授業概要 |
一般に「最後の中華王朝」と理解されている清朝は、支配の中枢に目を向けてみるならば、マンジュ(満洲)人が皇帝となって広大・多様な領域を統合した国家・「大清帝国」とみることができる。本講義では、この帝国を、時系列的な中国史上の一王朝「清朝」としてではなく、16〜17世紀の時代状況を背景として段階的に形成・拡大していった軍事権力を核とする「大清帝国」として捉え、その形成の過程と構造の特質、さらに歴史的位置について検討する。具体的には、支配層たるマンジュ人の組織である八旗に焦点を当てて、その内部構造と形成・整備過程について考察するとともに、同時期に並行して権力形成を果たした軍事政権として、日本の幕藩制国家との比較検討を行なう。 |
到達目標(ねらい) |
ユーラシア東方を支配した広域・多元的帝国としての「大清帝国」の形成過程と支配構造を理解するとともに、日本近世国家との比較史的検討を通じて、世界史的な視野を養う。 |
授業スケジュール |
第1回 ガイダンス
第2〜4回 中央ユーラシアの世界
第5〜7回 ジュシェン=マンジュの社会とモンゴル・漢人
第8〜10回 マンジュ=大清グルンの勃興と発展
第11〜14回 八旗制の構造
第15回 予備日
第16〜17回 中央ユーラシア国家としての大清グルン
第19〜26回 大清グルンの比較史的検討
第27・28回 近世軍事政権としての大清帝国と江戸幕府
第29回 大清帝国の支配構造
第30回 予備日 |
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履修上の留意点等 |
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成績評価の方法 |
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試験 |
50 % |
レポート |
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小テスト |
50 % |
平常点 |
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レポートと平常点で評価する。
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教科書/テキスト |
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参考書
図書館蔵書検索
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参考文献は講義中適宜紹介する。全般にわたるものとして、『清朝とは何か』(別冊・環⑯, 藤原書店, 2009)・『紫禁城の栄光』(岡田英弘・神田信夫・松村潤著, 講談社学術文庫, 2006)、および杉山清彦『大清帝国の形成と八旗制』(名古屋大学出版会, 2015)を参照。 |
学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について |
受講生の専門によっては、日本中世史・近世史、イスラーム史・ヨーロッパ近世史などとの比較史に重点をおくなど考慮して設計する。 |
関連リンク |
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実務経験がある教員による授業科目 |
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アクティブラーニング型の授業科目 |
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