駒澤大学 シラバス照会
履修コード/科目名称 | 129101 / ヨーロッパ政治論 | ||
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開講年度・期 | 2020年 後期 | 開講曜日・時限 | 木曜日 2時限 |
単位数 | 2 | ||
付記 | ◎予 | ||
主担当教員氏名(カナ) | 中野 裕二(ナカノ ユウジ) | ||
副担当教員氏名(カナ) |
授業概要 | <授業全体の趣旨> 1.本年度の授業のテーマは「グローバリゼーション、分断社会、シティズンシップ」です。現在、世界の各地でグローバリゼーションや新自由主義のもとで、カネ、モノ、ヒトの移動が進んでいます。その一方で、こうした移動の加速化のもとで分断社会の問題が認識され始めています。社会の分断の影響は、それぞれの社会で弱い立場に置かれている人びとにもっとも顕著に表れます。 2.この授業では、分断社会の影響をシティズンシップの視点から見ていきます。そのため、弱い立場に置かれている人びとのシティズンシップは、グローバリゼーションや新自由主義の中でどのような状態にあるのか、仮に問題があるとすれば、その問題はどのように解決可能なのか、といった問いを基礎とします。 3.グローバリゼーションや新自由主義によって弱い立場に置かれる人びとのカテゴリーはさまざまです。この授業では、その中でも移民・外国人に着目します。それは、彼ら彼女らがもっとも弱い立場に置かれている人びとであり、グローバリゼーションや新自由主義の影響を検討するのに適しているからです。 4.シティズンシップは3つの要素からなっており、その3つがそろって、ある人が「シティズンシップを享受している」と言えます(序章の2で説明)。そこで、この授業では、シティズンシップの3つの要素に着目します。 5.グローバリゼーションや新自由主義による分断社会の影響は、当然、日本でも見られる現象です。しかし、この授業ではヨーロッパを素材として、2.の問いに答えようとします(具体的には章立てを参照)。ただし、授業担当者の研究対象がフランスであることから、フランスが中心的な対象となります。他のヨーロッパ諸国は、フランスとの比較の中で取り上げます。 <授業形態> この授業では、上記の内容を講義形式で論じていきます。必要に応じて、ヨーロッパ主要国との比較を行います。 <学生に求めること> この授業では、フランスを中心にしたヨーロッパの移民・外国人のシティズンシップの検討が中心になりますが、受講生には、学んだ事柄を参考にして、また応用して、日本の諸課題を探求し、解決のあり方について主体的に考察を深めていくことをも期待します。 |
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到達目標(ねらい) | <この授業の意義> この授業では、1年次の政治学全般の入門的科目、政治学の基本的理論の科目の学習に基づいて、専門的な内容について学ぶことにより、世界的な諸課題や日本の諸課題について分析し、その問題を発見し、解決に取り組むための専門的知識と思考技法を習得していきます。 <学生の到達目標> 受講後に学生に期待される到達レベルはおおむね以下の通りです。 1.参考書やプリントを参照しながら、 ・移民・外国人のおかれた状況について、歴史的変遷をふまえてその概要を説明できる ・国籍制度の特徴とそれが与える影響について説明できる ・外国人政治参加制度の概要を説明できる ・移民・外国人の社会的権利の状況を説明できる ・ヨーロッパ諸国間の移民政策の違いを説明できる 2.参考書やプリントを参照することなく、 ・移民・外国人のおかれた状況について、歴史的変遷をふまえてその概要を説明できる ・国籍制度の特徴とそれが与える影響について説明できる ・外国人政治参加制度の概要を説明できる ・移民・外国人の社会的権利の状況を説明できる ・ヨーロッパ諸国間の移民政策の違いを説明できる 3.授業で学んだ知識や視座を主体的に応用して、 ・日本の外国人問題の実態を把握し、それを分析・説明し、解決策の提示ができる |
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授業スケジュール |
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履修上の留意点等 | この授業はフランスを対象としますが、他の欧米諸国との比較も部分的に行います。また、日本の移民・外国人に対する差別・排除、それと闘う取り組みにも関心をもってもらいたいと思います。また、外国人労働者の正面からの受け入れへと政策転換した日本において、移民・外国人のシティズンシップはどのような状況にあるのか、どうすべきかという関心ももって授業に臨むことを期待します。 「現代政治理論入門」「現代政治理論応用」「政治制度論」「ヨーロッパ政治史」を履修済みもしくは同時履修していることが望ましいです。また、担当者が開講する「政治社会学」と問題関心と理論枠組みが重なるところが多いので、受講することをお勧めします。 また、上記の授業スケジュールは現時点での予定であり、また課題授業の内容も含みます。変更がある場合、課題授業の対象となる項については授業時間中またはYeStudy上でお知らせします。 なお、学生に期待される到達レベル、評価の方法などについての詳細は、第1回の授業であらためて確認します。受講する学生は第1回授業には必ず出席してください。 |
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成績評価の方法 |
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教科書/テキスト |
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参考書![]() |
中野裕二ほか編『排外主義を問いなおす フランスにおける排除・差別・参加』勁草書房、2015年 宮島喬編『移民の社会的統合と排除 問われるフランス的統合』東京大学出版会、2009年 宮島喬・木畑洋一・小川有美編『ヨーロッパ・デモクラシー 危機と転換』岩波書店、2018年 宮島喬『フランスを問う 国民、市民、移民』人文書院、2017年 |
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学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について | 前年度「学生による授業アンケート」の評価は概ね好評であったが、授業全体の目標、各章の目標を繰り返し述べることで学修目標を明確にし、また授業内容に関する確認のテストを実施することで、学生にいっそう興味を持たせ、学修目標達成度が上がるように工夫する予定。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
関連リンク | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実務経験がある教員による授業科目 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アクティブラーニング型の授業科目 | <レスポンスカード> 授業内容に関する意見質問を提出します。意見質問には、次の時間までに回答を用意し、YeStudy上にアップします。この質問への回答を確認し、理解を深めることも事後学習になります。 <授業時間中の発言> 授業中に発問し、受講生の考えを引き出します。他の人がどのような考え方をし、またどのような意見をもっているかを知ることで、理解を深めます。 |