駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  097811 / 協同組合論
 開講年度・期  2020年 前期  開講曜日・時限  水曜日 3時限
 単位数  2
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  山口 浩平(ヤマグチ コウヘイ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 生活協同組合、農業協同組合などの協同組合は、現代社会において人々の生活に欠かせない組織である。しかしそれは一般的な営利組織等とは異なり、民主的に管理され、構成員の共通の目的を達成するための事業体である。この講義では現代における協同組合の実態と役割、その存在意義を理解するとともに、各国における現状と課題を把握し、そしてその現代的な姿を探ることを目的としている。
授業は講義形式で実施されるが、可能な限りリアクションペーパーを回収し、学生の質問や意見を反映した講義を実施する。
 到達目標(ねらい) 協同組合論は経済主体としての協同組合の存在を理解することを目的としており、経済学部の学位授与方針の5「専門分野の知識・技能の活用力」に深く関係している。この講義を通じて国内外の協同組合の現代社会における存在意義と組織特性についての知識を得ることができる。協同組合の特徴は事業を行いつつ民主的に管理される非営利組織という点であり、営利組織等との比較の中でその特性についての理解を深めることとなる。また、このような特性を踏まえた上でその課題と将来像を考えるための能力を得られる。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 イントロダクション:協同組合とは
準備学習
(予習・復習等)
復習として、自分の地元にどのような生協や農協があるのかを検索し、ウェブサイト等から事業と組織の概要を理解する。 60分
第 2 回
授業の計画・内容 協同組合の定義、価値と原則:7つの原則から協同組合の存在の特徴を理解する
準備学習
(予習・復習等)
予習として、協同組合の7つの原則の内容をレジュメやウェブサイトから把握しておく。復習として、講義を踏まえて他の組織形態(株式会社等)との違いを原則に即して峻別できるようにする。 60分
第 3 回
授業の計画・内容 協同組合の組織と意思決定:協同組合の「機関」を理解する
準備学習
(予習・復習等)
予習として、協同組合における「総代会」「理事会」「監事」がそれぞれどのような役割を持つか、レジュメを通読して理解しておく。復習として、協同組合以外の組織における「機関」がどのような特徴を持っているか、具体的な例を挙げて理解する。 60分
第 4 回
授業の計画・内容 協同組合の歴史:特にヨーロッパにおける近代協同組合の登場
準備学習
(予習・復習等)
予習として、参考文献等からロッチデール公正開拓者組合の設立の背景を理解しておく。復習として、講義中に触れる人物(オウエン、シュルツェ=デーリッチ、ライファイゼン等)について参考文献やウェブサイトからより多角的な情報を得る。 60分
第 5 回
授業の計画・内容 これまでのまとめと小テスト1 (協同組合とはなにか、その特徴)
準備学習
(予習・復習等)
予習として、これまで学んだ協同組合の特徴について、レジュメや参考文献から自分なりにまとめておく。復習として、小テストの設問を振り返る。 60分
第 6 回
授業の計画・内容 協同組合の実際1 生活協同組合(地域生協)
準備学習
(予習・復習等)
予習として、自分の身近な生協を利用したり、ウェブサイトで確認したりして、どのような特徴があるかこれまでの学習を踏まえて理解しておく。復習として、2060年代の生協のあり方について、自分なりの案を検討する。 60分
第 7 回
授業の計画・内容 協同組合の実際2 生活協同組合(大学生協、医療福祉生協など)
準備学習
(予習・復習等)
予習として、地域生協以外にどのような生協があり、どんな事業を行なっているのか検索し、その概要を理解しておく。復習として、現代の社会問題を解決する上で生協という仕組みがどのように活用しうるか自分なりの案を検討する。 60分
第 8 回
授業の計画・内容 協同組合の実際3 農業協同組合と生産者の組合
準備学習
(予習・復習等)
予習として、近年進む農協改革がどのような背景で行われているのか、参考文献やウェブサイトから理解しておく。復習として、講義中に学んだ農協の存在意義と農協批判を対比して自分なりの考えをまとめる。 60分
第 9 回
授業の計画・内容 協同組合の実際4 協同組織金融機関(信用金庫・信用組合・労働金庫)
準備学習
(予習・復習等)
予習として、参考文献等から金融機関はなんのために存在しているか、まとめておく。復習として、具体的に例を挙げて協同組織金融機関が金融機関としてどのような役割を果たしているかまとめる。 60分
第 10 回
授業の計画・内容 協同組合の実際5 労働者協同組合
準備学習
(予習・復習等)
予習として、「ワーカーズ・コープ」「ワーカーズ・コレクティブ」などのキーワードで検索し、ウェブサイト等からそれぞれがどのような組織なのかを理解しておく。復習として、自分が起業するという想定で労働者協同組合の形式の優位性や弱点を具体的に考察する。 60分
第 11 回
授業の計画・内容 日本の協同組合の実践についてのまとめと小テスト2
準備学習
(予習・復習等)
予習として、第6回〜10回のレジュメや参考文献を通読し、それぞれがどのような課題を抱えているかまとめておく。復習として、小テストを振り返り、回答についての改善案を考える。 60分
第 12 回
授業の計画・内容 諸外国の協同組合1 先進国の協同組合
準備学習
(予習・復習等)
予習として、レジュメや参考文献を通読し、特に先進国においてどのような協同組合が活動しているのか理解する。復習として、講義中に示す映像資料を視聴し、多様な協同組合の可能性について自分なりの考えをまとめる。 60分
第 13 回
授業の計画・内容 諸外国の協同組合2 発展途上国の協同組合と国連、ILOの役割
準備学習
(予習・復習等)
予習として、国連における「SDGs」と協同組合の関係についてウェブサイトや参考文献から理解しておく。復習として、開発における協同組合の有効性とその課題について自分なりの考えをまとめる。 60分
第 14 回
授業の計画・内容 非営利セクターの一部としての協同組合:非営利組織との関係性について
準備学習
(予習・復習等)
予習として、日本における非営利組織の規模や範囲について調べておく。復習として、「協同組合は非営利組織であるか否か」について、参考文献等から自分なりの考えをまとめる。 60分
第 15 回
授業の計画・内容 講義のまとめ、小テスト3
準備学習
(予習・復習等)
予習として、講義全体の内容を再度確認し、協同組合の存在意義について自分の言葉でまとめておく。 60分
 履修上の留意点等 可能であれば、非営利組織論を履修済み、もしくは合わせて履修することが望ましい。可能な限りリアクションペーパーを配布し感想や意見、質問を求めるので積極的に記入し、講義の運営に参画すること。レジュメはc-learningなどを活用して配布する。事前に確認した上で講義に臨むことを求める。
 成績評価の方法
試験
レポート
80 % 小テスト
20 % 平常点




講義中に3回実施する小テストを中心に、任意のコメント提出など、講義への参加を加味して評価する。小テストは自分なりの表現がきじゅつされていることを重視する。また相応の理由で小テストに参加できない場合は、事前に担当教員に申し出て、代替課題に取り組むこと。
 教科書/テキスト
特に指定しない。毎回資料を配布する。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
中川雄一郎・杉本貴志編(2012)『協同組合を学ぶ』全労済協会
栗本昭編著(2006)『21世紀の新協同組合原則』コープ出版社
川口清史・富沢賢治編(1999)『福祉社会と非営利・協同セクター』日本経済評論社
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 前年度「学生による授業アンケート」の自由記述欄に、「c-learningを活用したリアクションペーパーの提出が分かりづらかった」という意見があった。レジュメや資料の配布のあり方、リアクションに対する教員側からの発信等、機能を活用し、より対話型の講義運営につとめたい。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目