駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  096711 / 企業戦略論a 096712 / 経営戦略論a
 開講年度・期  2020年 前期  開講曜日・時限  水曜日 5時限
 単位数  2
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  田淵 泰男(タブチ ヤスオ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 企業戦略論a・経営戦略論a(前期開講)は、経営戦略論のうち「企業戦略論」の領域を対象とします。企業戦略は、企業全体の将来のあり方に関する戦略であり、企業の中の諸事業を全体としてどのようにバランスないし統合するか、新しくどのような事業に進出するか、将来にわたってどのような企業を形成していくか等をその内容としています。主要な項目は、ドメインの定義(将来の事業領域を選択・決定)、多角化戦略、事業ポートフォリオ戦略です。この授業は、これらの主要な項目について順次解説し、それらの体系的理解と実際の現象に即した理論の理解を狙いとしています。
 到達目標(ねらい) 到達目標は以下のとおりです。
①経営戦略、企業戦略、競争戦略(事業戦略)について、それぞれの定義と相違点が説明できる。
②企業戦略においてドメインを定義することの意義・役割とその効果が説明できる。
③優れたドメインを設定するための考え方としてどのような理論があり、どうしてそれが重要であるかを説明できる。
④企業が多角化戦略を選択する根拠が説明できる。
⑤多角化戦略を類型化し、それらの選択の相違が経営成果におよぼす影響について説明でき
る。
⑥事業ポートフォリオ戦略の前提をなす考え方と理論が説明でき、それに基づきポートフォリオ・マトリックスが作成できる。
⑦「金のなる木」「花形製品」「問題児」「負け犬」について、各々の特徴および戦略指針が説明できる。
⑧事業ポートフォリオ戦略における成功と失敗パターンが説明でき、ポートフォリオを利用した戦 略事業展開の課題と目標が説明できる。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 経営戦略の概念、経営戦略の体系とは何か
準備学習
(予習・復習等)
経営戦略とは何かを考えてみる 60分
第 2 回
授業の計画・内容 企業戦略とは何か、その重要課題を整理する
準備学習
(予習・復習等)
経営戦略の概念と体系について理解を深める復習
経営戦略の体系下で企業戦略の位置づけと課題を考える
60分
第 3 回
授業の計画・内容 企業戦略におけるドメインの定義①  ドメインの定義とは何か
準備学習
(予習・復習等)
企業戦略として現在から将来に向けて全社的にどのような事業領域を選択したらよいのか考えてみる 60分
第 4 回
授業の計画・内容 企業戦略におけるドメインの定義② 事例研究および日米比較
準備学習
(予習・復習等)
将来に向けた事業領域の選択的決定が企業に飛躍的成長をもたらすのはどのような場合なのか、そうでない場合と対比して考えてみる。
ドメインの定義に国際的な相違が生じる理由を考えてみる
60分
第 5 回
授業の計画・内容 企業戦略におけるドメインの定義③ 優れたドメイン定義の考え方
準備学習
(予習・復習等)
企業戦略として成功するドメインの定義とは、どのようなものなのかを理解する。 60分
第 6 回
授業の計画・内容 企業戦略におけるドメインの定義④ 3次元によるドメインの定義
準備学習
(予習・復習等)
将来の事業領域を選択するための方法論として、2次元よりも3次元による方法が妥当である理由を考えてみる。 60分
第 7 回
授業の計画・内容 多角化戦略① 拡大化戦略の類型化、拡大化戦略と多角化戦略の異同、多角化戦略の概念と定義
準備学習
(予習・復習等)
企業の成長戦略として拡大化と多角化を類型化して理解する。
多角化戦略の定義が説明できるようにする。
60分
第 8 回
授業の計画・内容 多角化戦略② なぜ企業は多角化するのか、多角化戦略の採用根拠
準備学習
(予習・復習等)
企業が多角化戦略を採用する理由を理解する。 60分
第 9 回
授業の計画・内容 多角化戦略③ 多角化戦略の類型化とそれが経営成果(収益性・成長性)に及ぼす影響
準備学習
(予習・復習等)
多角化の戦略タイプが類型化できること。
多角化において、どの戦略タイプを採用することが収益性ないし成長性を実現することに効果的なのかを理解する。
60分
第 10 回
授業の計画・内容 事業ポートフォリオ戦略① 前提をなす理論として、経験曲線効果、製品ライフサイクルと資金需給の関係を理解する
準備学習
(予習・復習等)
経験曲線効果とは何か、その経営戦略における含意を理解する。
製品ライフサイクルとは何か、そのステージごとに資金の入出金量が変化すること、その理由を理解する。
60分
第 11 回
授業の計画・内容 事業ポートフォリオ戦略② 市場成長率-シェア・マトリックスの作成
準備学習
(予習・復習等)
市場成長率-シェア・マトリックスの作成原理を理解する。 60分
第 12 回
授業の計画・内容 事業ポートフォリオ戦略③ 戦略指針と戦略代替案
準備学習
(予習・復習等)
市場成長率-シェア・マトリックスの各象限における戦略指針等を理解する。 60分
第 13 回
授業の計画・内容 事業ポートフォリオ戦略④ 戦略上の成功パターンと失敗パターン
準備学習
(予習・復習等)
市場成長率-シェア・マトリックスを利用した戦略展開において典型的な成功パターンと失敗パターンを対比して理解する。 60分
第 14 回
授業の計画・内容 事業ポートフォリオ戦略⑤ 競合企業のポートフォリオ分析
準備学習
(予習・復習等)
競合企業の事業ポートフォリオを分析して、自社との資源展開の相違から、競合した場合の有利・不利を識別する考え方を理解する。 60分
第 15 回
授業の計画・内容 事業ポートフォリオ戦略⑥ 企業戦略と事業ポートフォリオの変容、事業ポートフォリオ戦略の実際
準備学習
(予習・復習等)
事業ポートフォリオ戦略について、実際の企業の戦略展開を分析し、成功要因を抽出して理解する。 60分
 履修上の留意点等 経営学の入門的ないし基礎的な科目を履修していることが、当科目の効果的な学習および適切な理解を得るために望ましい。前期に企業戦略論a・経営戦略論aを履修し、後期に引き続き企業戦略論b・経営戦略論bを履修することによって、経営戦略論の全般的な事項が学習できるため、それら科目の連続履修を推奨します。
 成績評価の方法
試験
レポート
100 % 小テスト
平常点




授業の進捗状況と内容に対応させて、中間試験を3回程度実施します。中間試験(2週間以上前に予告、範囲指定、授業内の一部時間で実施)の合計点によって評価します。
 教科書/テキスト
毎回、パワーポイント、プロジェクターを利用します。図表を多用するときや、詳細な説明を要するときはプリントを配布します。したがって、教科書を購入する必要はありません。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
田淵泰男『日本の主要産業における企業のシェア変動-長期時系列調査』税務経理協会(→駒澤大学図書館の指定図書コーナーに配架)
その他、適宜紹介します。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 前年度「学生による授業アンケート」において、「授業内容に興味が持てた」という意見が多かったので、本年度も引き続き、授業内容に興味を持ってもらえるようにさらに改善と工夫をしていきたい。「板書やスクリーンの文字・図表等は見やすかったか」という項目については意見が分かれたため、改善していきたい。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目