駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  823151 / 日本史学特講Ⅳ【講義】
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  金曜日 4時限
 単位数  4
 付記  
 主担当教員氏名(カナ)  林 譲(ハヤシ ユズル)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  本科目は、【講義】と【演習】とを兼ねて実施する。史料から読み解く中世社会を研究するため、鎌倉・南北朝・室町時代を主たる対象として、「花押と筆跡の史料学—モノをみる・モノからみる—」をテーマに、古文書、特に中世武家・宗教文書に関する諸問題に関して講義する。本年度は、中世文書のうちでも、鎌倉幕府を開いた源頼朝が発給した文書を中心とする『島津家文書』、ながらく信濃守護を務めた小笠原氏に伝来した『小笠原文書』、地頭領主から戦国武将へ発展した熊谷氏の『熊谷家文書』、また本学に由縁のある大久保道舟氏編『曹洞宗古文書』上巻・下巻・拾遺(筑摩書房、昭和47年)所収史料などに関する諸問題を小テーマとして設定する。『島津家文書』等の源頼朝文書や『小笠原文書』『熊谷家文書』『醍醐寺文書聖教』『仁和寺史料』、また室町幕府歴代将軍の花押については、先行研究がありながら、十分な検討・研究がなされているとは言い難い。特に、花押や筆跡、また料紙の紙質など、古文書の形態論的研究については未解決の問題が多い。そこで、写真版・影写本コピーに基づいた研究を進め、上記の課題の可能性を探ることとしたい。
 到達目標(ねらい)  本科目は、人文科学研究科歴史学専攻の学位授与の方針DP1~3に関連が強い。この授業を履修することにより、受講生が、古文書を史料として活用する上での基礎的な態度・技法を身につけられること、各自の修士論文の作成に結びつく実践的な研究能力が養成されることを目標とする。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容  年度当初は、何故問題にする必要があるかなどの研究史上の問題点を講義し、問題点を認識した上で、事前に配布した『曹洞宗古文書』所収文書や「源頼朝文書」(『島津家文書』)『小笠原文書』『熊谷家文書』『醍醐寺文書聖教』『仁和寺史料』の原本写真版・影写本コピー、及び大判写真フィルムデジタル画像を各自分担して調査し、それに基づいた報告と講義、及び討論を行う。また、上島有氏『中世花押の謎を解く—足利将軍家とその花押—』を素材として、室町幕府歴代将軍の花押について研究する。内容に変更がある場合には、授業内で受講生に伝えるが、おおよそ以下のスケジュールを考えている。
導入―問題の所在、研究史の現状―
準備学習
(予習・復習等)
復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 60分
第 2 回
授業の計画・内容 史料とは何か—古文書形態論研究の重要性—
準備学習
(予習・復習等)
予習として、古文書形態論について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 3 回
授業の計画・内容 文書料紙の分類・観察の方法
準備学習
(予習・復習等)
予習として、文書料紙の分類方法等を調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 4 回
授業の計画・内容 文書料紙と古文書様式・機能との関係
準備学習
(予習・復習等)
予習として、古文書様式論・機能論について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 5 回
授業の計画・内容 文書料紙研究の課題
準備学習
(予習・復習等)
予習・復習として、文書料紙の課題について確認しておくこと。 90分
第 6 回
授業の計画・内容 花押研究の研究史
準備学習
(予習・復習等)
予習として、花押について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 7 回
授業の計画・内容 自署・草名・花押の分類
準備学習
(予習・復習等)
予習として、自署・草名について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 8 回
授業の計画・内容 源頼朝の花押
準備学習
(予習・復習等)
予習として、源頼朝とその花押について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 9 回
授業の計画・内容 足利尊氏の花押
準備学習
(予習・復習等)
予習として、足利尊氏とその花押について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 10 回
授業の計画・内容 花押研究の重要性とその課題
準備学習
(予習・復習等)
予習として、花押研究の重要性について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 11 回
授業の計画・内容 筆跡研究の重要性
準備学習
(予習・復習等)
予習として、筆跡研究の重要性について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 12 回
授業の計画・内容 源頼朝文書の右筆
準備学習
(予習・復習等)
予習として、源頼朝の右筆について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 13 回
授業の計画・内容 足利尊氏文書の自筆と右筆
準備学習
(予習・復習等)
予習として、足利尊氏の自筆文書と右筆について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 14 回
授業の計画・内容 天皇宸翰書状
準備学習
(予習・復習等)
予習として、天皇宸翰書状を調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 15 回
授業の計画・内容 前期授業のまとめと課題
準備学習
(予習・復習等)
復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 16 回
授業の計画・内容 後期授業のねらい
準備学習
(予習・復習等)
復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 17 回
授業の計画・内容 『曹洞宗古文書』所収文書に関する調査・報告・講義、及び討論その1
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『曹洞宗古文書』所収文書を調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 18 回
授業の計画・内容 『曹洞宗古文書』所収文書に関する調査・報告・講義、及び討論その2
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『曹洞宗古文書』所収文書を調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 19 回
授業の計画・内容 『島津家文書』の源頼朝文書に関する調査・報告・講義、及び討論その1
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『島津家文書』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 20 回
授業の計画・内容 『島津家文書』の源頼朝文書に関する調査・報告・講義、及び討論その2
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『島津家文書』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 21 回
授業の計画・内容 『小笠原文書』の足利尊氏文書に関する調査・報告・講義、及び討論その1
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『小笠原文書』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 22 回
授業の計画・内容 『小笠原文書』の足利尊氏文書に関する調査・報告・講義、及び討論その2
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『小笠原文書』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 23 回
授業の計画・内容 『熊谷家文書』所収文書に関する調査・報告・講義、及び討論その1
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『熊谷家文書』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 24 回
授業の計画・内容 『熊谷家文書』所収文書に関する調査・報告・講義、及び討論その2
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『熊谷家文書』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 25 回
授業の計画・内容 『醍醐寺文書聖教』に関する調査・報告・講義、及び討論
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『醍醐寺文書聖教』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 26 回
授業の計画・内容 『仁和寺史料』に関する調査・報告・講義、及び討論
準備学習
(予習・復習等)
予習として、『仁和寺史料』について調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 27 回
授業の計画・内容 再び古文書形態論研究の重要性その1
準備学習
(予習・復習等)
予習として、古文書形態論について再度調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 28 回
授業の計画・内容 再び古文書形態論研究の重要性その2
準備学習
(予習・復習等)
予習として、古文書形態論について再度調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 29 回
授業の計画・内容 再び古文書形態論研究の重要性その3
準備学習
(予習・復習等)
予習として、古文書形態論について再度調べておくこと、復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
第 30 回
授業の計画・内容 後期授業のまとめと課題
準備学習
(予習・復習等)
復習として、本講義の内容を確認しておくこと。 90分
 履修上の留意点等 講義に関する史料・論文等を事前に配布するので、辞書等を利用して調べておくこと。その際には、本学図書館や地域の公共図書館のほか、「ジャパンナレッジ」などのインターネット上の辞書類も活用すること。翌週の講義に関する事前準備にもつながるので、復習を行っておくこと。
毎回出席の上、講義内容に関して、必ずノートに筆記すること、声を出して読むこと、わからない文字等は書いて筆順等を認識すること、調査・討論には積極的に参加すること。
 成績評価の方法
試験
50 % レポート
小テスト
50 % 平常点




 上記の講義目標の達成度により成績評価を行う。報告の事前準備、授業における積極的な取組み、前・後期のレポート提出などを判断基準とする。
 教科書/テキスト
 大久保道舟氏編『曹洞宗古文書』(筑摩書房、昭和47年)所収文書や、「源頼朝文書」(『島津家文書』)『小笠原文書』『熊谷家文書』『醍醐寺文書聖教』などの活字本・原本写真版・影写本コピーのプリント、大判写真フィルムのデジタル画像を事前に用意し配布するほか、授業においては各自が作成したレジュメを使用する。また、必要に応じて講義に即した史料・文献を配布する。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
 大久保道舟氏編『曹洞宗古文書』上巻・下巻・拾遺(昭和47年、筑摩書房)
 相田二郎氏「鎌倉時代に於ける武家古文書の筆蹟」(『相田二郎著作集』一、昭和51年、名著出版)(『日本古文書学論集』六、昭和62年、吉川弘文館)
 黒川高明氏『源頼朝文書の研究 史料編』(昭和63年、吉川弘文館)
 林譲「源頼朝の花押について-その形体変化と治承・寿永年号の使用をめぐって-」(『東京大学史料編纂所研究紀要』第6号、平成8年)
 『信濃史料』(1941〜69年、信濃史料刊行会)
 『新編信濃史料叢書』第12巻(1975年、信濃史料刊行会)
 『東京大学史料編纂所影印叢書・島津家文書 歴代亀鑑・宝鑑』(2007年、東京大学史料編纂所)
 『東京大学史料編纂所影印叢書・小笠原文書』(2008年、東京大学史料編纂所)
 『熊谷市史』資料編2古代・中世(2013年、埼玉県熊谷市)
 『三重県史』資料編古代・中世(平成27年、三重県)
 上島有氏『中世花押の謎を解く-足利将軍家とその花押-』(2004年、山川出版社)

 そのほかの参考文献等については、必要に応じて指示する。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について  大学院科目のため、アンケートの対象外である。ただし、受講生の積極的な意見や主体的な取り組みを重視して進めたいと考えている。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目  
 アクティブラーニング型の授業科目  本科目では、ディスカッション・プレゼンテーション(個人)・双方向型授業を実施する。