駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  116601 / 国際紛争解決法
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  水曜日 1時限
 単位数  4
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  王 志安(オウ シアン)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  国際法における紛争処理の様々な手段について、それぞれの形態、機能、限界および適用可能性を把握し、国際紛争解決の法的仕組みを理解する。
 到達目標(ねらい) 国際社会における紛争の原因・背景を法的側面から理解し、国際紛争を解決するための政治的・法的手段を習得する。
 授業スケジュール
 国際紛争の処理を具体的な法制度、手続きの側面から取り上げ、一回の講義で一つの課題を絞り、それぞれ制度の展開、機能および事例検証の形で解明する。前期では、国際紛争の基本構造、紛争解決手段の基本的枠組みを講義した上で、外交的手段による紛争解決、国連における紛争解決および世界貿易機構(WTO)の紛争処理制度を取り上げる。具体的には、国際義務違反の責任形態、紛争の平和的解決の意義、交渉、仲介、国際調査および調停といった制度の展開および適用、国連における紛争処理の制度的展開および現状、そしてWTOの紛争処理制度の発展、手続きおよび制度の意義を講義する。後期では、仲裁裁判および国際司法裁判を取り上げる。具体的には、国際裁判の史的展開、仲裁裁判制度の確立およびその手続き、国際商業仲裁の現状、国際司法裁判所の組織、管轄権、適用法規則、手続規則などを講義する。
具体的に以下のような講義要綱を実施する。

前期
1 授業ガイダンス    
2 国際法上の違法行為 
3 国際紛争と平和的解決 
4 外交的解決手段
5 国連による紛争の平和的解決
6 国際紛争と強制的解決 
7 集団的安全保障
8 国連の平和維持
9 国連の強制型平和維持活動 
10 地域的機構による集団的安全保障
11 軍縮法と国際平和 
12 国際人道法の地位 
13 武力紛争と人道法の適用
14 国際刑事裁判所
15 前期復習・テスト

後期
1 国際裁判
2 仲裁裁判
3 GATTそしてWTOと国際貿易紛争
4 WTOにおける小委員会の紛争解決の手続き
5 WTO判例研究
6 国際商事仲裁
7 国際紛争の司法的解決
8 国際司法裁判所の管轄権
9 国際司法裁判所の裁判手続
10 国際司法裁判所の勧告的意見
11 国際司法裁判所の裁判基準及び判決の執行
12 国際海洋法裁判所
13 欧州裁判所
14 国際秩序と国際裁判
15 復習・まとめ
 履修上の留意点等  参考資料を適宜に配布し、教科書の内容を補足しながら講義を進めていく。聴講ノートをしっかりと取ってもらいたい。
 Power Pointで講義を進める。簡潔な聴講ノートは、YeStudyから入手できる。
 成績評価の方法
80 % 試験
レポート
小テスト
20 % 平常点




 学年末の筆記試験によって評価する。ただし、前期小テストまたは前期レポートは、筆記試験の一部を構成し、その30-50%を占め、授業中の小テストなどが平常点となる。
 教科書/テキスト
 家正治など 共著 『国際紛争と国際法』(嵯峨野書院、2008年) 
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
 大沼保昭編著『資料で読み解く国際法』第2版(下)(東信堂)2002年 2,000円
松下満雄など編『ケースブック WTO法』(有斐閣)2009年 3,000円
 杉原高嶺著『国際司法裁判制度』(有斐閣)1999年 7,600円
 小寺彰など編『国際法判例百選[第2版]』(有斐閣)2013年 2,476円+税
市販されている国際条約集。これらにつき開講時に詳しい情報を提供する。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について  授業はPower Pointを使って講義方式で行うが、判例の分析につき学生にまとめ報告を求めることもある。
 前年度「学生による授業アンケート」において「シラバスが役に立った」「担当教員の授業への取 り組みに熱意を感じた」「この授業の進み方は適切であったか」ともにほぼ平均値に達しているが、「この科目の授業内容についてよく理解できたか」「あなたの学修目標を十分に達成でき たか」の2項目について、微小ながら平均値を下回る結果になりました。講義形式の授業ではあり ますが、今後授業中の小テストを利用し、学生理解の度合いを確認しながら、授業を進めていきたい。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目