駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  824421 / 西洋史学特講Ⅵ【講義】
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  月曜日 4時限
 単位数  4
 付記  
 主担当教員氏名(カナ)  薮本 将典(ヤブモト マサノリ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  「ゲルマン法」・「ローマ法」・「教会法」という、ヨーロッパ法の3要素がはじめて学問的に整理され、徐々に研究成果の蓄積・洗練を見たのが、いわゆる「中世」という時代であった。
 そこで本講では、中世における学問としての「法学 jurisprudentia」(特に中世ローマ法学)の隆盛を中心的視座に据え、ヨーロッパ中世法史のダイナミズムを概観する。
 到達目標(ねらい)  「社会あるところ、法あり ubi societas, ibi ius」という法格言に端的に示されるように、社会規範たる法の歴史的変遷をたどることで、政治・文化史の一翼を担う、法文化史の素養を習得すること。
 授業スケジュール
◇はじめに:ヨーロッパ法史におけるローマ法の意義(1回)
◇前史:帝国の残照~後期古代におけるローマ法の伝播と残滓~(2回)
◇ゲルマン法再考~「中世」のはじまり~(3回)
◇都市と農村~社会・経済的枠組み~(3回)
◇12世紀ルネサンスとスコラ学~大学における「学問 scientia」の誕生~(3回)
◇ローマ法の再発見と「註釈学派 glossatores」の興隆~「法学 jurisprudentia」の誕生~(4回)
◇教会法学の確立:「教令集学派 decretist」と「教皇令集学派 decratalist」~倫理と法~(3回)
◇オルレアン学派の勃興~「固有法 ius proprium」たる「慣習法 consuetudo」の法源性~(3回)
◇「註解学派 commentatores」隆盛~「書かれた理性 ratio scripta」たるローマ法の確立~(4回)
◇人文主義法学の衝撃~「イタリア学風 mos italicus」と「フランス学風 mos gallicus」(3回)
◇補足と総括(1回)
 履修上の留意点等  ・受講者の理解度に応じて講義の進度や内容を調整し、適宜文献講読(主に英語・仏語)も行う。
 ・講義資料は教員が随時配布する。
 ・その他、講義の詳細については、開講時に受講者と相談のうえ決定する。
 成績評価の方法
試験
レポート
小テスト
100 % 平常点





 教科書/テキスト
◇P.スタイン 『ローマ法とヨーロッパ』 屋敷二郎 監訳、ミネルヴァ書房、2003年。
◇ H. Dondorp and E.J.H. Schrage, The Sources of Medieval Learned Law, in J.W. Cairns and P. du       Plessis (ed.), The Creation of the Ius Commune, from Causus to Regula, Edinburgh University Press, 2010.
◇ J. Gordley, Ius Quaerens Intellectum:The Method of the Medieval Civilians, in Ibid.
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
◇碧海純一/伊藤正巳/村上淳一 編 『法学史』 東京大学出版会、1976年。
◇勝田有恒/森征一/山内進 編著 『概説 西洋法制史』 ミネルヴァ書房、2004年。
◇勝田有恒/山内進 編著 『近世・近代ヨーロッパの法学者たち―グラーティアヌスからカール・シュミットまで』 ミネルヴァ書房、2008年。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 大学院科目のため該当せず。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目