駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  116201 / 刑事訴訟法
 開講年度・期  2017年 通年  開講曜日・時限  月曜日 4時限
 単位数  4
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  田中 優企(タナカ ユウキ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  1.日々のニュースや新聞などにおいて「犯罪」に関わる報道に接しない日はありません。また、国民が刑事裁判に参加する裁判員制度も実施されています。それだけ犯罪というのは、私達のすぐ身近で起こり得る、また、私たちに大きく関わる社会問題の一つであるといえます。そして、この犯罪という社会問題を扱う法領域を「刑事法」といいます。この授業では、刑事法の内、犯罪となる事実を解明し、裁判を経て、犯罪を行なった者に刑罰を科す「刑事手続」を規律する法について学びます。
 刑事手続では、国家によって、対象者の権利・自由・財産を制約する形で捜査が行なわれ、公訴・公判を経た後に、対象者から生命・自由・財産を剥奪する形で刑罰が科されます。これら一連の国家の活動は、犯罪という社会問題の解決に必要不可欠な活動ですが、見方を変えると、いわば副作用を伴う劇薬のようなものともいえます。
 この授業では、この劇薬を的確かつ適正に取り扱うために、我が国の刑事手続はいかなる考え方(基本原理・原則)に基づいて規律されているのか、実際にいかなる法運用が行なわれているのか、そこではいかなる問題が生じているのか、その問題についていかなる考え方が示されているのか、その問題はどのように解決されるべきなのかということについて、みなさんと共に考えていきます。
 2.授業は、板書をしながら、適宜、判例や各種統計・資料などを用いつつ、教科書を読み解く形で進めていきます。なお、パワーポイントを使用することが可能な教場であれば、これも併用します。
 3.近時は、刑事法関連の立法が活発に行われており、また、新たな判例も続々と出されていますので、可能な限り、これらも授業で取り上げていきます。さらに、各種文献や学会、研究会等を通じて実務家(裁判官、検察官、弁護士、警察官など)から得た実務に関する知見・動向などについても、可能な限り、授業内で紹介していきます。
 4.この授業に関する私からの情報提供や次回の授業内容の告知、実施した授業内容の整理などはYeStudyとC-Learningでも行いますので、受講者は定期的にチェックして下さい。
 5.下記の授業スケジュールについては、受講生の理解の程度や授業の進み具合などによって、各回の項目を変更する場合があります。 
 到達目標(ねらい)  この授業の到達目標は、受講者各自が、
 1.我が国の刑事手続の流れや全体像を理解する
 2.我が国の刑事手続を規律する原理・原則、基本的知識、そこで生じている問題・課題及びこれに対して示されている考え方・解決策を修得する
 3.我が国の刑事法運用制度の実際や近時の動向を理解する
ことです。
 授業スケジュール
第 1 回 オリエンテーション(今年度の授業の進め方、課題授業、学年末試験、任意レポート、及び成績評価について,刑事訴訟法の学び方,我が国の犯罪情勢と刑事手続の概要)
第 2 回 刑事裁判のかたち(弾劾主義・当事者主義)
第 3 回 強制捜査と任意捜査
第 4 回 職務質問,所持品検査,自動車検問
第 5 回 コントロールドデリバリー,おとり捜査,その他の仮装・秘匿捜査
第 6 回 逮捕・勾留①(通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕,勾留)
第 7 回 逮捕・勾留②(逮捕・勾留に関わる諸原則,別件逮捕・勾留など)
第 8 回 捜索・差押①(令状に基づく捜索・差押)
第 9 回 捜索・差押②(逮捕に伴う捜索・差押など)
第 10 回 強制採尿・採血,写真撮影
第 11 回 通信傍受,GPS捜査,その他の科学技術を用いた捜査
第 12 回 被疑者取調べ①(身柄拘束下の被疑者取調べ、取調べの録音・録画など)
第 13 回 被疑者取調べ②(任意取調べなど)
第 14 回 弁護権・接見交通権
第 15 回 公訴①(公訴手続,捜査・公判協力型協議・合意制度,刑事免責など)
第 16 回 公訴②(訴因制度、起訴状一本主義など)
第 17 回 公判前整理手続,証拠開示
第 18 回 公判,裁判員制度
第 19 回 証拠法総論①(証拠裁判主義,証拠の種類,証拠能力と証明力,証明を必要とする事実,証明の主体・方法・程度など)
第 20 回 証拠法総論②(自由心証主義,科学的証拠,悪性格・類似事実による立証など)
第 21 回 自白法則①(意義,任意性の判断基準など)
第 22 回 自白法則②(反復自白の証拠能力など)
第 23 回 補強法則①(意義,趣旨,適用範囲など)
第 24 回 補強法則②(共犯者の自白など)
第 25 回 排除法則①(理論的根拠,適用基準など)
第 26 回 排除法則②(派生証拠の証拠能力,毒樹の果実法理など)
第 27 回 伝聞法則①(意義,趣旨,伝聞と非伝聞など)
第 28 回 伝聞法則②(伝聞例外の一般的理由,各種の伝聞例外)
第 29 回 裁判,上訴
第 30 回 非常救済手続,裁判の執行,少年手続
 準備学習  1.各回の予習として、YeStudyとC-Learningをチェックすると共に、教科書の次回の授業内容に相当する部分に予め目を通し、おおよその内容を把握しておいてください。
 2.各回の復習として、YeStudyとC-Learningをチェックすると共に、教科書のその日の授業内容に相当する部分と、授業内で採り上げた判例の事実の概要、判示内容及び解説を熟読して、ノートに整理しながら、その内容を理解しておいてください。
 3.授業では、ニュースや新聞等で報道されている犯罪を素材にしながらお話することもありますので、日々のニュースや新聞等をチェックしてください。
 4.刑事訴訟法を勉強する際には、刑事手続に関与する各種機関(法務省、警察庁、検察庁、日本弁護士連合会、裁判所等)のホームページで掲載されている情報も重要ですので、定期的にチェックすることをおすすめします。
 履修上の留意点等  1.憲法はもちろんのこと、1年次及び2年次配当の刑事法科目(刑法総論、刑法各論、刑事政策)を履修・学習していると、刑事訴訟法の理解が、より一層、深まります。
 2.教科書を読み解く形で授業を進めますので、教科書と六法を必ず持参してください。
 3.授業では、板書をします(使用可能な教場であれば、パワーポイントも併用します)が、板書されていることだけでなく、私が口頭で説明していることについても、各自、整理しながらノートにとってください。
 4.授業概要にも記載した通り、この授業に関する私からの情報提供や次回の授業内容の告知、実施した授業内容の整理、授業アンケートなどはYeStudyとC-Learningにて行いますので、受講者は定期的にチェックして下さい。
 成績評価の方法
80 % 試験
レポート
20 % 小テスト
平常点




 学年末試験(論述試験)と小テストの合計点(125点満点)を基に評価します。
 なお、この点数が合格点(75点)に満たなかった場合には、試験前に提出してもらうレポート(任意)も加味して評価します。ただし、学年末試験と小テストの合計点が45点に満たなかった場合には、レポートを加味することなく、不合格とします。
 成績評価の方法、小テストの出題と解答方法、レポートの課題内容や提出方法等の詳細については、第1回目の授業の時にお話しします(後日、YeStudyにも掲載します)。
 教科書/テキスト  椎橋隆幸編『よくわかる刑事訴訟法(第2版)』ミネルヴァ書房、2,600円、ISBN:9784623075805
 渥美東洋・椎橋隆幸編『刑事訴訟法基本判例解説』信山社、2,800円、ISBN:9784797285918
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
 椎橋隆幸・柳川重規編『刑事司法改革』信山社出版、2017年2月刊行予定
 渥美東洋『全訂刑事訴訟法(第2版)』有斐閣、5,300円、ISBN:9784641042711
 椎橋隆幸編『プライマリー刑事訴訟法(第4版)』不磨書房、2,900円、ISBN:9784797285895
 関正晴編『刑事訴訟法』弘文堂、2,520円、ISBN:9784335001970
 椎橋隆幸編『ブリッジブック刑事裁判法』信山社出版、2,000円、ISBN:9784797223194
 井上正仁他編『刑事訴訟法判例百選(第9版)』有斐閣、2,400円、ISBN:9784641115033
 平良木登規男他編『判例講義刑事訴訟法』悠々社、3675円、ISBN:9784862420220
 井田良『基礎から学ぶ刑事法(第5版)』有斐閣、1,890円、ISBN:9784641220140
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について  1.授業の予習・復習にあてた時間を1時間未満とする割合が69%・64%と高い。YeStudyで各回の授業内容の事前告知と事後整理を行っているが、これをより徹底すると共に、今年度は、授業内容の理解はもちろん、予習・復習を促すためにも、小テストの回数を増やす。
 2.授業に熱心に取り組んだかという質問について、どちらとも言えないとする割合が30%と高い。昨年度は、板書に加えて、図解等の詳細なスライド(後日、C-Learningに掲載)も併用したところ、評価する声が多かったので、今年度も継続すると共に、授業内容などのより一層の工夫に努めたい。
 3.授業の進み方は適切であったかという質問について、どちらとも言えないとする割合が14%であり、昨年度よりも11%改善した。学生の受講目的や理解の程度なども勘案しながら、授業の進め方の工夫に努めたい。
 4.授業内容についてよく理解できたかという質問について、どちらとも言えないとする割合が28%と高めである。また、学修目標を十分に達成できたかという質問についても、どちらとも言えないとする割合が31%と高めである。授業内容や説明はわかりやすいという声は多く聞かれるものの、まだまだ改善の余地がありそうなので、わかりやすい授業内容や説明を徹底したい。
 5.板書の見やすさについては、おおむね好評価であるので、今年度も同様に心掛けたい。
 関連リンク