2)
準備学習
(予習・復習等)
オイルダラーの各国経済、世界経済に対する影響についての基礎的学習 60分
第 12 回
授業の計画・内容 世界経済体制の再編①:強いアメリカ政策と双子の赤字の形成(1)
準備学習
(予習・復習等)
米国レーガン政権の経済政策についての基礎的学習 60分
第 13 回
授業の計画・内容 世界経済体制の再編②:強いアメリカ政策と双子の赤字の形成(2)
準備学習
(予習・復習等)
米国レーガン政権の経済政策についての基礎的学習 60分
第 14 回
授業の計画・内容 プラザ合意と国際経済政策の協調
準備学習
(予習・復習等)
ドル高是正についての基礎的学習 60分
第 15 回
授業の計画・内容 後期試験
準備学習
(予習・復習等)
後期授業の総復習、シラバス記載の参考文献 360分
 履修上の留意点等 (1)本講義は、教育の質的向上を図る一環として、受講予約の対象科目となっています。登録者が
 定員超過となった場合、授業開始前に抽選を行います。
(2)授業の質的向上には、教室の物理的な環境設定や、担当教員の創意工夫など外的条件にくわ
 えて、履修者の皆さんの「準備」による内的条件を整えることで相乗効果が高まります。本シラバ
 ス「準備学習」を参考に日々の学習に取り組んでください。
 成績評価の方法
100 % 試験
レポート
小テスト
平常点




(注)出席は取らない。ただし授業内で不定期に求めるリアクションペーパーの内容がきわめて優れ
ている場合、加算点として評価する場合がある。
 教科書/テキスト
教科書は指定しない。ただし指定参考書および授業内で紹介する文献等は、準備学習と復習に活用し授業の理解向上に努めること。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
レオ・パニッチほか『グローバル資本主義の形成と現在』作品社、2018年
西川潤『2030年 未来の選択』日本経済新聞出版社、2018年
ブランコ・ミラノヴィッチ『大不平等』みすず書房、2017年
ノーム・チョムスキー『アメリカンドリームの終わり』Discover、2017年
ジョセフ・E・スティグリッツ『これから始まる新しい世界経済の教科書』徳間書店、2016年
アンソニー・ギデンズ『揺れる大欧州:未来への変革の時』岩波書店、2015年
P.R.クルーグマン『国際経済学:理論と政策(上)(下)』丸善出版、2014年
西川潤『新・世界経済入門』岩波新書、2014年
中山智香子『経済ジェノサイド:フリードマンと世界経済の半世紀』平凡社、2013年
水野和夫『世界経済の大潮流』太田出版、2012年
栃木雅彦ほか編『現代世界経済をとらえるVer.5』東洋経済新報社、2010年
デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義:その歴史的展開と現在』作品社、2007年
増田正人ほか編『国際経済政策論』有斐閣ブックス、2005年
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について (1)難解な専門用語の一時的記憶ではなく、学生みずからが国際経済の現状と未来について考え
 られるスタイルの授業となるように努める。
(2)適宜リアクションペーパー等を通じて授業内容の理解度をチェックし、また優れたコメントを次回
 講義で紹介するなど、教員と学生が双方向の関係性を保てるように努める。
(3)文字ベースの文献資料だけではなく、映像資料等を利用しながら国際経済へのイメージが広が
 り理解が深まるように努める。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目