駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  143701 / 計量経済学
 開講年度・期  2015年 通年  開講曜日・時限  月曜日 4時限
 単位数  4
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  江良 亮(エラ アキラ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要  私立文系で数学が苦手な人向けに、回帰分析を中心としたデータ分析手法を解説します。基本的な数学から復習して進めていきますので、「数学は苦手だが、定量的な分析に関心がある」という人は是非とも受講してみて下さい。以前では、統計学や計量経済学といえば極一部の専門家のみが学ぶ分野であったともいえますが、現在では状況は大きく変わりました。かつてであれば何億円もしたスーパーコンピュータを遥かに超える計算処理が可能なPCが、今では10万円以下で購入可能な時代ですし、統計学や計量経済学専用のソフトウェアも普及しています。このため、実は極めて身近な技能ともいえますし、定量的な分析を習得しておくことは皆さんの卒業後のキャリア形成においても必ず役に立つはずです。高校時代に数学が苦手だった人でも、基本的なデータ分析は修得可能なのです。
 到達目標(ねらい)  第一段階として、回帰分析を用いた実証分析事例を理解できるようになることを目標とします。そして次に自らMicrosoft EXCELを使って回帰分析が出来ることが単位修得に最低限必要な到達目標です。さらにパネルデータの基礎や因果性の検証について概ね理解し、専門パッケージが利用できれば高い評価となります。
 授業スケジュール
第 1 回 はじめに
定量的分析の重要性について解説し、データ分析によって何ができるようになるか解
説します。
第 2 回 基本的な数学の復習
Σの計算方法について学びます。
第 3 回 算術平均と幾何平均
小中で学んだ算術平均に加え幾何平均について学び、「年平均成長率」を EXCEL を使った計算方法を理解します。
第 4 回 分散
データのばらつきの指標である分散について、演習形式で計算しながら理解していきます。
第 5 回 相関
相関という概念について図を用いて理解し、EXCEL を使った計算方法を学びます。
第 6 回 相関と因果
相関関係と因果関係の違いについて学び、相関関係だけでは因果関係を導けないことについて解説します。
第 7 回 単回帰分析(1)
単回帰分析について直感的に理解し、推定結果の解釈の仕方について学びます。
第 8 回 単回帰分析(2)
単回帰分析について EXCEL を通じて学びます。
第 9 回 重回帰分析(1)
単回帰分析について直感的に理解し、推定結果の解釈の仕方について学びます。
第 10 回 重回帰分析(2)
重回帰分析について EXCEL を通じて学びます。
第 11 回 単回帰分析(3)
単回帰分析について、最小自乗法(OLS)による数学的背景について学びます。
第 12 回 重回帰分析(3)
重回帰分析について、最小自乗法(OLS)による数学的背景について学びます。
第 13 回 最小自乗法(OLS)の前提条件
最小自乗法(OLS)は簡便ですが、いくつかの前提条件の下で有効となります。その前提条件を学び、それが満たされない場合の対処法について解説します。
第 14 回 ダミー変数
性別、購入の有無、資格の有無、季節など質的な変数の扱い方について学びます。
第 15 回 これまでの総復習
第 16 回 統計パッケージRの使い方(1)
フリーウェアである統計パッケージRの使用法の基礎を学びます。
第 17 回 統計パッケージRの使い方(2)
統計パッケージRを用いた回帰分析の仕方について学びます。
第 18 回 経済データの入手法
データの入手法について解説します。
第 19 回 系列相関(1)
系列相関とは何かを学び、その問題点と解決法を DW 検定を通じて学びます。
第 20 回 系列相関(2)
コクラン・オーカット法を学びます。
第 21 回 パネルデータ(1)
パネルデータとは何かを解説します。
第 22 回 パネルデータ(2)
2 期間データで差分を取った回帰分析を演習し、その意義について学びます。
第 23 回 パネルデータ(3)
固定効果モデル・変量効果モデル・ハウスマン検定について直感的に学びます。
第 24 回 パネルデータ(4)
専門の計量経済パッケージを用いた演習を行います。
第 25 回 実験デザイン(1)
対照実験が何故に必要となるかについて学びます。
第 26 回 実験デザイン(2)
準実験的手法について簡潔に学びます。
第 27 回 操作変数
操作変数について学びます。
第 28 回 包絡線分析(1)
包絡線分析(DEA)について学びます。
第 29 回 包絡線分析(2)
プロスポーツチームのデータを使い無料パッケージ DEAP を用いて包絡線分析(DEA)の演習を行います。
第 30 回 ​包絡線分析(3)
無料パッケージを用いて Malmquist 指数を学びます。
 準備学習  基本的に一切ありません。統計学以前の基本的な数学から復習していきます。高校時代に数学が苦手であった人こそ、この機会にデータ分析能力を身につけてください。やる気さえあれば、基本的なデータ分析は誰でも習得することが出来ますし、卒業後のキャリア形成上でも有用です。
 履修上の留意点
 成績評価の方法
40 % 試験
30 % レポート
小テスト
30 % 平常点





 教科書/テキスト 白砂堤津耶『例題で学ぶ初歩からの計量経済学』日本評論社
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
・秋山裕『R による計量経済学』オーム社
・ヨシュア・アングリスト、 ヨーン・シュテファン・ピスケ『「ほとんど無害」な計量経済学―応用経済学のための実証分析ガイド』エヌティティ出版
・松浦寿幸『Stataによるデータ分析入門』東京図書
 その他
 関連リンク