第 1 回 |
授業の計画・内容 |
1,古代王権による仏教受容
日本古代において、仏教の受容がどのように行われたかを、朝鮮諸国と比較しながら解説する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『日本書紀』と『元興寺縁起』の仏教伝来記事を読んでおくこと。 |
60分 |
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第 2 回 |
授業の計画・内容 |
2,百済と新羅の寺院
百済と新羅の寺院について、最近の発掘調査成果からその特徴を理解し、日本との相違点を考える。益山弥勒寺などの寺院縁起についても解説を行う。 |
準備学習 (予習・復習等) |
百済と新羅の古代寺院の位置の確認と、『三国遺事』に目を通しておくこと。 |
60分 |
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第 3 回 |
授業の計画・内容 |
3,飛鳥寺の造営
日本最初の寺院である飛鳥寺がどのように造営されたか、造営氏族の蘇我氏の性質と共に理解し、飛鳥寺の瓦工人の特質を解説する。さらに『元興寺縁起』から飛鳥寺の造営を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『元興寺縁起』に関する近年の史料批判(吉田説)を読んでおくこと。 |
60分 |
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第 4 回 |
授業の計画・内容 |
4,聖徳太子の寺院
若草伽藍・四天王寺などの聖徳太子関係寺院と法隆寺の諸問題を理解する。飛鳥寺の素弁軒丸瓦の同笵関係から、飛鳥寺と聖徳太子関係寺院の問題を解説する。『法隆寺伽藍縁起』から法隆寺の造営過程を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
法隆寺再建非再建論争を理解しておくこと。 |
60分 |
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第 5 回 |
授業の計画・内容 |
5,百済大寺の造営
日本最初の天皇家による寺院造営となった百済大寺の問題と、比定される吉備池廃寺の諸問題を考察する。吉備池廃寺の軒丸瓦の成立・伽藍配置など、今後の寺院史研究の課題について概説する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
吉備池廃寺の発掘調査報告書を目を通しておくこと。 |
60分 |
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第 6 回 |
授業の計画・内容 |
6,大化改新と仏教
大化改新の諸問題と孝徳朝における仏教政策を理解し、大化の造寺奨励策を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
大化の造寺援助策について、『日本書紀』を読んでおくこと。 |
60分 |
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第 7 回 |
授業の計画・内容 |
7,古代寺院の成立―山田寺と川原寺
7世紀代の代表的な寺院である山田寺と川原寺の諸問題について理解すると共に、全国各地に山田寺式・川原寺式軒瓦が分布した理由を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
山田寺の建立者である蘇我倉山田石川麻呂について調べておくこと。 |
60分 |
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第 8 回 |
授業の計画・内容 |
8,大寺制の再検討
従来国家仏教の象徴である「大寺制について、「大寺」の本来の意味とその諸問題を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「大寺制」の研究史を調べておくこと。 |
60分 |
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第 9 回 |
授業の計画・内容 |
9,国家仏教の成立
天武朝における国家仏教政策について、天武十四年三月壬申詔を中心にその意味を理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「国家仏教」とは何か、理解しておくこと。 |
60分 |
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第 10 回 |
授業の計画・内容 |
10,郡衙と寺院
地方豪族である郡司の拠点である郡衙と寺院の関係を理解する。近年提唱されている「郡衙周辺寺院」・「郡寺」の問題を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
郡衙遺跡と寺院跡で位置的に関係すると思われる例(岐阜県弥勒寺官衙遺跡群など)を調べておくこと。 |
60分 |
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第 11 回 |
授業の計画・内容 |
11,評制の成立と寺院-那須国造碑と寺院
大化改新以後の評制の施行と寺院の造営の意義について考察する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「那須国造碑」の碑文と下侍塚古墳を発掘した学史について調べておくこと。 |
60分 |
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第 12 回 |
授業の計画・内容 |
12,山ノ上碑文と金井沢碑文
群馬県山ノ上碑と金井沢碑文から、古代地方豪族の仏教受容を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
山ノ上碑文と金井沢碑文について、碑文を予習しておくこと。 |
60分 |
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第 13 回 |
授業の計画・内容 |
13,寺院と知識① 西琳寺縁起と氏寺
近年の知識寺院説を批判して、「西琳寺縁起」から「氏寺」とは何かを理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「西琳寺縁起」について調べておくこと。 |
60分 |
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第 14 回 |
授業の計画・内容 |
14,寺院と知識② 「既多寺知識経」と氏寺
「既多寺知識経」の「知識」から、氏寺の構造を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「既多寺知識経」について調べておくこと。 |
60分 |
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第 15 回 |
授業の計画・内容 |
15、古代の寺院についてのまとめ |
準備学習 (予習・復習等) |
春学期で学習した寺院史について、整理しておくこと。 |
60分 |
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第 16 回 |
授業の計画・内容 |
16,寺院縁起―『日本霊異記』の寺院縁起①
『日本霊異記』を中心に、寺院縁起を考える。上巻第七縁の三谷寺、上巻代十七縁の越智寺の縁起について考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『日本霊異記』上7と上17の説話を読んでおくこと。 |
60分 |
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第 17 回 |
授業の計画・内容 |
17,寺院縁起―『日本霊異記』の寺院縁起②
『日本霊異記』中巻第三十一縁と三十九縁の磐田寺・鵜田堂の縁起を理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『日本霊異記』中31と39の説話を読んでおくこと |
60分 |
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第 18 回 |
授業の計画・内容 |
18,地方寺院の実態-『出雲国風土記』の新造院-
『出雲国風土記』に見える「新造院」の実態を寺院縁起として理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『出雲国風土記』の新造院条を調べておくこと。 |
60分 |
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第 19 回 |
授業の計画・内容 |
19,「大安寺伽藍縁起并流記資財帳」を読む
「大安寺伽藍縁起并資財帳」を史料として読み、発願から造営過程、寺物まで理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「大安寺伽藍縁起并流記資財帳」を調べて読み、発表する。 |
60分 |
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第 20 回 |
授業の計画・内容 |
20、「法隆寺伽藍縁起并流記資財帳」を読む。
「法隆寺伽藍縁起并資財帳」を史料として読み、発願から造営過程、寺物まで理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「法隆寺伽藍縁起并流記資財帳」を調べて読み、発表する。 |
60分 |
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第 21 回 |
授業の計画・内容 |
21,「多度神宮寺伽藍縁起并資財帳」を読む
「多度神宮寺伽藍縁起并資財帳」を史料として読み、発願から造営過程、寺物まで理解する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「多度神宮寺伽藍縁起并資財帳」の史料性について、調べておくこと。発表の準備を行うこと。 |
60分 |
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第 22 回 |
授業の計画・内容 |
22,『類聚三代格』定額寺事①
霊亀二年五月一七日官符(いわゆる寺院併合令)を読んで、寺院併合令についてその効力を学ぶ。 |
準備学習 (予習・復習等) |
定額寺とは何か、学説史を調べておくこと。 |
60分 |
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第 23 回 |
授業の計画・内容 |
23,『類聚三代格』定額寺事②
天平宝字三年六月二二日官符・延暦十五年三月二五日官符などを読み、定額寺の資財について考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
寺の資財と寺物盗用の説話についても調べておくこと。 |
60分 |
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第 24 回 |
授業の計画・内容 |
24,『延喜式』における定額寺
『延喜式』に見える定額寺条から、定額寺の機能を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『延喜式』の定額寺条を読んでおくこと。 |
60分 |
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第 25 回 |
授業の計画・内容 |
25,,『類聚三代格』国分寺事①
天平十三年二月一四日官符の国分寺造営の詔を読む。 |
準備学習 (予習・復習等) |
国分寺建立の詔に関する学説史を読んでおくこと。 |
60分 |
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第 26 回 |
授業の計画・内容 |
26,。,『類聚三代格』国分寺事②
国分寺の機能/法会を読む。在地における国分寺の機能を考える。
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準備学習 (予習・復習等) |
『類聚三代格』だけでなく、『延喜式』も目を通しておくこと。 |
60分 |
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第 27 回 |
授業の計画・内容 |
27,地方寺院の法会
『日本霊異記』に見える懺悔悔過と父母供養の説話を集約し、古代の地方寺院ではどのような法会が行われていたか検証する。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『日本霊異記』に見える説話の中から、地方寺院の法会の実態を探ること。 |
60分 |
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第 28 回 |
授業の計画・内容 |
28,『東大寺諷誦文稿』と『日本感霊録』
『東大寺諷誦文稿』と『日本感霊録』という仏教説話から、古代の仏教の特質と地方仏教を考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
『東大寺諷誦文稿』と『日本感霊録』を調べておくこと。 |
60分 |
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第 29 回 |
授業の計画・内容 |
29,定額寺と地方寺院の変質
定額寺制の成立と平安時代における地方仏教の変質を考える。「上野国交替実録帳」に見える「放光寺」などの定額寺の実態について調べる。 |
準備学習 (予習・復習等) |
「上野国交替実録帳」に見える「放光寺」などの定額寺の実態について調べる。 |
60分 |
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第 30 回 |
授業の計画・内容 |
30,まとめ
地方仏教の様相から、古代の仏教について考える。 |
準備学習 (予習・復習等) |
30回の授業の内容を整理しておくこと。 |
60分 |
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