駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  823951 / 東洋史学特講Ⅳ【講義】
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  木曜日 2時限
 単位数  4
 付記  
 主担当教員氏名(カナ)  宮嵜 洋一(ミヤザキ ヨウイチ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 20世紀末頃から、中国の環境の歴史について、徐々にその成果が発表されてきた。環境と人間社会は相互に影響を及ぼしつつ、歴史を形成してきた。特に中国では、「環境問題大国」ともいわれるように、深刻な社会問題となっているためか、近年立て続けに環境史の研究書が上梓されている。本講義では、水害や干害などの災害を取り上げ、当時の人々が自然をどのように認識していたか、環境の変化をどのように理解していたのか、環境変化に適応するためにどのような行動を行ったか、災害にたいしてどのような対策を講じてきたか、などを検討してゆく。
 到達目標(ねらい) 1.「三つのポリシー」との関連性
環境史の視点(研究を行ううえで、どのように問題を設定すべきか)、自然環境の変化を歴史的問題としてとらえるためにとるべき方法(研究の手法)を提示しつつ、特に環境変化が激しかったと想定される10世紀以降の中国について検討する。
2.到達目標
①10世紀以降の中国の歴史経過について概説できる。
②歴史研究の方法論を身に付けている。
③災害史・環境史についての専門知識を身に付けている。
④歴史を通して人間社会の問題点を指摘できる。
 授業スケジュール
1回:導入その1-環境と歴史学-
環境史の方法論について検討する。
第2回:導入その2-現代中国の環境問題-
現在我々が解決すべき問題点について検討する。
第3回:導入その3-10世紀以降の中国の災害-
中国では歴史的にどのような災害が、どれほどの頻度で発生しているかを概観する。
第4~8回:環境史の先行研究
環境史に関する先行研究を読み、中国環境史の研究者たちが何を、どこまで分析してきたかを検討する。
第9~15回:黄河の治水問題
10世紀以降、黄河の氾濫が続発し、大きな被害を与えるが、13世紀以降、黄河は南流で安定する。この間の自然認識・治水技術などの変化を史料を通して分析する。
第16~22回:開発の進展と環境変化
自然状況に人為的に手を加える開発が進展することによって、その自然状況がどのように変化するのか、その変化をどのようにとらえるのかを分析する。
第23~29回:長江の水害とその対策
19世紀以降、長江流域では水害が頻発するようになる。なぜ水害が増えるのか、どのように対策をとるのかを分析する。
第30回:環境の問題
我々が生きていくうえで、自然とどのように向き合うべきかを検討する。
 履修上の留意点等 参考文献や史料に基づいて講義を行うが、その内容について質疑応答をしばしば行うため、事前に十分に下調べをしておくこと。
 成績評価の方法
試験
70 % レポート
小テスト
平常点
30 %
ディスカッションの際の質疑応答




 教科書/テキスト
市販の教科書・テキストは使用しない。必要に応じて教員が参考資料を配布する。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
『講座 文明と環境』全15巻、朝倉書店、1995~97
岩波講座『開発と文化』全7巻、岩波書店、1997~98
以上は、関連する叢書です。個別の参考文献については、必要に応じて講義中に紹介します。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について アンケートの実施予定は無い。但し、授業についての疑義は常に受け付け、改善の必要を認めれば早急に対応する。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目