駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  326301 / 担保物権法
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  金曜日 6時限
 単位数  4
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  石口 修(イシグチ オサム)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  指定教科書『民法要論Ⅲ担保物権法』を使って、講義します。

 担保物権は、債権の回収を確保するための手段となる制限物権です。
 担保物権には、金銭債権者が金銭債務者からの弁済を確実にするために、債権の成立とほぼ同時に、債務者の所有する不動産所有権の上に設定される抵当権を始めとして、少額の借金を目的とし、または不動産の収益力に着目した質権があります(以上を「約定担保物権」という)。

 次に、動産売主の売掛代金(代金後払い)債権の貸し倒れ(回収不能)防止を目的として、民法で担保権と認めている動産売買先取特権(他にも数々の目的のために先取特権には多くの種類がある)、機械や自動車修理工などが修理請負代金を払ってもらうまでは機械や自動車の返還を拒絶することができる場合などを想定し、その債権担保を目的として、民法で担保権と認めている留置権(以上を「法定担保物権」という。)があります。

 これら民法に規定されている担保物権を、特に典型担保といいます。

 更に、民法以外に、商慣習的な担保として譲渡担保と所有権留保があり、商慣習的な担保が特別法上の担保となった仮登記担保(代物弁済予約、停止条件付代物弁済契約、担保目的の売買予約など)があります。これらは、民法に規定がないので、非典型担保といいます。

 このように、担保物権は、抵当権を始めとする広範な担保物権制度を中心とするものです。
 授業では、講義時数の関係上、抵当権を中心として講義します。
 到達目標(ねらい)  受講者のニーズに応じた授業を展開する。
 国家総合職試験、不動産鑑定士、司法書士、法科大学院の既修者試験、司法予備試験、司法試験などに対応できる能力の養成を目指した授業を展開する。
 企業に就職して、法務部に配属されても、補助職員として、実務でも対応できる能力を身につけさせる。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 『民法要論Ⅲ 担保物権法』
第1章 担保物権法総論
担保制度の意義―①担保物権の意義、②性質、③効力
準備学習
(予習・復習等)
教科書である『民法要論Ⅲ 担保物権法』の頁数を示す。以下同様。
①担保物権の意義は、1頁から7頁。
②担保物権の性質は、10頁から15頁。
③担保物権の効力は、15頁、16頁。
60分
第 2 回
授業の計画・内容 担保物権の種類と概説(1)留置権、先取特権、質権
準備学習
(予習・復習等)
担保物権の種類は、7頁から10頁。
留置権、先取特権、質権の意義は、各々の冒頭説明箇所、17-18頁、41-44頁、65頁。
60分
第 3 回
授業の計画・内容 担保物権の種類と概説(2)抵当権、譲渡担保、仮登記担保、所有権留保
準備学習
(予習・復習等)
抵当権の意義は、104-106頁。
譲渡担保権と仮登記担保権の意義は、231-234頁。
所有権留保の意義は、286-288頁。
60分
第 4 回
授業の計画・内容 第2章 留置権
留置権(1)留置権の意義、成立要件
準備学習
(予習・復習等)
留置権の意義は、17頁から18頁。
成立要件は、23頁から30頁。
60分
第 5 回
授業の計画・内容 留置権(2)留置権の効力ほか
準備学習
(予習・復習等)
30頁から40頁。 60分
第 6 回
授業の計画・内容 第3章 先取特権
先取特権(1)先取特権の意義、性質、種類ごとの制度趣旨
準備学習
(予習・復習等)
①先取特権の意義は、41頁から44頁。
②法的性質は、44頁から47頁。
③種類・制度趣旨は、47頁から52頁。
60分
第 7 回
授業の計画・内容 先取特権(2)先取特権の効力
準備学習
(予習・復習等)
53頁から64頁。 60分
第 8 回
授業の計画・内容 前期中間試験(例年6月末か7月初め頃、先取特権の講義終了後に実施)
準備学習
(予習・復習等)
中間試験の内容に関して、復習する。 60分
第 9 回
授業の計画・内容 第5章 抵当権
抵当権(1)抵当権の意義、内容、実行手続
準備学習
(予習・復習等)
①抵当権の意義・内容は、104頁から116頁。
②抵当権の実行手続は、152頁から156頁。
90分
第 10 回
授業の計画・内容 抵当権(2)抵当権の被担保債権の範囲、効力の及ぶ目的物の範囲
準備学習
(予習・復習等)
①抵当権の被担保債権は、117頁から121頁。
②抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲は、121頁から130頁。
60分
第 11 回
授業の計画・内容 抵当権(3)抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲(前回の続き:付加一体物の分離・処分)、果実への効力
準備学習
(予習・復習等)
①付加一体物の分離・処分は、130頁から135頁。
②果実への効力は、135頁、136頁。
60分
第 12 回
授業の計画・内容 抵当権(4)抵当権の物上代位(1)物上代位の意義、目的、(2)物上代位の代位物
準備学習
(予習・復習等)
137頁から145頁。 60分
第 13 回
授業の計画・内容 抵当権(5)抵当権の物上代位(2)物上代位の代位物(続き)、物上代位の対抗要件ほか
準備学習
(予習・復習等)
対抗要件ほかは、146頁から151頁。 60分
第 14 回
授業の計画・内容 第3節 抵当権と利用権との調整
抵当権(6)法定地上権(1)法定地上権の意義、成立要件
準備学習
(予習・復習等)
①法定地上権の意義は、156頁から158頁。
②成立要件は、158頁から162頁(建物の再築事案まで)
90分
第 15 回
授業の計画・内容 抵当権(7)法定地上権(2)法定地上権の成立要件(続き)、範囲・内容、一括競売
準備学習
(予習・復習等)
成立要件は、162頁から167頁。
範囲・内容は、168頁から169頁。
一括競売は、170、171頁。
60分
第 16 回
授業の計画・内容 抵当権(8)抵当権と土地利用権の調整(2)抵当権と賃借権
準備学習
(予習・復習等)
171頁から177頁。 60分
第 17 回
授業の計画・内容 抵当権(9)抵当不動産の第三取得者の保護―代価弁済制度、抵当権消滅請求制度
準備学習
(予習・復習等)
177頁から182頁。 60分
第 18 回
授業の計画・内容 抵当権(10)抵当権の侵害
準備学習
(予習・復習等)
182頁から194頁。 60分
第 19 回
授業の計画・内容 抵当権(11)抵当権の処分
準備学習
(予習・復習等)
194頁から201頁。 60分
第 20 回
授業の計画・内容 抵当権(12)抵当権の消滅
準備学習
(予習・復習等)
201頁から206頁。 60分
第 21 回
授業の計画・内容 抵当権(13)共同抵当権
準備学習
(予習・復習等)
206頁から215頁。但し、211頁以下「物上保証人との関係」は、学部生には難解なので、少し触れるに留める。 90分
第 22 回
授業の計画・内容 抵当権(14)根抵当権
準備学習
(予習・復習等)
216頁から230頁。但し、細かい点には触れず、概略的に説明する。 60分
第 23 回
授業の計画・内容 第4章 質権
質権の意義、種類ごとの成立要件、対抗要件、転質
準備学習
(予習・復習等)
①質権の概説―65頁から69頁。
②動産質権70頁以下を概説。
③不動産質権82頁以下を概説
④権利質権86頁以下を概説
⑤転質は、95頁から103頁。
但し、質権制度は、全体的に使用頻度がないので、概略的に説明する。
60分
第 24 回
授業の計画・内容 第6章 非典型担保権
非典型担保(1)
①非典型担保の意義、種類(仮登記担保、譲渡担保、所有権留保、ファイナンスリース)
②譲渡担保の法的構成
準備学習
(予習・復習等)
①非典型担保の意義、種類は、231頁から240頁。
②譲渡担保の法的構成は、241頁から247頁。
60分
第 25 回
授業の計画・内容 非典型担保(2)
③不動産の譲渡担保
このあたりに後期の中間試験を実施します(12月初旬を予定)。
準備学習
(予習・復習等)
(続き)
③不動産の譲渡担保は、247頁から261頁。
60分
第 26 回
授業の計画・内容 非典型担保(3)
①動産譲渡担保の意義、成立要件
②対抗要件
③効力
準備学習
(予習・復習等)
①動産譲渡担保の意義、成立要件は、9頁、10頁。第24回講義で説明した内容の復習。
②対抗要件は、261頁から264頁。
③効力は、265頁から270頁。
60分
第 27 回
授業の計画・内容 非典型担保(4)
①債権譲渡担保の意義、成立要件、対抗要件
②効力
③集合(流動)債権の譲渡担保
準備学習
(予習・復習等)
①は、270頁、271頁。
②は、271頁。
③は、279頁から286頁。
60分
第 28 回
授業の計画・内容 非典型担保(5)
①集合動産の譲渡担保の意義、成立要件
②対抗要件、動産先取特権との優劣
③重複設定の可否
④物上代位の可否
準備学習
(予習・復習等)
①は、272頁から274頁。
②は、274頁から276頁。
③重複設定は、276頁から279頁。
④集合動産譲渡担保と物上代位は、新しい問題なので、教科書に記載がない。板書にて説明する。簡単に説明すると、物上代位は、実行類似の制度なので、通常の営業を継続している時点では、物上代位権が生じない(但し、保険金債権の問題)。
90分
第 29 回
授業の計画・内容 非典型担保(6)
①所有権留保の意義、成立、種類、目的
②譲渡担保との異同
③法的構成
準備学習
(予習・復習等)
①所有権留保の意義、成立、種類、目的は、286頁から288頁(但し、類型は297頁から299頁)。
②譲渡担保との異同は、288頁から290頁。
③法的構成は、290頁から294頁。
60分
第 30 回
授業の計画・内容 非典型担保(7)
③所有権留保の対抗要件
④個別問題
準備学習
(予習・復習等)
③は、295頁から297頁。
④個別問題
1)権利濫用との関係は、300頁から302頁。
2)即時取得との関係は、302頁から305頁。
3)留保所有者に対する物権的請求権の行使は、305頁から308頁。
4)留保所有権の移転関係は、309頁から312頁。
90分
 履修上の留意点等  授業では、六法と教科書を読みながら説明します。最初の授業時から必ず両方とも持参してください。六法と教科書がなければ、授業内容が理解できません。
 教科書は、判例を中心として構成されていますから、事前に読んでおくと、民法が自然と身につきます。
 授業に出席し、ノートを取って、自宅で復習してください。そうでないと、担保物権法は特に難しいので、理解はできません。
 授業では、ゆっくりと、わかりやすく講義します。重要な制度については厚く、それ以外の制度については簡略化して、メリハリを付けます。
 担保物権は、民法の財産関係法のすべてにわたる幅広い分野です。
 民法を真に理解したい学生は是非受講して下さい。
 授業に出席し、真面目に受講して、初めて理解することのできる内容です。したがって、真面目に出席して下さい。出席しないと、理解できません。
 サークル活動(運動部を含む)による欠席は考慮しません。
 授業に出席できない学生は、担保物権を理解することはできません。受講登録は避けたほうがよいでしょう。
 授業中に携帯電話、スマートフォンなどを使用している学生を見かけますが、遊んでいるのと区別がつかないので、禁止します。六法は、本のものか、タブレットにて使用して下さい。
 成績評価の方法
70 % 試験
レポート
30 % 小テスト
平常点




 定期試験(学年末試験)の成績と中間試験、その他の平常点(授業に臨む姿勢)で評価します。
 
 定期試験の成績を70%、中間試験・平常点を30%とします。

 試験は、中間試験、期末試験ともに、六法と教科書の持ち込みを可としています。
 教科書/テキスト
書籍名 『民法要論Ⅲ 担保物権法』
著者名 石口 修 出版年 2016 価格 3,190円
出版社 成文堂 ISBN 978ー4ー7923ー2680ー7
備考 価格は税込み。
 教科書と板書(説明)で授業を進めます。プリントは配布しません。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
 担保物権法の参考書はたくさんあります。掲げればきりがありません。各自、WEB上で検索して見てください。参考書は、購入する必要はありません。図書館で参照すればよいと思います。
 
 担保物権と関係して、物権法の参考書としては、
 石口修『物権法』(信山社、2015年)
 石口修『民法要論Ⅱ物権法』(成文堂、2017年) 
があります。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について  毎年、分かりやすい授業、質問への丁寧な対応という点において、高評価をもらっている。

 今後も、分かりやすさをモットーとして、まじめに授業に臨む方針に変わりはない。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目