駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  129301 / EU政治論
 開講年度・期  2020年 前期  開講曜日・時限  土曜日 4時限
 単位数  2
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  浅見 政江(アサミ マサエ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  2016年6月、英国において実施された国民投票において、イギリス国民は、EU(欧州連合 European Union)からの離脱(Brexit)を選択しました。その結果、紆余曲折はあったものの、2020年1月末、ついに英国はEUを離脱しました。2020年末までは完全離脱までの移行期間で、英・EU間で最終的な離脱条件が決定されます、
 EUは1952年にその母体となる欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が発足して以降、構成国は「拡大」し続けてきましたが、英国が離脱したことで構成国は始めて減少することになりました。そうはいっても、EUは、27構成国を擁する大所帯です。
 英国の離脱は、2009年12月に発効したEUの「憲法」であるリスボン条約第50条に規定された脱退手続きによるものですが、規定どおりにことは運ばず、都度、EU首脳と構成国首脳が英国と協議を重ねてやっと離脱にこぎつけたのです。
  さて、EUは、国家ではないものの、国家に相当するほどの権限をもっています。そのEUのガヴァナンス構造は複雑怪奇で、まるで迷宮のようです。構成国とEUは密接不可分な関係性にあり、EUの領域、つまり27構成国という規模は、ほぼ欧州全域をカバーするに至っており、現代欧州を理解するためには、個別の構成国のみならず、EUに対する深い理解が不可欠です。
  本講義の目的は、EUのガヴァナンスの実相を明らかにすることです。今期は、昨年5月に実施された欧州議会選挙を素材にしEUのガヴァナンスを民主主義の観点から議論していきたいと思います。
 よって、本講義では、現在のEUに関する理解を深めるとともに、EUの民主的ガヴァナンスに関する知識の習得を目指すこととします。
 そのためには、政治学、国際政治学をはじめ、第二次世界大戦後の欧州地域の国際関係史、場合によっては経済学といった諸学問領域に関する基礎知識が必要になります。講義では、これら基礎知識の確認も行いつつ、専門的な「EU論」を展開したいと考えています。
 到達目標(ねらい) EUの民主的ガヴアナンスを正確に理解すること
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 ガイダンス
受講に関して知ってほしいこと、成績評価、参考文献についてお話しします。
ヨーロッパとは何か? についても言及します。
準備学習
(予習・復習等)
ヨーロッパ、欧州連合(EU)に興味や関心がある、あるいはよくわからないので、知りたいと思っている皆さんの受講を歓迎します。ヨーロッパに関する情報を収集して講義に臨んでください。 60分
第 2 回
授業の計画・内容 欧州連合(EU)に関する総論
準備学習
(予習・復習等)
欧州連合(EU)を理解するための、「みちしるべ」を提示します。次回以降の講義を理解するために重要なものです。しっかり復習してください。 90分
第 3 回
授業の計画・内容 EU構成国の現状(1)
EUを構成する27か国と脱退した英国について概観する
準備学習
(予習・復習等)
EU構成国と英国に関して、ヨーロッパのどこに位置しているのか、首都、公用語など事前に調べてください。、 60分
第 4 回
授業の計画・内容 EU構成国の現状(2)
27構成国と新規加盟候補国に関して、政治体制、EUとの関係性について、説明します。
準備学習
(予習・復習等)
構成国と加盟候補国の特徴について、復習してください。 90分
第 5 回
授業の計画・内容 EUのガヴァナンス(1)
EUの統治構造を解明する:主要機関について
準備学習
(予習・復習等)
参考文献を紹介しますので、EUの主要機関にはどんなものがあるのか、予習してください。
講義後の復習も忘れずに。
120分
第 6 回
授業の計画・内容 EUのガヴァナンス(2)
EUの統治構造を解明する:EUと構成国の関係性
準備学習
(予習・復習等)
EUのガヴァナンス構造について、しっかり復習してください。 120分
第 7 回
授業の計画・内容 EUのガヴァナンス(3)
EUの統治構造を解明する:EU法
準備学習
(予習・復習等)
EU法について、その特徴を復習してください。 120分
第 8 回
授業の計画・内容 EUのガヴァナンス(4)
EUの統治構造を解明する:安全保障政策
準備学習
(予習・復習等)
EUはどのような安全保障政策を展開しているのか、講義内容をしっかり復習してください。 120分
第 9 回
授業の計画・内容 EUのガヴァナンス(5)
EUの統治構造を解明する:外交
準備学習
(予習・復習等)
EU外交とは何かをしっかり理解するため、復習してください。 120分
第 10 回
授業の計画・内容 EUのガヴァナンス(6)
EUの統治構造に関する総括
準備学習
(予習・復習等)
EUのガヴァナンスの全体像について、復習してください。 120分
第 11 回
授業の計画・内容 EUの民主主義(1) 欧州議会とは何か、その歴史
準備学習
(予習・復習等)
欧州議会の歴史をしっかり復習してください。 120分
第 12 回
授業の計画・内容 EUの民主主義(2) 欧州議会選挙の結果
 
準備学習
(予習・復習等)
2019年に実施された欧州議会選挙の結果、その後のEUの政治動向について、インターネットを利用し、事前の調べてください。 120分
第 13 回
授業の計画・内容 EUの民主主義(3) 統治の正当性
 
準備学習
(予習・復習等)
EUは民主的であるといえるのか、講義内容をしっかり復習してください。そのためには、民主主義とは何かを理解する必要があります。 120分
第 14 回
授業の計画・内容 EUの民主主義(4) 欧州統合と民主主義
準備学習
(予習・復習等)
英国は離脱しましたが、欧州統合とは何か、統合のプロセスと民主主義の関係性について、考察してまださい(復習)。 120分
第 15 回
授業の計画・内容 総括 EUは民主的か?
準備学習
(予習・復習等)
EUの民主主義について総括します。その上で、みなさんはEUの民主主義についてどう考えるのか、自身の意見や見解を、または分析をとりまとめてください。 180分
 履修上の留意点等
 成績評価の方法
80 % 試験
レポート
小テスト
平常点
20 %
2回の課題(各10点)



定期試験(80%)と2回の課題(各10%)の合計点で評価します。出席は毎回とります。その際、講義内容に関するごく簡単な質問に答えてもらいます。これを最終評価の際に参照します。
 教科書/テキスト
特定のテキストは使用しませんが、毎回レジュメを用意します。
参考文献は講義中、適宜紹介します。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
庄司克宏(2016) 『欧州の危機 Brexit ショック』東洋経済新報社
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 講義内容が難しいという意見がありました。
みなさんの理解度を確認しながら、なるべく平易に、しかし、一定のレベルを維持しながら講義を進めていきます。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目