駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  096721 / 企業戦略論b 096722 / 経営戦略論b
 開講年度・期  2020年 後期  開講曜日・時限  水曜日 5時限
 単位数  2
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  田淵 泰男(タブチ ヤスオ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 企業戦略論b・経営戦略論b(後期開講)は、経営戦略論のうち「競争戦略論」の領域を対象とします。競争戦略論は、1980年代から台頭し、国内外における企業間競争の激化とともに発展しました。競争戦略は、競合企業に対して持続的な競争優位性を確立するための戦略です。競争力の優劣が企業の盛衰の決定的要因となる現在、競争力の分析、競争戦略の策定・実行は、最も重要な経営課題です。この授業では、競争戦略の基礎理論から実際の企業間競争における戦略の分析までを解説し、それらの体系的な理解と実際の現象に即した理論の理解を狙いとしています。
 到達目標(ねらい) 到達目標は以下のとおりです。
①経営戦略論の発展史を踏まえて、競争戦略論の位置づけと課題が説明できる。
②業界の競争構造分析がどうして必要なのか、それが何を目的としているのかを説明できる。
③「5つの競争要因」のそれぞれについて、何を分析するのかが説明できる。
④競争の基本戦略を選択するときの考え方、各戦略の選択に関する必要条件が説明できる。
⑤資源ベース戦略論(RBV;リソース・ベースト・ビュー)について、ポジショニング・アプローチと対比して説明できる。
⑥ダイナミック・ケイパビリティ論の生成と考え方について説明できる。
⑦競争地位を類型化し、競争地位に応じた競争対抗戦略とは何かが説明できる。
⑧先発企業の競争優位性の発生源泉は何か、後発企業の逆転の戦略は何かが説明できる。
⑨デファクト・スタンダード獲得の競争戦略が重要視される理由および通常の戦略との相違点が何かを説明できる。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 経営戦略論の発展史および競争戦略論の位置付けと意義
準備学習
(予習・復習等)
1960年代以降の経営戦略論の発展を10年単位で理解する。
経営戦略論における競争戦略論の意義と役割等を理解する。
60分
第 2 回
授業の計画・内容 ポジショニング・アプローチとポーター戦略論の体系
準備学習
(予習・復習等)
ポーター戦略論の体系がどのようなものかを理解する。 60分
第 3 回
授業の計画・内容 業界の競争構造分析(5つの競争要因)のフレームワークとその適用例
準備学習
(予習・復習等)
業界の競争構造分析の方法として「5つの競争要因」のフレームワークを理解する。 60分
第 4 回
授業の計画・内容 「5つの競争要因」分析① 買い手の交渉力と売り手の交渉力
準備学習
(予習・復習等)
買い手の交渉力と売り手の交渉力の分析目的と分析視点を実例に即して理解する。 60分
第 5 回
授業の計画・内容 「5つの競争要因」分析② 新規参入の脅威と代替品の脅威
準備学習
(予習・復習等)
新規参入の脅威と代替品の脅威について分析目的と分析視点を実例に即して理解する。 60分
第 6 回
授業の計画・内容 「5つの競争要因」分析③ 既存企業間の敵対関係の強さを決める諸要因
準備学習
(予習・復習等)
既存企業間の敵対関係の強さを決める諸要因について、分析目的・視点とその手法を実例に即して理解する。 60分
第 7 回
授業の計画・内容 業界内部の構造分析  戦略グループと移動障壁
準備学習
(予習・復習等)
業界内の戦略グループの概念、その選択の重要性、グループ間の移動障壁について理解する。 60分
第 8 回
授業の計画・内容 競争の基本戦略①  3つの基本戦略
準備学習
(予習・復習等)
ポーターの3つの基本戦略の概念、それぞれの基本戦略の意義を理解する。 60分
第 9 回
授業の計画・内容 競争の基本戦略② 基本戦略の選択と適用条件、価値連鎖(バリューチェーン)意義と分析方法
準備学習
(予習・復習等)
バリューチェーンの意義および分析目的・方法を理解する。 60分
第 10 回
授業の計画・内容 資源ベースの戦略論(RBV)  ポジショニング論との対比、VRIOフレームワーク
準備学習
(予習・復習等)
資源ベース戦略論について、ポジショニング論と対比させて理解する。VRIOの意味を理解する。 60分
第 11 回
授業の計画・内容 ダイナミック・ケイパビリティ論
準備学習
(予習・復習等)
ダイナミック・ケイパビリティ論が提唱された理由、概念フレームワークなどを理解する。 60分
第 12 回
授業の計画・内容 競争地位の類型化と競争対抗戦略 リーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの戦略
準備学習
(予習・復習等)
競争地位ごとに採用すべき戦略が異なること、競争対抗上どのような戦略が要請されるかを理解する。 60分
第 13 回
授業の計画・内容 先発企業の競争優位性、後発企業の利点と逆転の戦略
準備学習
(予習・復習等)
先発企業が長期にわたり競争優位性を持続する理由を理解する。
後発企業が有利となる条件を活かして先発企業と逆転するのはどのような場合かを理解する。
60分
第 14 回
授業の計画・内容 デファクト・スタンダードと競争戦略
準備学習
(予習・復習等)
デファクト・スタンダードの獲得が企業にとって決定的に重要となること、その獲得のための競争戦略はどのようなものか、通常の競争戦略と何が違うのかを理解する。 60分
第 15 回
授業の計画・内容 日本市場の競争構造および日本企業の競争戦略
準備学習
(予習・復習等)
日本企業の競争構造の特徴、日本企業の競争戦略の特徴などについて実証例を基に理解する。 60分
 履修上の留意点等 経営学の入門的ないし基礎的な科目を履修していることが、当科目の効果的な学習および適切な理解を得るために望ましい。前期に企業戦略論a・経営戦略論aを履修し、後期に引き続き当科目を履修することを推奨します。
 成績評価の方法
試験
レポート
100 % 小テスト
平常点




授業の進捗状況と内容に対応させて、中間試験を3回程度実施します。中間試験(2週間以上前に予告、範囲指定、授業内の一部時間で実施)の合計点によって評価します。
 教科書/テキスト
毎回、パワーポイント、プロジェクターを利用します。図表を多用するときや、詳細な説明を要するときはプリントを配布します。したがって、教科書を購入する必要はありません。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
田淵泰男『日本の主要産業における企業のシェア変動-長期時系列調査』税務経理協会(→駒澤大学図書館の指定図書コーナーに配架)
その他、適宜紹介します。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 前年度「学生による授業アンケート」において、「授業内容に興味が持てた」という意見が多かったので、本年度も引き続き、授業内容に興味を持ってもらえるようにさらに改善と工夫をしていきたい。「板書やスクリーンの文字・図表等は見やすかったか」という項目については意見が分かれたため、改善していきたい。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目