駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  218501 / 法学・憲法
 開講年度・期  2016年 通年  開講曜日・時限  木曜日 2時限
 単位数  4
 付記  ◎予・〔法と権利〕
 主担当教員氏名(カナ)  天野 聖悦(アマノ セイエツ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 法学の基礎理論および憲法の重要事項に関する講義。
 到達目標(ねらい) ・法学の基礎理論および憲法の重要事項を理解してもらう。
・法学を含む社会科学においては「ことばの定義」が重要である。この定義に基づいて論理的に結論を導き出す思考力をみにつけてもらう。
・社会において、有権者として必要な、あるいは、雑学として役立つ知識をみにつけてもらう。
・法学のほか社会科学の世界には、唯一絶対の解答など存在しないことを理解してもらう。教科書に書いてあることが唯一の正解だと考えない。他者と見解が異なることを恐れない。
・自身と反対の意見を聞く態度をみにつけてもらう。
 授業スケジュール
第 1 回 【法学】存在の法則と当為の法則:自然科学と社会科学に違い;問題と解答が一対一で結びつかない世界;人は法的にいつから「人」なのか:
第 2 回 【法学】法の本質に関する学説1:「なぜ、法を守らねばならないのか」という命題に関する様々な学説;神意説;正義説;命令説:
第 3 回 【法学】法の本質に関する学説2:実力説;社会契約説:
第 4 回 【法学】法の淵源1:法の存在形式による分類;成文法;憲法;法律;命令;条例;条約:
第 5 回 【法学】法の淵源2:不文法;慣習法;判例法;条理:
第 6 回 【法学】法の分類1:国内法と国際法;普通法と特別法:
第 7 回 【法学】法の分類2:強行法と任意法;固有法と継受法:
第 8 回 【法学】法の分類3:公法と私法;実体法と手続法:
第 9 回 【法学】法の効力1:時に関する効力;法律不遡及の原則;既得権不可侵の原則:
第 10 回 【法学】法の効力2:人・所に関する効力:
第 11 回 【法学】法の解釈および適用1:有権解釈と学理解釈;素人大臣と専門家学者の見解の違い:
第 12 回 【法学】法の解釈および適用2:解釈の方法;文理解釈と論理解釈;「このはしわたるべからず」;類推:
第 13 回 【法学】法の解釈および適用3:解釈の指針;立法者意思と法律意思;憲法に関する憲法制定者の意思とこんにちの学説の違い:
第 14 回 【法学】法の解釈および適用4:法の適用;行政と裁判:憲法の解釈の特殊性:
第 15 回 ここまでの理解度の確認と講義の不足分を補う。
第 16 回 【憲法】憲法の意味:憲法に求めれらる要素の変化:憲法に書いてあることが歴史的事実とは限らない;
第 17 回 【憲法】主権:ローマ教皇と国王(カノッサの屈辱、教皇のアヴィニオン捕囚);いわゆる領土問題:
第 18 回 【憲法】権力分立:日本国憲法は「三権分立」ではないかもしれない;イギリスは最近まで権力は分立していなかった:天皇;天皇の役割の変化;天皇の憲法上の仕事と日常の仕事:
第 19 回 【憲法】戦争の放棄:国家の本質(社会契約);戦争が違法化された経緯;自衛権;非常事態に対する憲法の欠陥;国際社会における警察活動:
第 20 回 【憲法】国民の権利および義務:人権とプロテスタント;憲法上の権利は「権利」とは限らない;法律上の権利;法の反射的利益:
第 21 回 【憲法】平等の原則:平均的正義と配分的正義;6個の同じ大きさのケーキを三兄弟で、「平等」に分けるには;憲法上の様々な平等に関する規定:
第 22 回 【憲法】制度的保障:各国の国家と宗教の関係;夫婦別氏:第三者効力;憲法は国民同士には適用されない:
第 23 回 【憲法】国会:国権の最高機関;国会と内閣、国会と裁判所の関係(権力分立の復習):
第 24 回 【憲法】国会:唯一の立法機関;受信料制度の問題点:
第 25 回 【憲法】国会:二院制;英国、米国、大日本帝国憲法、現行憲法での二院制の存在意義;国会議員:
第 26 回 【憲法】内閣:行政の意味:
第 27 回 【憲法】裁判所:組織;司法権の意味;司法権の独立(大津事件):
第 28 回 【憲法】裁判所:国民の司法への参加;裁判員制度、検察審査会によるいわゆる強制起訴の問題:
第 29 回 【憲法】地方自治:地方特別法;国と地方の関係;代執行:
第 30 回 ここまでの理解度の確認と講義の不足分を補う。
 準備学習 時事問題を扱うことがあるので、ニュース・新聞等に注目しておくこと。
 履修上の留意点等 教科書に従って講義するが、教科書に記載のない事項についてのみ板書するので、講義を聴きながら、メモを取ったり、教科書にラインを引いたりする技術もみにつけてもらいたい。
 成績評価の方法
100 % 試験
レポート
小テスト
平常点




原則として学年末試験による。小テストを実施した場合は加点する。法学検定等の各種資格試験合格者(履修時、既に合格している者を除く)およびレポート提出者(任意提出)には別途加点するが、それだけで単位を保障するものではない。
 教科書/テキスト 天野聖悦『法学と憲法の教科書』(八千代出版)
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
適宜紹介する。憲法は、国家の歴史から離れて理解することはできず、そして、国家の歴史は宗教とも密接な関係がある。こんにちの国際的状況を理解するのにも有益なので、是非、旧約聖書・新約聖書・クルアーン(コーラン)を読んでもらいたい。また、ロックやルソーなど、いわゆる古典とされるものも、一度は通読してもらいたい。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 受講生が多いために一方的な講義になりがちであるから、受講生が積極的に学びたくなるような課題を工夫する(アクティブ・ラーニングの導入)。
 関連リンク https://www.komazawa-u.ac.jp/research/labo/law-research-institute/
http://gg87a.web.fc2.com/